ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第50話 ドラゴン娘と大人の階段

大人の階段を上ったラシアンナです。

 

 

何をしたかは言いません。言いませんからね。

皆さんが期待しているようなことではないかもしれませんし、そうかもしれませんし、とにかく言いません。

 

というか、思い出しただけで恥ずかしいんですよ。本当に。

 

その日もいつも通りだったんです。試験勉強です。

天文台の塔にあるあの小部屋で、ハリーと二人で勉強していました。

 

最初は真面目だったんですよ。私は呪文学の本を読んでいましたし、ハリーも課題をやっていました。

 

でも、気が付いたら結構遅い時間になっていて、外も暗くなっていたんです。

 

それで窓の外を見たら。月が綺麗だったんですよね。

なんというか。

 

すごく。びっくりするくらい…………。

 

静かで。

 

綺麗で。

 

そういう時ってありますよね。

 

それで私が外を見ていたら、ハリーもこっちを見ていたんですよ。

いや違います。月を見ていたのかもしれません。

 

多分きっと、そういうことにしておきましょう。

 

そのあとのハリーの言葉を…………あーあああああ。恥ずかしい。本当に恥ずかしいです。

 

意味が分かりません。

 

それに、昔のハリーと違って、ちょっと逞しくなってドキドキしちゃいました。

 

その頃のハリーなんて本当にか弱かったですからね。例えるならアリです。風が吹いたら飛んでいきそうな感じでした。

でも今は違います。ネズミくらいの力を感じます。すごく成長しましたね。

 

それにしても、守護霊ちゃんに見張らせておいてよかったです……………………。

 

 

 

 

あっ、そういえば、最近なんでもハリーに話しているのであんまり皆さんに話す内容がないんですけど、一つだけ。

 

最近こっそり花火の練習をしているんですよね。卒業式のためです!

 

もちろん秘密です。絶対に秘密です。特にお母さんとかマクゴナガル先生には。

 

あの人たちは卒業式でドラゴンが空を飛ぶこと自体はギリギリ許してくれるかもしれませんけど、その後に何か爆発した瞬間にぶち切れてきそうですからね。

 

そう、私はそろそろホグワーツを卒業するんですよ。

 

七年間。なんだかんだで色々ありました。

 

ハグリッドの家が新しくなったり。秘密の部屋を温水プールにしたり。アンブリッジ先生が突然気絶したり。振り返るとふしぎな思い出ばかりです。

 

特に前半は闇の帝王さん関連でいろいろあって大変でした。うっかり学校が壊れなくてよかったと思います。本当に。

 

でも、それだけじゃないんですよね。

 

友達もできました。

最初の頃の私は本当に人と話すのが苦手でした。というか、友達の作り方なんて知りませんでした。

 

ところが気が付けば、ハリーがいて、ダフネがいて、ハーマイオニーやロンもいて、スリザリンの同級生とか後輩も可愛がってきますし、いつの間にか話しかける相手がたくさんいるようになっていました。

 

不思議ですよね。昔の私に教えても信じないと思います。

 

だから卒業式くらいは何かやりたいなと思ったんです。

 

それで考えた結果が花火でした。ただし普通の花火ではありません。ドラゴン式です。

変身して空高く飛び上がって、ブレスを撃って、それを空中で爆発させるんです。

 

格好良いですよね。私もそう思います。

 

問題は普通の炎だと花火っぽくないことでした。

 

そこで相談したのがフレッドとジョージです。あの二人なら絶対何か知っていると思ったんですよ。

 

そしたら案の定でした。

なんと炎の色を変える薬を作ってくれたんです。赤、青、緑、金色、紫、他にも色々。

流石ですね。

 

絶対に授業では役に立たない才能を全力で伸ばしています。ということで最近は夜中にこっそり練習しています。威力を加減した小さめのブレスを撃てるようになりましたからね。

 

人のいない湖の端まで飛んでいって、少しだけ薬を混ぜてブレスを吐いてみるんです。すると色が広がるんですよ。綺麗なんですよね。本当に。

 

だから卒業式の日には盛大にやろうと思っています。

 

七年間お世話になったホグワーツに。友達になってくれたみんなに。昔の私では想像もできなかった今の生活に。そして、ハリーに。

 

最後くらいは綺麗な思い出を残したいですからね。

 

 

 

 

 

そういえば、最近ルーナっていう不思議な子と仲良くなりました。いや、不思議っていうのも変な話なんですけどね。私が言うのもあれですし。

 

ハグリッドの授業って人数が少ないので、ときどき一個下の学年と合同になるんですよ。それで一個下の生徒たちと一緒に授業を受けることになりまして、その中にルーナって子がいたんです。

 

最初に会ったときからなんというか変わった子でした。

 

話しかけてくるんですけど、その内容がだいたい不思議なんですよね。

 

「ドラゴンって夢を見るの?」「雲の味って場所によって違う?」「太陽の匂いって分かる?」とか。そんな感じです。

 

分からないです。私も。

 

でも話していると妙に面白いんですよね。

 

それに一個下のはずなんですけど、たまにすごくおいしそうな話をしてくれるんです。

なんでもお父さんが雑誌の編集者らしくて、変わった話とか珍しい生き物の記事を書いているのだとか。

 

それでドラゴンについても記事を書きたいみたいで、私も結構質問されました。

好きな食べ物とか。飛ぶときの気分とか。宝石を食べたら味が違うのかとか。

 

その辺は普通に答えたんですけど、途中から「ドラゴンは寂しい時に歌うの?」とか聞かれ始めたので、やっぱり不思議な子だと思います。

 

そして事件は先週起きました。

 

私は授業の合間に昼寝をしていたんです。窓から日差しも入っていましたし気持ち良かったんですよ。

 

すると突然、脇腹をくすぐられたんです。

 

びっくりして飛び起きました。本当に飛び起きました。

 

あと少しでドラゴンになりそうでした。

 

犯人はルーナでした。

 

なんでそんなことをしたのか聞いたら、ものすごく真面目な顔で言ったんです。「ホグワーツでは眠っているドラゴンをくすぐってはいけないって聞いたから卒業する前に一回やってみたかったの」と。

 

うん、眠っているドラゴンをくすぐるのはやめましょう。というか眠っている人をくすぐるのはやめましょう。

 

そしてさらに変なことに、その翌週。私の話がルーナのお父さんの雑誌に記事が載りました。

 

それもかなり大きくて記事の最後にはこんなことまで書いてありました。

『ホグワーツの標語は”眠っているドラゴンをくすぐるな”ではなく、”眠っているドラゴンをくすぐるべし”に変えるべきである』と。

 

私は抗議しました。

ルーナは楽しそうに笑っていました。

 

どうやら反省はしていないみたいです。でもまあ、不思議な子ですけど悪い子ではないんですよね。次に昼寝するときは少し警戒しようと思います。

 

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