ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第51話 ドラゴン娘の卒業

なんと私、魔法省に就職できるかもしれないらしいんですよ。これは偉大な功績でしょう。皆さんに褒めたたえる権利を差し上げます。

 

びっくりですよね。私もびっくりしました。

 

だって監督生にもならなかったんですよ?

 

そんな私が魔法省です。

 

世の中何が起きるか分かりません。

 

ただ、普通の役人になるわけじゃないみたいなんですよね。なんでもアズカバンを新しくする計画が進んでいるらしいんです。

 

例の闇の帝王騒動やら脱獄騒動やらで、今までの運用には問題があったということになったらしくて。それで新しい警備体制を考えているのだとか。

 

そこで出てきたのが私です。

 

校長先生が推薦したらしいんですけど、なんでも非常勤看守みたいな立場にならないかと言われました。

 

仕事内容は結構簡単です。たまに様子を見に行く。脱獄しそうなのがいたら捕まえる。暴れそうなのがいたら止める。あとは、島の周囲を飛んでパトロールとかをしていればいいのだとか。

 

むしろ、海の上ではドラゴンらしく暴れてOKといっていたので、これほどの適任はないと思います。

 

アズカバンはちょっと遠いですけど、週一とか月数回でいいみたいです。

 

うん、分かりやすいので、私向きかもしれません。

 

それにですねもう一つ大事な仕事があります。

 

あのディメンターです。

なんでも魔法省としても、あいつらに刑務所を任せるのはどうなんだという話になっているらしくて、新体制になったら不要になるのだとか。人間の看守になるらしいですね。

 

そしてどういう訳か、処分役として私が候補に挙がっています。

 

まあ、ディメンターがいなくなるなら良いことだと思います。ハリーも喜んでいましたし、しっかり燃やし尽くそうと思います。

 

 

そんな感じで将来の話も少しずつ決まってきています。

 

もっとも、すぐに働くわけではないんですけど。

 

なにしろ家がまだ完成していません。シリウスが張り切って建設中です。

 

ドラゴンが体当たりしても壊れない家だとか、ブレスでも燃えない家だとか、そういう話を聞いています。

 

どんな家になるんですかね。ちょっと楽しみです。

 

それまではハリーはシリウスの家に行くらしいです。まあ一応は後見人ですし、それが自然でしょう。

 

私は私で一旦実家へ帰ります。新しく生活するならいろいろ準備もしなきゃですしね。わくわくしてきました。

 

 

 

 

 

 

いよいよ卒業です。

 

長かったような。短かったような。そんな七年間でした。

 

大広間では寮杯の発表が行われていました。

 

先生たちは壇上にいて、生徒たちは席についていて、誰もが最後の時間を楽しんでいると思います。下級生たちは来年までの別れを、そして卒業する私の同級生たちはホグワーツに名残惜しさを感じていると思います。

 

でも私は途中でこっそり抜け出しました。だってずっと準備していたんですから。

 

フレッドとジョージに頼んで炎の色を変える薬を作ってもらって。誰にも見つからないように練習して。卒業の日にやろうと決めていたんです。

 

だから私はこっそり外へ出ました。

 

そしてドラゴンになって、誰もいない夜空へ飛び上がり、ホグワーツの塔を越えて、大広間の窓から見える空に舞い上がります。

 

風を切って上昇して、月がつかめるような、そんな夜空で羽ばたいて、うん、ここでよさそうです。

 

ということで、行きます。全力の花火用ブレスは実は初めてです。

 

おりゃーーー

 

夜空に放たれた極大の炎は途中で弾けて、金色の光になります。

 

さらに赤、青と色とりどりの炎が夜空に咲いていく。

 

ちょっとうるさいですけど綺麗でした。本当に。

 

ホグワーツの窓からも見えていたと思います。きっと皆驚いていたでしょう。

 

私は嬉しくなって次々にブレスを撃ちました。

 

七年間のお礼です。友達への。先生への。学校への。そんな気持ちでした。

 

ちょっと遠くのクィディッチ場近くで爆発したような気がしますけど気にしたら負けです。

 

さあ、もっと行きますよ!!

 

そして、その時でした。何かが近づいてくるのが見えたんです。

最初は鳥かと思いました。でも違いました。

 

箒です。

 

しかも乗っているのはハリーでした。

 

なんで?というか何やってるんですか?

 

でもハリーは必死にこっちへ飛んできます。そして何か叫んでいました。

でも聞こえません。

 

だって花火です。連続した大爆発ですよ。

 

聞こえるわけがありません。

 

私は何か大事なことなのかなと思って近づこうとしました。

 

すると突然、視界が真っ白になりました。

 

閃光魔法です。

 

私はやっぱり平衡感覚を失いました。上下が分からなくなって翼が空を掴めません。そして、混乱の中、花火を打ち出しながらそのまま落ちました。すごい勢いで。本当にすごい勢いで。

 

なんと天文台の塔の真上に。

 

はい、大惨事です。

 

結果から言うと塔が丸ごと壊れました。結構本格的に壊れました。

 

でもまだ終わりません。墜落の瞬間に暴発したブレスです。

 

それがですね。不幸にも温室に命中しました。当然大炎上。

 

夜空が赤く染まるくらいにものすごく燃えました。

 

それを人間に戻って瓦礫から這い出した私は、悲鳴と怒号を聞き、大混乱の光景を見ながら思いました。

 

やっぱりホグワーツはこうでないとって。これこそがホグワーツらしい最後だったのかもしれません。天文台の塔と多分温室はなくなりましたけど。

 

そして、最後に現れたのがお母さんでした。怒っていました。すごく。ものすごく。私はその後しばかれました。

 

後から聞いた話なんですけど、ハリーは私が暴れ出したと思ったみたいなんですよね。失礼ですよね。

 

私は卒業式を祝うために花火を上げていただけなんです。

多少派手だったかもしれませんけど。多少ですよ?本当に。

 

ところが大広間で寮杯の発表を聞いていたハリーからすると、私がこっそり抜け出した時点で嫌な予感しかしなかったらしいんです。

 

なんででしょうね。心外です。それで私の後を追いかけてきたのだとか。実際、後から聞いたら大広間を出ていくところを見られていたみたいなんですよ。

 

それでハリーは箒を持って飛び出してきたそうです。

 

そして夜空を見上げたら、巨大なドラゴンが色付きのブレスを何十発も撃ちながら飛び回っている。

 

うん。文章にすると確かに不安になりますね。

 

少しだけ理解しました。

 

それでハリーは、私がまた何かとんでもないことを始めたと思ったらしいです。

だから止めようとした。そういうことだったみたいです。

 

そしてその結果、私は見事に撃墜されました。もちろんそのまま天文台を破壊して植物園を燃やしたんですけど。

 

うーん。結果だけ見ると私が悪い気がしてきますね。

 

でもですね、もっと酷いことがあるんです。

 

なぜかハリーの評価が上がっていたんですよ。

 

 

意味が分かりません。

 

私は怒られてしばかれました。卒業するはずなのに、反省文まで書かされました。

なのにハリーは違いました。

そう、暴れ出したドラゴンを見事に止めて見せた英雄として評価されたんです。紛れもなく、ハリーがホグワーツ、そして魔法界の英雄となった瞬間だったとか。

なんだか納得いきません。

 

でもまあ、ハリーが嬉しそうだったので許してあげることにしました。少しだけですけどね。

 

 

それにしても、これでホグワーツ卒業だなんてなんだか締まらない気がします。でも、それでいいですよね。それが私と皆さんなんですから。

 





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