ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第7話 ドラゴン娘の悪臭退治

どうも、ドラゴン娘のラシアンナです!!

 

えー、みなさん、ハロウィンってご存知でしょうか。

 

まあ、そりゃご存知ですよね。なんかカボチャのあれです、顔がくり抜かれて光ってるやつ。あとお菓子をもらうとか仮装とか……すみません、正直私はあんまり詳しくないんです。よくわからないまま、気づけばホグワーツにもそのイベントが迫ってきています。

 

 

 

そう、そのハロウィン。

つまり、もう10月も終わろうとしているわけですよ。

 

で、皆さんきっとこう思ってますよね。

 

「どうせラシアンナ、まだ話し相手すらいないんでしょ?」って。

 

 

 

 

……残念でしたーーー!!!

 

それがですね、なんと、なんと――

 

スリザリン寮の女の子と、最近ちゃんと話しているんです!

 

その子の名前は ダフネちゃん。

 

これがまた、すごく話しかけてくれるんですよ。私からはまだあんまり上手く会話を広げられないんですけど、それでも続いているんです。これってもう友達認定していいやつですよね!?

 

「継続的に会話がある=友達」って理論、私の中では完全に正解です。

つまりダフネちゃんは――真の友達です!!!

 

 

どうやら彼女の一族にも、なにやら血にまつわる呪いがあるそうで。

 

私のドラゴン変身みたいに、家系に代々続くちょっと普通じゃないものを抱えているらしいんです。

 

そのあたりをきっかけに話が盛り上がるんですよね。私もドラゴンになる話ならいくらでもネタがあるので、けっこう盛り上がれます。

この間はユニコーンの美味しい食べ方について話してみました!!!やっぱり、みんな気になりますよねユニコーン。私もそんなには食べたことないですけど、普通の人はもっとレアだと聞いたことがあります。

 

この間なんて、寮の入口の合言葉を教えてくれたんですよ。

あれ、本当に助かりました。だって、もし知らないままだったら

扉が開かなくてまたフリペンド乱射事件が発生するところでしたからね……。

 

とはいえどうにも、大広間でのハロウィンパーティーというやつは私の性に合わなそうな気がしています。

スリザリンとグリフィンドールは最近もなにかとごたごたしていますし、大人数でワイワイする場所はそもそも得意じゃない。

 

……というか、最大の理由は別にあります。

 

そう、厨房で直接食べたほうが圧倒的に食べられるからです!!

みんなと一緒にお菓子をつまむのも悪くはないんですけど、私のお腹のキャパシティ的にあれじゃ全然足りません。

 

せっかく厨房の場所と入り方がわかったんですから、ハロウィンの日もこっそり行って豪華に食べたほうが絶対幸せ。

そんなわけでハロウィンパーティーを楽しむみんなを横目に、私はこっそり大広間を抜け出しました。

 

目指すはもちろん厨房! ほら、しもべ妖精さん直送の食事が待っているんですから。

誰にも見つからないように廊下を進んで、梨の絵の扉の方へ向かっていたその時

 

 

それは不意にやってきました。

 

 

鼻をつく、いや、鼻を突き破ってくるような、強烈な悪臭。

「うっ……!」と思わず立ち止まってしまうほど。

私の鼻って、普通の人よりずっと利くんですよ。ドラゴンの血のせいでしょうね。

だからこそ、これがどれほどキツイか、皆さん想像してみてください。

 

お腹が空いていて、「ああ、今から美味しいごはんだ!」っていうときに突然、下水のような生臭さがぶわっと漂ってくるんです。最悪のフレーバーです。胃袋が悲鳴を上げるやつです。

あまりの不快感に思わず顔をしかめました。

 

せっかく美味しい匂いを探しながらワクワクしていたのに、この仕打ち。

空腹時の嗅覚への攻撃は反則ですよ、ほんと。

 

もうね、頭にきました。

 

私はその瞬間、こう思ったんです。

 

「どこのどいつだ、私のごはんを邪魔するやつは!」と。

 

怒りでほほがピクリと動くのが自分でもわかるくらい。

そして脳裏に浮かんだのは、ただ一つ。

 

チャージブレス。

 

あの腹の底から力をこめて吐き出す、私の必殺の炎。

あれをお見舞いしてやろうじゃないですか。

もちろん、まだ人間形態のままなので即発射はしませんが……

このまま匂いの元が分かったら、一発ブレスをかましてやろう。

完全にそんな気分になっていました。

 

そうやって――そこから私のホグワーツ大探検が始まりました。

 

……といっても、実際は臭いのもとを辿る一本道なんですけどね。

 

それでも妙にワクワクしていたんです。「何が潜んでいるんだろう?」って。お腹はすいてるけど、こういうときってちょっとした冒険気分になれるんですよ。

でですよ。

 

皆さん、何がいたと思います? そこに。

 

現れたのは、けっこう大きめの、肌の露出が多いような格好をした、くっさいオッサンでした。

 

いや、ほんとに臭い。人間のはずなんですけど、なんか雰囲気が違う。

 

体格はでかいし、服は妙にボロボロだし、あれはもしかして人間じゃない別の種族なのかもしれない、と思いました。

魔法界って、マグルの世界よりも人間の見た目の幅が広いっぽいんですよね。

マグルってだいたい同じ顔と体型ばっかりじゃないですか。でもこっちはクソでかいおじさんとか、妙な角度の体型の人が普通にいます。

 

それに私みたいに変身するタイプもいるので、ぱっと見じゃ判断できません。

だからうっかり燃やして「実はただの人間でした!」ってなるのは嫌じゃないですか。大問題になりそう。

 

ということで、私は一応、声をかけてみることにしたんです。

たとえこん棒を持っていたとしても、持ち物だけで人を判断しちゃいけませんからね。

私だって、事情があってクソデカイ杖を抱えてますし。杖のサイズだけで人間性を判断されたくないですから。

 

……が。

皆さん、ここ大事ですよ。

 

いきなり、こん棒で頭を殴ってきたんです!

 

いや、私だから「ちょっと痛いな」で済みましたけど、普通の人間だったら確実に大ケガです。

威力で言うと、お母さんの尻尾しばきの2割くらい。あれって結構痛いんですよ!?

しかも、頭にべとっと何かつきました。ぬるっとしてる。なにこれ……。油? 毒? よくわかんないけど、とにかく気持ち悪い。

ここで、私の中の多分人間じゃない判定がほぼ確定しました。

頭のおかしいおじさんが、明確に私に危害を加えてきた。これはもう、ドラゴンに変身していい案件です。

だって考えてみてくださいよ。

相手は会話が通じる様子もないし、こん棒で殴ってきてるし、多分「殺そうとしてる」ってやつです。 正当防衛、完全成立。しかもホグワーツのルールでどうなるか知らないけど、これはさすがに無罪でしょ。

……はい、法解釈終了。OK! 無罪!

 

というわけで、私も堂々とドラゴンに変身しました。

 

すると、さっきまで威勢を張っていた相手が一気にビビりだしたんです。なので、突進して付き転がして、尻尾でぶっ叩いて毒を注入です。狭いんで結構大変でした。

この時点でもうあんまり動いてはなかったんですけど、臭いのって嫌じゃないですか。なのでそこからサクッと低火力チャージブレスで焼いたんですよ。

 

喉の奥で炎をゆっくり溜め、勢いを抑えて吐き出すタイプのあれです。 口から出した炎でオッサンを包んであげました。

 

火事にならないように炎の範囲と温度を細かく制御するのがコツです。

森で獲物を焼くときのよりはちょっと強めで、消し炭にするのに丁度いい火力。完璧です。

ブレスで包んであげるとオッサンは「グオォッ」と声を上げて一瞬のたうち回り、やがて動きを止めました。そして、直ぐに原型が分からなくなりました。

もちろん、このおじさん、いや燃えカスは食べません。人間の死体を焼いて証拠隠滅ドラゴンになってたわけです。私賢い。

 

そして、そうです。くうーーー。

 

証拠隠滅……じゃなくて、安全確認をしようかなと思った、そのとき。

横と後ろから、突然声がしました。

 

「ドラゴンだ……!」みたいな感じだったと思います。

 

びっくりして振り返った私は、反射的に人間の姿へ戻ってしまいました。

 

そこに立っていたのは――ハリー、ロン、そしてハーマイオニー!

……勘弁してくださいませんかね!?

よりによってこのタイミングで知ってる人に見られるなんて。

 

私は慌てまくって、普段では考えられないくらいの早口と語彙で必死に説明しました。いや、まあ数語しか喋ってないけど通常比ですよ!

「殴られたから殺しただけ! ほんとだよ!」と。

ドラゴンになれることはみんな知っているはずなんですけど、この状況だけ見たら校舎を壊しながら暴れている危険殺人ドラゴンにしか見えませんからね。そりゃ焦ります。

 

でも、意外なことに

三人の顔には恐怖というより、納得と安堵が浮かびました。

 

あの変なおっさんみたいなやつ、実はトロールだったそうです。

ロンが教えてくれました。「あれは危険な魔法生物で、退治して正解だった」とのこと。

……よかった。うっかり人間を殺したんじゃなくて。ほっと胸をなでおろしました。

 

聞いてる限り、トロールは自由に殺してもOKみたいです。良かったです。皆さんもトロールを見つけたら即殺しましょう。多分城に出るタイプのゴキブリみたいなポジションだと思います。うちは清潔なのででませんが。

 

で、なぜこの三人がここにいたのかというとですね。

 

あとで火を消しながら聞いたんですけど、「トロールが出た」っていうのを、ハーマイオニーに知らせに来たところだったそうです。

ハーマイオニーにだって知らないことがあるんだなと、ちょっと意外でした。

 

その後、私がトロールに殴られたところをハーマイオニーが見てくれました。

あのこん棒、どうやら変な液体が塗られていたらしく、少し髪の毛に付いてしまったんです。

 

私、これでも髪は大事にしているのに……! 許せない!

それなのにハリーとロンは的外れな慰めをしてきて、ちょっとムッとしてしまいました。

(なぜか頭を撫でられましたが……うーん、複雑な気持ちです。)

 

そしてしばらくしてから、マクゴナガル先生とか校長先生とかと何人かが到着。

 

いつもは減点される側の私ですが、なんと今回は加点!

 

「危険な生物から仲間を守った勇気」を評価されたらしく、点をもらいました。お手伝いしたときにもらえるあれみたいな感じです。

 

スリザリン寮に戻ると先輩たちにも褒められて、ちょっと照れくさいけど嬉しかったです。

いやー、この調子で次にもしまたトロールが出ても、今度はもっと冷静に対処できそうな気がします。

 

……まあ、火の使いすぎには気をつけますけどね。

 

それじゃあ、今日はここまで!

 

次のホグワーツ冒険譚でまた会いましょう、皆さん!!

 





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