ドラゴン娘とハリー・ポッター 作:ゴールドルナ
皆さんどうも、こんにちは。ラシアンナです。
トロール事件から少し時間がたって、あの大騒ぎがだんだん遠い出来事になりつつある今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はといえば、あれからだんだん気が抜けてきて、ついだらだら過ごしてしまっています。ああいうののあとは一気に気持ちが緩むんですよね。いつもじゃないかって、いや御冗談を。
そして最近は、急に寒くなってきました。
ホグワーツの城も石造りだからか冷えるんですよ。うちは家系的に寒がりで、実家では冬になるとあちこちで小さな焚き火をして暖をとっていたんですけど、ここではそういう自由はきかないらしいんですよね。冬本番が近づくたびに、ちょっと心配になってきています。
そこで、せっかくだから魔法で暖をとろうと図書館でいくつか呪文を調べてみました。ところが、これがなかなかうまくいかない。定番のインセンディオで炎を出したり、インフラマーレイって呪文で火をつけたりするのが一番手っ取り早いんですけど、うっかり火加減を間違えて、少しだけ天井を焦がしてしまったことがありまして……
それ以来、慎重になっています。あのときは本当に焦りました。あわてて呪文をやめたんですけど、あれって案外コツが要るんですよね。
実家では、雪の上にブレスを吹き込んで一瞬で広い場所をぽかぽかにして遊んでいたので、それができないのはちょっと残念です。あれ、簡単だし安全だし、何より気持ちいいんですよ。
ホグワーツに来たらもっと便利な“暖かさの魔法”があると思っていたんですが、意外と火力の制御って難しいんですね。
それから、これは実家の本棚で見て知っているんですが、「悪霊の火」という魔法もあります。
これは炎が生きているかのように動いてくれるので、とても便利そうなんですよ。
皆さんも一度は考えたことがあると思うんですが、暖炉そのものが動いてくれたら便利じゃないですか? 悪霊の火ってまさにそれを実現してくれるんです。ただし、とても危険らしくて、暴走すると関係ないものまで燃やしてしまうのだとか。
お母さんいわく「お城ごと燃やしたいときには重宝する」そうです。……いや、チャージブレスみたいな感じですかね?怖いので今はやめときます。
もちろん、寒さ対策は炎だけじゃないですよね。運動も有効なはずです。
でも正直言って、人間の姿ではあまりやりたくありません。耐久力こそあるものの、運動性能はそれほど高くないですからね。しかもホグワーツって運動部がほとんどなくて、唯一ちゃんとしたスポーツといえばクィディッチくらい。
……で、ここが運の悪いところなんですが、クィディッチは箒に乗ってやるんですよ。そう、私にとってはこれが最大の難関です。ドラゴンのときの体感と全然違うんですよね。なぜ股で体重を支えるのか、理屈がまったくわからないんです。あの独特のバランス感覚、どうしても苦手です。
もしドラゴンのまま参加できるなら、かなり活躍できると思うんですけどね。飛行スピードも耐久力も箒なんかよりずっと上ですし。けれどさすがにそんなルールはありません。ドラゴンが試合に出たら、きっとゲームバランスが崩壊します。その前に、競技場が崩壊しそうですが。
ちなみに、クィディッチは意外と安全を重視したスポーツだそうです。狩りとかと違って獲物は反撃しません。とはいえスポーツですから、多少の危険はつきもの。逃げ回るだけの「スニッチ」ってボールもいれば、選手を狙ってぶつかってくる「ブラッジャー」という危険なボールもあります。
もし私が出場するとしたら、この耐久力を生かしてブラッジャーを物ともしないタンク役になれるかもしれませんね。
……まあ、出ないですけど。
そうそう、ハリーは例のトロール事件のあとに新しい箒をどこかから手に入れて、クィディッチ部に入ったそうです。
やっぱり君もそっち側なんだね、ハリー。
私は完全にインドア側に回り込んでいます。
クィディッチは寮対抗戦なので、校内ではかなり盛り上がっています。
残念ながら私は寒さに負けて布団にくるまって観戦をサボってしまいました。こういうところがダメなんでしょうね。
皆さんも同じ道をたどらないように気をつけてください。布団に根を張ったら終わりです。
ちなみに試合は、どうやらハリーが大活躍して、結果的にスリザリンが負けたらしいです。
いやはや、さすが物語の中心人物とでも言うべきか、初試合から話題をかっさらっていきましたね。
それにしても、ハリーはまたしてもやばい状況に巻き込まれたようで……どこかこの間のネビルっぽいというか、完全にトラブル体質というか。ああいう子って何もしなくても事件の渦に引き込まれるんでしょうか。観客席は大騒ぎだったと聞きましたし、先生たちもかなり慌てて飛び出してきたとか。
その一方で、私はというと、暖かい寮のベッドに潜り込んでぬくぬくしながら「行かなくてよかったなあ」と思っていました。
だって、もし私が例の“よくわからないけど試してみたい呪文”をうっかり発動させていたら、運動場の半分くらい吹き飛ばしていたかもしれないじゃないですか。
想像するだけで冷や汗が出ます。私がうっかり火力を間違えて試合会場を更地にしたりしたら、スリザリンもグリフィンドールもひとたまりもないですし、きっと校長室に呼び出されて長々と説教を食らう未来しか見えません。
やっぱり、そういう大ごとになりかねない状況は先生たちに任せるのが一番安全ですね。私は観客席の代わりに布団の上から精神的に応援しておくくらいで十分です。のちのち「あのとき現場にいなくて助かった」と胸をなでおろす未来が、すでに見えています。
そういえば最近、ハーマイオニーから「ニコラス・フラメルって知ってる?」と聞かれました。これ、友達ポイント+1案件ですよね!? ハーマイオニーに質問されるなんて初めてで、かなり驚きました。しかもこういう知識系の話題で。
実は、私ニコラス・フラメルを知っているんです。
確か悪霊の火について書かれていた本に名前が出てきていました。彼は悪霊の火を消したことがあるとかなんとか、わりと地味な偉業を成し遂げた人です。
もしかしたらハーマイオニーが探しているフラメルと同一人物じゃないかもしれませんが、彼女が知らないくらいなので、かなりマイナーな人物なのは間違いないでしょう。
そのあと、ついでに悪霊の火について軽く説明してあげたんですが、あれって意外と危険な呪文なので図書館の一般書架では調べられないみたいです。
なので「うちにある本をクリスマス休暇に持ってこようか?」と提案したら、すごく喜んでくれました。なんだかんだで、これで少し仲良くなれたかもしれません。
……というわけで、最近の私は寒さと戦いつつ、魔法の勉強をしたり、友達作りに奮闘したりしています。ホグワーツの生活はまだまだ始まったばかりですが、こうやって小さな一歩を積み重ねるのも悪くないですよね。
あっ、お気に入り登録って知ってます?そういうのするところから、皆さんのイマジナリーお友達ロードは始まるんですよ!!