神崎一護
神のミスでネギまの世界に転生した俺は森の中で目を覚ました。特典としてブリーチの黒崎一護の能力と霊力、一護が得た衣装型の王建、最後に鬼道の才能をもらったのだが、戸籍等がなく途方にくれていた時に魔法学校を中退したナギ・スプリングフィールドに出会い共に旅に出た。その時、若返っていることに気がついた。
ナギとの旅は悪戦苦闘の旅だった。ナギと意見が合わずにケンカになりもしたし、能力は得たが最初は死神代行になりたての黒崎一護と同等の力しか出せず、鬼道に至っては霊力が高すぎて術を暴走させてしまうほどだった。その上に師となる人物もおらず、霊力のコントロールも手探り状態で頑張った。そのために、鬼道に関してはほとんど手付かずになっているが、斬魄刀は始解に至っている。
本当に様々なことがあった。麻帆良での武道大会の事、決勝戦でのナギと近衛詠春の戦い、アルビオン・イマとの出会い、魔法世界に渡った事、魔法世界で出会ったゼクトと転生者であるマリサ、そして、原作通りに大戦が起こった。
俺達は原作通りにナギをリーダーとして『
俺達が参加する戦いは連戦連勝で飾っている。今だ卍解は出来ないが、それでも、最強クラスの力を有している『
俺は英雄になる道を進んでいることを実感していた。そして、出来ればナギに創造主が憑依しないようにしたいし、メガロメセンブリアの力を削ぎ、アリカ王女が『厄災の魔女』と呼ばれないようにしたいとも思うがあまり原作から離れないようにしたいので無理かもしれない。
そんな事を考えている時に、原作でも有名なヘラス帝国によるウェスペルタティア王国に対する侵攻作戦が開始された。そして、その防衛戦に『黄昏の姫御子』を使用すると聞いたナギは憤慨して急行した。
俺はアスナに会うことを楽しみにウェスペルタティア王国の防衛線に向かうと原作にはない光景が広がっていた。黄金の光を放つ翼ある蛇がヘラス帝国軍を徹底的に蹂躙していた。そして、その周りを凄まじい風が覆っていた。
俺はマリサに念話でありえない状況に対する相談をしたが、今の状況では判断しかねるので保留する事にした時に突然、塔からとんでもない力を感じた。
戸惑った俺達と違いナギはいち早く塔に向かい、『千の雷』を放ったが、雷が降り注ぐ瞬間にかき消されてしまった。
これはいよいよおかしいと思いながらも塔の頂上に着くと屋根や壁が吹き飛ばされており、見覚えのない肉の塊と一人の少年が立っていた。
肉塊がなんなのかわからないが、少年が転生者だと思った。こいつのせいでこの状況になったのだと理解したが、この時の俺はそれほどの驚異と取らなかった。
この時の俺は油断していたのだろう。相手の外見と今までの戦いから
注意すべきだったのだ。ヘラス帝国軍を蹂躙しているのは紛れもなく目の前の少年だという事、外見など簡単に変えることが出来るという事を考慮して行動すべきだった。
相手は二度目の転生をした
神樂神凪
さて、困った事になりました。目の前に現れた男女のパーティー見て戦闘になることは必死です。元々紅き翼は間違いなくこの世界屈指ののパーティーでしょう。その上、転生者も混ざっているようです。もっとも、私の記憶が確かならの話になるのですが、紅き翼は不良にムッツリ剣士、変態とショッタジジ、肉だるまに渋いオッサンと子供が二人いただけだったと身も蓋もない覚え方なのですが、記憶しています。
そのカテゴリーから離れている魔法使い風のゴスロリを着た金髪の少女に包丁を連想させる刀を背負った黒装束の青年は明らかに紅き翼のメンバーではなかったはずです。もっとも、カンピオーネではネギまを連想させる存在がいなかったのでほとんど覚えていないので自信はないのですが。
それでも、明らかに黒装束の青年は違うでしょう。ブリーチの黒崎一護を連想させる外見ですから。
間違いなく大戦時の最高戦力であろう存在を前に考える事はいかにしてここを切り抜けるかということです。私個人は逃げようと思えばいくらでも方法がありますが、内蔵関係を痛めているアスナのことを考えれば取ることができません。かといって彼女を連れて激しい戦闘など逃げる以上に取ることは出来ないので八方塞がりとなっています。強さの基準がわからない世界でこの六人を圧倒することが出来るとは考えられないからです。
そんな事を考えているとさっきまで震えていた一人が急に強気になり話しかけてきました。
「紅き翼か!フハハハハハハハハハハ!形勢逆転だな!早くそやつを捕まえろ!姫御子を攫おうとしている不埒ものだ!」
強い味方が来たとたん強気に出るのは紛れもなく虎の威を借る狐ですね。さて、本当にどうしましょうか。アスナをここに置いていけば、再び同じような目に合わすことが目に見えています。私にとってその選択は取ることができません。強行突破しますかと考えた瞬間にエエカトルの力で操っていた風に高速で近づいて来る仲間達を捉えます。時間を稼げば、頭数が増えて何とかなりそうです。
男の言葉に戦闘態勢をとっていた紅き翼に話しかけます。
「この少女は酷使され続けた為に体中がボロボロです。そのために、きちんと体を治さないと大変なことになります。通してもらえませんか」
望みが薄い言葉ですがこれで通してもらえばよし、通してもらえなければ倒す必要が出てくるでしょう。
「そいつの言葉を聞くな!早く捕まえろ!」
「黙ってろ!ジジイ!そいつと話しているんだ!」
「ワシに対してなんたる無礼後でどうなるかわかっておるのか!」
「俺を何だと思ってるんだ!俺はサウザンドマスター!ナギ・スプリングフィールドだぜ!そんな脅しが効くか!」
私としては都合がいい時間稼ぎになるのですが、権力の恐ろしさを全く理解していませんね。こういうやからによって潰された英雄はたくさんいます。そのことを知らないんでしょうか?それとも、思考にそんな可能性も思いつかないのでしょうか?何となく後者のような気がします。
そんな事を考えていると黒装束の青年が話しかけてきます。
「オイ、お前はここに別世界から転移してきたのか?」
どうやら彼はそういう設定で自身の事を仲間たちの話しているようです。
「ついさっき、上から落ちてきたばかりです」
「だったら、この世界について話してやる。姫御子を離してこっちに来い」
どこをどう見たら私がアスナを掴んでいるいるように見えるんですかね。今は彼女が私のマントをがっしりと掴んでいるのですがね。まぁ、そうでないとしても私はこの国と敵対したとしても彼女を守る事を誓いました。そのような選択は私にはありません。
「却下します。私はこの少女を「アスナ」ちょっと、待って「アスナ」だか「アスナ」分かりました、アスナ」
「うん」
どうやら、アスナは私が名前で呼ばないことが気に入らないようです。気に入られてしまいました。どうしましょうか。
「断るっていうのか?」
「彼女の治療をする必要があります。渡すワケにはいきません」
「それならこの国で治療すれば良いじゃろう」
そのような事を見た目少年の男が話しかけてきました。この国の対応を見ていると望みはないでしょう。
「先ほど、こいつらの一人がアスナのことを兵器だといい治療しなくてもいいと言っていましたよ。そこから考えるとこの国にとどまると確実に私を戦争に参加させようとするでしょう。私にはその気はありませんし、アスナの治療をするのにこの国にいる事は邪魔にしかなりません」
「どうしてもか?その子はこの国にとって重要な存在なんじゃが?」
「はっきり言いって大義を掲げると人間は残酷になります。アスナは薬によって成長を阻害されて、人とのふれあいをさせずに人形のようにされています。確かにこの国を守るためなのでしょうが、幼子のこのような仕打ちをし続けていいのですか?」
「そう言われると辛いところですが、この国との軋轢を生み出す事になります。あなたはこの国を救いました。ですから、その事で姫御子の待遇改善を求めたらどうですか?」
フードで顔を隠した男がそう言ってきますが、私の勘が無理だと訴えかけてきます。
「聞くと思いますか?」
「難しいでしょうね」
「ならば、そのような事はしません」
「国を相手にするというのですか?」
「向かってくるというのなら潰します」
そんなやり取りをフードの男としているとナギと名乗った青年が話しかけてきます。
「オイ、お前。俺達の仲間にならないか!?」
なんの脈絡もなく話が飛ぶ男ですね。仲間にならないかと問われれば答えはNOでしょう。先ほどの魔法を見せてもらいましたが、基本が出来ていないので細かな調整が出来ないでしょうし、先ほどのあの場面で広域魔法を選択する理由が理解できません。周りの人間がどうなってもいいのでしょうか?まさか、派手だからという理由で使用したのではないかと疑ってしまいます。
草薙護堂も周りをよく破壊していましたが、誤射だけはしませんでした。それだけは、戦闘での数少ない美徳になっています。
この男はよく巻き込んでいそうですから。
「お断りします」
「なんでだ」
「あなたの仲間に入ると常に味方に対しての注意をしないといけなさそうですから」
「何だと!コラ!!」
「味方を巻き込んだことはありませんか?」
「俺の仲間達がそんなヘマをするか!」
「確かにあなたの仲間ならそんな事はないでしょう。ですが、一般の兵士はどうですか?とてもではないですが、回避できないように思うのですが」
そこでナギはハッという表情にかわりました。もしかして、全く考慮していなかったのですか、あなたは。広域に効果がある攻撃で最も注意する必要があるのはその範囲に仲間が入らないようにすることです。
そのために、戦争では味方を捨て駒しない限り、使用するのは初期の敵と味方が乱戦に入る前などの限られた状況になるはずです。特に彼のように制御できていないのなら尚更です。もっとも、例外である私の相手を指定する事が出来る迦楼羅焔、常に味方の位置を知る事ができ、尚且つ優れた制御力があるなどすればその限りではないのですが。目の前の男が有しているとは思えません。
「まさか、戦場で今使った魔法を多用していないでしょうね。味方がどこにいるかわからない戦場で」
段々とナギが挙動不審になってきました。これは確実に多用していますね。草薙護堂以上の考えなしのようです。
「ハァ~~~~。あなたは正直言って基本が出来ていません。どうして発動しているのかわからないぐらいに。そこから考えて才能はあるのでしょう。基礎を学べばよりあなたは強くなれるでしょう。ですので、基礎をしっかり学んでから出直してきなさい!今のあなたはサウザンドマスターなど名乗る程の存在ではありません!千個も魔法を覚えていないのでしょう!」
そう言い切るとナギは顔を真っ赤にして額に青筋が立っています。真実を言われて余程頭にきたのでしょう。気が短い男です。
「いちいちうるせんだよ!」
「落ち着くんじゃ、ナギ。忠告は的を射とる。これからしっかりと勉強して学べばよい。味方の誤射などしたくないのじゃろう。ワシが教えるから」
「クッ、すまねぇ、師匠」
「お主も言いすぎじゃ、こやつとて悪気があってやっとた訳ではない」
「ですが、巻き込まれた者達にとっては悪気があろうとなかろうと関係ありませんよ」
「なろほどのう。戦場を覆っておった風は逃がさぬ為のモノではなく、周りへの配慮からか」
そこで紅き翼のメンバーがハッとなります。
「だけどやりすぎなんじゃないか。逃げ道も完全に無くすなんて」
魔法使い風の少女がそう言ってきますが、私としてはケツァルコアトルのことを知らないから言えることだと切り捨てます。
エエカトルとケツァルコアトルとではケツァルコアトルの方が強いので外に漏らさないようにするのに余裕は無いのですから。
「余裕がないんですよ。エエカトルとケツァルコアトルではケツァルコアトルの方が強いんですよ。出口になる場所を作ればそこから世界を滅ぼした火の雨が漏れてしまいます」
「ケツァルコアトルのぅ。確か、アステカの神の一つだったと記憶しておるのが・・・・・・」
「意外に博識ですね、外見に似合わず。そして、鋭い」
「お主にもいえるじゃろう」
「確かに私の様な子供がいるはずないでしょうね。それで、私をこのまま通してもらえますか」
そう言うと紅き翼のメンバーは顔を見合わせます。迷っているようですね。ここら辺、紅き翼のメンバーは善人と言われる人間が入っているのでしょう。しばらくして、黒装束の男が
「あんたの事を俺達はよく知らない。そんな奴に重要人物である姫御子を渡すわけにいかねぇ」
「そうですね。確かに戦場での配慮からして善人なのでしょうが、姫御子を悪用しようとしていないとは限りませんから」
「そうだな。知らない奴に預ける事は出来ない」
「ワシは預けても良いと思うが、状況がそれを許さんしのぉ」
「姫御子はあなたに懐いている様ですが、すいませんが貴方の行動を許すわけにはいきません」
「という事だ。悪いが諦めてこちらに従ってもらうぞ!」
「ハァ~~。やはりこうなりましたか」
仲間はもう間もなく到着しますが、塔の最上階では狭いですね。戦場もケツァルコアトルが片付けているようですからそこに移るとしますか。
そんな事を考えながら懐より取り出したようにしてアイテム欄より赤龍を取り出します。赤龍はアラクネーの糸にオーラを込めて一週間過ごし、そこから更にオーラを込み、自身の髪をまぜて編み機で薄い布に編み、その布を自身の血にオーラを流し込みながら染め上げた布です。普通なら髪をまぜた布なので強度が下がりそうなものなのですが、オーラを流せば鋼よりも固くなり、伸縮性のある武具になりました。私が持つ事が前提ですが、ヘーパイストスが作った下手な武器より強度があります。
赤龍でアスナを優しく覆いました。すると構えていた剣士二人が私の左右から挟撃してきます。
「くらえ!」
「神鳴流奥義岩斬剣!」
私はアスナに衝撃を与えないようにする為に
「我に従うはまつろわぬ勇敢な魂。我が前にいでよ」
聖句を唱えてクー・フーリンとヘラクレスを顕現させます。黒装束の男の斬撃はヘラクレスが右手で持ったマルミアドワーズで受け止め、メガネをかけた剣士の斬撃はクー・フーリンがクルージーン・カサド・ヒャンで受け止めます。
紅き翼のメンバーが一瞬動きを止めたのでアスナを両手で抱え走り出します。その動きにフードの男が上空に飛び黒い球体を撃ち出してきます。こちらにアスナがいるというにこの様な暴挙を犯すとは何を考えてるんだか。アスナにダメージを与えるわけにはいきませ!全て打ち消します!
術式を読み重力魔法である事を読み解き、球体全てにディスペルで打ち消し、他のメンバーにエエカトルの風を圧縮して弾丸として撃ち出します。
それを魔法使い風の少女と年寄りの口調をした少年が防御魔法で受け止めようとしますが、防御魔法を貫いた瞬間に圧縮から解放すると風が荒れ狂い吹き飛ばします。
私は確認せずに突き進み、塔より飛び降ります。
ヘラクレスは硬直してしまった黒装束の男を空いた左手で殴り吹き飛ばして私よりも早く飛び降り私達の楯になってくれました。
クー・フーリンはメガネをかけた剣士を同じく硬直した瞬間に蹴り飛ばして馬つき戦車を呼び出して殿として飛び降りた私達の後ろについてくれました。
次の瞬間に雨あられの様に炎や水、雷などの様々な属性の魔法の射手が私達に撃ち出されてきます。本当に何考えているのかわかりませんが、アスナがいる状態でこの様な行動に出るとは。もしかして、こいつらアスナを抹殺する為に動いているんですか!?
その様子にクー・フーリンは獰猛に笑い剣より槍に変えて、ある時は槍を回転させ、ある時は打ち払って私達のに飛んで来る魔法の射手を打ち消していきます。
「マンマンテロテロ、来たれ雷精、風の精。雷を纏いて吹きすさべ南洋の風」
魔法の詠唱が聞こえてきました。強力な魔力の高まりを感じます。私は風に手を触れて『蛇遣いの運命』を使用して翼ある風の蛇を創り出した瞬間に
「雷の暴風」
雷を纏った竜巻が放たれました。アスナ諸共殺す気ですか、こいつら!逃げれるならこのまま逃げるつもりでしたが、気が変わりました。叩き潰します。
ですが、その前にこの竜巻を防がないと。そのために、風の蛇で我々全員を覆い隠します。次の瞬間に命中しまし轟音を立てましたが、風の蛇を貫く事が出来ず防ぎ切りました。そして、地面に足がついた瞬間に走り出しました。
前方をヘラクレスが後方をクー・フーリンが守護してくれました。もっとも、アスナがいるので全速力とは言えませんが。
「オイオイ、この速度じゃ追いつかれるぜ!スピード上げろ!」
「アスナは内臓を痛めているんです!これ以上の速度は出せません!」
「ならば、俺とクー・フーリンが迎撃しよう!」
「いいえ、別働隊がいるかもしれませんし、それに二人では抜けられてしまうかもしれません!」
そう、今は味方の分散をしたくありません。反撃するなら仲間が揃ってからです。
そんな事を考えていると上空に魔力の高まりを感じます。これは、あの広範囲魔法。術式に干渉しようとすると光を放つ天馬に乗ったディルムッドが現れてゲイ・ジャルグで落ちてきた雷を打ち消します。
更に呪符が放たれて炎が巻き上がりました。その炎に遮られて相手の速度が落ち、私はディルムッドが向かった地点に向かいます。
そこは広場になっており、町から離れている事を確認し、ここで戦う事を決めます。
ディルムッド、リリアナ、清明、玉藻がここに揃っているのを確認して紅き翼来るのを待ちます。
「ディルムッド、ご苦労様」
「いえ、出過ぎたマネをしました」
「リリアナ、問題ありませんでしたか」
「王よ、問題ありませんでした。王こそご無事な様で安心しました」
「清明、敵が来ます。その力当てにしてもいいですか?」
「もちろんです。この清明に任せてもらえば、神薙様に牙を抜く者など全て殲滅してご覧に入れましょう」
「玉藻、アスナを任せます」
「まぁ!ご主人様が新しい女を作った!しかも、もうすでに名前を呼び合う仲になっているなんて!なんてことでしょう!私という者があるのになんて事でしょう!!!!」
「アスナの事は後で話します。落ち着きなさい」
と言って玉藻の頭に拳骨を落とし落ち着かせます。
「ひ・ど・い!ご主人様!!これはもう嫁にもらっていただかないと!!!」
「敵が来ます。ここまでです」
「仕方ありません。後でゆっくりと聞きましょう」
そして、紅き翼がここに来ました。アスナを巻き込んだ事をしっかりと後悔してもらいましょうか
見ていただいてありがとうございます。