神樂神薙
庭付きの豪邸で緑茶を飲みながら玉藻から送られてきた資料を読んでいます。私は顔を上げて周りを見ます。後ろでは子供達が庭で走り回りながら遊んでいます。アスナはオーラを爆発的に高め錬を行っており、紅きドレスに身を包んだ金髪の女性が色々な資料を広げて唸っています。そんな様子を見ながら何でこんな事になったのかを思い浮かべました。
ウェスペルタティア王国から脱出した晩に清明の調査、玉藻の情報収集(謀略)、アスナの治療などの為に私は拠点を持つ必要があると感じた事から式神を飛ばし、近くにあった山間の廃村にたどり着いた私達はそこで孤児ららしき子供達を見つけました。
子供達は到着した私達に武器らしき錆びた槍などを構え、食料を渡せと迫ってきた。その様子にヘラクレスとディルムッドは私達に見えない何かを瞳に捉え、リリアナは純粋に子供たちを心配し、アスナは訳が分からずキョトンとし、清明だけはどうでもよさそうに達観していました。
私はどこかの世紀末救世主がつぶやいた言葉を思い出した。やな時代だと。実際は違ったのかもしれないが、日本人らしき道徳を持ち合わせた私にとっては忌むべき光景だったからです。
もっとも、私自身が全てを救いこの様な光景を無くす事が出来るとは思いません。全てを救う事など出来ないという事はわかりきっています。
割り切ることは出来るようになりましたが、それでも心にしこりが残っています。
取り敢えず、子供達の武器のみを私が魔法で破壊し、全員魔法で拘束すると老婆が出てきて子供の命乞いをしてきました。
子供達も老婆に手を出すなと叫び声を上げました。きっとこの場面だけを見れば私達が悪いと取られるような状況になりました。
元々、私はこの子達に怪我をさせるつもりはありませんでしたし、老婆が出てきた事と武器を破壊した事でもう抵抗することは出来ないだろうと思い拘束を解き食事の準備に入りました。
その様子に老婆と子供達はあっけにとられたようですが、いい匂いがしてくると子供達が生唾を飲み物欲しそうな顔をしてきたので彼らにも振る舞いました。
材料は昨日無駄に狩って来たモノがたくさんあったので子供達も満足していました。
私達はメガロメセンブリア連合とヘラス帝国の両国と既に事を構えているのでここを去るべきだと感じました。取り敢えず、村の中で老婆と子供達が生活している家だけでも迷惑をかけたので魔法で修理する事にしたのですが、想像以上に破損が激しいので立て直した方が早いと思い頭の中にあった設計図を基に魔法処置を施した屋敷を建てた。愚かにも。
後で自分の行動を思い返して普通に考えればおかしい行動だったのですが、前世でこの様な事を良く行っており、特に問題にもなっていなかったのでいつも通りに行動した事が災いになりました。
前世で問題にならなかったのは私がカンピオーネであった事が理由だったのに同じように行動して問題菜ならないはずなかったのです。
しかも、ここは両国の国境近くであり、戦争をしているので盗賊がこの地域では横行していた事も私にとっては災いでした。
廃村に突然屋敷が建ったら盗賊は普通の盗賊なら襲いかかって来ないわけがないでしょう。夜襲を盗賊どもはかけてきました。
もっとも、今日一晩は不測の事態が無い様に泊まっていたので、清明が引いていた陣と私の円の範囲に入った時点でこちらが逆に夜襲をかけて全滅させました。
こうなると露頭を組んで盗賊どもが襲いかかってくるのは確実なので私達はここら辺の盗賊団を殲滅する事を決めて式神を放ち場所を探りました。
次の日には周りの大小合わせて50程あった盗賊団を私は我が眷属とエインフェリアの力を借りてアジトを強襲して壊滅させていきました。早朝から盗賊潰しを始めて夕方までかかりました。
正直に言えば、ここまで時間がかかると思いませんでした。実際に盗賊団を潰すだけなら午前中に終わっていたでしょう。手間取る程の手練れはいませんでしたから。
捕らわれている者達が予想よりも多く、管理体制も悪かったために衰弱している者、感染症にかかっている者など様々な理由で動く事の出来ない者が大勢いた事がここまで時間がかかった理由になります。
仕方ないので私が村に戻り、収容する建物を建て、『術式創生』でウィルス対策と清潔な空間を構築し、私が製作したルーラの書で捕らわれていた人達を村に送ってもらっていたのですが、まったくもって手が足りません。
確かに動く事の出来る者達はいたのですがその数はわずかしかおらず、盗賊だからなのかもしれませんが売るのならもっとちゃんと管理しろと怒鳴りたい気持ちを押さえて治療をする事になりました。
結局、その日の晩は休む事が出来ず、この村を明日出ていく事が出来ませんでした。光学迷彩の魔法をかけてから屋敷を建てるべきでした。
翌日、朝日を眺めながら私は人手が必要である事を痛感しましたが、ディルムッドにはこちらに向かってきた盗賊団の迎撃に向かってもらわないといけませんし、清明は昨日出来なかった調査をしてもらわなければなりません。
リリアナと動ける者達を合わせても20人しかおらず、老婆であるケルティナさんと子供達も手伝ってくれると申し出てくれたのですが、感染症にかかっている者がたくさんいるので出来るだけ近づかないように言ってアスナを預かってもらいました。ヘラクレスも一緒にですが。
あの時の私の思考はヤバい事になっていました。都市に行って医療関係者を攫う、戦場で軍医を攫うなど無理に連れて来ることを前提に私は行動しようとしていました。こういう時にこそ玉藻が必要なのですが、戻ってくる様子はなく報告の為の紅蓮が報告書を大量に持ってきました。見落としなどがある事があるのであまりやりたくはありませんでしたが、必読魔法を使用して情報を収集するハメになりました。
流石に私も後の事を考えてその様な事はしませんでしたが、取り敢えず報告書にあったメガロメセンブリア連合方面にいる攫ってきても問題の無さそうな義賊だという盗賊団を叩きのめして連れて来ることにしました。流石に私も500人近い人間を魔法を行使してるとはいっても診るのは疲れたようです。むしろ、戦闘なら私の場合は一週間ぐらい可能なのですが、治療という慣れない作業は私にはきつかったようでした。
私は患者達の様子が落ち着いているのを確認してリリアナに監視魔法を引き継いでもらい『森の鷹』の元に急いだ。
その時、私は権能である『時を司る神格宿し時計』を使用して向かった。
クロノスから簒奪した権能『時を司る神格宿し時計』。この権能は時計に力を宿す事により発動するタイプの権能で宿した時計を身に着ける事によりその時計のレア度より時間を倍速、遅延、停滞を操作する事が出来る。
普通の時計では宿す事も出来ず、私は前世で気に入った時計職人にオーダーメイドを製作してもらい使用している。
それでも、倍速と遅延は問題ないのですが停滞する場合は負荷が強すぎるので一日に三回が限界で時間も3分が限界になります。
そして、私自身に使用するのは問題ないのですが相手にかける場合は相手の格の高さにより効果が減少するのでまつろわぬ神にはほとんど効果がありませんでした。
私はこの権能を使用し自身の時間を倍速して全速力で移動する事で10分程して義賊団『森の鷹』の元についた。アジトは森の中に集落を作っており、森全体には幻覚魔法でもかけているのか迷いの森の様になっていた。
まぁ、私には効かず一直線にアジトに向かいましたが、異常を感じ取ったのか門には20人程の集団がいた様です。
取り敢えず、私は全員の首筋を強打して気絶させて全員を魔法で拘束しました。すると頭らしき若い金髪の耳の長い男が部下を伴いやって来ました。
何が目的だと相手は聞いてきたのですが私に話している時間は無いので同じように気絶させて魔法で拘束していきました。
まぁ、やり方がスマートで無い事はわかっていましたが、人員を確保しなければという思いと疲れによる思考能力の低下によりこの様な暴挙に及んでしまいました。
この事は今では襲撃を受けたこいつ等にとって酒の席での笑い話となり私は羞恥心に耐える事を強いられています。
全員拘束した私は次々にルーラの書を使用して村に送っていき、もしも、この場を離れていた他のメンバーが帰って来た時の為に立札を立てて来た時と同じように村にかえりました。
村につくとヘラクレスが各員を腕力で説得して仲良く働いていました。決してヘラクレスが怖いわけではないのでしょう。ヘラクレスを見るごとに全員がびくびくしているのを目に入るのは気のせいでしょう。とある美少女魔導士も言っていました。盗賊には人権が無いと。悪人だったかもしれませんが。
労力を確保して全員で看護していましたが、三日程すると全員が峠を越えて生気が戻ってきました。そうなると住む為の家が必要になるのですが、この村にこれほどの人数を入れる場所はありません。
また、ほとんどの者達が帰る場所を戦争や略奪により失っていました。私には彼らが立ち直る場所を提供する義務が生じました。
そのために、私は開けた盆地を見つけていたのでそこに街を作る事にしました。守るには都合のいい場所ですし、現在は知られるわけにいかないので隠れるのにも都合がいい場所でした。
また、街を作るに至って私はその事を指導する者がいない事に気が付きました。私は作る事は出来ますが、計画的にやるには経験がありません。
他の者達も聞いてみたのですが全員首を横に振りました。仕方ないので彼女の力を借りる事にしました。かなり不安はありましたが。
エインフェリアの1人である暴君ネロ。ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスという長い名を持つ。Fate/EXTRAの姿をしており女性であり、派手な格好を好む。ちなみに最弱のエインフェリアである。彼女をエインフェリアにしたのには理由がある。
当時、彼女の権能を所持しているのには命にかかわるためでした。彼女の権能は『原初の弾圧者』。この権能の特徴はキリスト教にまつわる存在に対する者にバッドステータスをオートで発動し与える無差別発動型の権能である。
私はとある事情で熾天使などの多くの天使を殺しており、権能も多数所持していたので私にも発動し、私は生死の境をさまよった。まったく、彼女と同じで迷惑極まりない権能である。
まぁ、彼女は同じ理由でまつろわぬ神として顕現した時も殺されかけたのだ。流石、歴史上はじめてキリスト教を迫害した存在なのでしょう。
ローマ帝国を衰退させた実績を持つので政策を任せるのは心配だったのだが他の人選がいなかったので仕方なかった。
あまり活躍する事が出来ず彼女は不満を抱えていた事もあり、私がネロにしか頼めないと話すと見惚れるような笑顔を浮かべて任せよと叫び私と共に街を作る盆地に向かいました。
盆地で私は彼女の命令で様々の事を調べさせられ、その日は調査のみで一日が終了しました。
次の日には計画書が作られており、私は現地の整備をさせられました。そして、最後に魔法処置のされた町覆う壁を作りこの日の作業を終了しました。
その際に計画書通りに街を作ろうとして私はネロにぶん殴られました。どうやら余計な事だったようですが、代わりに金を出せと言われた時には目が点になりました。
その後のネロの説明で住民となる者に愛着を持ってもらい、やる気を出してもらうには彼ら自身の手で過剰してもらわなければならないと言われ自身の浅はかさを思い知らされました。
為政者というのはただ与えるだけではいけないのでしょう。ただ、私の金をあてにするのはどうなんだと思ったのは事実なのですが、ここはケチるところではないと思い彼女の指定する金額を用意するハメになりました。
もっとも、金塊と財宝を頭に売ってもらい直ぐに用意することは出来ましたが。
私は町作りの作業から離れ、ひたすら作業魔法の書を作りながらアスナの治療をしていたのですが、その際に念でアスナの治癒力を高めているとアスナは念に目覚めてしまいました。
しかも、目覚めたばかりだというのにカンピオーネになる直前のの私よりも3倍程多いオーラを持っている事に私はショックを受けてしまいました。どんだけ才能が無かったんだ私は。
取り敢えず、アスナの修行計画も私は立てる必要があるようです。
そこからのアスナの成長に驚かされたり、ネロが私に金の無心に訪れてひと悶着起きて大変な目に合ったりと中々刺激のある毎日を送っていました。
そして、三日程前に街の現在の計画全てが完成し、人々も活気を取り戻しました。ただ、円で確認したのですが街の人口が三倍程に増えている事に驚いています何故でしょう。
ロビン
なんでこんな事になったんだろうねぇ。オレはちょっと前まで盗賊団を引いていたただの頭だったのにいつの間にか街の防衛戦力の隊長にされちまった。
元々、オレは森の民と言われる部族の族長の息子だった。そんなオレは森の生活が嫌になり外に飛び出した。勘当同然で。
そして、オレは外での現実に絶望し、周りの者からは義賊だと言われる『森の鷹』結成し、主に悪徳商人やメガロメセンブリア連合の部隊から略奪して生計を立ててきた。
どれもこれも坊ちゃんの所為だ。元『森の鷹』に所属していた者達はあの子供の皮を被ったあの存在を坊ちゃんと呼んでいる。
そんな坊ちゃんに『森の鷹』は叩かれて、俺達は看護の為に連れ去られた。最初は反発しようと思っていたが、オレ達はヘラクレスにぶちのめされて大人しくせざるおえなかった。
まぁ、あのまま盗賊やってるよりはいい事はわかっている。
そして、坊ちゃんが治療する人数が多すぎて思考がヤバくなっていた事もわかってる。
でも、正直言って坊ちゃんの人選には疑問を感じる。攫っても問題ないからって盗賊を患者の看護に回すのはどう考えてもおかしい。
そう言って、坊ちゃんをいじるのがオレらの日課になっている。大人びているがこういう時は坊ちゃんも年相応に見える。
さて、坊ちゃんに呼び出されてるんだが、今日の用事は何なんだろなぁ。まぁ、大体予想できてるんだけどな。
金食い虫のネロが近くにいたから売ってこいなんだろうな。すでにオレらには認識できないほどの金を使っているのに住民からでなく自身の主からとってるんだから常識がこいつもないんだよ。さて、今度は何を売るんだか。楽しみだ。
神樂神薙
どこかで誰かに貶められているように感じる私がいます。
ロビンを呼んでもらいましたが、彼はこの状況をどう対処するのでしょうか?
玉藻から送られた情報にメガロメセンブリア連合が企画した作戦の一つに彼には見過ごせない情報になる者がありました。森の民の集落を襲い壊滅させるという計画が。
ロビンが襲った悪徳商人に元老院に繋がっている者もおり、更に軍までも襲われています。結果的に森の民そのものが危険な存在だと判断して根絶やしにするつもりの様です。
つまり、ロビン達はやり過ぎたのでしょう。
メガロメセンブリア連合は掴んでいませんが、ヘラス帝国はグレートブリッジに奇襲を仕掛ける為に戦線を維持する動きに変わったのでこの計画をする為の余裕が生まれた様です。
彼にはここに無理やり連れてきた負い目があります。手伝う事にはためらいはありません。
ヘラス帝国は私達と取引したいようなので配慮する必要がありますが、メガロメセンブリア連合は賞金をかけてきましたし、この様な作戦を立てる奴らなので手心をかける必要も不要でしょう。
そんな事を考えていると先ほどまで計画書を見ていたネロが叫び声をあげて
「金が足りぬ!奏者よ!更なる資金提供が必要ななったぞ~~~~~~~~~~!!!!!」
「ネロ、胸に手をあてて考えなさい。ネロこれで何度目ですか?そろそろ私の忍耐も限界ですよ」
「だが、この政策は目玉なのだ!削る事など出来るはずなかろう!」
「ですが、既に私の予想していた予算を10回ほどオーバーしているのですが、そこらへんはどう考えているのですか?」
「それは、わかっておる!だが、これも余の理想の為だ!頼む!!」
そう言って、ネロはこの一か月見慣れた土下座に移行しました。少しは自分で何とかしようとは思わないんでしょうか?
しかし、すぐれてはいるんですよ彼女の政策は。代わりに予算の事を度外視して来る事が彼女の政策の欠点でしょう。
私もわかってはいるのです。初期にきちんとした政策を整える事により彼女は子供達の為になる様にしていることぐらいわかったいます。そして、ここの住民に税を掛ける事が出来ず、そのしわ寄せが私の所ににきていることぐらいは。
しかも、プライドの高い彼女が土下座をしているのですから出さないわけにはいかないでしょう。
「これで最後ですよ」
「恩に着るぞ!奏者!(チョロいのぉ、奏者よ。)」
「何か余計なこと考えていませんでしたか?」
「何も考えておらんぞ」
「そうですか。資金は後で持っていきます」
「やっぱり金策か。この放蕩皇帝」
「うるさいぞ!この愚か者が!」
「へいへい、それで何を売るんだい、坊ちゃん」
「いえ、それはもうこちらでルートを確立しました。あなたに頼む事はありません」
「じゃあ、一体どうしたんだ」
「その前にこれを読んでください」
「はいよ」
そう言って、彼は書かれている内容を読むと顔色が真っ青になっていきました。
「この情報の信憑性は?」
「裏付けも取れているので100%でしょう」
そう言うと彼は考え込み始めました。彼の選択はどうなるでしょうか?
今回出たロビンの姿は耳の長いFate/EXTRAのロビンフットだと思ってください。安直でしょうが。