やめろ!神様!ぶっ飛ばすぞ!   作:舞楽

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知的生命だとしたら嫌な奴からの願いは断りたいと思うのは当然。だから、クソ神の願いを聞かないのは私の中の真理。

真っ白い空間に笑い転げている美女とその様子を赤い小手を装着した苦々しく顔を歪めながら見ている男と場に余りあっていない男女が居る。

 ただし、男の方は体を動かす事が出来ない様で次第に顔が怒りに歪んできている。きっと体が動けばすでに殴り掛かっていただろう。ただ、男が現在耐えているのは言われた通りなので反論できないのがよく分かっているからだ。ただそれも限界に近づいているのだろう。ついに男は耐えきれなくなり反論し始めた。

 

「クソ女神!笑い声がうるさいんですよ!私だっていつ釣ったかわからなかったんですから!大体、翠蓮とは姉と弟の関係以上の事は彼女も嫌がっていたんですよ!それが、あなたの考えたなんちゃって最強の鋼との戦いの後に報告に行ったらいきなり後ろから刺されたんですよ!最後に見た彼女の顔は瞳に生気が無く無表情でもの凄く怖かったんですから!」

 

 男の苦しい言い訳である。だから女神は容赦なく男のいいわけを切り捨てる。

 

「それは彼女自身極めつけの出不精で恋愛ごとに疎く気がついても意地っ張りで言い出せなかったのよ!そんな場面を何度見たかわからないわ!だからこそ、あなたが気がついてリードするのが男の甲斐性でしょう!」

「クッ、確かに月に何度も訪れていたので気がつかなかったのは悪いと思いますが、あなたが送り込んでくるなんちゃってまつろわぬ神に対抗するために必死だったんですよ!だから、あなたにも責任があります!」

「ハッ、今度はあたしにまで責任持たせようとはいい度胸ね!この甲斐性なしの朴念仁!鈍感野郎!」

「ふざけないでください!三つ首だからってアジ・ダハーカをキングギドラにしないでください!しかも、伝承通りに傷つけると毒虫なんかがわんさか出るって無駄に難易度を上げないでください!」

「フン!あれだって手加減してあげたわよ!本物のキングギドラよりも小さくしてあげたんだから!」

「手加減の意味が解りません!それにYAIBA基準のヤマタノオロチを出さないでください!あれは弄っていませんでしたが日本大の空飛ぶヤマタノオロチなんて隠蔽するのに正史編纂委員会が頭を抱えていましたよ!そして、古老のスサノオは明後日の方を向いて現実逃避をしていてものすごく気の毒でした!自分が倒したものと違いすぎて狼狽が激しかったのを覚えています!」

「あんたの特典に覇王剣があるんだから問題ないでしょう!それに隠蔽もあんたの『大嘘憑き』(オールフィクション)十分じゃないの!」

「知っているでしょう!あれには弱点があります!あの世界においては万能ではないんですよ!」

「男が細かい事をグチグチとうるさいのよ!」

「こっちは今まで苦労させられたのでこの程度ではありませんよ!どこぞの剣の王に仕える王の執事ではないので徹底的に言わして貰います!」

「こっちも言いたいことが山ほどあるわ!特に男と女の関係で!」

『どっちもいい加減にしてくれ!』

「「黙れ!」」

『これはしばらくかかりそうだな』

 

 

 ドライグの回想

 

 相棒とは相棒が生まれてからの付き合いになるがここまで感情的に言い合うのは初めてだ。あの世界では色々な事を我慢してきたからな。その不満が飛び出たんだろう。最初に切り捨てたのが両親との絆だったからな。いいや、違うか。今までの生活基盤全てを失う事になったんだからかなりのストレスになったはずだ。相棒はアスクレピオスを殺してカンピオーネになった次の日酷く怯えていた。両親にもばれてしまうほどに動揺していた。

 オレは人の形をしたものを殺したためか、まつろわぬ神という規格外の者と殺し合わなくなって戦いに対する恐怖心のためかと思っていたのだが、相棒は昨日アスクレピオスを殺した森に入ってオレに語ってくれた。確かにそれらもあるがそれ以上に失う事が怖いと語ってくれた。

 だから、オレは言った森の中の事だからばれる事は無いと。しかし、相棒は秘密はいつかはばれるものだと言ってきた。

 そう言われるとどうしようもなかった。今回はたまたま人気の無い所だったが、そんなところばかりで戦う事など不可能であり、むしろ文明が進み今の時代は人の目が届かないところの方が少ないぐらいであろうことは相棒を通じて文明社会の状態を知ったドラゴンのオレにも理解できたからな。オレの言葉は無責任すぎた。そして、不味い事に相棒はとんでもない剣を所有していた。

 覇王剣と魔王剣。この二つの剣を見た感想はオレが元居た世界で見た聖剣や魔剣が子供のおもちゃの様に感じた。

 もし、オレと白いのが乱入した戦いにこの二つの剣を使いこなせる相棒が現れたとしたら神や魔王は死ぬことなどなくオレと白いのがなすすべもなく殺されていた事だろう。

 仮定の話はこれくらいにしよう。その時はその家庭よりもヤバい状態になりかねなかった。それは使用する事しかできない相棒が怒りのままに二つの剣を振り回すのである。その時は恥も外聞もなく脱兎の如く逃げ出すだろう。その行為に意味があるかは別として。

 なんでそんな事を考えたのかは相棒の言った言葉が原因である。両親が人質に取られるぐらいなら問題ない。取り戻すために努力するだけだから。しかし、両親が拷問の末に殺されたのなら私は怒りのままに二つの剣を使用する事を止める事が出来そうにないと。

 オレにはその時地球の終わりである事がよく分かった。

 そして、相棒は思考の袋小路に迷い込み、オレがドラゴンのくせに神に祈り始めた頃それが相棒の目の前に現れた。それが昨日のアスクレピオスと同類である事は一目見た瞬間わかった。その男はノルウェー風の服を着た美男子でありながらどうも胡散臭そうな奴だった。

 それは自分がロキである事を告げると神殺しである相棒を殺しに来たと告げた。そして、次の瞬間に巨大な灰色のオオカミと黒い大蛇が現れた。それの言葉を信じるならオオカミはフェンリルで大蛇はヨルムンガルドなのだろう。三体一でかなり不利な状態に相棒にどうするか聞こうとした時には既に自身の権能を使用していたようだ。

 急にヨルムンガルドの尾がフェンリルに絡みつき動かなくなった。そのことにロキとフェンリルが驚いていると相棒の体から昨日までは考えられないほどのオーラが吹き出し、何も持っていなかったはずの手には覇王剣が握られていた。そして、フェンリルの腹に覇王剣を突き立てるべく突撃した。見事覇王剣はフェンリルの腹に突き刺さり、その瞬間に柄の中央にある玉に風の文字が浮かび、その上にある小さな玉に雷の文字が浮かぶと相棒のオーラはさらに激しく放出されて突き刺さった刀身から雷を纏った竜巻がフェンリルごと絡みついたヨルムンガルドも飲み込みその放射線状の森の木々もなぎ倒しながら地平線の彼方に消えていった。

 あの竜巻を体内でさく裂させられたフェンリルは即死。ヨルムンガルドもフェンリルに絡みついていた部分は吹き飛ばされ、蛇としての生命力で何とか生き残っていたが、とどめとばかりに眉間に覇王剣を突き刺され死亡した。

 その様子を呆然と見ていたロキは状況に理解が及ぶと顔を紅潮させて魔力弾を放ってきた。

 その魔力弾に対して相棒は大地に手を置き「ヨルムンガルドの力よ。ここに」と呟くと大地から岩の大蛇が現れ魔力弾から相棒を守った。そして、岩の大蛇はロキに対して威嚇をはじまた。

 後で聞いたのだが、アスクレピオスから簒奪した『蛇遣い座の運命』は自身に宿る蛇に属する力を自在に操るというのが本来の権能である。これは本来なら倒したとしても権能を得る事が出来ない場合でも倒す事が出来れば力を宿す事が出来る。そのために、従属神であるヨルムンガルドを殺した時点でかの力が宿った事になり、土や岩、毒素に手て触れて力を解放する事によりその属性を持った大蛇として操る事が出来る。

 そして、最初にヨルムンガルドを操ったのも『蛇遣い座の運命』の副次的な効果だと相棒は語った。『蛇遣い座の運命』には元々神獣やまつろわぬ神は無理だが蛇に属す動物なら使役するという力も副次的なモノとして有している。だが、ヨルムンガルドを使役するのは不可能である。相棒はそこで念によりその効力を強化してヨルムンガルドに使用したそうだ。無論、赤龍帝の籠手でも同じことが出来るが相手に警戒されぬように陰というオーラを察知されにくい技法を使い気がつかれないようにするために念にしたようだ。もっとも、従属神である事も幸いしたらしい。まつろわぬ神の本体なら一部制限する事が限界だと言っていた。

 カンピオーネになりかなりの成長をした相棒は頭に血が上り冷静さを失ったロキを始めのうちは押していったがロキが冷静になるにつれ五分の勝負に戻されていった。そして、ロキが広範囲の火炎系の魔法を使用した時に相棒は突然聖句を唱えた「我は死をも超越した医療神なり我に再現できぬ薬は無く出来ぬ薬も無し」そう言うと腕には薬が握られていた。それを自分の体にふりかけてロキに突撃した。

 そこに火炎魔法がさく裂したが所々火傷はしたものの無事に炎を突っ切り、覇王剣をロキの心臓に突き刺した。そして、ロキは死んだ。呪いの言葉を吐いて。

 その言葉に相棒はふと寂しそうに空を見上げたが急に膝をつき苦しみだした。その苦しみが治まると急に笑い出した。一瞬相棒が狂ったかと思ったが笑いを止めて聖句を唱えた。「我はあらゆるモノを騙ししモノなり我に掛かれば虚構が現実になり虚構が現実になる」そう言うと森にあった戦闘の痕跡が無くなった。

 オレは何が起こったのかわからずにいたが相棒は説明してくれた。

 相棒が『大嘘憑き』(オールフィクション)と言った権能は現実(すべて)を虚構(なかったこと)にする権能だといった。神話でロキは神や巨人などいろいろとだましている為にこの権能になったのだろうと言っていた。

 呆然自失となっていたオレは突然ホテルに戻り荷物をまとめている相棒に何も言う事が出来ず、そして、相棒はホテルを出たところで『大嘘憑き』(オールフィクション)

を使用して親子であった事を否定した。

 そして、自力で日本に向かう旅に向かった。もう何も無くなったというのに。

 人の目を気にしながら旅を続けて一ヵ月ほどしてチベットの着いた時に再びまつろわぬ神と遭遇した。

 名はヤマーンタカ。日本では大威徳明王で知られている神の事だ。姿は水牛の忿怒相を中心とする九面、三十四臂、十六足の多面多臂多脚だった。

 その神との戦いの際に『大嘘憑き』(オールフィクション)の意外な弱点が晒されて意味をなさなかった事に驚かされた。

 それは真実を暴く神や智慧の能力を持つまつろわぬ神に効かないのがわかった。もっとも、後でわかって驚かされたのだが霊視を持つ巫女にも破られるほど弱かった。万能なモノなどない事が痛感させられた。

 これも後から知ったのだがこのチベットの伝説で語らえている悪鬼と化した修行僧を折伏するために文殊菩薩が変化したモノなので智慧を持っていたようだ。

 そのために、バットステータスの薬を大量に消費して何とか相棒は勝利をもぎ取ったが、ついに相棒がカンピオーネだという事がばれてしまった。そのために、その場をいそいでで離れて中国に入った。

 そして、ヤマーンタカを殺して簒奪した権能は『文殊』。ビー玉のような玉でそこに文字を込める事で効果を発揮することが出来る。ただし、生成できるのは一ヵ月にわずか一個の使い辛いものだったが。つくづく上手くいかないモノだと実感した。

 その『文殊』を最初に生成されていた一個と一か月後の一個の合計二個と赤龍帝の小手の譲渡、念の強化を用いて弱点の晒された『大嘘憑き』(オールフィクション)を限界まで強化して両親との親子関係を否定した。病的にまで念を入れる相棒をこの時は異常に感じたが後になり、カンピオーネの世界に与える影響を知って妥当な判断だったと理解できた。

 そんな事などをしながら中国を逃亡者の様に旅していた時に相棒を殺した女と出会った。そうあれは、江西省・廬山で道に迷い山奥の庵で道を聞こうとした時に美貌の中華風美少女が出てきて、突然に私の姿を見て声を聴いたので両目を潰し、耳を削ぎ落そうとしてきた。この時あった少女こそ羅濠教主こと羅翠蓮だった。相棒は必死になって抵抗したが古参のカンピオーネには勝利する事が出来ずに敗北したが彼女に認められて何とか助かった。

 そして、そこで何を考えたか相棒は彼女に弟子入りする。

 そこから始まる地獄の特訓の日々。

 それに耐えきり、相棒はいろんなものを卒業していった。主に常識や人間的なモノをだが。

 そして、新たに卒業試験としてまつろわぬ神と戦いそれを打破して権能を手に入れてこの地を離れて日本に旅立った。

 その前の日に相棒は両親の事を翠蓮に聞かれたので彼女に話すと義兄弟の契りを彼女と交わした。そして、相棒は涙を流して彼女に感謝した。やはり寂しかったのだろう。

 あれ以来、オレは相棒の両親の事を認識できず、相棒も顔を思い出す事が出来なくなっていたからだ。もっともこの事が日本に帰った時の混乱に拍車を掛ける事になったのは余談だろう。翠蓮は正史編纂委員会に何を要求したんだかよくわからなかったが脅した事だけはよくわかった。あれは男をダメにする女だな。師匠の時はあんなに厳しかったのに義弟になった途端、甘やかし始めやがった。

 その後に相棒と駆け抜けたまつろわぬ神との戦いの日々に思いをはせていたが、いい加減この不毛な言い合いを終わらせるために口を開いた。

 

『相棒。いい加減にしよう。この言い合いは不毛だ。聞いていて恥ずかしくなる』

「ですが、ドライグ!このクソ女神はこともあろうか不動明王を天壌の劫火アラストールとして顕現させたんですよ!どう考えてもビジュアルがおかしいでしょう!」

『相棒、言いたい事は分かるが話が進まない』

「わかりましたよ、ドライグ。クソ女神!私はどうなるんですか!」

「そうね。いい加減話を進めないとね。あんたの特典の為に赤龍帝の小手を抜き出したことでハイスクールD×Dの世界に問題が起きたからあんたをそのままハイスクールD×Dの世界へ転生させてあげるは感謝なさい!」

 

 この答えに相棒の顔は確認できないが想像は出来る。その後の返答まで予測が出来る。すがすがしい笑顔を浮かべてこう言うだろう。

 

「断るクソ女神!」

 

 やっぱりな説明の仕方が悪いぞ。この女神は。

 




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