今年もどうかよろしくお願いします。
神樂神薙視点
神は驚いた表情でこちらを見ています。
私はハイスクールD×Dを知りませんが、ドライグから話を聞いてどういう世界かは知っています。
聖書の神は二天龍の所為で死亡していますが、各神話には神々が残っており、悪魔、堕天使たちは自称する領土を持ち、更には玉藻の報告では妖怪が治める領土もあるようです。
カンピオーネとして過ごしていた前世の世界も混沌とした世界でしたが、この世界も負けないくらい混沌としているようで普通に生きる事が難しいようです。
いや、それだけではではなく、前世ではいなかった転生者もいるという事が神の話で判明しました。それも大量に。勘弁してください。
全ての転生者が性格が悪いとは思いませんが、力を得た事により欲望を叶えようとする者もいるでしょう。
また、自身が正しいと思う事を強引な方法で成し遂げようとする者も出るはずです。私自身もそういう傾向が無いわけではないからです。
大半の人間は自身を中心に世界を構築しています。当然、力を手に入れた事で自身の思いを叶えようとする転生者が出てきて当然の事だと思います。
私の場合は力を把握して、これからという時にまつろわぬ神と遭遇して力に溺れることは出来ませんでした。クソ女神が送り込んでくるなんちゃってまつろわぬ神を相手しているといかに自身の力が不足であるを自覚させてくれました。嫌な自覚の仕方でしたが。
また、覇王剣と魔王剣という世界を滅ぼしかねない武器を持っていた事も自重させた要因だと言えるでしょう。
転生者の中には自分が選ばれた存在だと選民意識を持つ者も出てくるでしょう。そういう輩はその無駄に高いプライドの所為で大抵周りに迷惑をかける事が多くあります。
私はそういう意識はありません。なぜならば、元々神のおもちゃですし、『勇敢なる選ばれし魂』に登録されているエインフェリアのほとんどが自身の感情を優先するので戦ってもらう為に気を使わなければいけません。
時折り、戦闘に関係なく呼び出しては色々と付き合い、戦闘ではエインフェリアが好む戦闘に的確に呼び出さないと勝手な行動を取るか、顕現に応じてくれません。
また、玉藻は格方面でいろいろやらかした事のしわ寄せがこちらにやって来ます。
カンピオーネ関係ではヴォバン卿は戦う為にこちらが拒否する事が出来ないようにして呼び出しては激しい戦闘になり、翠蓮は勝手な法で周りに被害が出そうなのでそれを止めるのに苦労し、アレクサンドルは彼が盗んだものの奪還依頼がこちらに舞い込み、
ドニは出会えばこちらに戦闘を仕掛けてこようとしますし、ジョン・プルートー・スミスは私がやっと倒す間際まで追い詰めたまつろわぬ神のとどめを押さしてきますし、草薙護堂は原作同様に周りを大破壊しては私が直すという事が続きました。
この様な人間が選ばれた人間であるはずないでしょう。いや、むしろ災いに選ばれたのかもしれません。
なんか私って貧乏くじしか引いてないような気がします。この話は置いておきましょう。悲しくなってきますから。
転生者の多くは原作に関わろうとするはずです。だからこそ、神は私の拠点になる場所を物語の中心になる場所に置くはずです。しかも、拠点を移す事を考えられない程のモノにしているはずです。
だからこそ、神の用意した拠点は確認しません。知らなければ、気にはなりますが否定する事は難しくないからです。
さて、この場を離れて玉藻に拠点を用意してもらいましょう。
「玉藻、ディルムッド、街に移動します」
「ハッ。主よ」
「わかりましたと言いたい所ですが、なぜ、呪いによる勘違いさせ野郎が受肉しているんでしょうか?納得のいく説明をお願いします!」
やはり、聞いていませんでしたか。
そのおかげで話は脱線せずに済みましたが、説明が面倒ですね。というよりも面倒な状況に追い込まれそうで嫌な感じです。具体的には女王の駒を私にとか言い出しそうなのが目に浮かびます。
私は猛獣の放し飼いなどしたくありません。もっとも、玉藻は猛獣というレベルではなく、私がいないと暴走して世界を滅ぼしてしまいそうですから。そのために、私が呪力の供給をしなければ長くは顕現することは出来ないという状況程好ましい。
どうしようか考えていると神様がこちらに話し掛けてきました。
「ちょ、ちょっと待ってくれないかな。すごくいい物件なんだ。本当に君が気に入ってくれること間違いなしだ」
「わかっていますよ。あなたが私を物語の中心となる地に私を縛り付けたいと思っているからでしょう。しかも、私は拠点を一度決めると時間を掛けて設備を整えます。それこそ、他のカンピオーネに侵入されそうになってもその場所を変更しようと思わない程に」
私の意見を聞いて神様は黙り込みます。図星を指されたようですね。
今までの自分の行動と権能の性質を考えてみればわかります。私自身がカンピオーネという事もあり、規格外の存在であるまつろわぬ神に常に狙われています。また、カンピオーネの中でも私を狙っている者がいます。
そのために、拠点となる家はかなり時間を掛けて防備を揃えました。もっとも、カンピオーネの勘のおかげで拠点となる家で休んでいたとしても気がついてしまうので無意味な事になってしまいましたが。いや、精神的には安心できたという事には役に立ったのかもしれません。
そして、私の権能の中には場所を特定する事により初めて能力を発揮するモノもあります。しかも、それらの権能は一度設置すると他に移す事が難しくなり、拠点を移す事を邪魔します。
そのために、何度か私が留守にしている時にアレクサンドルが私の所有している持ち物を狙って家に潜入しようとしたことがありましたが、潜入することは出来なかったといえ拠点を移す事はしませんでした。
因みにその騒動の結末は一度目は八幡台菩薩から簒奪した権能である『鎮守神の守護領域』によっての撃退された。
この権能は設定された領域に侵入した悪意あるモノを顕現した八幡台菩薩が弓矢を使用して迎撃するというモノです。
八幡台菩薩によって射られた矢は必ず侵入者に命中し、護国の神である八幡台菩薩の攻撃は必ず住民には当たりません。
その上にアレクサンドルにとって運が悪く、かの雷獣鵺を撃ち落とした矢にはこの八幡台菩薩の加護が宿っていたと言われている通り、
因みに防御力は無効に出来ないのでドニには
もっとも、私が居る時点で家の陣地を玉藻と共に構築したエインフェリアであるとある大陰陽師に侵入しようとした瞬間にドニはどこかに飛ばされ、アレクサンドルは家に構築された別空間で玉藻と八幡台菩薩による鬼ごっこを楽しんでもらいました。
これが二度目になるのですが、その後も諦めもせずに何度も侵入しようとしては返り討ちにあっていました。
この男もヴォバン卿と同じように酷い目にあっているというの諦めずにあの手この手と挑んではベッドで寝込むというサイクルを繰り返していました。
今頃、あちらの私の家はアレクサンドルに荒らされているでしょうね。もっとも、下手な所をいじると家ごと爆発しますが。是非そうなってほしいものです。
あちらの事は考える事をやめましょう。心配事が多すぎて不安になってしまいますから。
ですので、神に宣言します。
「私はあなたの用意した家を見る気はありません。確認してしまうと離れがたくなってしまいますから」
「ハ、ハハハ。こちらの考えている事がわかってしまったかい?」
「ええ、物語の中心の地なんて真っ平御免なので」
「でも、君に駒王市で生活してもらえるとこちらとしては安心なんだが」
「玉藻、駒王市とはどういうところかわかりますか?」
「少々お待ちください。今、碑妖で確認いたします」
そう言うと玉藻は碑妖に意識を向けました。そして、しばらくすると情報を話し始めました。
「詳しい事は調べ始めたばかりなのでわかりませんが、どうやら、悪魔が領土と自称する場所の一つの様です。そして、情報を収集する為に向かわせた碑妖の一部が滅せられているのでそれなりの力を有する者がいるようですね。しかも、その中には子供も含まれています。ですが、ご主人様クラスの者は碑妖を滅した者の中にはいないようです」
「そうですか。・・・・・・今度は隠行に優れた個体を送ってください。もしかすると原作の情報が聞けるかもしれません。もっとも、転生者という異物が要る以上どれだけ役に立つかわかりませんが」
前世では私という異物が居た為にいろいろと原作にない事が起こったという前例がある以上、転生者がどれだけ居るかわかりませんが原作の流れにはならないでしょう。
そんな事を考えていると玉藻は尾の一つに力を込めながら答えてくれました。
「お任せ下さい!ご主人様!この玉藻が現地の悪魔たちの情報はもちろん、転生者の全ての情報も手に入れてみせます」
玉藻の言葉の後に尾から目玉だけの妖怪が何百匹も生み出されました。更に玉藻は別の尾に力を込めて何か生み出そうとしています。
ちょっと、待ってください。もしかして、黒炎も生み出そうとしていませんか?その心は威力偵察をするつもりですか?
「玉藻!黒炎まで生み出すのはやめてください!威力偵察はしなくていいですから!」
「ご主人様。遅かれ早かれ敵対するんですからさっさと片付けちゃいましょう。ゴミなんですから」
「殲滅するつもりだったんですか!どうしてそうなるんですか?あなたの脳味噌はどうなっているんですか?」
「出る釘は刺されるものです、ご主人様。はっきりと言わせて貰えば、他の転生者から見ればあなたは嫉妬の対象でございます。私が宮廷でそうであったように。ですので、とっとと駆除してしまいましょう。それが、ご主人様の為です」
経験者は語るというのはこの事を言うんでしょうが、私と玉藻とは状況が違いすぎます。それほど、宮廷とは謀略と策略に溢れた所だという事です。それに、転生者を一網打尽に出来ればそれもありなんでしょうが、駒王市だけに転生者が居る訳では無いという事は分かりきっていました。
そのために、この選択はむやみに私の危険性のみを示してしまうので下策と言えるでしょう。それも、一般人を巻き込んで。この世界ではカンピオーネの名は知られてはいません。抑止とはならないので無数の復讐者を生み出す結果となり出来れば、普通の市民として生きたいと思っている私の夢が初っ端で潰える事になってしまいます。不可能に近い事は分かっていますが、もう戦いは前世でおなかいっぱいですから。
そのために、玉藻に私の考えを伝えます。
「出来るか、出来ないかわかりませんが、普通に生きたいと思っています。玉藻の策はその可能性を完全に潰えてしまいます。それに、転生者は駒王市だけに居るわけではないはずなのでむやみに敵を作る結果になる事でしょう。それ故に却下します」
「ご主人様が普通に生きるには不可能でございましょう。斉天大聖の言葉は確かにご主人様を救いましたが、ご主人様の願いには真逆の性質を持ちます。碑妖で簡単に調べた結果なのですが、この世界では、悪魔の中には希少な存在を眷属にしようとする者がいますし、堕天使は神器を持つ者を引き入れるか、殺すかの二つの行動を取っています。間違いなく『天地の化身なり』は捉える事になります。弱き者の声を」
わかっていますよ、そんな事は。ですが、夢位見てもいいでしょう。転生させられた理由も理由ですので心の底では諦めていますよ。
そんな事を考えていると噂をすれば影が差すと言いますが、『天地の化身なり』が発動しました。
ここで見捨てる事が出来れば先ほどの夢も叶うのでしょうが、そんな事をしてはいけないと言っている自分が心の中でいます。斉天大聖との約束を破るのかと。
選択肢は無いようなので行く事にしますか。そのために、空気を読んで黙っていた私の騎士であるディルムットと玉藻に声を掛けます。
「ディルムット、玉藻。『天地の化身なり』に反応がありました。直ぐに向かうので肩をつかんで下さい」
「わかりました、主よ。我が武勇にてあらゆる敵も撃破してご覧に入れましょう」
「言わん事ではありません。やはり、不可能でございましょう」
二人が私の肩をつかんだことを確認したので聖句を唱えます。
「我は天地の霊気が集まり生まれいでし者なり、故に我を呼ぶ声すればいけぬ所無し」
その言葉後に『天地の化身なり』の移動を使用して助けを求めた者の元に向かう為に光に包まれて私達はこの場より消えました。何か忘れている気がしますが、たいした事ではないでしょう。
神樂神薙視点終了
神様視点
彼らが議論している様なので大人しく黙っていたのだが、それが仇となり私の事は忘れ去られてほっていかれてしまいました。声掛けもなかったので間違いないのが少し悲しい思いをしている。
それはさておき、どうやら彼を駒王市に住んでもらう為の策は第一段階はうまくいったようです。したくはありませんでしたが、どうしても彼には駒王市に住んでもらう必要があるので運命操作をさせてもらいました。
もっとも、彼の周りの者には運命操作は効きません。前世で彼は運命を打破したので直接彼の運命を操作することできない。その恩恵は彼の周りの者にも適応されているので更に運命操作を難しくしている。
そんな彼でもアキレス腱は存在している。『天地の化身なり』がそれにあたる。カンピオーネの勘があるのでばれる心配があるので多用は出来ないが、この権能は弱者の救済がメインになっている。だから、直ぐに拠点が必要になる者が呼びかければ私の用意した拠点に一時的にも移動しなければならない状況にする事が出来るはずだ。
そうすれば、こっちのものだ。そのまま拠点として使用してもらえるはずだ。一度でも確認すれば、彼は拒む事が出来ない。
そのために、とある原作キャラの運命を操作して助けを呼ぶようにしたのだから。自身の信義に反して。
とはいえこの人物の問題も解決しなければいけないと思っていたところだったので渡りに船だったのだが、やはり、カンピオーネの勘は侮れないし、やりたいと思わない事をするのはどうにも嫌だ。これっきりのしよう。
いくら、ストッパーである彼が駒王市に住んでいないと安心できなかったなどは言い訳にもならないのだから。
それにしても、転生者が憑依はしたくないが、成り変わりたいという願いはある意味残酷だ。
そうするには緻密な操作をする必要がある。自身が担当している世界なら難しいが出来ないわけではないが、他者の管理している世界では凄まじく高い技術が必要になる。
操作が上手くいかなければ、世界がその人物を殺そうとするのだ。実際に助けを呼ばせた人物は余命が一年程しかない難病に侵されてしまっている。
本来ならば、死なない存在であるにもかかわらずに。まぁ、憑依もその人物を殺してしまう事には変わりないのだが。
まぁ、彼も成り変わりキャラに違いないが、原作の主人公は赤龍帝の篭手に匹敵するオリジナルの神器を持っており、彼自身が原作主人公の立ち位置に立つつもりがないので問題ないのだが。それ以前に彼を悪魔に転生させるのは無理なのだが。
それはさておき、この人物で気付く事が出来たので対策は取った以上、この手の干渉は余程の高位神でもない限り出来ないはずだ。
さて、ほって行かれたがそろそろ彼らの元に行くとしますか。そうしないと早々と拠点を用意してしまいそうですから。
そう思い私は空間移動を行い彼らの元に向かった。問題が解決していればよいのですが。
神視点終了
戦闘まで行くつもりが長くなりそうなのでここで切ります。
読んでいただきありがとうございました。