それと、最後の方でグロっぽいモノがあります。
気を付けてください。
それほどひどくは無いと思いますが。
少女視点
私は体の倦怠感からぼんやりとしながら姉さまと悪魔との取引の様子を見ていた。
幼い頃から病気がちでいつも父さまや母さま、姉さまに迷惑を掛けていた私は何も出来ない自分に対して絶望していた。
それでも、みんな一緒に生活出来る事は幸せだった。でも、私が治療不可能な難病に掛かった事で一変した。
父さま、母さまは懸命になって治療法を探す為に家を空ける事が多くなり、姉さまは生活の為に自身の妖怪猫又の中でも強い力を持つ猫魈としての力を使い生活費を盗むなどしながら稼ぎ私を励ましてくれたが、陰で泣いていた事を知っている。いくら、精神が成熟していると言っても姉さまもまだまだ親の庇護が必要なのだから。
そんな生活の中、更なる凶報が入ってきた。父さまと母さまが亡くなったと両親の知り合いから入った。
それを知った私は姉さまの重しでしかない私を見捨てる様に姉さまに懇願したが、そんなこと出来るかと言って聞いてくれなかった。
私にも姉さまにもわかっていた。このままでは、共倒れになってしまうことは。それでも、私は死への恐怖から自害することは出来ず、姉さまは姉妹の絆から私を見捨てる事が出来ませんでした。
そんな中に私達が暮らす洞窟に上級悪魔と名乗る男が現れました。眷属だという悪魔を伴って。
上級悪魔だという男は私の治療を引き換えに姉さまに眷属になれと言ってきました。悪魔の技術力なら救う事出来ると。姉さまはその話に飛びつきました。
ですが、私にはこの男を信用する事が出来ませんでした。私達姉妹を見下した目で見ているこの男が。
姉さまは我を失っているようで気が付かなかったようですが、確かに侮辱した視線を私達に向けています。
その事を伝えようとしますが、今、私は高熱で意識が朦朧としているので上手くしゃべる事が出来ません。
そんな中、姉さまは冥界に移動する為に私を出来るだけ暖かい格好をさせて抱えて洞窟の外に出ました。
その時に、男は思い出したように契約書を姉さまに投げ渡してきました。その内容を見た途端に姉さまは私にもわかるぐらい震えていました。表情も強張っていました。ですが、私の顔を見て何かを決意しこの条件でいい、妹を助けて欲しいと叫びました。
そこで私は契約内容が酷いという事に気が付きました。このままでは、姉さままで私の犠牲になってしまいます。
私は意識が朦朧としていて何もすることが出来ません。今の私に出来る事はただ祈る事だけしかできませんでした。私は命を諦めました。だから、今まで幾度となく祈ってきた神に祈ります。姉さまが契約書にサインするまでにこの命を奪って欲しいと。
ですが、神は願いをかなえてくれませんでした。その時の事を私は死ぬまで忘れる事は無いでしょう。
姉さまがサインをしようとした瞬間に光の玉が無数に飛んできました。その光の玉は大地や空から無数に湧き出てきているようでした。その現象は幻想的で私は純粋にきれいだと思い眺め、姉さまは私を抱えて呆然とし、悪魔たちは叫びながら光の玉を消し去ろうとしていましたが、消し去る事が出来ずに暴れるばかりでした。
暫く漂っていた光の玉は私達姉妹の前で一つに集まり出しました。そして、全ての光の玉が集まると三つに人影が現れました。一つは私と同じくらいの年頃の黒髪の男の子、二つ目は二本の槍を持った引き締まった体を持つ騎士風の男、三つ目は露出の多い着物を着たピンクの髪に尾が九本ある女性でした。
そして、少年は私に微笑んで尋ねてきました。助けを呼んだのは君かと。私はなぜかわかりませんが、頷き意識を失いました。
これが神に見捨てられた私達を拾い上げてくださった。異世界で神を殺す事により神殺しの魔王となった神樂神薙様との出会いでした。
少女視点終了
神樂神薙視点
さて、『天地の化身なり』を使用して移動したのですが、この状況はどうしたものでしょうか。
私を呼んだのであろう毛布にくるまれた猫耳の少女は私が声を掛け、頷いた瞬間に意識を失ってしまいました。
この事によりコウモリの羽が生えた者達と私を呼んだであろう少女の姉らしき人物、そして、状況が良く分かっていない私達三人という混沌としたモノに変わりました。
コウモリの羽が生えた者達は玉藻に見とれ、次第に下卑たる視線を玉藻に向けるようになりだらしない顔になってきました。中身を知らないという事は幸せですね。あなた達は地雷を踏んでいますよ。私の前という事もあり玉藻は笑顔ですが、目が笑っていません。彼らが敵対すればとんでもない事になりそうです。取り敢えずこいつ等は無視する事としましょう。
そして、姉らしき人物は私を呼んだであろう少女をしっかりと抱えて私達を睨みつけています。その様子を見て彼女は私達を警戒しており、私を呼んだであろう少女が目覚めてから行動すべきなのでしょうが、一目見ただけで医療神であるアスクレピオスの権能を持っている為か、少女は死病に侵されている事がわかります。しかも、死を司る神の権能も所有しているので死期が近い事もわかります。死病ぐらいなら私の権能である『医療神の薬』ならば何とでもなります。
ゲームの中には病気に対するバットステータスを回復する薬品はありますし、それでもどうしようもない病気でも多少コストは高いのですが、神話やアニメ、ゲームの中にはあらゆる病気を治療する薬は存在します。それどころか、蘇生する事さえ『医療神の薬』はもちろん、『術式創生』により創り出した術の中でも可能になっています。
そう考えれば焦る必要はないのですが、実際に前々世での死の記憶はありませんが、前世では数え切れないほど殺されています。自動蘇生薬であるリレイザーなどを使用していたので翠蓮に背後から刺された時以外は何とかなりましたが、死という感覚は何度経験してもなれるモノではありません。目の前にいないのならば気にしませんが、私に助けを求めた少女がその感覚を味わうのは避けたいものです。
そのために、説得の為に声を掛けようとした瞬間に相手から声を掛けてきました。
「お前ら何ものだにゃ!白音に何かするつもりならただじゃおかないにゃ!」
完全に警戒されているようです。さて、どうしましょうか?もう、取り繕う必要が無いようなのでストレートに本題に入りましょう。
「胸に抱えている少女は死病に侵されていますね?」
「なんでその事を・・・・・・ハッ!お前ら死神だにゃ!白音は連れて行かせない!残されたたった一人の家族だにゃ!連れて行かせないにゃ!」
「ご主人様。聞き方がストレートすぎますよ。それでは、警戒させるだけでございましょう」
「もう警戒されているからストレートに聞いただけなんですが、余計な勘違いさせてしまったようですね」
確かに聞き方が不味かったようです。私は死神とは逆の行為をしようとしているのですが、そんな事を彼女が知るはずもないのですから仕方ないでしょう。むしろ今も場合は私が攻められ立場でしょう。
「しかし、この子達は強い潜在能力を秘めています。この子達のどちらかなら『二尾』を受け入れる事が出来そうですね。もしかして、式神ゲットできるかも。そうすれば、大飯喰らいの役立たずの誹りを受ける事が無くなります。そして、ご主人様と・・・・・・グフフフフフ」
急に小さな声でブツブツと言い始め自身の体を抱きしめ始めた玉藻に白い目を向けながら釘だけはさしておきます。
「玉藻、強制的にそのようなマネは赦しませんよ」
そう言って、睨みつけると
「ご安心をご主人様。そのようなマネはご主人様が一番嫌うやり方ですのでこの玉藻一切いたしません(そう、無理やりにしても反発を招くだけこの子達の場合はその必要はないでしょう。ご主人様の騎士を名乗っていたあの小娘の様に2人とも力に飢えていそうですから。前の世界ではご主人様は自身の宿命に他人を巻き込む事を恐れていて出来ませんでしたが、この世界では警戒力が下がっている様なので人柱力を作ったとしても本人の同意があればいけそうです。やはり、原作とやらでその世界の危険度を知らない事と神のおもちゃである事から解放されたのが警戒を下げる原因となっているようですね)」
何か不埒な事を考えているように感じますが、今はそれよりも白音と呼ばれた少女の治療の方が先決です。それにコウモリの羽が生えた者が喚き散らしているのもいい加減鬱陶しくなってこましたから。
「私は死神ではありません。その少女に助けを呼ばれたので来たものです」
「そんな都合のいいこと信じられるかにゃ!そう言って騙すつもりだにゃ!そいつの言葉はしっかりと聞こえていたにゃ」
玉藻の失言でさらに警戒心を抱かれたようです。
「ですが、あなたではその死病を何とか出来ないでしょう。私に見せてもらえばきちんと健康体にしてみましょう」
「その保証がどこに在るにゃ!とてもじゃないけど信じられにゃ!」
そう言って拒否しましたが、瞳に迷いと期待が見て取れます。
証拠を見せる事が出来れば何とかなりそうですが、どうしようか考えると彼女の状態を見ると頬肉はかなりやつれておりいますし、顔色も良くありません。栄養失調などで衰弱していると思われるので『医療神の薬』を手に入れと時に一緒に習得したRPGでよくあるアイテム欄からイズンの林檎を取り出します。そして、その林檎を姉であろう少女に投げ渡します。彼女はその林檎を見て不思議そうにして聞いてきます。
「なんなんにゃ、これは」
「あなた自身かなり衰弱している様なので用意しました。騙されたと思って食べてみてください」
この林檎はヴァルキリー・プロファイル2で出てきた回復アイテムで衰弱の状態異常を回復する効果があります。
そのために、渡したのですが少女はとても胡散くさそうに私の渡した林檎を見ていましたが、意を決した顔となりかぶりつき味が良い為かあっという間に食べてしまいました。
私も一度食べたのですがとてもうまかったという記憶がありますが、簡単には入手出来ずいざという時の為に取っていたモノの一つです。
この林檎は北欧神話に語られている通りに体を若返らす事も出来る為です。この林檎を食べて草薙護堂達の監視をする為に彼らと同じ学校に通いました。
「うまかったにゃ!でも、こんなもんでは騙されにゃいにゃ!」
「体の変化に気が付いていないのですか?」
「それはどういう・・・・・・にゃ!体の怠さとかが取れてるにゃ!」
外見も変化しており、やせ細っていた体は元に戻り、顔色も良くなっています。
「信じてもらえますか?」
「わかったにゃ。信じてみるにゃ。でも、余計なことしてみろ!絶対殺してやるにゃ!地の果てまでも追って行くにゃ!」
そう言って腕に抱えている少女を腕に抱えた少女を手渡そうとした瞬間に無視されて頭に来た男が
「この私を無視するな!下等種族が!」
と言って魔法を放ってきました。
「白音、あぶにゃい!」
姉らしき少女は咄嗟に腕に抱えていた少女を自分の体を楯にして庇います。『術式創生』を得てから魔法の術式も目視する事が出来る様になっているのですが、その術式を見るだけでどれほどの規模の魔法かわかります。その結果、私達はもちろんの事、姉妹も範囲内に捉えています。もっとも、私が干渉すれば綺麗に消し去る事が出来るので干渉しようとしましたが、それよりも早く我が騎士が動いていました。
ディルムッドは私達の前に素早く出て、赤き槍であるゲイ・ジャルグを魔法に振るうと炎は綺麗に消え去りました。
そして、二本の槍を構えたまま魔法を放ってきた者達に対して
「我が主の邪魔はさせん!私が相手になろう!」
「クッ」
そう言って立ちふさがります。
相手もディルムッドの気迫の前に気圧されてしまいました。
「主よ。お早くお願いします。その間、私が楯となります故に」
「わかりました。ディルムッドよ。頼みましたよ。」
「お任せ下さい!如何なる者にも邪魔はさせません!」
その言葉の後に相手は雨の様に魔法を放ってきますが、その全てをディルムッドが切り落とします。
私はディルムッドを信じて白音と言われた少女をアイテム欄からマントを選び地面にマントを引いてその上に寝かせて彼女の状態を良く診ると驚愕の事実が判明しました。
あり得ない事が起こっていた為です。難病になる事は珍しくもありません。一つ二つならばあり得る事だと納得しましょう。三つ四つならば納得は出来ませんが、余程運が悪い者だと誤魔化すことは出来ます。しかし、彼女を病弱にしている
呪いの類かと思い調べましたが、その様なモノはどこにもありません。こうなってくると因果律を操作されているとしか考えられません。
いろいろと調べている私に心配になったのか姉であろう少女が声を掛けてきました。
「どうにゃ。白音の病気は問題なく治るかにゃ?」
「
そう言うと彼女の沈んでいた表情は明るくなり笑顔になりますが、もう一つの結果も伝えると絶望することでしょう。しかし、伝えない訳にはいけません。
「ありがとうにゃ!直ぐ直してほしい「しかし、彼女は運命神などに嫌われているという事はありませんか?」何で病気と全く関係の無い事を聞くんだにゃ?そんなどうでもいい事よりさっさと直すにゃ!」
困惑した表情で私に尋ねてきました。ですが、この反応から彼女には何も思い当たらないようです。
「簡単に言ってしまえば彼女を病弱にしている原因全てが難病になり掛けています。勿論それらすべて治療する事は可能ですが」
「全てって2個ほどにゃんだろう?」
「それなら私だって疑問に思いません。二十以上が難病になり掛けています」
「あ、あり得ないにゃ!そんなこと絶対あり得にゃい!もしかして、呪いなんじゃにゃいかにゃ!」
「その可能性も考えましたが、呪いの類のモノは確認できませんでした」
「そんにゃ、あ、でも、治療が可能にゃんだったら問題にゃいにゃ」
「そんな事はありません。私の予測が正しければ、因果律を操作されていると思われます。それ故に先ほどの質問に繋がります」
「運命神がどうかという話がにゃ」
「どう因果律を操作されているのかわかりませんが、もし、死ぬように操作されているのなら・・・・・・」
「何で白音がそんな目に合うんだにゃ!悪いことしてきたのは私だにゃ!私の運命を操作するんだにゃ!」
彼女の嘆きは私にはわかるとは言えません。私は両親を捨てた親不孝者。たった一人いない家族を失うしかないという気持ちは分かるとは言えません。
ただ、因果律の操作は受けた者としては気持ちはわかります。私はクソ女神にまつろわぬ神に遭遇するように因果律を操作されていました。でなければ、あんなに遭遇するはずありません。権能として得る事が出来なかったモノも含めて戦った数は10年間で
300を超えます。明らかに異常な状態です。
正直言ってうんざりしました。そのために、どうにかならないかと拠点になっている家に地脈を利用してさまざまの手段を講じて因果律の操作を行い何とか拠点になっている家にいる間はまつろわぬ神に遭遇しなくなりました。そして、日本に居る間は確立がかなり下がりました。それでも、草薙護堂君を除けば、他のカンピオーネよりも高かったのですが。
そう考えれば、この状況も解決できない事はありませんが手間と時間が掛かるので直ぐに行う事が出来ません。
根本的な解決方法をとる事は今出来そうにありません。ですから、後ろでディルムッドも守ってくれていますし、相手の罵倒も鬱陶しくなってきましたから取り敢えず病気の治療だけでも行いますか。
「悪いがこれから治療に入ります」
「そんにゃことしても無駄ににゃるんにゃらいいにゃ。これからも苦しみ続けるなら楽にしてあげて欲しいにゃ」
そう言って蒼白な顔になり目も光を失い絶望した表情になっていました。
「死んで欲しいのですか?」
「そうじゃにゃいけど、どうしようもにゃいならせめて苦しまにゃようにして欲しいだけだにゃ!本当は死んで欲しくにゃいにゃ!!」
「何とか出来ないわけではありませんよ。手間と時間が掛かるだけ私が面倒な事になるだけなので気にしないでください」
そう言うとクシャクシャな顔になり涙を流しながら
「お願いにゃ!出来る事ならにゃんでもするにゃ!白音を助けて欲しいにゃ!」
私の手を掴んで懇願してきました。
「まずは治療をします!手を放してください!」
「わかったにゃ!」
そう言って私の手を放します。私は権能である『医療神の薬』を使用して根っこを生み出しました。この根っこの名はパテキアの根っこといい、ドラクエ4で病気に掛かったクリフトを一晩で完治させたものです。
まずは、パテキアの根っこを煎じて飲まします。その際に、幼い体に負担を掛けないようにオーラを流して体力の消耗を防ぎ、体も強化します。
飲まして落ち着いたことを確認すると難病は完治している事を確認して更に難病になり掛けている要因を消し去る為にとある権能を使用する。
「火を司る熾天使であり神の右手を司るモノなり、故にこの右手は神の奇跡を意味するモノなり」
そう聖句を唱えると私の右肩から不格好な巨人の腕のような歪で禍々しい光の塊が出てきます。この手こそミカエルより簒奪した権能で『聖なる右』。
とある魔術の禁書目録で出てきたフィアンマが所有していたモノと同じもので出力を安定させるには相手の強さに比例するので私は玉藻に設定します。これから起こす奇跡には出力が必要になるための処置です。
白音の体にある全ての難病の原因になる因子を排除する為に『聖なる右』をかざすと彼女の体は光に包まれ、光が収まると彼女の中の難病の因子はなくなりました。
これで彼女の事はひと段落になりました。後は後ろの奴らをか片付けてこの場で出来る事は終わりです。
次の瞬間、後ろを気にしなくても良い事に気が付いたディルムッドが飛び出そうとした瞬間、私は止めました。
「止まりなさい!ディルムッド!そいつらの相手は私がします。」
「いえ、主の手を汚す必要はありません。お任せ下さい」
「いいえ、呪力とオーラの増加による弊害を見極めます。それとも、あなたの主である私はそのような輩に負けると思いますか」
「左様な事ございません。ご武運を」
そう言ってディルムッドが下がり、私が前に出ます。
私は眼前の男たちを見据えながら感覚を掴むべくオーラを練り上げ始めました。
神樂神薙視点終了
玉藻視点
ご主人様が戦う為に前に出られました。
その幼くも凛々しい姿は玉藻にとってご褒美です。しかし、目の前の愚か者達の私に対する下卑たる視線はこの玉藻の慈悲深き心にカチンときました。この罪は我がじっくりと味わわせてくれよう。
おっと、いけませんね。どうやら私と混在している者達の意識が出てきてしまいました。私って、どれだけのモノと融合しているんでしょうか?少し心配になった私がいます。
それにしても、ご主人様があのような宿命を背負われていた事は玉藻にしても驚きでした。
私はアマテラスの分霊であり呪い、呪われる反英霊の存在が基本のベースとなっていますが、混在している者達の記憶と気持ちも共有しています。
その全てがご主人様曰く、クソ女神を殺せと言っています。特にわだかまった陰の気より生まれた邪悪の化身であるまつろわぬ神として顕現した部分が憎悪に狂っているのを感じます。この部分は今の状態に喜びを感じていましたから。
元々、陰の気の塊であるこの部分は陽の存在に強い憧れを持っていました。どれくらいの憧れかというと死ぬ間際に赤子になりたいと思うぐらいの憧れでした。そして、自分を倒した少年のような存在になる事は無理でももう一体の妖怪のようになりたいと願っていました。
意識は出すことは出来ませんが、それでも、自分を倒した存在と共に戦う事が出来るのは無上な喜びでした。その上に彼は自分に白面の者という名ではなく新しい名をくれました。その名で呼ばれる事が何よりうれしく感じていました。もっとも、彼以外に呼ばれるのは穢されると一緒なので絶対許しませんが。
それ故に自身がやってきた事を棚に上げて、彼は気にしないようですがこの部分は怒り狂い憎悪しています。私に言わせればあなたがやってきた事も変わらないでしょうと言いたくなります。もっとも、私もご主人様に救われている口なので憎悪しているのですが。
ですので、私もクソ女神をバリバリ呪う事にしました。許すことは出来ません。いつの日にか、この玉藻が呪い殺して差し上げます。
この事は良いのですが、現在、白面の者と言われた部分が激しく脈動している為に思考が殺伐となってきています。それ故に転生者の全て抹殺など言い出してしまい、ご主人様に迷惑を掛けてしまいました。玉藻ちゃん、失敗です。
ご主人様が言われた弊害は初めからわかっていましたが、私自身抑える事が出来ませんでした。
それにしても、ご主人様は気合を入れ過ぎています。相手は内で脈動するオーラを理解していませんが、その威圧感で相手は及び腰になっています。
このままでは、相手を殺してしまいそうですね。あれはゴミなのでどうでもいいんですが出来れば、
ですので、ご主人様に声を掛けます。
「ご主人様、お願いがございます」
そう言うとご主人様はこちらを振り返ります。
「玉藻、何でしょうか?」
「出来れば生かして捕まえてくださいませ」
「わかりました」
「あぶにゃいにゃ!!!!」
その直後、相手の炎の魔法がご主人様に当たります。今まで白音ちゃんを抱えていた少女が炎の中に飛び込もうとしているので、尾の一つで絡め取ります。
あんな危ない事しようとしてご主人様に気があるのでしょうか?
「ハハハハハハハハハハ、どうだ上級悪魔であるオレの魔法の威力は。バカにして油断しているからだ。ハハハハハハハハハハハ。」
「早く助けにゃいと!白音を助ける鍵がうしにゃわれてしまうにゃ!!あんた達も早く助けるにゃ!!」
妹の為ですか。確かに因果律を操作されているであろう少女を助ける事が出来るのは同じ様に因果律の操作で苦しんだご主人様が一番近いのは確かです。
「仲間じゃにゃいのか!お前ら!心配じゃにゃいのか!」
そう言って私達を責めますがあの程度の火力で、しかも、魔法ではご主人様には意味がありません。まぁ、あの愚か者達は喜んでいるようですが。
「落ち着きなさい、小娘。ご主人様があの程度でどうにかなると思っているのですか」
「だってあの威力じゃ・・・・・・にゃ!」
その言葉が紡がれる前に炎が吹き飛ばされます。その中からオーラを纏ったご主人様が出てきてます。
小娘は無傷で出てきたご主人様にも驚いていましたが、それ以上にご主人様のオーラに禍々しい文字が刻まれています。
「あれはにゃんにゃんだにゃ?」
「あれは私達が命名し、ご主人様は気が付きもしていない。
なぜかご主人様は気が付かないのかわかりませんが、これこそが、『術式創生』で生み出された補助魔法、回復魔法が効かなくなったのはこの念能力の所為です。
ご主人様は魔王という存在に誤ったイメージを持ちました。それはあらゆる状態異常が効かず、魔法に対して凄まじい抵抗力を持つというイメージを持ってしまわれたご主人様は『術式創生』で無意識に創られてしまわれました。
ですが、余りにも無茶苦茶な術式は発動させることが出来ず意味の無い術式になるはずでした。
そこで終わらずにここでも無意識に念能力としてオーラに術式が刻まれる事により生み出されました。発動しないという事実は自身に味方の回復魔法、補助魔法が効果が無い事と多分ですがこの念を気が付く事が出来ない事で発動されているのだと思われます。
ですが、効果は絶大であらゆる状態異常は無論の事、時間停止の能力まで無効化してしまわれました。そして、魔法耐性も異常な領域に達しています。ほんとご主人様は規格外です。
「別に油断していた訳ではありませんよ。ただ避ける必要がなっかただけです」
「うわああああああ」
「さて、行きますよ」
そう言って足にオーラを集中して悪魔たちの背後に回ります。そして、一体の悪魔の腕を取り、投げ飛ばしそのまま腕をへし折られてしまわれました。
驚いた悪魔達は慌てて後ろを振り向きましたが、さらに一体に顎に掌底の一撃を喰らわせて顎を砕きます。
これで二体片付きました。後九体。ですが、動きの止まったご主人様に左右に剣を持った悪魔が剣を振るいますが、ご主人様は左右から迫った剣を指二本で受け止めました。
そして、剣を奪い返そうとする悪魔達は必死になって引いていますが引き戻す事が出来ずにいると巨漢の悪魔が突撃してきます。そのためにご主人様は剣をしっかりと握りしめ剣を引き二体の悪魔を引き寄せて二体の首を掴み巨漢の悪魔に突撃して逆に吹き飛ばしました。更にそこにオーラ弾を計十二発を三体の悪魔に四肢に撃ち込みました。
これで、五体。残り六体。ここでご主人様は特殊な製法で作り上げた赤い布を取り出して一体の悪魔に布槍術の要領で撃ちだし腕を取り相手の胴体に巻き付いたのを確認して引き寄せます。
引き寄せた悪魔に掌底を腹に放ち吹き飛ばしました。
「おい、バカ野郎逃げるな!!!」
その様子に上級悪魔と名乗った以外の悪魔が逃げ出します。
ですが、ご主人様は逃がすつもりはなく逃げ出した方向に先回りして悪魔達に腕をかざし手より衝撃破が生まれて吹き飛ばされました。容赦ないですね、ご主人様は。
「ばかな、ばかな。我々は悪魔なんだぞ!尊い存在なんだ!こんなバカな事があってたまるか!!!!」
と言ってご主人様に突撃してきました。ですが、先ほどと同じように衝撃波で吹き飛ばしました。
そして、ご主人様はこちらを見て
「玉藻、地脈の整った拠点を用意してください」
真剣な表情で訴え掛けてきたのでで真面目に答えようとした瞬間
「それなら私が用意した拠点に移ろう。そこなら、君の望む条件が整っているよ」
クソ女神の同僚の神が言ってきました。
その事にご主人様が苦虫を噛み砕いた表情になりました。私にも理解できました。嵌められたようです。
「操作しましたね」
とご主人様が言うと
「君達の運命は操作できない事は本当だよ」
「という事は彼女たちの方ですか」
そう言って白音とその姉を見ました。そして、タメ息をついて諦めた表情になりました。どうやら、バリバリ呪わないといけない存在が増えました。玉藻ちゃん、がんばるぞ~。
「私の負けです。連れて行ってください。ディルムッド、玉藻行きますよ。あなたも白音を連れてきてください。」
「私は黒歌にゃ。そう呼ぶにゃ」
「わかりました、黒歌」
「ご主人様、私は用がありますので先に行ってくださいまし」
「わかりました。いつも苦労を掛けます、九仙花。先に行きます」
ご主人様にこの名で呼んでいただきました。玉藻ちゃん、嬉しい。
そんな私を置いてご主人様は転移していきました。
私は幸せに浸っていようとしたのですが、悪魔共のうめき声で現実に引き戻されます。うるさいですね。
ですので、私は取り敢えず九本の尾で悪魔共の腹に突き刺し肝を抜き出してそれの一つを食べました。
「何ですか!この味は!不味すぎます!」
その点、ご主人様のは美味しかったですね。まつろわぬ神としてですが食べた事があります。
味を我慢して全ての悪魔の肝を食べました。呪力を蓄えるためとはいえ最悪な気分です。
「貴様、上級悪魔である私のこの様な事してタダで済むと思うな!」
「あなたがどのような立場であるか関係ありません。あなたは終わりですよ」
そう言って、尾から無数の碑妖を生み出します。
さて人形作りを始めるとしましょうか。
「碑妖共、こいつ等を内から乗っ取り悪魔に対するスパイをしなさい」
「御屋形様、わかりました」
その言葉と共に碑妖が悪魔達に群がります。
目、耳、口など様々な場所から碑妖が入り込んでいきます。
「「「「「「「「「「「☆#$%&&#$%&&######」」」」」」」」」」」
様々な叫びを聞きながら人形になる様子を眺めました。久しぶりの恐怖の味は格別です。
玉藻視点終了
ご覧になられたみなさまどうもありがとうございました