そして、拠点がかなりチートです。そのために、チートタグを付け足します。
元々、だったかもしれませんが。
神樂神薙
神の転移で駒王市に用意されていた拠点にたどり着いたのですが、見覚えのある門の前にいます。朱い柱で支えられ朱く塗られた門となっています。屋根は赤瓦で覆われており、立派な門となっています。・・・・・・どこをどう見ても私が拠点としていた家に入る為に通っていた外門でした。
この朱い門を見て呆然としていましたが、我に返り隣を見るとディルムッドは私と同じように呆然としており、黒歌は門の立派さに驚いた表情で見ていました。そして、神は勝ち誇った表情をしていました。
前世での私の拠点を真似て作ったのかとも思いましたが、それにしては時間がたっている様なのである可能性に気が付きました。
「まさか、前の世界から移動させたのですか?」
「その通りだよ。私と彼女で移動させたんだ」
「たちが悪いですね。あのクソ女神は余程の愉快犯ですね。私を物語の中心に置きたいのですか、あのクソ女神が!」
「彼女の事をそう怒らないでくれないかな」
私はそう言う神を睨みつけます。
「あなたも同罪なんですが」
「あははははははは。そう怒らないで」
「・・・・・・ですが、今は助かりました。ここでなら彼女を因果律から守る事が出来ます」
そう言って黒歌と背負われている白音の方を見ます。
「どういう事にゃんだ?」
「ここは元々私が因果律から自身の身を守る為に作り上げた場所です。微調整は必要ですが問題なく彼女を守る事が出来ます」
「ほんとかにゃ?」
「ええ、安心してください」
そう言うと黒歌は笑顔を浮かべて泣き出しました。
「良かったにゃ!良かったにゃ!直ぐに入って微調整するにゃ!」
「黒歌、止まってください!」
そう言って門をくぐろうしている彼女を止めます。
「どうしてだにゃ。早く入って白音を守りたいにゃ」
「撃ち殺されたくないでしょう。こちらが許可した者以外が入れば、光の矢が当たりますよ」
「物騒すぎるんだにゃ!なんでそんな物騒なセキュリティーなんだにゃ!」
「いろいろ狙われていましたから、私は」
そう言って門に触れ権能である『鎮守神の守護領域』を操作して彼女達を侵入者から除外します。そして、呪式をいじり彼女達を転送式からも除外します。
来るのは私の権能によりまつろわぬ神より奪い取った神代の素材とイズンの林檎を代表する神代のアイテムを奪いに来たアレクサンドルを代表する愚か者達か、戦いの為に来る戦闘狂共とまつろわぬ神、義姉弟である翠蓮、私に対する直接窓口である正史編纂委員会所属の沙耶宮馨、甘粕冬馬、そして、厄介事を持ってくる草薙護堂一行などしか来ませんでした。
見事に一般人がいません。私も世間と距離を置いていたのは問題なのでしょうが、いくらなんでもこれは無いと嘆きたい気分になります。
こんな状態でも何も問題もなかったのですが、問題あるであろう事はわかっていました。
この世界ではこのままという訳にいきませんから調整が必要になるでしょうが。
もっとも、この世界の情勢次第ではここの防備はさらに強化し、別の拠点を外に作る必要があるかもしれません。
そんな事を考えていると黒歌が
「まだ出来にゃいか!早く入りたいにゃ!」
と声を掛けてきました。いけませんね。余計な事を考えて人を待たすなんて。その言葉に我に返った私は門を開けます。因みにこの門の名前は朱雀門といい南を守護しています。更にこの敷地には北に位置する黒い玄武門、東に位置する青い青龍門、西に位置する白い白虎門があり、それぞれの方向を厄賽より守護しています。
「もう大丈夫ですよ。門をくぐりましょう」
「早く行くにゃ!」
そう言って黒歌は中に入っていきました。それに私達も続いた。
門をくぐるとそこは緑の葉が覆い茂る森が広がる夏の世界。気温も高く夏日になっている。外は肌寒いというのに。その事に黒歌は呆然としています。
「どうなってるんだにゃ?」
「ここを守護するのは朱雀、南方を守護し夏を象徴している四神の一体だからですよ」
そう言って、鳥居が続く道の横にお堂があり、その中には強い呪力を放つ朱雀像が飾ってありました。その像には翡翠の勾玉が嵌っています。黒歌はそのお堂から発せられる呪力に気圧されていましたが。
「凄い力を感じるにゃ」
「当然です。従属神だったとはいえ」
私がすべての言葉を言い終わる前に勾玉が光り、炎の鳥が現れます。その事に驚いた黒歌は慌てて私達の後ろに隠れました。
顕現した炎の鳥は私を睨みつけるように見ており、頭には青筋が出来ているように感じました。更に怒りを表すのか炎が背後に現れています。・・・・・・うちの守護獣はお怒りの様です。
「何をそんなに怒っているのですか?朱雀」
『言わんと分からんか!どこかのあほんだらが知り合いの所やからゆうて、油断した挙句に背中から刺されて死ぬという普段から考えられんほどのあほやったからや!」
「耳が痛い話ですね」
『当たり前やろ!このあほ!だから、油断すんな言うたやろー!最近、羅濠教主がおかしい目しとったてな!』
「ええ、あなた達がそう言っていたのを甘く見ていました。すいません。ですが、信じたかったんですよ、翠蓮を」
事実、色々な人から彼女に気をつけろという忠告を受けていました。感も危険を訴えていました。それでも、私自身が信じたかった。それが、あの結果を招いたと言えるでしょう。愚かな話です。
『はぁ~、あんたの懐の深さはよぉ~わかっとる。元々、敵対しとったうちらをここで養ってくれた。それは感謝しとる。だから、あんたのやる事はうちらは基本、反対せぇ~へん。でも、命が掛かってたら話は別や。あんたはうちらの為に自分の死んだ後にいろんなところにうちらの事たのんどったみたいやけど、うちらにも義理がある。あんたに消滅しかかっとたんを助けられたんや。命を預けたんやから一蓮托生や。だからこそや、今度は頼むでホンマにな』
「わかりました。気をつけます」
『ホンマ頼むでぇ~。それときちんと謝るんやで』
「無論、他の者達にも謝りに行きます」
『そうやないんやけど、まぁ~ええわ』
その言葉を最後に消えました。意味深な言葉に何かと考えましたが、思い当たる事が無いので頭を捻ります。
そのまま思考の海に入ろうとした時に
「うん・・・・・・。ここはどこですか?」
「白音、目が覚めたかにゃ!?」
「姉さまに背負われているという事はここは冥界なんですね。あれは幻覚だったんですね。救いなんてなかったんですね。グスン・・・私の所為でごめんなさい、姉さま。」
「そんにゃ事にゃいにゃ!白音が呼んだ助けのおかげで悪魔と契約しにゃいで済んだにゃ!」
「本当ですか!姉さま!」
「本当だにゃ!」
背負っていた白音を下して抱き合い姉妹は喜びを噛みしめているようです。しかし、空気を読まないようで嫌なのですが、ここで立ち止まっているわけにはいかないので話しかけます。
「白音と言いましたね。体に不調な所はありますか?」
「いえ、生まれてこんなに体が軽いのは初めてです」
「それは良かった」
「あなた様が私達姉妹を助けてくれたのですか?」
「あの悪魔達から助けて欲しいという願いを叶えるついであなたの病気も完治させて貰いました」
そう言うと私の方に向き顔を伏せます。どうしたのかと思うと
「どうして、もっと早く治してくれなかったんですか?」
「・・・・・・それはどういうことですか?」
「どうして!もっと早く治してくれなかったんですか!?そうしてくれたら!父さまも!母さまも!死ななくて済んだのに!」
「・・・・・・・・・・・・」
何と声を掛けましょうか?私自身この世界に来てから一日も経過していません。そして、彼女の話から病気になったのはずっと以前という事になります。そう考えると私は最短で彼女を治療した事になりますが、彼女にはそのような事情もわかりませんし、感情も納得しないでしょう。
何も言う事が出来ない私に私に幽鬼の様にふらふらしながら近づいて来て、私の胸を掴み揺すりながら泣き出します。
その様子に黒歌が沈んだ表情になり、ぽつぽつと語り出しました。
彼女たちが猫又という妖怪である事、両親と幸せに暮らしていた事、そして、白音が難病に掛かってしまい両親が治療法を探して家を空ける事が多くなってしまった事、その果ての両親の死。
両親の死に方は教えてもらえなかったようですが、どこかに侵入しようとして殺されたのは確かな様です。どれくらいの時間が経過しているのかにもよりますが、死体さえあればどれだけ損傷していようが蘇生は可能なので聞く事にしました。
「時間はどれだけ経っていますか?」
「うにゃ、だいたい二カ月前だにゃ。にゃんでそんにゃ事聞くにゃ」
どうやら、タイムオーバーの様です。それだけ経っていると輪廻の内に入ってしまうので不可能です。もっとも、1人だけなら可能なのですが。なぜならば、世界樹の花をたった一つだけなら所持している為です。あれならば、いかなる状態の者でも蘇生が可能です。もっとも、1人しか出来ない事が使用を躊躇わせてしまうのですが。
「いえ、45日以内なら遺体が損壊していたとしても蘇生可能だったのですが」
「本当にあんたは来るのが遅すぎるんだにゃ!」
「言い訳にはなりませんが。私はこの世界に来て一日も経っていないんですから」
「それはどういう意味にゃんだ?」
「さっきの朱雀も言っていたでしょう。私はとある女性に後ろから刺されて殺された結果、この世界に転生したんですよ」
その言葉を聞いた瞬間、居た堪れない表情になり、黒歌は目を反らして
「それはご愁傷様だにゃ」
と言ったので
「その様な事は言わないでください!余計に居た堪れなくなりますから!」
と叫んでしまいました。
「悪かったにゃ」
「もういいです。白音と言いましたね」
白音に声を掛けると嗚咽しながらもビックと体が震えます。その体を抱きしめて言います。
「今は私に怒りをぶつけて、そして、好きなだけ泣きなさい」
そう言うと押し殺した様子だったのが、激しく泣き出しました。その声にはどうして助けてくれなかったのかという声も交じり、激しく私を揺すってきましたが、暫くするとただ泣くだけになったので、私は優しく頭を撫で続けました。
暫くすると白音は泣きやみ、私に対して
「すいませんでした」
と謝ってきました。ですので、
「気にしないでください」
と言いました。しかし、彼女の様子が少しおかしいように思います。目が潤み顔が赤くなっているように思います。そして、私の方をジッと見ています。恋という事はありませんよね。現在の私と同年齢の少女なんですから。ははははははは、はぁ~。勘弁してください。これが俗にいうつり橋効果というやつですか。
嫌な予感がしつつもこの場より離れ、本殿や屋敷がある方向に進まないと話になりません。そのために、彼女から離れました。その時、彼女がアッと言い、残念そうにしていたのが嫌な予感に拍車を掛けます。
時間の経過により覚める事を祈りつつ、前に前進する為に声を掛けます。
「この鳥居を超えた先に本殿などがあります。行きますよ」
「わかったにゃ。白音、手を繋ぐにゃ」
「はい、姉さま」
そんな中、ディルムッドは無言で私に続きました。本当に空気をよく読む騎士です。そして、鳥居の中に入りました。
「黒歌、白音、鳥居の中の道以外は歩かないようにどこに飛ばされるかわかりませんから」
「本当に物騒にゃ場所だにゃ」
「確かに物騒である事は否定しません。ですが、ここに攻めてくる者達は普通の存在がいませんでした。仕方がなかったのですよ」
「一体どんにゃ奴らにゃんだか」
黒歌はドン引きしています。訪ねて来る者は自体普通ではありませんから。
「でも、あんたは結構、残念にゃ奴だってことはわかったにゃ」
納得いきません。なぜ、私が残念な者なのですか。
「ね、姉さま!神であるこの方に失礼ではありませんか!?」
「だって、白音。こいつ、女に後ろから刺されて死んだにゃ。どうせ、釣ったさかにゃに餌をやらにゃかったんだにゃ」
どうやら、彼女たちの中では私は神様である様に思われているようですが、確かにやった事は神の如き所業なのでしょう。しかし、実際に私は神殺しの魔王でしかありません。神のような立派な存在ではありません。
後、黒歌、その予想は大体あっていますよ。ただし、真実こそ人を傷つけるのだと知りなさい。
「黒歌に白音」
「うにゃ、怒ったか」
「姉さま、謝ってください!」
「その程度では怒りませんよ。そこではありません。私は神ではありません。人でしかないのです」
「嘘だにゃ!!!!!!!!」
「その様な御業を持っていて神ではないだと言われても・・・・・・」
「本当ですよ。私は人として生を受けた人間です」
そう言って前を進みます。今、自分で言った事を考えて自嘲します。私は人というよりもカンピオーネとなった化け物でしかないというのに今だに人という言葉に縋り付いています。愚かな事です。
「やっぱり、怒ったんじゃにゃいか?」
「姉さまが気にしてる事をずけずけと言うからです。思った事を言う事を治さないと独り者になりますよ、ね・え・さ・ま」
「し、白音。ひどいにゃ」
「知りません」
そう言って、白音が前を進む私に近づいて来ました。その後を頭を落とした黒歌が続きます。
そして、鳥居を抜けると光があふれ神聖な気で満たされた場所に出ました。そこには、大きな洋風の屋敷が建っていました。その横にはパルテノン神殿の様なギリシャ風の神殿と中国の水彩画で描かれていいる様な山に人工の洞窟が掘られています。その更に向こうに神社によく似た本殿があります。
いつ見ても、統一性の無い場所です。仕方ないのでしょうが。
パルテノン神殿に似た建物はまつろわむヘーパイストスから簒奪した権能で『ヘーパイストスの鍛冶場』といい、ここにいるヘーパイストスが素材に合わせて様々な武具を製作してくれます。しかも、ギリシャ神話からだけでなくアニメやゲームからも製作してくれる優れた権能です。もっとも、武器は覇王剣と魔王剣がある為に倉庫に無造作に保管され、防具は様々な状況に合わせて使用しています。
そして、いかにも仙人が住んでいそうな洞窟は太乙真人から簒奪した権能で『乾元山・金光洞』といい、
本殿はこの土地の要で様々な結界や迎撃の呪式などを管理しています。
そして、屋敷にはアレクサンドルが最も欲しがっていたまつろわぬヘルメスより簒奪した権能で『ヘルメスの錬金装置』と名付けられた道具でまつろわぬ神ならばその神にまつわる素材やアイテムを盗み、他の存在ならばその存在に合した宝石などの鉱物が生み出されます。また、素材を合成する能力も有しています。盗みの神であり、錬金にも関連のあるヘルメスらしい権能だと思いました。
『ヘルメスの錬金装置』以外は一度設置すると移動する事が出来ません。また、製作にはモノにもよりますが一定の時間が必要になります。
「うにゃ、統一感が全然にゃいにゃ。センスにゃいにゃ。残念にゃ奴にゃ」
統一感が無い事は分かっています。統一して設置出来なかったんですから仕方ないでしょう。
「そこの娘、王に対する侮辱、幼いとはいえ赦さんぞ!」
黒歌に話し掛けようと瞬間、良く知っているこの世界では聞く事の無いであろうと思っていた声が耳に入りました。しかし、少女にそのセリフはいかがなものかと思います。
どうでもいい事を考えながら声のした方を振り返ると予想通りに銀色の髪をポニーテールにした少女が表情を引き締めて立っていました。
しかし、別世界であるはずのこの世界に『青銅黒十字』に所属していた『剣の妖精』と言われた彼女がここにいるのでしょうか?
もっとも、原因はクソ女神か、あの神なのでしょうが。
そう、本来の歴史なら草薙護堂の騎士になるはずの女性であるリリアナ・クラニチャールが立っていた。
リリアナ・クランチャール
私が王の訃報を聞いたときは何かの間違いだと思った。あの方が死ぬはずがないと。
その事が事実だと知ると絶望で目の前が真っ白になった。私はヴォバン卿の神の招来の儀式の際に王に助けられた。
その時の事は忘れはしない日本から来た巫女が自分から儀式に赴こうとした時、天地より現れた光の玉が集結して現れた王は儀式に捧げられようとする少女全てを救われた。
儀式の場を破壊し、その様子に気が付いたヴォバン卿をも巨大な猿に変化して殺してしまわれた。その姿は紛れもない正義の味方だった。
その後、私は『青銅黒十字』に戻されはしたが、将来はあの方の騎士になる事を夢見ていた。六番目の神殺しである神樂神薙様の騎士になる事を。
神薙様の話はよく入ってきた。どこでも同じように現れてまつろわぬ神だけでなく非道を行う魔術結社などを壊滅していた。
その内に彼の事は黒い服を着ていた事から『黒の救世主』、または二つの剣を使っていた事から『双剣の王』などと呼ばれ誇らしかった。
今でこそあの方の苦悩がわかるが、あの時はただ憧れて自分の理想を押し付けていた。もし、当時の私が目の前に居ればきっと殴り飛ばしていただろう。
私が16の時に祖父の命令でヴォバン卿と共に日本に渡り、あの方と再会した。あの方はヴォバン卿との戦いを制して勝利された。
その後、イタリアに戻り、ナポリで問題が起きた際にあの方に依頼として来ていただいたのだが、様々な事が起き、ついにはまつろわぬペルセウスが来襲し激しい戦闘の末勝利された。
その後、押しかけ騎士となり様々な戦いを経験したがあの方と力の差は歴然としており、正直言って力が無い事にあれ程絶望した事は無く常に力を渇望していた。
王が殺された事が事実だとわかった後は何もやる気が起こらずにいたが、急に万理谷佑理が現れ、彼女に降りた神託を話してくれた。
王が異世界で復活なさる事、拠点としていた地がその世界に転移する事、そして、今行けばこの地に戻ってくることは出来ないが王の元に行ける事を伝えてくれた。
私は何も持たずに王の土地に行き、拠点の転移に巻き込まれる形で異世界に降り立った。すると王が死んでほとんどの機能が起動しなくなっていた施設の機能が復活し、王の復活が現実のものと理解できた。
そして、王は再びこの地に降り立たれた。だが、私の中には力への渇望が渦巻いている。その力を得る鍵は万理谷佑理が教えてくれている。チェスの駒という鍵を。
説明が長いと言うご指摘を受けました。私自身もそう感じておりますが、以前書いた小説で説明が短いと叩かれたのでどうも説明しない事にトラウマを持っています。
そのまま、突っ走りたいと思います。他にも意見がございましたらよろしくお願いします。