現在、オーバードライブ先生の『艦隊これくしょんー啓開の鏑矢ー』にて、
私の作品よりキャラ出張してコラボさせていただいています。
この場にて先生へ感謝させていただきたいと思います。
オーバードライブ先生、誠に今回のコラボありがとうございます!
それでは、お待たせして申し訳ございません。
どうぞ、本編の方をお楽しみください。
~電side~
「いやー、スッキリしたよ。待たせちゃってごめんね」
「いえ、5分ほどでしたので。さっぱりしましたのです?」
提督さんと別れてからウォン司令官と共に鎮守府の本館である総司令棟へと入り、ウォン司令官は直ぐに玄関右側奥のトイレに向かい、帰ってきた時には海水でパサパサになった髪以外の酷かった髭が無くなってサッパリした顔で帰ってきました。
「サッパリはしたけど使い捨ての安物カミソリだったから肌が少しヒリヒリするね。肌が弱いからちゃんとしたカミソリ買わないと」
「あはは……でもトイレにカミソリが置いてあるなんて、まるで旅館みたいなのです」
「まぁ、昔っから色々あってね。この司令棟で生活できるようカモフラージュ用に用意してたんだよ。まさか本当に使う時がくるとは思って無かったけど」
そう言いながら司令官は掲示板らしき場所を指さした。
「そこに総司令棟の案内図が置いてあるから、それを見て待ってて」
「え?司令官さんは何処に行くんです?」
「この掲示板の後ろにある部屋だよ。
ウォン司令官が足早に言ってしまい、私は言葉を返す事もできずに頷くだけです。
なんというか…ウォン司令官はしっかり案内してくれているけれど、どこかで自由気ままというかマイペースというか。
……どちらも似た意味ではあるのですけれどね。
気にするだけ無駄なのだろうと割り切り、改めて掲示板らしき場所を見る。
『らしき』と表現したのは、そこに何も張り紙の類いが全く貼られていなかっただけの事。
しかし、そこに
近づき、その冊子入れから鎮守府1Fと書かれた紙を一枚取り出して眺めた。
紙の色
所々分からない部屋があったり、どうして司令棟の内部にこんな部屋が存在してるのか不思議に思える部屋があったり。
一言で言うなら『全てを一緒くたんにした司令棟』と言えば適切でしょう。
「や、お待たせ。どうだい?ウチの鎮守府は」
「え…っと、何て言うか。不思議な鎮守府なのです」
「ははっ、正直におかしな鎮守府って言ってくれて構わないよ。自覚は十二分にある
「おかしい、というよりも此処にいるだけで生活していける程に施設が固まってるのが不思議と言いますか……」
本来の鎮守府……がどうなのかは襟裳鎮守府にしか居なかった電には分かりませんが、私の居た鎮守府は用途に沿った設備毎に作られていたのです。
食事なら食事処、事務なら雑務棟、休憩なら艦種棟といった風に分かれている。
それは通常深海棲艦との戦闘……駆逐を目的に生まれて来た私達艦娘でも、平時は平和そのもの。
心のゆとりを作る意味でもそれは大切だが、公私をちゃんと分けれる様に施設を区切って建ててあった。
そんな環境で生活していたのもあるとは思うのですが、私的にはそうした方が正しいと感じます。
確かにこの鎮守府が大戦直前……それも艦娘という未知の生物とも兵器とも言える存在を戦に初めて導入した鎮守府なのは分かっているつもりです。
しかし、だからと改築しなかった、或いは出来なかったとは思えない。
「そんなに不思議かな」
「不思議なのです」
司令官が苦笑いしながら後ろ髪を掻く仕草をする。
「困ったな、勝手に言う訳にもいかないしな」
「訳ありって事なのです?なら……」
「そこまで他言無用しなきゃいけないとかでは無いよ。ただ、僕の一存で喋っていいか分かんないだけ」
「なら、この話の続きは提督さんも一緒にいる時に聞く事にするのです」
「聞くことは確定なんだね。好奇心が強いのは良い事だ」
そう言いながら電の頭を司令官が撫でてくるのが何となく恥ずかしく、拗ねる様な声で講義しました。
「も、もう!電はそこまで子供じゃないですよぅ」
「ははは、僕にはまだまだ子供にしか見えないから、素直に受け入れるしか電ちゃんに選択肢はないよ」
「むぅー」
それからは司令官さんに連れられて建物内の施設一つ一つを見て回りました。
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-倉庫-
「まぁ、まずは倉庫だね。一番近いし」
「箪笥が多いのですね」
「ここは基本的に衣類や行事物が置いてあるんだよ」
「衣類…というと?」
「上級士官や艦娘用の下着や服、ベットシーツにタオルなどなど色々置いてあるよ。なんせ周りは海!海!海!だからね」
「あー、なるほど。全部一度に大量買いした方が安いって事ですね」
「そういうこと」
「それで、そこにある扉の部屋はなんなのです?なんか『?』と書いてあって立ち入り禁止とまで書いてあるのですが」
「あー、こっちは僕と相棒の部屋だよ」
「……倉庫の奥に自分たちの部屋ですか」
「秘密基地っぽいでしょー」
-食堂-
「ここは食堂・配膳室・調理場・食器庫が一緒になってる食事処だよ」
「配膳室…ですか?」
「実際の軍ってのがどうなのかは知らないけど、ここは艦娘が多かったからね。バイキング方式を採用してたんだ」
「それなら配膳室なんて要らないんじゃ?」
「本当はね。でも一度に大勢来るから混んじゃうでしょ?それをスムーズに済ませる為に好きな分量を頼むオーダー式にしたんだよ」
「考えは理に適ってるのですね。ただ、艦娘は食べなくても生きていけるのですが」
「……そうだね」
「?」
-接客室・リビング-
「ここは接客用の部屋、隣に続く扉の先はリビングになってるんだ」
「不思議な作りをしてるのですね。と言うよりリビングが部屋って…」
「でも見た目はソファにテレビ、テーブルが置いてあってリビングっぽいでしょ?」
「いや、確かにそうなのですけど」
「まぁ、無理矢理に命名した感は確かにあるよ。……実はね、ちょっとした仕掛けがここには施されてるんだよ」
「な、なんなのですか?」
「この接客室とリビングの壁、実は3cmも厚さが無いんだ」
「えぇぇぇええ!?ちょっとした衝撃で崩れてしまうのです」
「そう、だから変に触らないでね?」
「でもどうしてそんな面倒な作りに?」
「それは勿論、接客室の会話を聞く為だよ」
「盗み聞きじゃないですか!」
「ここで情報は共有財産って決めてるんだ」
「それでも盗み聞きは盗み聞きですよ!?」
「接客室を使う様な相手は限られる。無論、そういった相手と対話する場合は何かと黒い話が付き物でしょ」
「っ!?まさか!艦娘にも会話を聞かせてるんですか!?」
「そのまさか…かもね」
-和室-
「WA☆SHI☆TU」
「なのです!」
-会議室-
「ここでは海域奪還の為に僕と相棒、各艦隊の旗艦で話し合う場だった」
「ほぇ~、ここで昔の長門さんや金剛さん達と話し合いを」
「いや?長門ちゃんや金剛ちゃんと一緒に戦った事はあるけど、この鎮守府には来た事ないよ」
「え?」
「ここが何処だか忘れちゃった?海の上の孤島だよ?資源が限られてる環境で彼女らを満足に運用できる訳ないでしょ!」
「…………」
-Bランク資料室-
「ここが資料室なのは分かりましたけど、このBランクというのは?」
「この建物には情報の重要度が高い順からS・A・Bの3ランクに分かれてるんだよ」
「その分ける基準は何なのです?」
「まずBランク、これは誰でも閲覧可能な資料庫。Aランクはこの鎮守府関係者のみ。Sランクは俺と相棒、それと僕らの信頼が置ける一部艦娘だけに分けてるんだ」
「えっ?Sって事は重要機密文書とかですよね?私達艦娘が見ていい様な資料じゃない筈ですが」
「普通なら…ね。でもここでの情報管理は完璧だったから漏洩は無い筈だよ。だから信頼の置ける人なら、例えSランク資料でも閲覧は出来る様にしてたってわけ」
「どうして漏洩が無いと分かるんですか?」
「簡単な事だよ」
「?」
「最終的な話だけど、相棒のカリスマ性に皆が惹かれていたからね。情報を漏らすなんて事をするはずがない」
「……信頼し合ってたんですね」
「下手な人間相手よりかは信用あった」
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~ウォンside~
「次は二階ですね」
「あー、その前に休憩してもいい?説明してたら喉渇いちゃった」
「はい!……あ、提督…さん?」
「んー?」
廊下を歩いていると窓際で電ちゃんが立ち止まり、外を眺めていたのでそれに
電ちゃんが疑問符を浮かべながら相棒を見ていたのは、顔がマシになったせいだろう。
髭が綺麗サッパリと無くなり、髪も大分マシになったとはいえ海水で洗っただけだったからゴワゴワしていたが、それも洗い終わって綺麗になっていた。
服も風呂に置いていた代わりの真っ黒い軍服を着ていて、此方としても新鮮な姿を見れたな。
「おー、珍しい。相棒が軍服を着てるなんてなぁ」
「それが普通だと思うのですが」
「嗚呼、でも相棒はいっつも青色系の甚兵衛か浴衣を着ているんだよ。だから軍服を着ている相棒の姿はレア物だよ。あ。ちなみに僕は今着てる白い軍服が普段着だよ」
「そ、それって海軍としての規律として大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃないよ?けど、大丈夫なんだよ。……僕たちの昔の"所属"を知って手を出せる輩が居なかったからね」
「所属……ですか?」
「……ま、そこは自分で調べてね」
「ええ!?お、教えてくれないのですか?」
「言えない……ってのが正解かなー」
そう言って電ちゃんを置いて食堂に向かう。
「あ、置いてかないでくださいー!」
後ろ手に小走りで近づきながら聞こえる電ちゃんの声を背に思う。
(退屈はしなさそうだ、はは)
~ステラside~
(何か気になる視線を感じたが……まぁ、いいか)
菊月は未だに入渠時間がかなり残っていた為に、先に風呂から上がりボロボロになった服の代わりに昔予備として置いてあった軍服を着込んだ。
それからは入渠棟を出てある場所へと向かう。
整備棟と総司令棟の間を抜け、鎮守府の左下あたりにある建物へと歩を進める。
「ここは相変わらず変わらねぇ…か?……いや、そうでもねぇな」
建物の至る所に目を向けると
鎮守府にいるのが菊月と皐月だけってのは本当らしいな。
横目にそれらを一瞥して先へと進む。
通路の行き当たりにある壁の前で立ち止まり、その壁を調べる。
一見するとただの壁で、ちょっと調べただけでも分からない用な仕掛けを施してはあるが……
「お、あったあった。久々だと忘れそうになるぜ」
行き当たり右手の壁を手探りで探し、壁を触った時とは違う触り心地のする場所に掌を数秒押し付ける。
ピピッ!
聴き慣れた機械の作動を意味する短い警報を聞いて2歩ほど下がる。
すると徐々に壁が持ち上がり、数秒もしたら壁があった事が嘘のように無くなり奥に広い空間が現れた。
明かりが付いていないので暗く不気味な空間になっているが、奥にエレベーターがあるのが見える。
そう、この広い空間はエレベーターホールになっていて、それを隠す為の隠し扉が先ほどの壁だ。
薄暗い中を躊躇せずに歩いて行き、唯一ある下へのボタンを押す。
すぐそこで待機していたらしく、ボタンを押した瞬間にポーンとエレベーターの到着音と共に扉が開く。
素早く中に入り【閉】のボタンを押して扉を閉める。
階数ボタンの上にある暗証キーに暗証番号を入力した。
万が一、壁の隠し扉が誤作動で開いてしまったとしても大丈夫な様にエレベーターを作動させるのに必要な暗証番号を入力しないと動かなくなる細工が施されている。
(まぁ、結果からしてそこまで慎重になる必要もなかったがな)
何にも引っかかる事なく地下2階に到着した。
扉が開き、エレベーターから出ると乗ったとき同様にエレベーターホールは暗かったが、少しするとチカチカッという音がして蛍光灯が手前から順に点灯してゆく。
「人がいねぇと明るくても雰囲気的に暗く感じるな」
明かりが付いて明るくはなっているが人が全く居なく静寂が満ちているのも相まって人工的な光が寂しくも暗く感じる。
小さいため息を一つ付いて皐月が居るであろう艦娘の私室に向かう。
「………………ん」
ガラッ
それぞれの部屋毎に下げられているプレートを見て回り皐月の名前を見つけ、引き戸を開ける。
電気は消されて部屋は暗いが廊下からの光でぼんやりと室内が見渡せた。
部屋は入口以外は全て座敷になっており、そこには布が被せられてないコタツと布団。
私物の類いは部屋の押入れか、床下収納に入れられているのか。ほぼ置かれていない。
ちなみに床下収納は部屋の入口にあるボタンで畳が自動的に持ち上げられる仕組みになっているので女子供でも簡単に出し入れできる。
勿論そんな事に興味なく……興味があるのは布団にスッポリと包まっている人物の方だ。
「…………」
無言で靴を脱ぎ、布団のすぐ傍まで近づく。
しかし、布団の中に居るであろう皐月は反応を返さない。
寝ている訳ではない。
昔っから皐月は布団を顔まで被ると息苦しくて眠れないのを知っているからだ。
数秒立ち尽くして皐月の反応を確かめるが、まるで反応しようとしない。
考察するまでもない。
菊月が帰ってきただけだと思っているのだろうな。
その様子にニヤリと笑い片膝を付く。
そして一気に………拘束するっ!!!
ボフッ!
「っ!?」
掛け布団の上から素早く皐月を捕まえる。
「っ!…きっ」
「叫ぶな、抵抗するな……抵抗すれば、お仲間が無残な姿になるぞ」
「ぅっ!?」
声色を別人に変えて布団の上から声をかける。
瞬間、抵抗しようとした皐月が大人しくなった。
「これを目に巻き付けろ」
そしてこんな展開に持ち込めるだろうと思い用意してきた長い紐を布団の中に押し込む。
「………っ!」
「無駄だ」
「んごぅ!?んぁ!」
手を入れた瞬間に指を噛み千切ろうとしてきた皐月の舌を逆に掴み引っ張り出す。
軽く舌を引っ張ると、くぐもった苦悶の声を返してくる。
「そんなにお友達の愉快な姿を拝みたいか?くくっ、仕方のない子だな」
「んぅ!やぇて!」
舌から手を離して少しすると、布団の中でゴソゴソしだした。
「…目隠し……付けました」
「付けたのなら次は両腕を布団から出せ。下手な行動はするな。次はない」
「……はい」
ゆっくりと、だが確実に両手が布団の脇から出てくる。
布団が振動を吸収していて分からなかったが、両腕がカタカタと震えていた。
こういった寝込みを襲われるケースの対処の方法は教えた筈だが、まあ武器は手元にない上に布団を被って視界を全て自ら奪っていた。
自ら後手に回るような事をしてのケースなんて存在する訳がない。
少なくても俺は知らねぇ。
最善の行動を取っていれば、俺が相手とは言えどもここまで無様にやられっぱなしとはならなかっただろう。
だが、そこで菊月の言葉を思い出す。
ここまで皐月を精神的に追い詰めたのは俺らのせい……か。
「よし、そのまま腕を出していろ」
そう言ってもう一つ持っていた紐を使い、両手を縛り上げる。
ガッチリと紐が固定されているのを確認してから腕の出ている反対側を捲っていく。
目隠しがちゃんと成されているか分からない為、手の反対…つまりは後頭部の方から確認する。
確認し終え、堂々と布団を退けて久々に見る皐月の姿に見入った。
いつもの黒い制服に白ネクタイではなく、薄緑色のワンピースで寝間着ともルームウェアとも呼べる様な服装だった。
「ん!な、何が目的なの!?どうしてボクたちを狙うの!?」
いきなり布団から出され冷えた空気に体の震えが数秒大きくなり、またカタカタと恐怖に小さく震えながらも抗議の声をかけてくる。
あー、特に理由は無いんだよなぁ。
強いて言うなら"皐月の前に普通に現れて感動の再会……みたいな展開が小っ恥ずかしいから"という理由で強姦紛いの行動に出たというだけなんだがな。
………ニヤァ
「決まってる。お前らを売って金にするんだよ。お友達も思ってた以上に上玉だから高く売れるだろうぜ、くはは」
「っ!さいってい!」
「ほぅ、ここに来て抵抗するか。いいぜ、少し遊んでやるよ嬢ちゃん」
口角を更に上げて完全に黒い笑みをする。
やべぇ、ちょっと楽しくなってきやがった。
記憶にある皐月は"初期の頃"を除けば常に笑顔が絶えず、ハツラツとした姿しか出てこない。
だが今、目の前の皐月は何も見えず何をされるのか分からない恐怖に怯え震えている。
その姿が俺の男としての支配欲、虐めたい加虐心を促進させる。
「ぐっ!?」
ギリギリ……本当にギリギリの所で自分の感情に気付く事が出来た事で自分を諌めようと、自分にアイアンクローを仕掛ける、
頭が締め付けられる痛みに黒い感情が少し削がれた。
黒い感情に支配された時が自分の"終わり"だと知っているが為に。
だが、あまりに我慢しすぎるのもストレスが溜まる。
だから自分の最低ラインを決め、先ほどの続きを再開する。
「ひっ!?」
「いい声出すじゃないか」
皐月に寄り添う様、横になり後ろから抱きつく。
抱きついた瞬間に皐月の香りが鼻腔をくすぐる。
女性からすると臭うのが嫌なのだろうが、男性からすると人によっては甘美な香りにしか匂わない。
少なくとも今日は風呂に入ってないのか、皐月の匂いが強く感じる。
そのお陰か、フツフツと湧き上がってきた加虐心が大分薄れた。
しかし、逆に今度は性欲が沸き上がってくる。
まあ、性欲ぐらいなら戒めるのも簡単だから、結果的に黒い感情が薄れたから良しとしよう。
「んっ……ふっ……」
「我慢しないで、もっと鳴け」
片手で皐月の膝を卑猥な手つきで撫で、もう片方の手で円を描く様に腹を撫でる。
「は…ふ…んんっ」
「いつまで声を我慢できるかな?くくっ」
ゆっくり……本当にゆっくりと触る位置を上げてゆく。
膝から太ももに手の位置を移動し、太ももをゆっくりと撫でる。
「あ……やっ……ふぁ」
「くはは、いい声で鳴くじゃねぇか」
そしてもう片方の腹を撫でていた手を徐々にあげ、胸の位置にまで持ってこようとしたら二の腕を閉じて鳩尾あたりで手が挟まれた。
「なにしやがる」
「そこは……駄目?」
涙声で皐月が抗議してくる。
見てみると目隠しの布が二箇所濡れてきている。
涙を流しているのか。
「駄目だぁ?テメェに拒否権なんてねぇよ」
「駄目…止めて………『提督』」
「………」
たった一言、漢字にすれば2文字、平仮名でも4文字の言葉だが俺の行動を停止させるには十分の効果だ。
「……どこで分かった」
声色を元の声に戻して皐月に問いかける。
「分かるよ。だって提督だもん」
ちょっと待ておい、その理屈は理由になってねぇよ。
「意味分かんねぇんだが」
「だって、手つきが優しいし、途中から声色は違うけど喋り方が提督の口調だし、何よりも提督の匂い……忘れる訳ないよ」
手つきを優しいものにした覚えは無いんだが、言われてみれば喋り方が途中から訛り口調になっていた気がするな。
それに匂いに付いては道理か。
俺に皐月の匂いがする様に、皐月には俺の匂いがするのは当たり前だわな。
「ちっ、楽しみのねぇ野郎だ」
「野郎じゃないよ!ボクは女だもん!」
涙声でどうでもいい事を抗議されても「そうだな」ぐらいしか返せねぇだろぅがよ。
最初に目隠しを外すと涙をポロポロ流しながら此方を凝視してくる。
「ほん…ほんとに、ステラ……提督?」
「今更疑問に思ってんじゃねぇアホ」
「ステラ提督!てい、提督!う、うわぁぁぁあああああああああ」
手首の紐を解いた瞬間、皐月が抱きついてきて騒音と言えるほど大きな声で泣き出す。
さっき着替えたばかりなのに涙で汚すのは止めろと言いたい所だが、そこまで空気が読めない奴ではない。
だがしかし、こう泣き付かれる結果を予想して強姦&賊紛いの事をしたのに、結果が一緒になるのはどういう事だ、くそが。
それから数分間騒音に耐えなきゃいけないという苦行を乗り切り、胸の中でスンスンと鼻を啜る皐月を引き剥がそうとした。
「やっ…ぁ……まだ、もう少し」
「離れろ、鬱陶しい」
「ぁ……」
皐月はまだ離れたら俺が何処かに行ってしまうと思っているのか手を伸ばしてくるが、腕を掴み阻止する。
「いい加減にしろ、ガキ。俺はテメェの何なんだ?」
「……提督…上司……です」
「なら、テメェの取るべき行動をしやがれ。話はそれからだろぅが」
睨む様に皐月を見ると、涙をグッと堪える様に目をキツく閉じて向日葵が咲いたような笑顔を向けられる。
「おかえり!提督!」
「嗚呼……帰ってきてやったよ」
そう言うと目元の涙を拭って再度抱きついてきた。
「やっぱり提督は優しいね!」
「……暑苦しい」
……………………
………………
…………
……
まぁ、偶には…本当に偶にはこういうのも悪くはねぇかもしんねぇ。
up主「R-18ギリギリのラインを狙ったらこれだよ、チキショーメー」
皐月「ふわっ、わっ、わぁー!な、なんてもの上げてるのさup主!」
up主「これぐらいの物ならOKだろ?」
皐月「NOだよ!これじゃまるで、ぼ、ぼぼ、ボクが変な子みたいじゃないかー!」
up主「元々だろ?」
菊月「おい、up主。それくらいにしてくれないか?これでも我が姉なのだ」
up主「むぅ、皐月を弄るのは楽しいんだが」
菊月「まぁ、私としてはどちらでもいいのだが。それ以上は奴の獲物が火を吹くぞ」
up主「ちょまっ!?ネタバレは勘弁してくれ」
皐月「うぅ、もうボクお嫁さんに行けない」
up主「そうなったら縁談の一つや二つ持ってくるが」
皐月「だ、駄目だよ!ボクは提督以外の人には………あっ……」
菊月「落ち着け馬鹿者。自ら墓穴を掘ってどうする」
皐月「だって!だってだって!up主が意地悪な事を言うから行けないんだよ!」
菊月「それがup主の思うツボだと何故分からん……」
up主「えっと、姉妹喧嘩が勃発しそうなのでこの辺で締めたいと思います。全く、子供だなぁ」
皐月&菊月「up主(お前)のせいだよ!」