ヒロアカ×エアギア 炎の英雄(更新停止)   作:ken4005

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第7話

ヒロアカ小説第7話

第7話 USJ──壊す風、燃ゆる炎(約11,000字構成)

 

 

空気が震える。

USJの空気を貫くように、黒い巨体が咆哮する。

 

「……何だ、あれは」

飯田が言葉を失う。

十三号がかすれた声で答えた。

「ヴィラン……いえ、まるで“兵器”です」

 

脳無。

肉塊のような筋肉が脈動し、

露出した脳が青白く光っている。

 

死柄木が階段に座わり直し、愉快そうに笑う。

「見せてやるよ、雄英。平和の象徴を殺すための、俺たちのとっておきを」

 

 

「全員下がれ!」

相澤がゴーグルを装着し直し、マフラーを構えた。

「俺が前にでる。十三号、生徒を頼む!」

「はい!」

 

「先生! 危険です!」

出久の声が響くが、相澤は振り向かない。

 

「お前らを守るのが教師の仕事だ。」

 

その言葉と同時に、マフラーが風を切り、黒い巨体に絡みつく。

 

「(抹消!)」

 

脳無の動きが一瞬止まる。

その隙に相澤が渾身の蹴りを叩き込んだ。

だが――

「硬ぇ……っ!」

 

筋肉が盛り上がり、抹消が解除されていないにも関わらず、

脳無の腕が弾丸のような速度で振るわれた。

 

衝撃波。

相澤の体が宙を舞う。

 

「先生!!」

出久が叫び、A.Tを蹴った。

爆豪がすぐに追う。

 

「チッ……行くぞ出久!」

「カッちゃん、先生をカバー!」

「わかってんだよ!!」

 

 

相澤が床に叩きつけられる寸前、

出久が滑り込みながら風を巻き上げた。

「翼よ!!」

炎の羽が広がり、衝撃を受け止める。

 

爆豪がその脇をすり抜け、脳無の顔面を狙って爆破を放つ。

「死ねぇ!!!」

 

爆炎。

しかし、脳無は微動だにしなかった。

 

死柄木が唇を歪める。

「効かないよ。

 衝撃吸収に再生。オールマイト対策の“改造人間”だ」

 

「改造……だと?」

相澤が呻く。

 

 

「お前たち、そんなものを……!」

出久の胸に怒りが湧いた。

(人を……壊すために作った改造人間……!?)

 

「そんなの……許せるわけがない!!」

 

 

出久の炎が膨張する。

風が渦を巻き、A.Tが赤く輝いた。

 

「カッちゃん、援護お願い!」

「おう!くらえ、おらぁ!!」

 

過剰な程の前傾姿勢をとり、全力の加速と共に、鋭い連撃が放たれる。

「“ドラゴンスマッシュ・ツイン”!!」

 

二重の炎牙が爆豪の弾幕に晒されている脳無に放たれる。

 

強力な連携の余波だけで周囲のヴィランたちが吹き飛ぶ、しかし。

 

離れて位置から戦闘を見ていたお茶子が叫ぶ。

「デクくん、上!」

 

攻撃を喰らいながらも脳無は跳躍。

天井へ拳を叩きつけ、瓦礫やガラス片が降り注ぐ。

 

「“翼よ!”」

出久が広範囲の炎の防壁を広げ、落下物を逸らし、仲間の頭上を守った。

 

死柄木がゆらりと立ち上がった。

「やるじゃないかヒーロー。その炎、誰のためのものなんだい?」

 

大技の連発で疲労が見え始めた出久が答える。

「僕の炎は、風は、みんなを救うためにあるんだ!」

 

「救う?……違うよ。風ってのは、壊すためのものなんだ」

 

死柄木が両手を拡げると周囲の空気が歪んでいく。

人々に“不安”を伝播させるような恐ろしい風。

出久の心臓がぞくりと震えた。

 

(……これが、“壊す風”……!)

 

 

死柄木が軽く手を上げる。

「脳無、もっと遊んでやれ」

 

その一言で、脳無が加速する。

音を置き去りにして。

 

「――ッ!」

次の瞬間、爆豪が吹き飛ばされていた。

 

「カッちゃん!!」

「ぐっ……こいつ、速ぇ……っ!」

 

復帰した相澤が再びマフラーを伸ばすが、

脳無に触れる前に、布が崩れさる。

 

「なっ……!」

そこにはいつの間に移動したのか死柄木がくつくつと笑いながら立っていた。

「俺の“崩壊”は、五本指が触れたものを壊す。物でも、人でも、同じさ」

 

口の端から血を流しながら、爆豪が立ち上がる。

「テメェ、よくも……!」

 

出久が止めた。

「カッちゃん、下がって!」

「あぁ!?」

「“あの風”はやばい!触れちゃダメだ!」

 

死柄木がその腕を振り、生み出した風……それが、空間を崩壊させながら迫る。

 

爆豪が舌打ちする。

「チッ、じゃあどうすりゃいい!」

「弾き返す!!」

 

 

出久が踏み込む。

A.Tが軋む音。

赤い光が走る。

 

「“全力全開フェニックス・スマッシュ!!”」

これまでにない威力の炎の波と、

「“クラスター・インパクト!!”」

爆豪の両掌から複数の火花が弾け、強力な爆破が放たれる。

 

炎の波と爆破が、崩壊の風とぶつかり合い、押し返す。

脳無ですらその衝撃の余波で吹き飛んでいく。

 

死柄木がわずかに眉をひそめた。

「へぇ……俺の崩壊を抑え込んだか。」

 

死柄木が再度、腕を広げる。

 

十三号が叫んだ。

「全員、下がって! またあの崩壊がきます!!」

 

空気が軋む。

出久の髪が逆立つ。

 

「――来るぞ!」

「翼よッ!!」

 

出久が炎の障壁を張り、爆豪がすかさず爆風を押し当て、

衝撃を逸らしていく。

 

2度に渡る崩壊の波を防ぎきる。

 

「二人とも……ほんまに、すごい……!」

 

 

十三号が残る学生たちに指示を飛ばす。

「轟くん、氷と障壁を、八百万さん、可能な限りの防御網を!」

「はい!」

「すぐに展開します!」

 

飯田が通信機を取り、

「先生、僕が入口を強行突破して、外で連絡を!神鳴くん、峰田くん、蛙水くん「梅雨ちゃんと呼んで」、つっ梅雨ちゃん、耳郎くんは周囲のヴィランの足止めを、砂糖くん、障子くん、USJの入口をこじ開けてくれ。他の皆んなは13号先生の援護を!」

 

「飯田くん!?」委員長の急な指示に13号が驚く。

 

「戦況は悪化する一方です。今必要なのは、一刻も早く、救援を呼ぶことです。」

 

その声を聞きながら、出久は額の汗を拭った。

炎が揺れる。

(……こんな風、初めてだ。でも――ここで折れたら、救えない)

 

隣に立つ勝己が横目で笑う。

「出久、まだ立てるか」

「当たり前だよ」

「なら行くぞ。あのクソヴィラン共に、俺たちの底力見せつけてやんぞ」

 

「うん!」

 

 

腕を押さえた死柄木が後ろに下り指示を出す。

「脳無、手加減はここまでだ、、、殺せ」

 

その声とともに、脳無が視界から消える。

空気が弾け、風を押しつぶしながら急接近する。

 

他よりも早く反応した出久がA.Tで強く蹴り出し、勝己と相澤の前に出る。

「出久!?」「緑谷!?」

二人の声が響く。

 

前に出た一瞬、出久の視界が分割された。

“風”がより深く感じ。今ではない、”先の風”を見る。

 

(――ここだ!)

「“牙よ(時よ)!!”」

 

脳無の動きを先読みし、地面に赤い軌道を置くことで、脳無の脚を弾く。

 

そのまま炎を足に纏わせ、

「“フェニックススマッシュ(時よ)!!”」

 

これまで遠距離で放ってきた技を近距離で膝側面に叩きこむ。

しかし、次の技を出す前に、脳無の拳が出久を弾き飛ばす。

衝撃で息が止まる。

 

「がっ……!」

「出久!!」

 

吹き飛ぶ出久を勝己が受け止め、

脳無に向けて爆破を打つ。

「テメェが壊すんじゃねぇ――俺が潰す!!」

 

全開の爆破の連打によって脳無の肉が焼け、後退する。

だがすぐに再生。

 

死柄木が嬉しそうに笑う。

「そろそろ誰か壊れるかな」

 

 

出久が膝をつく。

肺が焼けるように痛い。

それでも立ち上がる。

(ここで止まったら、先生も、みんなも守れない)

 

「カッちゃん、もう一度突っ込む」

「おう、死んだら殺す。生き残るために突っ込め」

「了解!」

 

A.Tがうなり、脳無が反応できない速度で出久が懐に飛び込む。。

 

「フェニックス・スマッシュ(時よ)!」

「ドラゴンスマッシュ(時よ)!!」

「ローゼンスマッシュ(時よ)!!!」

 

炎が連続で衝突する。

脳無の動きを先読みし、相手が動く始める瞬間のみに高速のカウンターで技を放ち続ける出久。

 

出久の攻撃が脳無の衝撃吸収を超え始める

 

「(いけるか!?)」

体が、脳が悲鳴を上げ続ける状態ではあるが、それでも止まらない出久が手応えを感じ始める。

 

そこに、絶望の声が響く。

「壊れる」

 

再度、崩壊の風を放とうとする死柄木、

 

相澤が息を吐き、

「させるか!」

死柄木に対して、抹消を発動させる。

「(あの崩壊はA.Tの技術と個性の掛け合わせだ。俺の抹消で崩壊は止められるはず)」

 

 

死柄木の暴挙を間一髪で止めたのも束の間、

 

出久の連撃に晒されていた脳無が攻撃をくらいながら突然、両腕を広げ吠えた。

轟音。

 

出久が歯を食いしばる。

(こいつ……声だけで……潰してくる!?)

 

十三号が叫ぶ。

「緑谷くん!?」

 

脳無の目の前にいた出久とサポートに入ろうとし、出久同様に近距離で咆哮を受けてしまった勝己はその動きを止めていた。

 

脳無の拳が出久に迫るなか、

 

相澤が出久を押しのけた。

その瞬間、

脳無の拳が相澤を直撃。

 

「先生っ!!」

出久の叫びがドームに響いた。

 

 

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