サムライスクワッドの結成
中学1年生になった桜たちは、入学式を終えた後、風見裕也と名乗る公安警察官から声を掛けられた。風見は丁寧ながらも有無を言わさぬ口調で、桜たちに目隠しをし、車に乗せる。車は人里離れた山道を走り、たどり着いたのは大きな秘密基地だった。
目隠しを取ると、そこは最新鋭の機器が並ぶ、まるで映画のセットのような空間だった。
桜が目の前の光景に呆然としていると、背後から懐かしい声が聞こえてきた。
安室「…久しぶりだな、桜」
桜が振り向くと、そこには喫茶ポアロの店員、安室透が立っていた。
しかしその顔は、以前の穏やかな安室透ではなく、警察官としての鋭い表情をしていた。
さくら「安室さん…?」
桜が、驚いた表情で安室透を見つめる。
安室透は桜の驚きに苦笑しながら、自己紹介を始める。
安室→降谷「今は、安室透じゃない。警察庁警備局警備企画課、通称『ゼロ』に所属する、降谷零だ」
降谷零は桜たちの前で、改めて自己紹介する。
桜は前世の知識で、降谷零が安室透の本当の姿であることを知っていたが、実際に目の当たりにするとやはり驚きを隠せない。
降谷零は桜たちを、会議室へと案内する。
会議室には風見裕也が先回りしており、そしてリリーとサラが生前に使用していた、S.H.I.E.L.D.の機器が並んでいた。
更に、アメリカのS.H.I.E.L.D.に居るはずのフリーレンも其処に居た。
桜達は色々と聞きたい事はあるが、今は降谷達の話を聞くことに。
降谷「木之本桜、大道寺知世、李小狼。君達には、日本のヒーローになってほしい」
降谷零は、桜たちに真剣な眼差しで語りかける。
降谷「アベンジャーズの活躍は世界に希望を与えた。しかし日本には、まだアベンジャーズのような公式なヒーローチームが存在しない」
降谷零は、日本でも公安や政府公認のヒーローチームを結成し、アベンジャーズのように世界を、そして日本を守りたいと考えていた。
降谷「僕達は君たちのことをずっと監視してきた。君達の活躍も、全て把握している」
降谷零の言葉に、桜は驚きを隠せない。
さくら「監視…?」
降谷「そうだ。君たちの力が危険なものになりかねない可能性も考慮して…だが君たちは、自分の力を正義のために使ってくれた」
降谷零は、桜たちの活躍を称賛する。
降谷零の提案に、桜は戸惑いながらも、決意を固める。
ニューヨークでの戦いを経て、桜はヒーローになることを決意していた。
降谷零の提案は、その決意を後押ししてくれるものだった。
さくら「降谷さん……私、やります!」
桜は、降谷零に、力強く答える。
そして、小狼、知世、フリーレンも、桜の決意に、賛同する。
知世「私も、さくらちゃんをサポートしますわ!」
知世は満面の笑みで、降谷零に告げる。
小狼「俺も、桜と共に戦うぜ」
小狼も力強く、降谷零に告げる。
フリーレン「…悪くない」
フリーレンも静かに、しかし確かな意思を込めて、降谷零に告げる。
降谷「よろしい。では、所属するチームの名前は既に決めてある。その名も、『サムライスクワッド』。君達が最初のメンバーとなる」
メンバーは、魔法を操るカードキャプターこと桜、剣術と札の使い手である小狼、最高の映像オペレーター兼コスチュームデザイナーの知世、そして伝説の魔法使いフリーレン。
降谷「サムライスクワッド…これから日本を守るために、共に戦っていこう」
降谷零の言葉に、桜たちは緊張しながらも、決意を固める。
しかしその時、部屋の扉が勢いよく開いた。
サクラスパイダー「始めまして!サクラスパイダーと申します!」
元気いっぱいの声とともに現れたのは、赤と白を基調とした、和風のデザインが施されたスパイダースーツに身を包んだ、明るく快活な少女だった。
さくら「…サクラスパイダー?」
桜が驚いた表情で、その少女を見つめる。
前世の知識では『デッドプール:SAMURAI』に登場する、日本生まれのスパイダーウーマン、サクラスパイダーだ。
サクラスパイダーは興奮した様子で、桜たちの元へと駆け寄る。
サクラスパイダー「皆さん!アベンジャーズの皆さんと一緒に戦ったって、聞きました!私も、皆さんと一緒に日本を守りたいです!」
サクラスパイダーは、熱血美少女ヒロインという言葉がぴったりの、明るく元気な少女だった。
サクラスパイダー「…私も、皆さんのことを知ってます! カードキャプターさん、香港の若い魔術師、天才カメラマンさん、そして、伝説の魔法使いさんも!」
サクラスパイダーは興奮した口調で、桜たちのことを語る。自分達の事を知っている事に驚きを隠せなかった。
サクラスパイダーの登場に、サムライスクワッドのメンバーは、それぞれ異なる反応を見せる。
桜は、サクラスパイダーの明るさに少し戸惑いながらも、新たな仲間の登場に、心を弾ませる。
小狼は、サクラスパイダーの熱血ぶりに少し気圧されながらも、その実力は認めざるを得ない。
知世は、サクラスパイダーのスーツのデザインに興味津々で、カメラを構えている。
フリーレンは相変わらず無表情だが、サクラスパイダーの能力に、わずかに興味を抱いている。
そして、降谷零はサクラスパイダーの加入に、満足そうな表情を浮かべる。
こうしてサムライスクワッドは、5人のメンバーが揃い、本格的に活動を開始する。
しかしその影には、黒の組織という新たな敵が、彼らを待ち受けているのだった。
日本の平和を守るため、サムライスクワッドの新たな戦いが今、幕を開ける。
さくら「そう言えば、どうしてフリーレンさんが此処に?」
フリーレン「まあ、色々と理由はあるよ。ロキに洗脳され、ヘリキャリアを破壊する手伝いをしたからね……正直、ヒンメルにも顔向け出来ない事をしてしまった……だから少しでも償いがしたくて、さくら達の所に来たんだ。それに、零からスカウトされたし、さくらには救われた恩があるからね。私は此処で、サムライスクワッドとして、さくら達をサポートするよ」
これは頼もしい事に変わりない。伝説の魔法使いが仲間になるなんて、桜から見ても嬉しい事に変わりなかったからだ。
――――――――――――――――――――――
早速任務が出来た。しかし、その任務内容に桜は驚く。
さくら「えっ…?これが初任務、ですか?」
桜は、降谷零から渡された任務内容の書かれた紙を見て、思わず声を漏らした。
そこには、ゴミ拾い、溝にハマった車の立て直し、階段を上がれない高齢者のサポート、猫探しなど、どれも平和な日常で起こりうる、小さな親切ばかりが書かれていた。
降谷「そうだ。ヒーローとは、何も巨大な敵と戦うことだけじゃない。日常に潜む小さな困りごとを解決することも、立派なヒーロー活動だ」
降谷零は桜たちの戸惑いを見抜き、冷静に説明する。
降谷「それに君たちの能力は、一般社会では規格外だ。いきなり大きな事件に投入すれば、混乱を招く。まずは社会に馴染むこと。そして、市民の信頼を得ることが重要だ」
降谷零の言葉に、桜たちは納得したように頷く。
こうして、サムライスクワッドの初任務が始まった。
桜たちはチーム名を記した、お揃いのベストを身につけて街へと繰り出す。
ゴミ拾い
サクラスパイダーが、スパイダーセンスを活かして、ゴミが落ちている場所を瞬時に特定する。フリーレンは、魔法でゴミを一つにまとめ、桜は、風のクロウカードでゴミを運ぶ。小狼と知世は、ゴミを袋に詰める。サムライスクワッドの連携プレーにより、ゴミ拾いはあっという間に終わった。
溝にハマった車
高齢の男性が運転する車が、溝にハマってしまう。小狼は力自慢の男性たちを束ね、車を押し出す。桜は力のクロウカードで車を軽く持ち上げ、男たちを助ける。男達は驚きながらも、桜たちに感謝する。
階段を上がれない高齢者
足の悪い高齢者が、階段を上がれずに困っている。フリーレンは魔法で高齢者を抱き上げ、階段を降りる。高齢者は驚きながらも、フリーレンに感謝する。
猫探し
子供が迷子になった猫を探している。サクラスパイダーはスパイダーセンスで猫の居場所を突き止め、猫を子供の元へと連れて行く。子供はサクラスパイダーに、満面の笑みで感謝する。
サムライスクワッドの活動は市民たちの間で、次第に話題になっていく。
住人「最近、街に不思議なヒーローがいるらしい」
住人「困っている人を助けてくれるらしいよ」
市民たちはサムライスクワッドの活躍に、感謝と信頼を寄せていく。
桜たちは小さな親切を積み重ねることで、少しずつ人々の信頼を獲得していく。
そしてその活動は、降谷零の計画通り、やがて大きな事件へと繋がっていく。
サムライスクワッドの物語は、小さな親切から始まった。
更に、小さな親切を積み重ねることで市民の信頼を得たサムライスクワッドは、やがてよりヒーローらしい、本格的な任務に投入されるようになる。降谷零は、彼らの能力をただの雑用で終わらせるつもりはなかった。
町の不良たちの仲裁
公園や路地裏でたむろする不良グループの喧嘩に、サムライスクワッドが介入する。
サクラスパイダーは、スパイダーセンスと軽快な動きで不良たちの動きを封じ、桜は風のクロウカードで不良たちの気をそらす。小狼は武術の腕前で不良たちを制圧し、フリーレンは彼らの心を読む魔法で、なぜ喧嘩をしているのかを突き止める。
そして、降谷零が不良たちの話を聞き、仲裁に入る。こうして、サムライスクワッドは暴力ではなく、対話で不良たちの喧嘩を解決していく。
不審者の確保
夜の住宅街に、不審な影がうろついているとの通報が入る。
サクラスパイダーは、スパイダーセンスとウェブシューターで、不審者を追い詰める。フリーレンは魔法で不審者の動きを封じ、小狼は剣と札を駆使して不審者を制圧する。
そして、降谷零と風見裕也が不審者を取り押さえ、確保する。
事故で危ない目に遭った民間人の救出
工事現場で事故が発生し、瓦礫の下敷きになった作業員がいるとの通報が入る。
救助隊が到着する前に、サムライスクワッドが現場に急行する。
桜は、力のクロウカードで瓦礫を持ち上げ、小狼は、剣で瓦礫を切り裂く。フリーレンは、魔法で瓦礫をどかし、サクラスパイダーは、ウェブシューターで作業員を救出する。
そして、知世が、現場の状況をカメラで記録し、救助隊に情報を伝える。
困難区域での救助活動
大雨による土砂崩れで、孤立した集落があるとの通報が入る。
救助隊だけでは近づくことができない、危険な場所だ。
そこで、サムライスクワッドの出番となる。
桜は風のさくらカードで土砂を吹き飛ばし、フリーレンは魔法で足場を確保する。サクラスパイダーはウェブシューターで急峻な崖を登り、小狼は道なき道を開拓する。
そして、知世がドローンを使って、上空から集落の状況を把握し、降谷零と風見裕也に報告する。
サムライスクワッドのヒーローらしい活躍は、次第に世間に知られるようになっていく。
市民たちは、サムライスクワッドを日本のヒーローとして、信頼するようになる。
そして桜たちも、小さな親切から大きな事件まで、様々な任務をこなすことで、ヒーローとして、人間として、大きく成長していく。
―――――――――――――――――――――――
中学に進学した桜は、ニューヨークでの活躍が知れ渡ったことで、学校の人気者になっていた。クラスメイトたちは、桜の周りに集まり、ニューヨークでの出来事について、興味津々に質問する。
生徒「さくらちゃん、本当にアベンジャーズと一緒に戦ったの!?」
生徒「ロキって、本当にいたの!?」
クラスメイトたちの質問攻めに、桜は少し照れながらも、ニューヨークでの出来事を語る。しかし、サムライスクワッドの活動は秘密裏に行われているため、桜は、アベンジャーズとの関わりを、少しぼかして話す。
さくら「みんなが頑張ったから、ニューヨークは救われたんだよ」
桜の謙虚な姿勢も、クラスメイトたちの心を掴んだ。
桜の周りには、いつも笑顔が溢れている。
桜の人気は、クラスだけにとどまらなかった。学校全体でも、桜の噂は広まっていた。
生徒「あの1年生、アベンジャーズと一緒に戦ったんだって!」
生徒「すごいよね! テレビで見た!あの日本の子供達の一人なんだって!」
廊下を歩けば、すれ違う生徒たちが、桜に挨拶をする。
昼休みには、他のクラスの生徒たちが、桜のクラスに遊びに来る。
生徒達『『桜ちゃん、サインください!』』
そんな声に、桜は困ったように笑いながらも、サインに応じる。
桜の人気は、日に日に高まっていった。
しかし、桜は人気者になったことで、少し戸惑いも感じていた。
サムライスクワッドとしての活動は、秘密裏に行われている。しかし、桜の人気が、ムライスクワッドの活動に影響を与える可能性も、否定できない。
ケロちゃん「桜、人気者になったのはいいことや。でも、油断したらあかんで」
ケロちゃんは、桜の様子を見て、忠告する。
さくら「うん、わかってるよ、ケロちゃん…」
桜はケロちゃんの言葉に、真剣な表情で頷く。
桜は人気者として、そしてサムライスクワッドのメンバーとして、これからどのような道を歩んでいくのか。
その答えは、まだ、桜自身にも分からなかった。
――――――――――――――――――――――
ある日、サムライスクワッドのメンバーが本部へと向かうと、そこには桜が前世の知識でよく知る人物、阿笠博士がいた。彼は、サクラスパイダーこと飛騨遥や、知世と楽しそうに話している。
さくら「阿笠博士が、どうしてここに…?」
桜は驚きを隠せない。阿笠博士は、名探偵コナンの世界では、コナンの正体を知る数少ない人物であり、発明家としてコナンをサポートしている。
阿笠博士「おおっ、君が話に聞いていた木之本桜君かな?わしは阿笠博士じゃ。よろしく頼む」
阿笠博士は、桜に気づき、優しい笑顔で挨拶する。
桜が、戸惑いながらも阿笠博士に近づいて挨拶をすると、降谷零が口を開いた。
降谷「驚いたか?彼は、公安に秘密裏に協力している技術者だ」
降谷零の言葉に、桜はさらに驚く。
阿笠博士が公安の協力者だなんて、前世の知識にはなかった。
さくら「降谷さん…どうして…?」
桜の問いに、降谷零は、少し複雑な表情で答える。
降谷「阿笠博士は、宮野志保…いや、灰原哀のことも知っている。そして、彼女が逃げ出した組織についても…」
降谷零の言葉に、桜は合点がいった。
阿笠博士は、黒の組織と戦うために、公安に協力しているのだ。
阿笠博士は、サクラスパイダーと、ウェブシューターの改良について、楽しそうに話していた。
サクラスパイダーも、阿笠博士の発明品に目を輝かせながら、質問を投げかける。
遥「博士!このウェブシューター、もっと軽くて、強力なものにできますか!?」
阿笠博士「うむ!任せておけ!わしの最新技術を使えば、可能じゃ!」
知世も、阿笠博士と映像技術について語り合っていた。
知世「阿笠博士。このカメラ、もっと遠くまで、鮮明に映るようにできませんか?」
阿笠博士「ふむ…面白い。わしの技術と、君の知識を組み合わせれば、可能じゃろう」
世代を超えた天才たちの交流は、サムライスクワッドの技術力を、さらに向上させる可能性を秘めていた。
そんな中、桜はある事が気になり、阿笠博士に尋ねる。
さくら「あの、博士…工藤新一くんは、お元気ですか?」
桜の言葉に、阿笠博士はきょとんとした表情を浮かべる。
阿笠博士「くどう…しんいち?誰じゃ、それは?」
阿笠博士の言葉に、桜は驚きを隠せない。前世の知識では、阿笠博士は、工藤新一の正体を知る、数少ない人物の一人だったはずだ。
さくら「え…?」
桜が、戸惑っていると、サクラスパイダーこと飛騨遥が口を開いた。
遥「あの…桜ちゃん。その人、誰ですか?日本の探偵さん?」
桜は困惑した。工藤新一が存在しないならば、必然的に江戸川コナンも居ない。ならば、彼の代わりは誰なんだ?そう思っていると、遥が自分の過去を話し始めた。
その過去の話を聞き、桜は驚きを隠せないでいた。遥は、工藤新一が存在しない世界で、スパイダーガールの能力を手に入れた。しかし、その経緯は、桜の知る知識とは、少し異なっていた。
遥は、遊園地へ毛利蘭と遊びに行った時に、黒ずくめの組織の怪しい取引現場を目撃した。取引をしていたのは、ジンとウォッカ。遥は二人の姿を見て、思わず隠れるが、ジンに気づかれてしまう。
ジンに追い詰められ、気絶させられる。その際、ジンは何故か遥を始末せず、蜘蛛に噛ませた後にその場へ放置したまま去って行った。
そして、遥が意識を取り戻した時、彼女の左目の下には、特殊な蜘蛛に噛まれた痕が残っていた。
遥「その蜘蛛が、私に力をくれたんです。何故あの男が私を生かしたのか分かりません。ですが、この力を手にした日から、私は戦うことを決めたんです」
遥は静かに、しかし力強く語る。
遥はその蜘蛛が、黒ずくめの組織の実験体だったことを知る。
そして、遥はその力を使い、黒ずくめの組織と戦うことを決意する。
遥の過去を聞いた桜は、自分の知る知識と現実とのズレに、再び葛藤する。
前世の知識では、工藤新一が、黒ずくめの組織の取引現場を目撃し、APTX4869という毒薬で、子供の姿になってしまう。
しかし、この世界では遥が、その役割を担っている。
さくら(どうして…、こんなことに…?)
桜は、自分の知る未来が少しずつ、しかし確実に変化していることを実感する。そしてその変化が、遥の運命を大きく変えてしまったことに、罪悪感を抱く。
遥「桜ちゃん…?」
遥は、桜の様子を心配そうに見つめる。
さくら「ううん、何でもないよ…」
桜は遥に笑顔を見せるが、その心の中は嵐が吹き荒れていた。
しかし桜は、いつまでも過去に囚われているわけにはいかない。
この世界は、桜が知る世界ではない。そしてこの世界には、桜が守らなければならない大切な人たちがいる。桜は、自分の知る知識と、現実とのズレを受け入れ、新たな運命を歩むことを決意する。
そして、遥と共に、黒ずくめの組織と戦うことを改めて誓う。
サムライスクワッドの物語は、桜の決意と共に、新たな展開を迎える。
黒ずくめの組織という新たな敵。そして、その組織にいつか、アベンジャーズが巻き込まれる可能性。
桜達の戦いは、まだ始まったばかりだ。
――――――――――――――――――――――
ハードな任務から解放され、つかの間の休暇。サムライスクワッドのメンバーは、知世が予約してくれたホテルニューオータニの「スーパースイーツビュッフェ」にやってきた。
煌びやかなシャンデリアが輝く広々としたラウンジには、まるで宝石のように美しいスイーツがずらりと並んでいる。イチゴのショートケーキ、メロンゼリー、マロンタルト、そして色とりどりのマカロン…。
さくら「わあ、すごい…!」
桜は、目の前の光景に目を輝かせる。
知世「さくらちゃん、どれから召し上がります?」
知世は、カメラを片手に、微笑みながら桜に尋ねる。
さくら「全部美味しそうで、迷っちゃうよ…!」
桜が悩んでいると、小狼が、桜の好きなイチゴのショートケーキを皿に乗せて持ってくる。
さくら「桜、これだ」
小狼「ありがとう、小狼くん!」
桜は、小狼の持って来たショートケーキを受け止める。
フリーレンは、相変わらず無表情で、スイーツを吟味している。しかしそのトレイには、巨大なメロンショートケーキが乗せられていた。
遥「フリーレンさん、そんなにたくさん、食べられるんですか?」
遥が驚いた表情で尋ねる。
フリーレン「当然だよ。この程度、朝飯前だよ」
フリーレンは、静かに、しかし力強く答える。
遥は、フリーレンの言葉に苦笑しながらも、様々なスイーツを次々と皿に乗せていく。
遥「私、甘いもの大好きなんです!」
遥は、スイーツを前に、心躍らせる。
全員が、お皿に好みのスイーツを乗せ、席に戻る。
一口食べると、全員の顔に、幸せな表情が浮かぶ。
さくら「…美味しい…」
桜は、イチゴのショートケーキを一口食べ、感動する。
知世「さくらちゃんの笑顔、最高の映像に残しましたわ」
知世は、桜の幸せそうな顔をカメラに収め、満足そうな表情を浮かべる。
さくら「ケロちゃん、これも美味しいよ!」
桜が、ケロちゃんに、メロンゼリーを差し出す。
ケロちゃんは、目を輝かせながら、メロンゼリーを口に運ぶ。
ケロちゃん「うっまー! こんな美味いもん、初めてや!」
ケロちゃんの騒がしい声も、今日は誰も咎めない。
全員が、平和な時間を、甘いスイーツと共に楽しんでいた。しかし、この幸せな時間は、いつまでも続くわけではない。彼らを待ち受ける、新たな戦いは、すでに始まっている。しかし、今は、ただ、この甘い誘惑に身を委ね、心を満たす。
これが、サムライスクワッドの、つかの間の、平和な休日だった。
――――――――――――――――――――――
放課後、小狼は教室で、一人のクラスメイトの女の子から呼び止められた。
女の子「あの…、李くん…」
女の子は、顔を赤くしながら、小狼に話しかける。
小狼「何だ?」
小狼は、冷静に答える。
女の子「あの…小学校の頃から…ずっと好きでした…!私と、付き合ってくれませんか…?」
女の子は勇気を振り絞り、小狼に告白する。
小狼は、女の子の告白に、一瞬だけ驚いた表情を見せる。しかし、すぐに、優しい表情に戻る。
小狼「…ありがとう」
小狼は、女の子に、感謝の言葉を伝える。
女の子「…え…?」
女の子は、小狼の言葉の意味が分からず、困惑する。
小狼「俺で、良ければ………喜んで」
女の子「ッ!ありがとう!」
小狼は、そう言って、女の子の告白を受け入れた。
女の子は、小狼の言葉に、嬉しさと驚きで、言葉を失う。
小狼が、女の子と付き合い始めたことを知った桜は、小狼に、満面の笑みで、祝福の言葉を伝える。
さくら「小狼くん、おめでとう!」
桜の言葉に、小狼は少し照れたように顔を赤らめる。
小狼「…ありがとう、桜」
さくら「小狼くん、幸せになってね!」
桜は小狼に、心から幸せを願う。
小狼は、桜の言葉に、感謝の気持ちで胸がいっぱいになる。
小狼は、桜の、そしてサムライスクワッドの仲間として、これからも、日本を守るために戦い続ける。
そして、その戦いの中で、小狼は、新たな恋と共に、さらに大きく成長していくのだった。
――――――――――――――――――――――
中学での学園祭。桜達のクラスは、美味しい料理店を開いていた。知世がデザインした可愛らしい制服に身を包んだ桜やクラスメイト達は、元気な声で客を呼び込んでいる。小狼は、テキパキと料理を運ぶ。美味しい料理と笑顔の素敵な桜達。店は瞬く間に大繁盛していた。
さくら「あっ、次のお客さんかな?」
桜は店の出入り口に来た。
その時、店の入り口に、見慣れた顔ぶれが訪れていた。
スティーブ・ロジャース、ナターシャ・ロマノフ、クリント・バートン、ソー、ブルース・バナー、トニー・スターク、フリーレンまでいる。
さくら「いらっしゃい……ませぇ…!?」
桜は、驚きと緊張で、言葉を詰まらせる。
スティーブ「やあ、さくら。元気そうじゃないか」
スティーブが優しい笑顔で、桜に話しかける。
さくら「ど、どうしてここに…!?」
桜の問いに、トニーが、皮肉めいた口調で答える。
トニー「たまには、日本文化に触れておけって、キャップがうるさくてな」
トニーの言葉に、スティーブは、苦笑する。
小狼(まじかよ……!?)
知世「まあ、有名な方々までご来店とは」
小狼は平常を装っているが、内心驚いていた。知世は驚きつつも、アベンジャーズメンバーを店内へ案内した。
アベンジャーズの面々は、店の奥の席に案内される。
桜達、緊張しながらも、アベンジャーズに料理を運ぶ。
スティーブ「この料理は…、ミートソーススパゲッティか。懐かしいな」
スティーブは、ミートソーススパゲッティを一口食べ、目を閉じる。
スティーブ「うん、美味しい。母さんの料理を思い出す」
ナターシャ「この料理は、なかなか面白いわね」
ナターシャは、日本の家庭料理である、肉じゃがを食べて、興味深そうに感想を述べる。
クリント「こいつは、美味いな!」
クリントは、お好み焼きを、美味しそうに頬張る。
ソー「この料理は…、神々の食べ物に勝るとも劣らない!」
ソーは、たこ焼きを、豪快に口に放り込む。
ブルース「…ふむ。この料理は…」
ブルースは、冷静に、しかし、美味しそうに、たこ焼きを食べる。
トニー「まあ、悪くないな。シャワルマには敵わないが…」
トニーは、焼きそばを一口食べ、いつもの皮肉を言う。
アベンジャーズの面々は、桜達の料理に舌鼓を打ちながら、和やかな雰囲気で食事を楽しむ。
その様子を、知世はカメラに収め、最高の映像を記録する。
小狼は、そんなアベンジャーズの面々を見て、驚きと、そして尊敬の念を抱く。
食事を終え、アベンジャーズが、店を出ていく。
スティーブ「また会おう、桜」
スティーブが、桜に、別れの挨拶をする。
さくら「はい…!」
桜は、スティーブの言葉に、力強く頷く。
アベンジャーズの面々が去った後、桜たちは、興奮冷めやらぬまま、後片付けをする。学園祭の、忘れられない思い出となった。
―――――――――――――――――――――――
ある日、桜達は任務で街のごみ拾いに参加していた。すると、ある男の人に知世は突き飛ばされる。
知世「きゃっ!」
句楽「おい!そんな所で何をしてんだ!!俺の目の前でごみ拾いしてんな邪魔なんだよ!」
しかもその男は、知世に謝るどころか怒鳴り散らす始末。
句楽「お前の家族はどんな教育してんだ!ひょっとして人の邪魔するよう教えてんのか!」
さくら「ちょっと!知世ちゃんをバカにしないで!そっちから突き飛ばした癖……に……っ!?」
桜もその男に突っかかるが、その男を見た瞬間に恐怖で顔が青ざめる。幸いにも、その男はまだ力が目覚めていない事は一目で見抜けた。
さくら「………今すぐ帰ってください。早く!」
桜は男を睨む。男は桜に睨まれ、そそくさとその場を去っていった。
桜は無言の圧を掛けて男を退場させ、知世に無事か尋ねた。
さくら「知世ちゃん、大丈夫?」
知世「は、はい……」
桜は何故彼が居るのか、恐ろしくて堪らなかった。彼は前世で知った作品、『ウルトラスーパーデラックスマン』に登場する句楽兼人という男だったからだ。しかし、彼はまだ力が目覚めていない様子だった。
ごみ拾いの任務を終え、桜たちは重い空気を纏ったまま、サムライスクワッドの本部へと帰還した。いつもなら賑やかなはずの帰りの道中も、誰も口を開かない。知世を突き飛ばし、罵倒した句楽兼人の姿と、それを見た桜のただならぬ様子が、皆の心に引っかかっていた。
本部に戻ると、降谷零と風見裕也が、桜たちを出迎える。
降谷「おかえり。任務はどうだった?」
降谷零の問いかけに、桜は、いつものように明るく答えることができない。
さくら「降谷さん………報告があります」
桜は硬い表情で、降谷零に報告を始めた。知世が突き飛ばされたこと、男が知世の事や知世の家族を侮辱したこと。そして、その男が、句楽兼人という、前世の知識では、恐るべき存在であることを。
降谷「句楽兼人…?」
降谷零は、聞きなれない名前に、首を傾げる。
さくら「彼は…特殊な能力を持っているんです。今はまだ、力が目覚めていないようですが………とし覚醒したら……」
桜は、句楽兼人の能力について、降谷零に説明する。
『ウルトラスーパーデラックスマン』の世界では、力を手にした句楽兼人は、世界を破滅へと導く、恐るべきヴィランとなる。その能力は、まさに規格外。もし覚醒したら、今の桜達でも勝てるか怪しいからだ。
降谷「桜、君は、その男が危険だと判断したのか?」
降谷零は、桜の表情を見て、尋ねる。
さくら「はい。彼が力を手に入れれば、ロキや、黒の組織とは比べ物にならない、恐ろしい脅威になります」
桜の言葉に、降谷零は、真剣な表情になる。
桜の報告を聞き終えた降谷零は、風見裕也に、句楽兼人の身辺調査を命じる。
降谷「風見、句楽兼人という男の身辺を、徹底的に調べろ。そして、何か異変があれば、すぐに報告しろ」
風見「了解しました」
風見裕也は、降谷零の指示に従い、すぐに調査を開始する。
報告を終えた桜は、知世に、改めて謝る。
さくら「知世ちゃん…怖かったよね…」
知世「さくらちゃん…」
知世は、桜の手を握り、微笑む。
知世「大丈夫ですわ、さくらちゃん。私のために怒ってくれて、嬉しかったです」
知世の言葉に、桜は涙をこぼす。
そして、桜は改めて決意する。
句楽兼人という、新たな脅威が、この世界に現れた。
しかし、桜は、もう一人ではない。
サムライスクワッドの仲間たち、そして、アベンジャーズという、心強い仲間たちが、桜のそばにいる。
さくら「…負けない…」
桜は、心の中で呟く。
句楽兼人という、前世の知識では、決して勝つことのできない、絶望的な敵。
しかし桜は、未来を変えるために、戦うことを決意する。