双星の陰陽師〜天若家の長男が結婚するまで〜   作:華々

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私がこの小説を書き始めた理由は少しでも多くの人に
双星の陰陽師という作品を知ってもらうことです。
術の詠唱も載せようと思っているのですがあまりいい案が思いついていません。現状は詠唱は原作に出ていたものだけを載せておこうと思っています。



[二]ミッション1

清弦が島を出て一日。

この日は学校があるはずだったが、天若家に任務が発令が下っていた。

とはいえ、内容は雑魚ケガレの掃除程度のミッションだ。

 

「よし、行こう」

 

陰陽師がケガレ祓いを行う際に身につけるのは、戦闘服――狩衣(かりぎぬ)。

土御門島に住む陰陽師は、陰陽連から支給される黒い狩衣を用いる。(本土では白色の狩衣が主流だ。)

 

狩衣にはそれぞれの家で自由に改造を施してよく、たとえば十二天将“勾陳”を担う五百蔵家は、肩を出したノースリーブ仕様。

璃弦の狩衣は、上半身はほとんどいじっていないが、下半身は動きやすいズボンタイプにしている。父・清弦の袴とは対照的だ。

腰には符を収納するホルダーを掛け、準備は万端。

 

 

---

 

土御門島では、本土と異なり、ケガレが棲む異界――“禍野(まがの)”への立ち入りには厳しい制限がある。禍野に存在するケガレは本土の比ではなく、許可なく侵入すれば命を落としかねない。

陰陽師たちは、唯一禍野へ通じる“黒大鳥居”を通してのみ入ることが許されている。

 

「毎度思うけど、黒大鳥居に行くまでの階段、長すぎだろ……」

 

黒大鳥居へ続く階段――“星天の登り台”は五段構成で、

「いさみの台」「ふるえの台」「ふりかえりの台」「くやみの台」「なげきの台」と呼ばれている。

脚力強化の術で駆け上がることもできるが、任務前に怪我をすれば元も子もない。

多くの者は一段ずつ、慎重に登るのが常だ。

 

――が。

 

「韋駄天符・飛天駿脚! 急急如律令!」

 

璃弦にそんな常識は通じない。

脚力強化の符を発動し、ズダダダダッと音を立てて駆け上がる。

 

今日の任務は、なんと夕弦と二人きり。

任務を終えたあと、夕弦とデートでもできたら……と、胸の内で密かに燃えているのだ。

 

ダンッ!

 

最後の段を跳ね上がるように登ると、すでにそこには璃弦を待つ夕弦の姿があった。

 

「夕弦さん!」

 

璃弦は満面の笑みを浮かべ、勢いよく夕弦の胸に飛び込んだ――

 

ガシッ!

 

……んっ!?

 

すぐに違和感に気づく。

あるはずの柔らかさがない。

代わりに感じたのは、まるで鋼のように硬い胸板。

 

震える指でそっと顔を上げると、そこにいたのは――

褐色の肌に金髪、太陽のように明るい笑顔を浮かべた巨漢だった。

 

「璃弦〜〜!! 嬉しいぞ! まさか自分から俺に飛び込んでくるとはな!!」

 

「ぎゃああああっ!? 離して! 鳴海おじさん離してってば!」

 

天将十二家・五百蔵家の現当主、五百蔵鳴海。

璃弦を子猫のように抱き上げ、ギュッと音がしそうなほど抱きしめる。

 

璃弦は年齢のわりに小柄で、身長は146センチ。一方の鳴海は205センチ。どう頑張っても、逃げられるはずがない。ぐったりとした璃弦は、借りてきた猫のように鳴海の腕の中で項垂れた。

 

「ど、どうして鳴海おじさんがここに!?」

 

「ん? 聞いていないのか? 今回のミッション、脅威度が上がってな。

他の家には任せられんってことで、手が空いていた我々五百蔵家が呼ばれたんだ。」

 

鳴海の体をよじ登って後ろをのぞくと、そこには五百蔵家の面々、そして夕弦が率いる天若家の小隊が整列していた。

 

「そ、そんな……せっかく夕弦さんと二人きりになれるチャンスだったのに……」

 

璃弦はがくりと膝をつき、嘆きの声を漏らす。

すると、視界の端に見知らぬ足が映った。顔を上げると、顔に斜めの傷を刻んだ少女が腕を組み、見下ろしている。

 

「情けねぇな、チビ助」

 

「うるさいな、女ゴリラ!」

 

「……なんだとてめぇ!」

 

五百蔵家の次女・志鶴。

璃弦は清弦の付き添いで任務に行くことも多く、天将十二家やその傘下の人間とは顔なじみだった。

 

「こらこら、お前たち! こんなところでじゃれてる場合じゃねぇぞ!」

 

「じゃれてない!」「じゃれてねぇ!」

 

二人の声が見事にハモり、互いに睨み合う。火花を散らしたあと、同時にフンッと顔をそむけ、自分たちの小隊へ戻っていった。

 

「……全く、志鶴のバカのせいで怒られちまった。」

 

「随分と仲がよろしいのですね、坊っちゃん。」

 

ジトッとした目を向けてくる夕弦に、璃弦は慌てて手を振る。

 

「そ、そんなことないよ!」

 

「そうでしょうか? 璃弦様もいずれはご結婚なさる身。近い年齢で、才能ある女性であれば……璃弦様をお任せしても安心できるのですが。」

 

「だから違――」「おーい! いい加減、任務に行くぞ!」

 

鳴海の声が響き、会話は途中で打ち切られた。

これ以上待たせるわけにもいかず、璃弦は夕弦とともに鳴海のもとへ向かう。

 

 

---

 

「五百蔵様、開門を行ってもよろしいでしょうか?」

 

「あぁ、頼む」

 

禍野と現世を繋ぐ門を管理する雲林院家の術者が、低く呪文を紡ぎ始める。

 

 

 

今《イマ》の現《ウツツ》に不思議《ユクナリク》も

 

大神《オオカミ》の御門ミカドを欲過《スギナン》

と為て《シテ》

 

慎み《ツツシミ》敬ひ《ウヤマイ》拝み《オガミ》

奉る《タテマツル》此様《コノサマ》を

 

平けく《タイラケク》安けく《ヤスラケク》

岡食せ《キコシメセ》と

 

恐み《カシコミ》恐み白す《モウス》

 

禍野門開錠《マガノトガイジョウ》

 

急急如律令

 

 

 

「行くぞ!」

 

黒大鳥居の結界が一部解かれ、禍野への道が開く。

天若家の部隊が先陣を切って駆け込み、五百蔵家がそれに続いた。

やがて登り台には誰も残らず、雲林院家が静かに結界を張り直していく。

 

 

_______________

 

 

 

 

【任務 Mission】

 

脅威度:A級

対象:真蛇の討伐

 

 




今回設定を多めにしてしまったためわかりにくいかもしれません。
今回は戦闘シーンはありません


ケガレ、任務に対しての説明が不足していました。ここで補填させていただきます。

ケガレ
禍野と呼ばれる異世界の住人。人類の宿敵。強靭な肉体を持ち通常兵器や装備は一切通用せず防ぐことも不可能だが、吸血鬼のように太陽の下では最大半日で灰となり消滅する。姿形は千差万別、一定ごとにランクで格付けされている。身体の何処かに九字紋が刻まれている。人や物に取り憑き、総じて奇怪な笑い声を発する。呪力を取り込むことで進化する。

ランクは低い順にそれぞれ
泥眼(でいがん)
身体が小さく動きも鈍く知能も低い最弱のケガレ。最弱ゆえに最も数が多い。人間すらまともに襲えず通常共食いで強化している。平均的な陰陽師ならば十体以上でも不意を突かれない限り対処可能。本土にしかおらず土御門島には存在しない。

般若(はんにゃ)
泥眼種が進化したケガレの下位種。泥眼よりも身体が大きく呪力が強い。素手で人間を簡単に殺せるがなお愚鈍で鈍重。平均的な陰陽師でも一対一ならば低リスクで対処可能。土御門島では最弱の個体。

蛇(じゃ)
般若種が進化したケガレの中位種。般若種とは比較にならないほどの巨体をこの形態から得る。殺害した人間の面影をここから残し個性的な容姿を得るようになる。ここから知恵がつき始め、道具を使い片言ながらも人語を話し出す。平均的な陰陽師ならば小隊を組まなければ対応不可。本土では強敵に入るが、土御門島では雑魚の認識。

真蛇(しんじゃ)
蛇種が進化したケガレの上位種。流暢な人語を話す程の高い知能と戦闘能力を持つ。平均的な陰陽師では対応不可能であり最低でも上級陰陽師が率いる中隊もしくは十二天将による対応が必要。不幸中の幸いか呪力を求めて最も同族で共食いを行うため数は少ない。この階級から性別が決まる。それ以下のケガレにも乳房のような物があるケースが見られるが、単にそういう形態であるというだけで女性という訳ではない。真蛇種の中には明確な知性を持った為に自身の存在意義に疑問を持ち苦悩する者もおり、それらは「人間病」に患っていると比喩される。

婆娑羅(バサラ)
真蛇種が進化したケガレの最上位種。現在11体が確認。
褐色の肌を持つ人間の姿をしており、それぞれが個々に自我を確立している。真蛇種を凌駕する知能と戦闘能力を有しており、十二天将ですら正面や単騎での戦いを避けるほど。片眼の濁りと顔のひび割れが特徴でここから呪力を得るほど人間に姿を近づくようになり呪力しだいでそれらも消失する。真蛇種以下のケガレと違って確たる肉体を得ており「遺体が残る」「食事をとる」「睡眠をとる」「性欲がある」など他のケガレにはない特性を持つ(真蛇種以下のケガレにとっては捕食は攻撃手段でしかない)。陰陽連が定めた序列は強さと婆裟羅年齢を基準としており、「第十一位〜十位」は百年未満、「第九位〜三位」は百年以上、「第二位〜一位」は千年以上と推察されている。
となっている
D級:泥眼< C級:般若< B級:蛇< A級:真蛇< S級:婆裟羅



任務等級(ミッションランク)
陰陽師が請け負う任務の難易度。低い順から
E級:戦闘後現場の遺体・武器回収<D級:泥眼種討祓<C級:般若種討祓・旧階層調査<B級:蛇種討祓・拠点設置<A級:真蛇種討祓・新階層調査<S級:婆裟羅種討祓・その他最上位級危険度任務

オリ主がハーレムを作るとしたら誰を入れる?  婆娑羅を入れて欲しいとの声がありアンケートを作り直しました1人は決めているので今回の結果でハーレムのメンバーを決めます

  • 五百蔵志鶴
  • 膳所美玖
  • 蹉跎 桜
  • オリキャラ
  • 赫夜
  • 師(もろ)
  • 愛宕
  • 辺留
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