拙いかもしれませんがよろしくお願いします。
禍野(まがの)は、まるで巨大なダンジョンのような場所だ。深く潜るほど強力なケガレが現れ、攻略の難度が跳ね上がる。
その階層は“深度”と呼ばれ、最浅部でさえ深度二〇〇〇。下に進むほど陰の気は濃くなり、命を落とす危険が跳ね上がる。
今回、璃弦たちに与えられた任務はB級。
群れを成して階層に居座るケガレを討伐する――そんなはずだった。
だが、数時間前。
任務の脅威度はA級に引き上げられた。
上位陰陽師が隊を組んで挑む、決死の戦闘任務へと変わったのだ。
---
深度一七五八。
「呪胞、始めっ!」
鳴海の号令が響き渡る。
璃弦たちは一斉に呪力を体へ流す、
禍野の空気は重く、対策を怠れば、陰の気が血を蝕み命を奪う。呪力を循環させ、陰の気を阻む。
「今回の標的は“真蛇(しんじゃ)”の一体。個体名、猩々(しょうじょう)!猿型のケガレで、斥候の報告によれば――かなり頭が切れる!」
鳴海の説明を最後まで聞かず、璃弦は地を蹴った。
「お先!」
「あっ、こら待て璃弦!」
止める声を振り切り、腰のホルダーから呪符を抜く。
「砕岩獅子《サイモンシシ》!
飛天瞬脚《ヒテンシュンキャク》!
鎧包業羅《ガイホウゴウラ》!
急急如律令!」
呪符を消費する。力が体に満ちる。
筋肉が軋み、脚が軽くなる。
さらに、白光を帯びた札を掌に押し当てた。
《聖爪顕符・白朧虎咬(セイソウゲンブ・ビャクロウココウ)》!
青白い爪を持つ獣の腕を纏う。
天若家伝統の黒煉手甲――その上位呪装だ。
纏った瞬間、周囲の空気が震える。
「……行くぞ!」
璃弦の姿が霞んだ。次の瞬間、岩山の頂上にいた。
そこには、ケガレの死骸を貪る猩々。
血に濡れた牙を軋ませ、背を向けて咀嚼している。
璃弦は息を殺し、地を蹴る。
飛翔。
背後を取った瞬間、爪が閃光を放った。
ズバァッ!
「ぎぃやぁぁぁおおぉぉっ!!」
肉を裂く感触。黒い血が飛び散り、地面を汚す。
猩々が振り返るより早く、璃弦は体を回転させて着地した。
「ふっ!」
轟音と共に巨大な腕が叩きつけられる。
岩が砕け、砂煙が舞った。
璃弦はその一撃を紙一重でかわし、岩壁を蹴って再び跳ぶ。
爪が閃くたび、青い軌跡が残る。
「璃弦様、援護いたします!」
夕弦が結印を結び符を構える
「《陰輪符・鏡羅封陣(きょうらふうじん)》!」
夕弦の足元から銀の円陣が走る。
鏡面のような結界が猩々を囲い、動きを制限した。
その隙を突き、五百蔵家の志鶴が槌を構えた。
「私たちも混ぜろやぁーっ!」
《砕槌穢符・凶羅砕撃(さいついえふ・きょうらさいげき)》急急如律令!
呪文の詠唱と共に、槌が形を変える。
鋼の塊のような質量を得た武器が振り下ろされ、地を震わせた。
衝撃波が岩肌をえぐりながら、猩々の体を叩きつける。
「はぁーっ!」
腕に纏った黒煉手甲の黒い巨爪が何度も閃き猩々の行動を牽制する。他にも五百蔵家、天若家の陰陽師が猩々の体に攻撃を加え体力を削る。
「おらぁっ!」
白朧虎咬の爪が閃き、猩々の腕を璃弦が切り落とした。
血しぶき。
猩々が絶叫する。
「オ゙ン陽師ィィィ……!」
怒号とともに、地面を叩き割る。
破砕音が響き、岩片が弾丸のように飛び交う。
志鶴たちは咄嗟に防御の符を展開して岩片を防ぐ。
「キャッ! くっそ、暴れやがって!」
猩々はその隙を逃さず、壁を蹴って後方へ跳んだ。
巨体とは思えぬ速さで走り去る。
「逃げる気か……! 待てコラァ!」
志鶴が叫び追うが、猩々は壁を駆け、天井を蹴って進む。
禍野の空間そのものが、奴の足場のようだった。
その進路の先。
鳴海がすでに印を結んでいた。
「――勾殿陳坐(こうでんちんざ)! 急急如律令っ!」
ドンッ――!
轟音。地面が波打ち、岩壁がせり上がる。
猩々の前に、土の牢獄のような壁が立ちふさがった。
「俺の勾陳は地を操る! 何度壊しても塞いでやる!」
「ウオオオオオオオオオ!!」
猩々が怒り狂い、拳で壁を叩く。
ひびが走るたび、鳴海が新たに岩壁を作る。
その瞬間――
「今だ、璃弦!」
「応っ!」
璃弦が跳ぶ。
全身をひねり、爪を振りかぶる。
空気が裂け、青い閃光が尾を引いた。
ズバンッ!!
爆ぜるような音とともに、猩々の頭部が両断された。
断面から漏れた黒い煙が五芒星を描き、霧散する。
静寂。
やがて、煙が消えた。
「……任務完了。」
璃弦は呪装を解き、息を吐く。
その肩に――
ゴスッ!
「なに勝手に突っ走ってんだコラァ!」
「いってぇ!? 志鶴!?」
「お前が先走らなきゃ、もっと楽に終わってたわ!」
「いや、早く終わらせたくて……」
「言い訳すんな!!」
険悪な口調だが、どこか安堵が混じっている。
それが戦場帰りの証のようにも見えた。
だが、束の間の静けさを――
甲高い警報音が切り裂いた。
ビー!ビー!
「終玄の間から……緊急連絡!?」
鳴海が術式通信を展開する。
「こちら五百蔵鳴海だ。」
『天若璃弦様はおられますか!』
「璃弦ならここに!」
『十二天将・白虎、天若清弦様が――
本土の任務中に意識不明の重体! 至急、泰月楼までお越しください!』
「……は?」
音が遠のく。
彼の顔から、血の気が引いていった。
今回はここまでです。
次回は近日中の18時に投稿します。感想お待ちしています。
オリ主がハーレムを作るとしたら誰を入れる? 婆娑羅を入れて欲しいとの声がありアンケートを作り直しました1人は決めているので今回の結果でハーレムのメンバーを決めます
-
五百蔵志鶴
-
膳所美玖
-
蹉跎 桜
-
オリキャラ
-
赫夜
-
師(もろ)
-
愛宕
-
辺留