双星の陰陽師〜天若家の長男が結婚するまで〜   作:華々

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今回早足かもしれません


[六]渇望

璃弦が白虎に拒まれた――その噂は瞬く間に島中を駆け巡った。同情する者もいれば、選ばれし者となれなかった璃弦を嘲る者もいた。

 

あの夜から何日も経った。あれから心を奮い立たせ幾度となく白虎に声をかけるが一度として返答はなかった。その行為を繰り返して二十を超えた頃には璃弦の心と自尊心は跡形もなく砕け散っていた

 

昼間から布団に包まれ自失呆然といった様子で虚ろな目でうわ言を呟いている。かつての覇気はもう微塵も感じられなかった

 

 

「清弦様。今よろしいでしょうか。」

 

「ん~~?夕弦かぁ〜、何のようだぁ〜?」

 

「璃弦様に関してのお話がございます。」

 

清弦はピタリと動きを止め眉を顰める

 

「どうした。」

 

「璃弦様はずっとうわ言のように『見捨てられた』『見限られた』と仰られています。

…璃弦様はもう、白虎に選ばれることはないのでしょうか?」

 

いつも纏っている気怠げな雰囲気を無くした、清弦は懐から白蓮虎砲の霊符を取り出す。

 

今まで所有者の死亡により所有者が変わることは合ったが、それ以外による所有者か変わったと言う話は聞いたことがねぇ〜

 

「それでは…」

 

「あぁ~、あいつには気の毒だが諦めてもらうしかねぇな〜」

 

そう言うと霊符をしまい背を向けて歩き出した。

夕弦は清弦の話を璃弦に伝えるべきか迷うも意を決して璃弦の部屋に向かう。

 

 

 

 

「璃弦様、夕弦です。入ってもよろしいでしょうか?」

 

「………」

 

璃弦の部屋に着いた夕弦は璃弦に入室の許可を求めるが

返事は帰ってこないため悪いとは思いつつも部屋に入る。

 

「!!」

 

部屋は破れた霊符や教科書で散らかり見るも無残な状態だった。

 

「り、璃弦様実は、…」

 

「良いよ夕弦さん…」

虚ろな目で呟く、

「無駄だった…今までの努力が全部…」

 

ッ…!

 

その言葉に、夕弦の胸が締めつけられた。

何も言えず、彼女は静かに部屋を出る。

 

(今の璃弦様には何を言っても響かない…。)

 

それでも、何か、何かできることはないのか――。

自分自身に問いかけ続ける。

そして、一つの案が頭をよぎった。

だがそれは、璃弦の想いを踏みにじるかもしれないものだった。

 

それでも、夕弦は璃弦に少しでも活力が戻ってほしい。

そう思い家の者に協力してもらうため足を進めた。

 

 

(お腹が空いた)

元気が無い。食欲もないが体は食べ物を欲っている。 

何かないかと台所に向かう途中、2人の女中が何やら話している声が耳に入った。

 

「ねぇ聞いた夕弦様の話し。」

 

「え、知らない、何かあったの?」

 

「何でも他家との縁談の話が来たんですって。」

 

(…えっ)

 

頭が真っ白になる。

思い人が、自分の知らないところで遠くへ行ってしまう。

その想像に息が詰まり、振り返った時には、女中たちの姿はもうなかった。

 

いてもたってもいられず、璃弦は夕弦のもとへ駆け出した。

 

 

 

 

「夕弦さん!」

 

「…璃弦様元気になられたのですか?」

 

「そんなのどうでもいいよ!縁談が来たって、そんなの嘘だよね?」

 

夕弦は璃弦の言葉に何も言わず視線を逸らしてしまう。

 

「っ!どうして!」

 

「今、天若家は清弦様の負傷で揺れています。

他家との婚姻で、“天若家は健在である”と示す必要ごあるのです。」

 

「そんな」

 

また、自分の手の中から大切なものがこぼれ落ちていく。

頭が痛い。視界が歪む。

それでも、璃弦は必死に夕弦を見つめた。

 

夕弦はそっと璃弦の手を取った。

 

「ですが、まだ本決まりではありません。」

 

「じゃあ…」

 

「はい。天若家が健在だということを大々的に知らしめることができればこの婚姻も白紙にできるかもしれません。」

 

「どうすればいいの…」

 

璃弦様の力を多くの民衆に知らしめる場が一ヶ月後にあります。

 

動かない頭を無理やり動かし一ヶ月に何かあったかを思いだそうですとした。

数秒考え思い出した璃弦はバッ!と夕弦を見上げる見た。

 

「波達羅盈城御前試合(はだらえじょうごぜんじあい)ですか?」

 

「はい。そこで勝つことができれば、あるいは…」

 

そう夕弦は言葉を切り璃弦を見つめる

 

「わかりました。絶対に勝ってみせます!」

 

「はい。頑張ってください、」

 

璃弦は夕弦に一礼すると御前試合の準備のため自分の部屋に走っていった

 

 

 

部屋に戻った璃弦はノートを広げ御前試合をどうやって勝ってばいいかを考えていた。

 

御前試合には十二天将だけじゃない他の腕の立つ陰陽師も出場する。呪力は人一倍あるが経験足りていないどうすればいい、どうすれば…

 

思い出したのは十二天将の力の源、式神に付いてだった。

 

(そうだ!式神だ!)

 

式神ほ戦闘やサポートを行うだけでなく呪装としても扱うことができる。自身の呪力に式神の呪力を上乗せするため戦闘力は爆発的に上昇する。

 

早速璃弦は式神開発に取り掛かった。

 

 

 

式神は戦闘だけでなく、呪装として自身の呪力を高めることもできる。

式神の呪力を上乗せすれば、戦闘力は飛躍的に上昇する。

 

璃弦はすぐさま新たな式神の開発に取りかかった。

求めるのは、虎のように俊敏で、雷のように苛烈な力。

 

(足りない……。このままじゃ十二天将には届かない!)

 

ただの式神では駄目だ。

雷のように閃き、暴れ狂うような式神でなければ――!

 

璃弦は寝る間も惜しんで研究を続けた。

 

 

璃弦は寝る間も惜しんで式神の開発に勤しんだ。

 

 

 

 

そして、御前試合の一週間前。

 

「……できた。」

 

霊符を掲げ、璃弦は静かに呟いた。

その時、夕弦が姿を見せる。

 

「璃弦様。御前試合の組み合わせが決まりました。」

 

「ありがとうございます、夕弦さん。」

 

封を開けて名を見た瞬間、璃弦は息を呑んだ。

だがすぐに決意を宿した眼差しで顔を上げる。

 

「あの、夕弦さん。もし俺が勝ったら……その時は――」

 

その言葉の先を理解した夕弦は、わずかに微笑み、静かに頷いた。

 

「はい。……お待ちしています。」

 

「……っ! 俺、頑張ります!」

 

璃弦の声には、もう迷いはなかった。

 

_________

 

 

第十試合 

 

鵜呑天馬(鵜呑家) 対 天若璃弦(天若家)




次話から波達羅盈城御前試合に入ります、

オリ主がハーレムを作るとしたら誰を入れる?  婆娑羅を入れて欲しいとの声がありアンケートを作り直しました1人は決めているので今回の結果でハーレムのメンバーを決めます

  • 五百蔵志鶴
  • 膳所美玖
  • 蹉跎 桜
  • オリキャラ
  • 赫夜
  • 師(もろ)
  • 愛宕
  • 辺留
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