どけ!!俺は(ヒミコの)お兄ちゃんだぞ!! 作:俺はお兄ちゃんだぞ!!
ヒーロールートで進めていきます。
というか普通にそのまま前話からの物語が続いていく感じです。
明確に展開が決まってるわけじゃないのでどうなるかわかりませんが、ひとまず書いていきますのでよろしくお願いします。
こうなると完結は取り消してシンプルに連載の続きってなりますね。
俺の妹を攫った顔のパーツを欠損した男。
初めて会うはずだ、なのにどうしてか既視感のようなものを覚えていた。
そのせいか俺の本能が言っている、こいつだけはヒミコに近づけさせていけないと。
「やる気かい?この僕と」
そう言って奴は腕を俺の方へと向ける。
手の中心には黒い穴、それが俺の顔を捕らえたと感じた瞬間、全力で動いた。
「っ!!?」
俺の横を電気を纏った衝撃波が駆け抜けていく。
こいつ、さっきから個性の技範囲が異常に広い。
まるで複数の個性を使用できるかのようだ。
「血廻」
呪力で強化した足で加速、その瞬間足元に血を纏って血刃と同じ要領で高速回転させる。
すると地面と足裏が接触した瞬間、まるで滑るように高速移動が可能になった。
「へぇ、動きが捕らえづらい」
奴の放つ技は全てくらえばかなりのダメージを負うことになる。
反転術式があるとはいえ相手の攻撃を躱せるなら躱すに決まってる。
それに俺にばかり気を取られているとあいつからの攻撃をもらうぞ。
「ファントムレイズ!!」
奴の立っている地面から通形が浮上し、そのままの勢いで拳を振り上げる。
強化型の個性ではない通形の攻撃は決して高くはない。
だが奴の拳はあらゆる防御を貫通する。
「それはもう学習したさ」
通形の拳が奴の顎を砕こうとした瞬間、何かに弾き返された。
今のはなんだ、通形の個性で透過できなかったのか。
「いっ!?なんだ今の!?」
「驚いている暇があるのかい?」
奴の追撃が放たれる。
通形は自分の腕を抑えながらも再び地面の中に消えて攻撃を躱す。
「いやー痛かったね!まるで拳同士が衝突したみたいな感覚だった!」
俺の隣に現れた通形が自身のこぶしを撫でながらそう口にする。
その言葉に奴は何も言わない、ただ黙って笑うだけ。
「俺の透過も攻撃するために接触する瞬間だけは透過を解除しないといけない。今の感じだと接触がトリガーになって俺の拳の衝撃をそのまま返されたってところかな」
「・・・・」
通形の考察を聞いて内心で面倒な力を持っているなとため息がこぼれる。
さっきの電気を纏った衝撃波の応用か?いやそれにしては他の攻撃との関連性がなさすぎる。
「ひとまず正面戦闘は俺がする、お前は隙を狙い続けろ」
「ん、わかった」
通形が姿を消すのを横目にヒミコに視線を向ける。
妹とその近くにいる男たちは動いていない。
何かを話しているように見えるが、戦闘に入る一歩手前といったところだろう。
助けに行きたいが、目の前の男は放置していいような相手ではない。
前を向けば気色悪い笑みを浮かべた男がこちらを見ている。
この男を倒してから妹を助けに行く、通形も見てくれているから大丈夫だろう。
それにヒミコの強さは俺が一番知っている、あんな奴らに負けることはない。
「作戦会議は終わったかな?」
「ああ」
両手を合わせ、中に血を込め圧縮を始める。
赤血操術の始点になる技〝百斂〟
この時代にやってきて、多くの技を使えるようになった。
だが土台となるのはやはりこれだった。
「それが起点なのは知っている。その隙を見逃すとでも?」
「別に躱すだけだ」
降り注ぐ攻撃を血廻で高速移動し躱していく。
見えない衝撃波、指から伸びる黒い骨、巨大な骸骨の顎。
それらを掻い潜りながら圧縮した血を解放する。
「穿血」
解放した血が奴の攻撃の隙間を走る。
その速度は人の反射神経を超えている。
この距離で呪力で強化していない人間が躱せるはずがない。
だが、俺の視界で奴が動き出すのが見えた。
「速いが、今の僕には対応可能な速度だ」
奴が展開した防御が俺の血を阻む。
先ほどは通形が攻撃に入ったことで通ったが、今回は防がれたか。
攻撃を防がれた以上、穿血や超新星を放つにはまた百斂がいる。
だが奴の攻撃がさらに激しくなりその時間を作らせない。
「血蜘蛛」
両手の指全てから血液を放ち、高速回転させる。
迫る敵の技を指を操り蜘蛛の巣のように網状にした血液で細切れにする。
「君の対応に関しては遠距離よりも近距離戦の方が良さそうだ」
俺の技を掻い潜った男が至近距離に迫る。
そう言って振りかぶった奴の腕が何倍に膨れあがるのが見えた。
膨張し巨大化した腕からさらにトゲや骨、鉱石なども姿が見える。
「っ!!」
すでに腕は俺に振り下ろされ躱せる余裕はない。
即座に体内で血を巡らせ、赫鱗躍動・載を発動させる。
さらに呪力で腕を強化し、俺も同じように腕を振りかぶる。
腕を振るのに合わせ、逆方向に血を吹き出してブーストさせぶつけた。
「っっぐっ」
相手の巨大化した腕とぶつかり合った瞬間、周囲に衝撃波が走る。
最大限強化した拳だったが、敵の威力の方が上回られ俺の拳が砕ける。
それだけでは相殺できず俺の腕が吹き飛ぶに至った。
「ああ、痛そうだね「ふん!!」
敵の挑発を無視し吹き飛んだ腕を繋がっていた血で即座に戻しくっつける。
それと同時に反転術式を回し壊れていた腕を回復させ、そのまま敵の胴体に拳を叩きこんだ。
「――――は?」
先ほどと同じく赤血操術の技で強化した拳が入り敵を吹き飛ばす。
呪力を血液に変えられる個性がある俺は以前と同じように呪力消費を最低限にさらに高速で回復が可能だ。
「・・・・回復、それも超回復並だ。それも呪力によるものかな?」
「さぁな」
先ほどの一撃、最大限強化した腕で受けたからあれで済んだ。
頭はもちろん、胴体に受けたらアウトだな。
吹き飛び敵から俺の姿が逸れた瞬間、自身の血が入った
そして血液パック内の血を百斂で複数の圧縮した血を作る。
「――――ふっ!!」
個性で呪力を血液に変え、それを身体から噴出させる。
その血を地面に染み込ませるようにして隠し、そこに圧縮した血を紛れさせる。
こいつの防御は固い。
まずはそれを引きはがす必要がある。
「翅王」
壊相の術式を模倣した技で追尾型の血の矢を生み出し放つ。
それと同時に高速で移動し四方から囲むように攻撃を加えた。
それを奴は背中から骨を出し、そこから強力なエネルギー波を放ち俺の攻撃を吹き飛ばす。
さっきからふざけた威力の技を連発してくる。
俺のいた時代なら十分特級クラスの実力だろう。
周囲を見れば街は奴の攻撃で崩壊している。
通形が透過の力を使い、近くにいる人を避難させているだろうが、それでもさらに長引けば最悪街そのものが破壊されかねない。
だがこれだけの騒ぎ、ヒーローもとっくに気づいている。
ならばオールマイトもそう遠くないタイミングで現れる。
そうなれば一気に有利になるが、それを期待して待つのは嫌だ。
妹を攫った男に制裁を加えるのはお兄ちゃんの役目だからだ。
「多少の怪我は回復されるようだ、だったら近距離で原型がなくなるほどの力で叩く」
そう言って奴は再び距離を詰めようと動き出す。
奴は俺が距離を開けるために離れると考えるだろう。
だが赤血操術は近距離・中距離・遠距離すべてに対応できるのが強みだ。
すでに百斂はできている、近距離戦だろうと問題にはならない。
「血廻、赤鱗躍動」
二つの力を使い距離をつめる。
俺が距離と詰めてきたことに敵は多少動揺することを期待したがわかっていたように攻撃を合わせてくる。
すでに俺の移動速度は見切られている。
だがそれは俺の瞬間的な最高速度ではない。
俺の移動に合わせ、地面に隠していた圧縮した血の一つを靴裏の近くにおく。
そしてそれを穿血と同じ要領で、俺を押し出すように調整して解放した。
身体に薄い血を纏い、空気抵抗もない。
今、瞬間的だが俺の速度はオールマイトに並ぶ。
「へぇ」
俺の速度に虚をつかれ反応が鈍る。
が、それでも人間離れした反応速度で対応してきた。
わかってはいたが、オールマイトの速度についてくるだけの動体視力がある。
この男には目がない、ならば何か別の力でそれを補いむしろ強化しているんだろう。
だが防御の展開は遅れた、未完成の今なら壊せる。
「・・・・」
血廻、赤鱗躍動、そしてオールマイト並みの速度。
これに血の逆噴射による推進力。
今できる最適な組み合わせによる威力向上技。
だが通形が攻撃を弾かれた力がある以上、不意を突いた攻撃以外は弾かれる可能性がある。
だからこれは囮だ。
本命は地面に伏せた血、それはすでに奴の近くに配置してある。
「超新星・炎」
地面から浮かばせた複数の圧縮した血、それを解放し超新星を発動させる。
ただし、普通の超新星ではない。
血液パックから取り出した
赤血操術は血液を一つの臓器のように認識する、ゆえに一部の血を凝固や沸騰させると全身の血液までそうなる恐れがある。
だからこそ、今までは超高温にまで血をあげることは出来なかった。
だが、雄英に入学してから始めた個性伸ばし、そしてインターンでその認識の一部を拡張させ克服。
事前に取り出した血液パックにのみ操作を適応することで自身の肉体にある血液と認識を切り離すことに成功した。
だから血液パックから取り出された血は凝固にも高温にも低温にもすることができる。
そして、超高温状態で加圧され、極限まで圧縮された血の塊。
赤血操術で血液内で増やした可燃性の黄リンが超新星で開放され空気に触れた瞬間、まるで爆発したかのように爆炎を作り上げる。
血廻で滑るように地面を移動している俺はどんな速度からでも進路を変えられる。
爆炎を起こした直前に速度を保ったまま奴から離れ、自身の攻撃に巻き込まれないように動く。
そうして離れながら奴が爆炎に飲み込まれたのを見届ける。
「・・・・」
炎の中、奴の動きに目を凝らす。
やがて炎の中から奴のシルエットが姿を現した。
・・・・決着にはまだ遠いな。
◇
「おいおいやべぇなお前のお兄ちゃん」
シルクハットの男の人がお兄ちゃんと先生の戦闘を見てそう口にする。
お兄ちゃんはもちろんすごいけど、先生の実力が私の想像以上にすごい。
「さて、おっかないお兄ちゃんをあの人が足止めしてくれているうちに、さっさと逃げようぜ死柄木」
そう言いながら私を攫った全員の視線がこちらを向く
どうやら私も一緒につれていこうとしているみたい。
「みんなが心配してるので帰ります。そっちはそっちで勝手に帰ってください」
「黙れ、お前はつれていく」
そう言って全員が私に向かって攻撃を始める。
お兄ちゃんと通形先輩は先生の相手で手がいっぱいだ、ここは私一人で乗り切るしかない。
「抵抗すんなら手足の一つや二つは崩していく」
「やです」
迫る手を躱し、呪力を身体に通す。
それで私の身体能力は強化され、たやすく相手の懐に飛び込むことができた。
そして掌底を相手の腹に打ち込み吹き飛ばす。
さらにシルクハットの男も来ているのを確認し、伸ばされた手首を掴む。
「げっ!?なにその反応速度!?」
「秘密です」
目の近くの血流を操作したら動体視力だってあげられる。
強化系の個性でもない限り見逃すことはまずない。
「おわぁぁぁぁ!!?」
「ちょ俺にかよ来んな!!来いよ」
触られないように手首を掴み、そのまま勢いよく振り回す。
そして高速回転させたまま全身コスチュームを着た男の人に向かって放り投げた。
「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!?」」
二人は叫びながら絡み合って転がっていく。
それが少し面白くて笑ってしまう、そうしていると不意に身体が浮き上がるのを感じた。
抵抗しようとしたけどまるで見えない何か引っ張られるみたいに浮き上がる。
引っ張られる先を追えば大きな磁石みたいな物を持った男の人がいた。
「仲間になるかもしれない乙女と傷つけ合いたくないの。だからこれで気絶してちょうだい!」
「・・・・私も今はいいです」
もしあなたのことを知って、友達になれたら傷つけあうのも楽しいと思う。
けど今の私は何も知らない、知る時間もない。
「その武器、かぁいくないです」
身体から血を出し、それを両手で包み、圧縮して放つ。
お兄ちゃんの使う技より速度も威力もないけど、武器を弾き飛ばすには十分。
ついでに相手にも血を飛ばし怯ませる。
すると引っ張られる力はなくなり、相手の近くに着地することができた。
そのまま攻撃を加えようとすると、近くにいたトカゲみたいな人が剣を振るってくる。
「俺はお前を仲間だと認めてはいない!お前にステインの意思を受け継ぐ覚悟はあるか!!」
振るわれた剣を血を固めてナイフのようにして受け止める。
その言葉を受け改めて彼の恰好を見たら、確かにステインの恰好を真似しているのに気が付いた。
「ステインが好きなんですね。実は私もファンなんです」
こんな時だというのに嬉しくなって笑ってしまう。
ヒーローを目指している私がヴィランのファンというは聞こえが悪いから黙ってたけど、今はいいよね。
「どんなところが好きなんです?私は血の香りがしてボロボロなところが好きです」
「な、なにいってやがる!?笑って話してる状況じゃねぇだろ!」
「むぅ、ですね」
私が話しかけると彼が動揺したみたいに身体を硬直させて吠える。
ステインの話をできる人がいないから嬉しくて話しかけてしまった。
血のナイフで剣を弾き、呪力で強化した足で蹴りを放つ。
「ぐほぉ!?ほ、本当に女かお前、っっおぇ」
私の蹴りをくらい吐きながら吹き飛ばされる。
ついでに飛ばす方向を調整して磁石みたいなものを持った人も巻き込む。
「ちょやだぁ!!?ゲロ吐きながら吹き飛んでこないでちょうだい!!」
そう叫んで躱そうとしたけど、高速で飛来する彼を避けきれずそのままぶつかり吹き飛んだ。
これで五人は吹き飛ばした、もともとお兄ちゃんの攻撃をくらってたから戦闘不能までいくかも。
「ちっ、化け物女が!黒霧!起きろ!!脳無を持ってこい!!」
手がいっぱいの人が叫ぶけどお兄ちゃんに気絶させられた人は反応しない。
あの黒い霧の人がワープの個性ですね、さっきの泥みたいのは先生の個性のはず。
「気絶してんだから無理だろ。おいトゥワイス、お前が黒霧を作れ」
「無理!任せろ」
火傷をした男の人が全身コスチュームの人にそう言う。
その内容から人を作ることができると想像する。
「いってぇ、ちょっとあの子強すぎだろ。おい荼毘!お前も戦闘に混ざれよ!!」
「俺のは捕獲に向いてねぇ」
シルクハットの男がふらつきながら起き上がる。
火傷の人は私に興味がないのか攻撃してくる様子がない。
シルクハットの男の言葉に適当に答え、その視線はお兄ちゃんと先生の戦闘に向けている。
私も気になってあっちに視線を送れば巨大な骸骨の顔がお兄ちゃんをかみ殺そうと動いていた。
それにお兄ちゃんは指から高速回転する血を出し細切れにしてしまう。
その後、先生の腕が巨大化しお兄ちゃんもそれに対抗するために呪力と赤血操術で強化した腕で受ける。
「っ!!?」
二人の力が生み出した衝撃波が私達の身体に走る。
お兄ちゃんの腕が吹っ飛ぶけど即座に回復したのを見ていた全員が息を飲んでいた。
「おいおい脳無かよあいつ」
「一緒にしないでください」
手だらけの人の呟いた言葉に反応し蹴りを入れる。
あっちを見ていたから反応ができず簡単に吹っ飛ばされた。
私が攻撃を再開したことで全員の意識がまたこっちに向く。
それを確認しながら周囲を見て、その中の火傷をした男の人に視線を横切らせる。
そして固まった。
「・・・・」
火傷の人はじっとお兄ちゃんを見ていた。
私に見向きもせず、何かドロッとした何かを瞳に携えてお兄ちゃんを見る。
その異様な雰囲気に私は固まる。
それを隙と見た人たちが襲ってくるのを見て少し慌てて対応した。
「・・・・教えたのか」
攻撃をさばく中、私の耳にそれが届く。
変わらずじっとお兄ちゃんを見ている男の人。
嫌な予感を覚えた。
私がそれを感じている間にも戦闘は進む。
先ほどの衝突から一分も経っていないはずだけど、一撃一撃が生死を分けるやり取りによって時間が凝縮され遅く感じる。
「超新星・炎」
お兄ちゃんの技が炸裂し、先生が炎に包まれた。
私の知る技の一つ、誰かに使うのは初めて見た。
「先生!!」
それを見ていた手だらけの人が叫ぶ。
まともにくらえば死んでもおかしくはないほどの爆炎。
けどあの先生がそう簡単に死ぬとは思えない。
お兄ちゃんも同じことを思っているみたいで油断なく炎の中を見つめていた。
向こうの状況が大きく動いたことでこっち側がまた動きを止める。
そんな中、火傷の人だけが動き出すのが見えた。
「――――どこ行く気です?」
それを見た瞬間走ってた。
いまお兄ちゃんは先生の相手で手がいっぱいだ。
通形先輩が潜んでいるけど下手な横やりはしてほしくない。
彼の動きを止めるために血を飛ばし、そのまま追撃で拳を振りかぶる。
私の攻撃に彼はゆっくりと腕をこっちに向けて照準を合わせてくる。
「邪魔だ」
まだこの人は個性を見せていない。
注意深く見ていると、彼の腕から青い炎が漏れた。
「っ!?」
近づいたタイミングで炎が腕から出て私を飲みこもうと迫る。
今までなかった広範囲の技、頭から抜けてた。
こんな時私の戦闘経験の浅さが顔を出してしまう。
避けきれず炎に飲み込まる直前、通形先輩が姿を現して救出してくれる。
「大丈夫かい?ヒミコちゃん」
「ありがとうございます、助かりました」
お礼を言って通形先輩に降ろしてもらう。
そして前を向けば火傷の人はこっちを見ずお兄ちゃんに視線を向けている。
「よくわからないけど脹相の奴、随分恨まれてるみたいだね。あいつは俺に任せて」
そう言って通形先輩は彼のところに向かう。
先輩なら炎も透過して進める、確実に勝てるだろう。
でもこれで先輩の奇襲が出来なくなり先生が警戒しないといけないことの一つが減ってしまった。
それを知ってか知らずか爆炎の中から先生が姿を現すのが見えた。
◇
爆炎の中から姿を現すのを見て、俺は再度の戦闘準備に入る。
あれが通じなかった以上、奴に届く手段は限られてくる。
「危なかったよ。この炎に、さっきの技、エンデヴァーのかい?インターンで長い間彼の元にいるみたいだからね」
「ああ、あの加齢臭か」
奴の言葉に適当に答えながら身体に仕込んだサポートアイテムを起動する。
確かにあそこには一年以上世話になっているし、技のきっかけはそこからだ。
途中からなぜか絡んでくるようになって面倒だったがおかげで強くなれた。
しかしそれだけだ、俺からしたらだからどうしたとしか言えん。
「さぁ、次は何を見せてくれるんだい?邪魔だと思っていたが、なんだかワクワクしてきたよ」
「これで終わりだ」
首元につけていた小さな機械が展開し俺の背中に広がっていく。
それを感じながら赤血操術で血を操り、機械の中に血を通す。
俺の血が入った機械はさらに大きさを待ち、その形を形成するに至る。
「・・・・へぇ、なるほどそうきたか」
相手から俺の姿を見た感想が漏れる。
その感心したような声に俺も誇らしげに口元に笑みをこぼす。
機械の中にある血管に似た機管に血が巡り、腕が増えたような感覚が返ってくる。
というより実際に増えている。
背中から生える六本の腕。
サポート科に作ってもらったサポートアイテム。
・・・・敵は強い、俺一人だけでは手こずりそうだ。
末の妹を助けるため、
「末っ子防衛隊!ファイヤー!!!」
サポートアイテムによって新たに生えた弟たちの腕。
お前たちが手を貸してくれるならお兄ちゃんは誰にも負けん!!
サポート科に作らせたアイテム『ブラザーズアーム」
文字通り悠仁たちの腕を再現したサポートアイテム。
別に肌色じゃないので見かけはロボットの腕。
ただ血液を通し神経の役割を機械がすることで身体からの電気信号から本物の腕みたいに動く。
なお別に腕風の機械であればいいので悠仁たちの腕を再現する必要はゼロ。
脹相から弟たちの腕の映像があるわけでもなく、言葉での説明だけなのでサポート科は再現に超苦労した。
ちょっとでも違うと『悠仁の腕はもっとたくましい』とかふわふわした言葉で文句を言ってくるのでサポート科はブチ切れた。