ぼっち、ナザリックに飛ばされる   作:NewSankin

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ぼっち、旅支度 3

緊急時の重い話が終わり、アウラが保存食の一覧を取り上げて空気を戻した。

 

「じゃあ、全員で生きて帰ってきたら、美味しいものを食べよう」

 

「死亡フラグみたいな言い方をするな」

 

マーレも柔らかな表情に戻る。

 

「そう言うことなら、ボ、ボクは、エルフの国のお料理を食べてみたいです」

 

「わざわざ現地で食べる意味あるの?」と首を傾げるアウラに、俺は旅の食事の意味を説いた。

 

「その土地で採れた物を、その土地のやり方で食う。美味いか不味いかだけじゃなく、そこでしか食えない理由を楽しむんだ。自分の知ってる味だけが一番だと思わなくなったら、少しは大人なんじゃないか」

 

「それが大人なの? じゃあ、珍しい果物があったらアインズ様へのお土産にしようよ」

 

「毒がないと確認できればな」

 

「最初の毒味は八幡ね。お兄ちゃんだから」

 

「その設定、都合がいい時しか使ってないだろ」

 

最後に俺は釘を刺した。

 

「現地の料理を食べても、絶対に本人の前でナザリックと比べるなよ」

 

マーレが真剣にメモを取る。

 

「美味しくなくても、作った人には感謝する……。それでも食べられないほどだった場合は……料理した人を地面に――」

 

「沈めない」

 

「ま、まだ最後まで言ってません……」

 

マーレが書き上げた「遠征計画書(旅行のしおり)」を確認し、二人が部屋を出ていく。

 

アウラが扉の前で振り返った。

 

「じゃあ、おやすみ。出発の日に寝坊したら置いていくからね、お兄ちゃん」

 

「睡眠不足にした張本人が言う台詞じゃないだろ」

 

マーレも小さく頭を下げる。

 

「お、おやすみなさい……八幡お兄ちゃん」

 

俺は固まり、アウラは腹を抱えて笑って走り去った。

 

自室に戻り、一人になったベッドで、俺は遠征計画書を見直した。

最後の項目に、マーレの丁寧な字で一文が付け足されている。

 

『アインズ様、アウラ、マーレ、八幡さん。全員で無事に帰ること!』

 

その横には、アウラの字で力強く追記されている。

 

『勝手に残るのは禁止!』

 

俺はしばらくその二つの文章を見つめ、小さく息を吐いた。

 

「……分かったよ」

 

机の端には、エ・ランテルで得たエルフ国の資料と、奴隷狩りから回収した法国関係の記録。

今回の遠征が、穏やかな交流と食べ歩きだけでは終わらない可能性を、俺は理解している。

それでも、計画書を閉じる俺の表情は、少しだけ柔らかくなっていた。

 

「まあ、全員で帰るのも任務のうちか」

 

第六階層の偽りの夜空の下。

狂王の待つエルフ国への遠征準備が、静かに整っていくのだった。

挿絵のリクエストです。

  • おまかせ
  • 八幡+シャルティア
  • 八幡+アルベド
  • 八幡+デミウルゴス
  • 八幡+コキュートス
  • 八幡+アウラ
  • 八幡+マーレ
  • 八幡+アインズ様
  • 八幡+メイド達
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