「見つけました!」
「本当か!」
拠点へ帰還したアウラの報告に、アインズ様は思わず威厳を忘れそうになっていた。
アウラは村の規模、警戒状況、子供の存在などを詳細に報告し、最後に付け足した。
「あと、アンクルウルサス・ロードっていう子を捕まえた」
俺は思わずツッコミを入れた。
「……捕まえた?」
「うん」
「森のボス的なやつを?」
「うん」
「犬拾ってきたみたいに言うな」
そこでアインズ様が、ある作戦を提案した。
「……アンクルウルサス・ロードに村を襲わせる。そしてアウラが助ければ、自然に村へ入り込める恩人になれるはずだ」
かつて鈴木悟が読んだ童話『泣いた赤鬼』作戦。
俺は目が細くなった。
「……自作自演ですか?」
「そ、そういう言い方もできるが」とアインズ様が少し痛いところを突かれたように言う。
俺は作戦自体には反対しないが、懸念点を挙げた。
「魔獣が想定外の動きをして村人が死んだら台無しです。俺が村の外周に潜ります」
アウラが「え?」と驚く。
「万一、誰かが死にそうになった時だけ助ける。ただし、姿は絶対に見せない。アウラが救ったという構図を壊さないためにな」
マーレが「ボクは魔獣を地面に沈めればいいですか?」と恐ろしい保険をかけてきたので、「村ごと沈めないなら正解だ」と許可を出しておく。
作戦開始前。アウラが俺を見て言った。
「八幡。私を信用してね」
俺は一瞬黙り、そして頷いた。
「してるよ」
村の周辺。
アンクルウルサスの咆哮が響き、木々が倒される。アウラの厳命通り、誰もいない方向へ。
村中に警鐘が鳴り、ダークエルフの狩人たちが即座に集まって弓を構える。
俺は木の影から観察していた。
(弱い)
ナザリック基準なら圧倒的に。
だが、自分たちより遥かに強い魔獣相手でも、家族を守るために前へ出る彼らの動きは悪くなかった。
その時、若い狩人の一人に向かって、倒された木が予想外の方向へ崩れた。作戦外の事故だ。
俺は隠密状態のまま僅かに指を動かし、投擲で木の枝を切断。落下方向を数十センチずらし、狩人をギリギリで助けた。
(アフターサービスまで俺かよ)
俺は姿を見せず、ただの運が良かった出来事として処理する。
そこへ、アウラが登場した。
「そこまで!」
アウラは強すぎる力を使わない。弓、体術、威圧。村人たちにも理解できる程度の、しかし十分に異常な強さを見せつけ、アンクルウルサスを森へ追い払った。
狩人たちが呆然とする中、アウラは弓をしまい、両手を見せた。
「私はアウラ」
旅をしているダークエルフ。叔父さんと弟が近くにいる。俺から教わった通り、必要以上の嘘をつかず、人間の俺(不審者)の存在は伏せた。
俺は木陰から、アウラが村人たちに感謝され、村の中へ招き入れられるのを見届けた。
(……ちゃんとやれてるじゃねぇか)
俺は小さく息を吐き、静かに拠点へと帰還した。
挿絵のリクエストです。
-
おまかせ
-
八幡+シャルティア
-
八幡+アルベド
-
八幡+デミウルゴス
-
八幡+コキュートス
-
八幡+アウラ
-
八幡+マーレ
-
八幡+アインズ様
-
八幡+メイド達