ウチのバンドはお騒がせ者 作:にわかバソドマソ
︎︎ついに軽音部が正式に認められ部室を手に入れた俺たちは、部室に機材やら私物を勝手に持ち込みまくった。その結果、ソファやら冷蔵庫などを設置して、部室に住めるようになった。他にも化粧台にテレビに電子レンジなどがある。
︎︎てか、なんだよこのクソでかいクマのぬいぐるみ、2メートル超えてんぞ。なんでこんなもん持ってきたよ瀬奈さん。
︎︎ある日の放課後、大瀬良がバイトで帰り、東は部室の整理をしたいと言い始めたため、俺と瀬奈でセッションする気にもなれず、2人して部室のソファで寛いでいた。
「拓斗〜、ひま」
「そだな、東が構ってくれないしな」
「そうだよ〜、東先輩〜」
「今君たちが持ち込んだものを整理してるんですけど…」
「東は何も持ち込んでねぇの?」
「俺は寝袋を持ってきた。泊まり込みで練習できるようにね!」
「なんかガンギマってね?」
「あ、そうだ、お泊まり会しようよ!」
「やだよ」
「なんで〜?」
︎︎なんでもなにも、シャワーがないと嫌じゃない?俺は帰宅後と出発前にシャワー浴びる派なんだよ。
「それより、暇なら久々にゲーセン行こうぜ」
「ゲーセン!いーね!行こう!」
「東はどうする?」
「丁度キリがいいし、俺も行こうかな」
「そんじゃあ3人で行くか」
「やったー!」
︎︎というわけで俺、瀬奈、東の3人でゲーセンに行くことにした。
「ねぇプリ撮ろーよ!」
「いいべ、最近気になってた機種があるんだよ」
「えー拓斗珍しいね、いつもプリ嫌がるのに。ちなみになんていう機種?」
「Ki-Re-iって機種」
「んー?そんな機種聞いたことないな」
「早川くん、それ証明写真機」
「プリ機じゃないじゃん!」
︎︎ちっ、東め。余計なこと言いやがって。なんで証明写真機の機種名知ってんだよ。ちなみにプリクラが嫌な理由は撮影中の雰囲気。撮られるのは別に気にしない。顔良いし。
︎︎そんなこんなでダラダラ話しながら廊下を歩いていると、前から家と学校の距離が13kmありそうな顔をした奴が歩いてきた。
「お、久しぶりだねぇ、軽音部。元気に活動してるようで」
「あ、誰だお前?」
「拓斗!あの人生徒会室にいた人だよ!名前は知らないけど!役職も知らないけど!」
「あ?あんな夏の夕空の下で裏切ってそうな奴が生徒会にいるわけねぇだろ」
「…それもそうだね!勘違いだった!」
「めっちゃ失礼で笑う」
「……鳴海くん、早川くん、彼は生徒会書記の宮田くんだよ。あと俺のクラスメイトでもある」
「ほら!やっぱり生徒会の人だったじゃん!」
「そうだったのか…そのうち会長の座を狙ってクーデター起こしそう」
「んー今のところその予定はないね」
︎︎マジで髪黒くした市丸ギンにしか見えん。多分、生徒会室で会ったときもコイツに同じようなこと思ったんだろうな。そんくらい怪しい。
「そんでなんの用で?今から3人で出掛けるんだけど」
「いやぁ東くんが鳴海くんたちと馴染めた様で何よりだよ。僕もね、今日は特に予定がないから東くん誘ってどっか遊びに行こうと思ってたんだよ」
「東お前友達は選んだ方がいいぞ?コイツ闇のバイヤーとかやってるぞ絶対」
「そうだよ東先輩!2学期の終わりに裏切られるよ!」
「いや宮田くんは大丈夫だよ。こんななりだけど人の信用を裏切る度胸はないから。すまんな宮田くん、今日は先約があるんだ」
「友人から信頼のされ方がネガティブ方面で泣いちゃう。それじゃあ君らに同行させてもらってもいいかな?今話題の軽音部には個人的に興味があるんだよねぇ」
︎︎なんだコイツ、生徒会から派遣されたスパイか?まぁ身内で一番まともな東の友人なら問題はないんだろうが。別になんでもいいか。
「いいぜ宮田、一緒にゲーセン行こうや。良かったな瀬奈、宮田がプリクラ奢ってくれるってよ」
「え!いいの!?地味に高いから助かる!ありがとう宮田先輩!」
「別にいいけど、なんの躊躇もなく先輩を強請ってきたよ。東、すごいね君の仲間」
「そう言いながらニコニコしてるから怪しまれるんだぞ、宮田くん。俺の周りこんなのばっかだな…」
︎︎というわけで宮田を加え4人でゲーセンに行くことになった。
︎︎ゲーセンに入った俺たちは、まず何をやるか見て周りながら決めることにした。
「なにやる〜?」
「瀬奈、お前プリクラは?」
「それは後でいいかな!」
「宮田くんはなにかしたいのある?」
「んー僕はなんでもいいよ」
︎︎と、なかなか決まらないでいた。なんか複数人で出来るゲームはないかな。ん?あそこにいるのは、
「なぁ瀬奈、あそこにいるの中原じゃね?チューニズムんとこ」
「あ、ほんとだ!毎日ゲーセン通ってるって聞いてたけどここだったんだ!」
「あそこの彼は知り合い?」
「そう!中原くん!結構色んなことに精通している自称陰キャオタク!」
「ただの陰キャがうちのクラスに入れるわけないのにな」
︎︎そこにいたのはクラスメイトの中原だった。奴は俺らの機材が不具合を起こしたときに修理してもらったり、オススメの機材を教えてもらったりきている。
「うぉおおおおおお!ここを耐えるのですぞぉ!耐え切れればAJですぞぉ!『風唄』AJを達成してインターネットで人気者になるのですぞぉおおお!…ぐああああああああああ!ミスったのですぞぉおおおおお!ちっくしょおおおおおおおおおおおお!」
「…あんな奴クラスメイトにいねぇわ。な、瀬奈」
「うん、僕たちの知らない人だった」
「そ、そうか」
「随分個性的な子だねぇ」
︎︎と、俺らの知らない人から視線を切って他に目を向けると、
「お、あそこにいんのは倉科じゃん。競馬のメダルゲームのとこ」
「あ、ほんとだ!倉科くんもゲーセン来るんだ!」
「倉科くんは聞いたことあるな…悪い意味で」
「生徒会でも鳴海くん、早川ちゃんに次いでよく聞く名前だねぇ」
︎︎もう倉科の時点で嫌な予感しかしねぇよ。絶対なんか騒いでるだろ。
「いぃいいいけぇええええええ!ナリタブライアン!逃げ切れぇえええええ!お前に全ツッパしてんだ!逃げろぉおおおお!うぉおおおお!あぁ!やめろぉおおおお!ぐああああああああああああ!」
「あいつとは赤の他人だったわ。な、瀬奈」
「うん。僕たち関わったことない」
「そ、そうか」
「せめて僕たちと違う制服を着ていてほしいなぁ」
︎︎本当になんでこんな奴らばっかなんだようちのクラス。水城先生が2日に1回泣くわけだよ。赤の他人から視線を切って他に目を向けると、
「ふん!ふふふふふん!ふふふふふん!」
︎︎マジで知らん奴が上裸で太鼓の達人をやっていた。
「鳴海くん、あれは?」
「あれはマジで知らん不審者だわ。視線向けんな」
「ね!一瞬知り合いかと思ったけど!知り合いじゃなくて良かった〜」
「自分たちでもおかしな人は1度知り合いだと思っちゃってるんだ」
︎︎いやこれまでの流れ的に知り合いだと思うだろ普通。マジモンの不審者が出てくるとは思わんわ。強いて言えば中原と倉科が悪い。
「ふん!ふふふふふん!ふふ…ん?」
「出禁です」
「なにっ!?」
︎︎「なにっ!?」じゃねぇよ、当然だろ。むしろ出禁にされてない中原たちがおかしいんよ。上裸の人は店員に外へ連れてかれた。
「まぁ都合良くあそこが空いたことだし太鼓の達人対決でもしまっか」
「いーねー!」
「…既に疲れたんだが」
「情報量の多いところだねぇ」
︎︎さぁ!
鳴海
暇つぶしにゲーセン来たら変な奴ばっかで困惑。
宮田のことはわざと誤解招く言動してるなと見抜いている。
早川
鳴海が珍しくプリクラに賛成したから期待した。
宮田のことはまだ疑っている。
東
部室が既に居住空間になっていることに愕然とした。
宮田とは1年の頃からの友人。
ゲームセンターとはこんな魔境だったのかと誤解している。
宮田
軽音部には個人的に興味がある(軽音部には個人的に興味がある)
うちの高校は変な人ばかりで面白いなと思っている。
中原
鳴海たちとクラスメイトの自称陰キャオタク。
アニメや漫画というより機械に強いタイプのオタク。
クラスで目立たないとか友達がいないとかはない。
出禁にはならなかった。
倉科
ただのバカ。うるさい。
出禁にはならなかった。
上裸の人
マジモンの他人。これ以上出てくることはないはず。
キチガイが跋扈するゲーセンでその日唯一の出禁になった。
店員
そこそこゴツい体格のバイト。
多分作中最も力持ち。
アイデアがプロットを壊していく