ウチのバンドはお騒がせ者   作:にわかバソドマソ

13 / 25
ゴリラ捕獲計画

「第2回!軽音部募集プロジェクト会議ぃいいい!!!」

『うぉおおおお!!』

「うるせぇ!静まれぇ!」

『えぇ…』

 

 ︎︎というわけで始まりました、第2回軽音部会議。仙洞をスカウトする為だけに会議参加者を朝5時に通話で叩き起こし、7時半に集合させた。本日の書記は大瀬良。黒板には『仙洞捕獲会議』と書かれている。字ぃきったな!崩れたアンパンみたいな字書きやがって。読めりゃいいけど。

 

「といことではい、案はよ」

「ふん縛って無理矢理部室連れてけ」

「高梨、相手はゴリラだ。並の相手じゃ返り討ちにされる」

「今流行りの催涙スプレー撒くのはどうかな!」

「大事件にする気か桐生。いい笑顔で言うことじゃない」

 

 ︎︎今回の参加メンバーには、前回不参加だった高梨なども参加している。高梨はうちのクラスの委員長で、問題児蔓延る1年C組のまとも枠である。4月に起きた『高梨の乱』では、扇動者として学校からは俺らと同じ問題児と認識されているようだが。前回通話で起こそうとしたらブロックされたから、今回は瀬奈と一緒に6時に高梨の家に凸った。

 

「また志水サマに力を借りて、放送で無理矢理呼び出すのはどうよ」

「ほな佐久間、お前が頼め」

「なんで軽音部のことなのに俺が頼むんだよ…」

「そもそも志水サマにまた放送ジャックお願いできる?」

「なめんな。俺は怖いから無理だ」

「前回華麗な土下座してただろ!」

「鳴海くんの勇姿見てみたいー!」

「あぁん!対志水サマ特攻兵器として育成してやろうかてめぇら!」

『すみませんでした!』

 

 ︎︎うーん土下座がたくさん。まるで俺が偉くなったみたい。とりあえずパシャリっと。この写真後で水城に見せてあげよ。きっと卒倒するし、放課後に緊急ホームルームが始まるだろうけど。

 

「猛獣相手なら罠張るのはどうだ?」

「すまん倉科、最初に相手はゴリラと言った俺が間違えてたわ。仙洞は猛獣ではないと言っておくわ」

「どっちかっていうと心のある改造人間って感じだよね!」

「早川、それ悪化してるぞ」

「そう?」

 

 ︎︎おいおい不味いぞ。前回以上に内容が不穏だ。黒板には『拘束』としか書かれていない。このままだと仙洞を誘拐するしか選択肢がなくなる。いくら学年一位の身体能力を持つ俺でも奴のパワーには敵わないだろう。

 

「てかその仙洞先輩?だっけか、優しいなら普通に声かければいいじゃねぇか」

「そもそもの前提が怪物相手に実力行使に出ようとするからおかしくなるんだよ」

「ボケナスがー!」

「おい今罵倒いれたの誰だ。ぶっ飛ばすぞ倉科」

「げ、バレてる」

 

 ︎︎逆になんでバレないと思ったよ。野次の飛ばし方と声で分かるわボケ。段々作戦会議から俺への罵倒に変わってきたから、ここで軌道を修正する。

 

「羽鳥、なんかあるか?」

「クラス全員でかかればゴリラ1頭くらいなんてことないんじゃない?」

「論外だ」

 

 ︎︎この話を全く聞いていない男、羽鳥は化学の授業中、金属を酸化させるだけの実験で爆発を発生させた経歴を持つテロリストだ。こいつに聞いたのが悪いよな。

 

「中原はどうだ?」

「ふむ、今までの内容を省みるに普通に対話に持ち込むのがいいと思いますぞぉ!仙洞という男の性格は学年で評判になるほど優しいのなら、変に小細工しないで正面から行った方が拗れないと思いますぞぉ!」

「そうか。お前話し方さえどうにかすりゃキモがられずに済むと思うぞ?」

「これは拙者のアイデンティティですぞぉ!治すなど言語道断!人格否定で水城先生に訴えますぞぉ!」

 

 ︎︎…治すべきは頭かもな。色々修理できる中原でも自分の頭は修理できないらしい。ま、中原の言う通り直接誘うのが1番手っ取り早いか。

 

「でもなぁ…」

「なんだ?なんか懸念点でもあんのか?」

「そういうの先に言っといてくれよ」

「中原の案が1番効果的だと思うけど」

「無難すぎてつまんないなぁって」

「あ、それ僕も思う!」

「まぁ確かに大人しい鳴海なんて顔良しスペック良しの腹立たしい野郎にしか見えんしな」

 

 ︎︎俺の意思に賛同してるのは瀬奈、倉科。表情を見るに桐生もそうだろう。逆に反対派で普通に行けやって思ってそうなのが佐久間、高梨、中原。どうでも良さそうなのが書記の大瀬良と爆弾魔(ボマー)羽鳥。その他クラスメイトは半々って感じ。キレイに割れたな。どうするべきか。

 

「普通に行こうがやらかそうが構わんが、その優しい怪物が確実に入りたい方を選ぶのが軽音部の将来の為だぞ」

「高梨……お前そんなまともなこと言えたのか」

「俺はお前らと比べりゃまともだわ!窓からの紐なしバンジーさせてやろうか!」

「こんなこと言ってて自認がまともなの逆に怖くない?」

 

 ︎︎それな。こいつこのクラスにいてまだ自分がまともだと思ってたのかよ。自分に甘過ぎるぞ。だからサイコ高梨とか言われんだよ。




鳴海
こいつが司会やってまともに進行できるかよ。
高梨か志水にやらせろよ。

早川
鳴海と一緒に朝5時にクラスメイトに鬼電した。

大瀬良
顔の割に字が汚い男というレッテルを貼られる。

高梨
俺はまともだ。
なお教師陣及び先輩方からは問題児だと思われている模様。
朝6時に鳴海と早川に家凸された。

羽鳥
人の話を聞かないバカどもの中でもっとも話を聞かない。
化学実験室を爆破したが、怪我人はいなかった。

中原
口調以外はクラスで1番まともまである。

その他クラスメイト
朝5時に鬼電された。
鳴海の暴君ぶりに慣れてきた。

水城
後日、鳴海にクラスの生徒が揃って土下座している写真を見せられ卒倒。その日の放課後、緊急ホームルームが実施された。


文字数が増えんくて困る。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。