ウチのバンドはお騒がせ者   作:にわかバソドマソ

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ペーパードライバー

 ︎︎仙洞が正式に軽音部に入部した。これにより今まで足りない音を音源に頼っていたが、それを使わなくてよくなった。

 

「仙洞、お前のドラムどうするん?」

「うーむ」

「経験者ってことは家とかにはあったりするの?」

「うむ」

「ここまでどうやって運び込むよ」

「冷蔵庫やらデカいクマのぬいぐるみとかは君たちどうやって搬入したんだい?」

「リアカー」

「クラスメイトにも協力してもらったよ!」

「じゃあそれでいいんじゃない?」

「面倒くさい」

「うーむ」

 

 ︎︎と、仙洞のドラムをどうやって運ぶか悩んでいたら突如扉が開いた。

 

「話は聞かせてもらった!」

「それは私達が何とかしよう!」

 

 ︎︎俺達は一斉にそちらに視線を向けた。そこにいたのは我らが軽音部の顧問である佐伯と全校生徒にズラだとバレている校長がいた。佐伯はともかくなんで校長までいるんだよ。

 

「仙洞くんのドラムは私に任せたまえ。軽トラを手配しよう」

「おー!校長先生ナイスぅ!」

「校長が運転するん?」

「生徒に格好つけて事故りそう」

「まぁそう言わずに頼ろうよ。ほかの手段がリアカーしかないし」

「うむ」

「失礼だな君たち…まぁいい!ここ20年は運転から離れていたが(小声)、まかせなさい!」

「結局リアカーか」

「しょうがないかー」

「校長使えな」

「俺、体力自信ないんだけど」

「仙洞いるから大丈夫だろ」

「うむ」

「なんでぇえええええええ!!!!!」

 

 ︎︎うるせぇよハゲ、なんでもクソもねぇだろ。ペーパードライバーがイキってくんなや。つーかさ、

 

「なんで校長がここいんの?」

「それは私が説明しよう。私は君たちの顧問だけどそれなりに多忙の身でね、この間の職員会議で私が出られないときにカバー出来るような副顧問を募集したんだよ。そしたら校長先生が名乗り出てくれたのさ」

「あんたのどこが多忙なんだよ。ヤニ吸ってるイメージしかないんだけど」

「鳴海は後で私の副流煙を全て吸う刑ね」

「最も喫煙者が周りに配慮しないといけないことを平然とやりやがる」

「それよりも、校長先生が副顧問になることに反対されなかったんですか?以前鳴海くん達が顧問を募った際は校長先生がなるのを他の教師たちは反対されてたようですが」

「うむ」

 

 ︎︎たしかにそこは気になるとこだな。職員室に乗り込んだときはコネがどうとか言われた気がするが、

 

「そこは簡単だよ。反対する教頭の前で駄々をこねまくったのさ!」

「あの時の校長先生は凄かったよ。玩具を買ってもらえない子供のように地べたで手足をバタバタしながら騒いでいたからね。まぁ副顧問なら大丈夫ということに渋々なったのさ」

「ドン引きだよ」

 

 ︎︎なにしてんだ校長!あんたには恥とかないんか!俺たち軽音部への執着心が怖いよ!

 

「うーん、キモい!」

「大の大人がしていいことではない」

「すみません、こればかりは俺も…」

「うーむ」

「酷い!」

 

 ︎︎酷いのはあんたの言動だよ。東や仙洞すら引いた表情してるぞ。一応2年が誇る優男コンビが。

 

「ていうか前もそうだったけどなんで校長先生は軽音部の顧問やりたかったの?」

「職員室でも自分が顧問になろうとソワソワしてたしね」

「たしかにそれは俺も気になりますね」

「うむ」

「ふむ、ではそれを説明しよう」

「短めで頼むわ」

「えっ…私はこの学校のOBで初代軽音部だったのさ。以前君たちが使っていた旧部室は私たちが活動していた場所だ。そこで楽しそうに演奏していた君たちを応援しようと思ってね。どう?だいぶ短くしたけど」

「普段の式の挨拶でもそのくらい短くして」

「話の短い校長っていいよね!」

「この子たちほんと良い性格してるよ」

「ほんとうちの後輩がすみません」

「うむ」

「いやいいさ。軽音部らしいロックな生徒たちだ」

「校長先生は昔からこういう生徒が大好きなんだよ」

 

 ︎︎いやなんで佐伯が校長の昔を知ってるんだよ。あんたほんとに年齢いくつだ「鳴海くん?」…やば

 

「あとで君は私とお話ししよっか。喫煙所で、2人っきりで」

「拓斗何したの?」

「どうせ失礼なことでしょ」

「はぁ、君はもう少し考えて行動してくれ」

「うむ」

「いや回避不可能っつうか考えた結果っつうか」

 

 ︎︎逆になんでお前ら回避できたんだよ!思考誘導だろこんなん。

 

「ハッハッハ!本当に君たちは面白い。だからこそ応援したくなったのさ。だからとりあえず、仙洞くんのドラムに関しては任せたまえ」

「カッコつけてるけどペーパーなんだよな」

「無理やり任せる空気にしたね!」

「老獪だ」

「…任せてみよっか」

「…うむ」

「君たちは本当に空気の壊し方までロックだね。私は泣きそうだよ」

「安心しな。助手席には私も乗るから」

「もっと不安」

「鳴海くんスリーアウト」

 

 ︎︎なんで佐伯は自分がいれば安心だと思ってんだ?恐ろしさしかないんだが。仙洞のドラムの冥福を祈っとくか。

 

「ところで君たち、バンド名は決めたのかい?紹介が軽音部だと地味だろう?」

「あー全然考えてなかったな」

「バンド名!決めよう!」

「なんでもいいよ」

「でも軽音部に新しく入部してくる子がいたら可哀想じゃないか?」

「うむ」

 

 ︎︎たしかに、一応部活であることを考えると部員はまだ増える可能性あんのか。

 

「そこは新入部員が入ってから決めればいいさ」

「佐伯先生、それだと他に部員が増えるまでなにも出来ない可能性がありますよ?」

「出来るかも分からない新入部員を心配するなら、自分たちの心配をした方がいい」

「どういうこと?」

「新人の面倒を見てたら文化祭まで間に合わないよ。それに今の軽音部に入れる気概のあるなら鳴海のように自らメンバー集めをするさ」

「…なるほど、確かにそうかもしれません」

「じゃあ早速バンド名決めようよ!」

「そうするか」

「まぁ私の見立てではもう入る生徒はいないだろうけど(小声)」

「聞こえてんぞー失礼だろ」

「君が言うな」

 

 ︎︎まぁそういうならバンド名考えるか。俺らに合いそうなのなんかないかな。

 

「というわけで私たちは失礼するよ。仙洞くんは搬入について話すことがあるからまた連絡するよ」

「うむ」

「色々ありがとうございました」

「いいさ。バンド頑張ってくれたまえ」

「校長先生、またねー!」

「そういえばヅラズレてたよ校長」

「カッコよく帰らせてぇえええ!!!」

 

 ︎︎誰も言わなかったのに大瀬良が言いやがった。いや校長オモロいな。話が長いズラのイメージしかなかったからな。副顧問になったと聞いたときはマジかと思ったがノリのいい人で安心した。

 

「じゃあさっそくバンド名決めるか!」

「可愛いのがいい!」

「可愛いは早川しか合わない」

「俺たちはどちらかというとカッコいい系の名前の方が合うと思うな」

「うむ」

「えー」

「まぁじっくりかんがえ『ガラガラっ!』…あん?」

 

「鳴海くんはお話があるからこっちだよ」

 

 ︎︎くそっ、忘れてなかったのか!

 

 ︎︎しっかりOHANASHIされました。




鳴海
校長のしつこさに引いた。
初代軽音部には興味がない。
この後めちゃくちゃ佐伯に説教された。

早川
話が短い校長なら好き。
初代軽音部の写真とかを見てみたい。
校長をマスコット化しようと試みている。

大瀬良
校長が普通にキモくて録音だけした。
初代軽音部には興味がない。
そろそろ帰りたいと思っている。


1年生たちの不遜な態度と敬語を使わないスタンスにある意味尊敬した。
バンド名決めに結構ワクワクしている。

仙洞
自前のドラムが校長の運転により破壊されないか不安。
自分で担いで運ぼうかなと思っている。

佐伯
失礼な小僧に物申した。
校長への失礼は許しても自分への失礼は許さない。

校長
実は鳴海たちの動向を入学当初からチェックしてる厄介ファン。
初代軽音部だったことに興味が向いてもらえなくてちょっと悲しんだ。
ヅラは中盤辺りからズレていた。


次の次くらいに掲示板回かな?
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