ウチのバンドはお騒がせ者   作:にわかバソドマソ

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結成ライブ計画

 Cigarette Ash、結成翌日。

 

「全校集会でライブぶちかますぞォオオ!!!!!」

「いぇーい!」

 

「もう俺は疲れたぞ……」

 

 東が萎れた様子で答える。おいおいお前ウチのバンド唯一のツッコミだろ?ツッコミから逃げるなァ!

 

「はぁ……鳴海くん達さぁ、どれだけとんでもないこと言ってるか分かってる?全校集会だよ?」

 

「知ってるわ。だからこそライブするんだよ」

「大規模なステージほど燃えるね」

「うむ!」

「サイコーに上げてこー!」

 

「敵しかいないよこのバンド……」

 

 東がガックリと項垂れる。まぁ生来あがり症の気があるコイツにはたまったものじゃないだろう。だが知るか。

 

「おい東ァ、思い出してみろ……俺たちは吸い殻だぞ?」

 

「うん、まぁバンド名からしたらそうだけども」

 

「……吸い殻を火つけたまま放っといたら、爆発することもあるだろ?」

 

「意図せぬ放火犯になるやつね」

 

「そう!つまりいくら俺らがやらかしても俺らを放置している学校が悪いってことだ!」

 

「被告の立場?」

「勢いが良いよね!」

「うむ」

 

「思想が本当に凶悪過ぎる……!!」

 

 ︎︎つーかこんな反対してくる東だが、お前過去に俺たちと一緒に全クラス突撃ライブしてるからな?どの口で言ってんだよ。相手がクラス単位から学校に変わるだけだ。

 

 ということで俺は全員を部室に集め、朝っぱらからブチ上げ会議を始めていた。現在時刻は6時。議題はもちろん、

 

『“Cigarette Ash”の初ライブをいつ、どこで、どんな形でやるか』

 

 この3点セットである。

 

「で?何で全校集会なのよ。他にあるだろう、体育館貸し切りとか、文化祭前のステージリハとか……」

 

「甘ぇな大瀬良!考えてもみろ、体育館を貸し切るには申請が必要。申請には根回しが必要。だが俺らには——」

 

「根回しをする気力がなーい!」

 

「そうだ!瀬奈が言った通り俺らにそんなことできる能はない!」

 

「言い切っちゃったよ」

 

「あとは文化祭前のリハとか言ってたが、とりあえず半年の大目標が文化祭なのに直前ギリギリでかますとかバカか?」

 

「うむ」

 

「仙洞くんまで!?」

 

 と、ここで瀬奈がクルクル回ってスカートをはためかし、

 

「で、全校集会でやるってことは……機材の設置がネックじゃない?ゲリラでしょ?」

 

「うん、体育館に機材を運び込むにも時間が要る。何より、教師たちも見てる場所で堂々とそれをするのは——」

 

 俺はニヤリと笑って、机にメモ用紙をパラリと並べた。

 

「クハハッ……そこは抜かりないぜ!鳴海拓斗の天才的裏工作メモ、完成してます!」

 

「胡散くさ」

 

「鳴海くんの自己肯定感の高さが羨ましいよ……」

 

「いいか、よく聞け!まず、体育館裏の搬入口の鍵は羽鳥に“ちょっと取ってきて”って頼んだら盗ってきてくれた!それの型を取って合鍵も大量に作ったから余裕で入れる!」

 

「平然ととんでも行為が出てくる後輩たちに驚愕が隠せないんだけど」

 

「次に、機材の運搬も問題なし。倉科、佐久間、中原に当日運搬を手伝うようアポは取ってある!校長は軽音部に取り込み済。当日最大の関門である真壁は巨乳好きだから、適当に巨乳の女子生徒けしかければいけるだろ」

 

「最後が雑では?」

「うーむ」

 

「ま、こんなところだな」

 

「すごいよ拓斗!完璧!」

 

「完璧?本当に完璧かこれ?」

 

 ︎︎東のやつここまで進んで、まだグダグダと考えてんのか?なら、

 

「ちなみに校長と佐伯にはもう許可取ってあるから逃げられんぞ?」

 

 ︎︎東は膝から崩れ落ちた。

 

「……本当に、もうやるしかないんだな」

 

「当たり前だ。今度は生演奏だ。ステージ乗り込んで、音かき鳴らして、俺らの結成を祝うぞ」

 

「うむ!」

 

「何で仙洞くんはそんなに元気なのさ?」

 

「仙洞は今回が初ライブだぞ?コケるわけにゃいかんのよ」

 

「それを言われたらもうやるしかないじゃん!」

 

 ︎︎東の悲痛な叫びが部室に木霊した。

 

 


 

 

次の日の昼休み、廊下のスピーカーから放送が流れる。

 

『連絡です。明日の全校集会は、体育館設備の不調のため延期となりました。なお、いつに延期になるかは未定です』

 

「はぁ?」

 

「え!?」

 

「……鳴海」

 

「……なんもしてねぇ!俺じゃねぇ!」

 

「うーむ」

 

「せっかく頑張って下準備したのに!」

 

「……あー無駄に盛り上がっちゃったな」

 

 ︎︎ニコニコしながら言うなよ東、ぶっ飛ばすぞ。

 

「どこかで僕たちが突撃するのと悟られたのかな?」

 

「校長、佐伯、倉科、羽鳥、心当たりが多い」

 

「ちくしょぉぉぉおおおおおおお!!!」

 

『また次の機会があるよ!元気出すッピ!』

 

 ︎︎慟哭をあげた俺を仙洞が字面で慰める。……いやお前の筆談のキャラそれでいいんか?




鳴海
今日一番テンションの乱高下が激しかった人。
この程度じゃ諦めない。

早川
鳴海の発言全肯定マシーン。
バンドが結成したから、イン〇タの運用を本格的に開始したら一晩でフォロワーを5000人にした。

大瀬良
ちょくちょく平坦にガヤを入れまくってた人。
ゲリラライブ延期に1番ショックを受けた。


文だけでゲッソリしてそう。
反対しつつもなんだかんだで鳴海たちに合わせる。

仙洞
筆談時のキャラ付けに迷走している。
鳴海たちとバンドを組んだことをクラスメイトに報告したら、みんな渋々ながら応援してくれた。

羽鳥
以前ちょっとだけ登場した爆弾魔(ボマー)
多分倫理とかがない。


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