悪魔と契約しただけなのに(仮)〜とある転移者の公安生活〜   作:マクロソラックス-03(旧っっt)

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カフェ二道登場です。ここから第一部1987年パートのクライマックスに向かいます。

あと作品全体に言えることですが、よく岸辺隊長への呼び方がコロコロ変化します。文脈で判断してください。


第一部 特異三課編 第10話 顔合わせpart2

 

駅前で討伐した悪魔の処理を警察と清掃会社に任せた三浦と共に俺たちは歩き出す。途中、レゼ編で親の顔より見た坂を登ってたどり着いた先はやはり親の顔より見覚えのある小さなカフェ。

 

「カフェ…二道なのか…」

 

「知っているのか」

 

あっ、やべ。

 

「あ、いや。昔観に行った恋愛映画のモデルとして有名でさぁ。それで、ね。」

 

「そうか。」

 

「じゃあ入るぞ、はやくしろ〜」

 

危なかった、またボロを出すところだった。ただでさえ、チェンソーマンの世界に流されて平穏な生活が崩れ去っている所に更なる面倒ごとに巻き込まれるのは真っ平御免である。だからこそ引き締めねば。そう決意を固めながら店の中に入ろうとすると後ろから唸り声が聞こえた。

 

「あれ、マキマ?」

 

しかめ面をして入ろうとしない。

 

「どうしたん?おーい!?」

 

「イヤ…」

「嫌だ!黒いドブ水の匂いがする!コウイチ、助けて!」

 

「「あ”?」」

「店ん中でみんな集まっているんだからお前も入るの、当然だよなぁ〜。」

 

「ヒィッ!」

 

そうだ、コイツ、コーヒー嫌いなんだった。嫌がるマキマを3人がかりで引きずって店に入ると炒ったコーヒー豆の匂いとほのかなタバコの匂いが鼻をくすぐる。そういえばこの時代は喫煙OKだったな。

 

「遅いですよ隊長!カレー、隊長の分も食べましたよ。」

 

「全員集まってます。」

 

小さな店内の奥の方に9人のデビルハンターが座っていた。どうやら彼らが俺たちの新しい同僚になるらしい。黙って席に着くとメニューを持ったマスターがやって来る。当然だがレゼ編(1997年)より若く、髭を生やしていない。そして、岸辺先生の顔を見て呆れながら言った。

 

「岸辺さん…昼に来るなんて珍しいですね。ご注文はお決まりですか?夜じゃないんで酒は出しませんよ。」

 

「コーヒー四つで。」

 

「ひぃん!飲みたくない!」

 

岸辺先生の代わりに三浦隊長が注文するとやはりマキマが嫌がって泣き出す。(原作のデンジでも初めてコーヒー飲んだ時にここまではならなかったぞ?)そんな思いを胸にしつつマキマを宥めにかかる。

 

「ほら、しっかりした店のコーヒーは自販機の缶コーヒーとは違うから…『ラーメン!』…あーもう!岸辺先生助けてくださいよ!」

 

「知らね。コウイチ、なんとかしろ。」

 

遂には先生にまで匙を投げられる始末だった。この状況をどうしたものか、そう思い悩んでいたところに助け舟を出してくれたのはマスターだった。

 

「えーと、ラーメンないけどチャーハンなら作れるよ…だから、お嬢ちゃんはそれでいいかな?」

 

「ちゃー…はん?」

 

「あれ、知らないのか〜。チャーハンっていうのはね、ご飯とか肉とか卵とか一緒に炒めたやつで..,ラーメンの相棒みたいな食べ物…かな?とっても美味しいよ?」

 

「!」

 

結局マキマはチャーハンを頼んだ。マスターさんナイスフォロー!助かった。全員が注文を終えたことを確認した三浦隊長は席に着いた特異三課の面々を見回すとゆっくり会話を切り出した。

 

「お、みんな落ち着いたようだな。じゃあ本題に入るゾ。」

「コイツらが特異三課の新メンバーだ。この二人の加入で隊は完全に充足された。コイツらは俺の班で面倒を見て、今日から三課は6人班2つで活動するゾ。いいな?」

 

返事はない。ただ、俺たちの先輩がたから値踏みするような視線を向けられた。

 

「それじゃあ、二人とも皆んなに自己紹介だ。やりたい方から先に始めろ。はやくしろー」

 

三浦隊長に急かされて俺はゆっくり立ちあがろうとするが隣のマキマに押し除けられた。俺以外と積極的なコミュニケーションをほとんど取らず、ラーメンとコーヒー以外で感情を示したことがない彼女はどんな自己紹介をするのだろうか。

 

「マキマです。うまいラーメンが好きです。ドブ水とタバコが嫌いです。……。えーと、えっと…………てめえらに開く口なんざ

ねえよ、ブチ殺すぞ。」

 

その場の空気がこおりついた。なんならカフェのBGMどころか外の車の音すら聞こえなくなった気がした。誰だよ、マキマにあんな言葉教えたヤツ。つーか、なんでそんなもんをホイホイ吸収してんだよ。教えたの俺じゃないからな。そこんとこ理解してくれよな、武藤長官と岸辺先生。

 

「ちなみにコレは岸辺先生から習った言葉。」

 

おいー!いつそんな言葉教えた!先月、野山と三浦が「変なものをマキマに吹き込まないように。彼女は実年齢相応に色んなもの吸収するから。」って長官直々に釘刺されてたの見てただろ!もし俺が「バディの監督責任」とか言われて処罰受けたらお前ブッ殺すからな?

 

「マキマ、お前は100点だ。」

 

「そうだよな!そこらの新人よりキツい訓練を乗り越え、実戦を経験し、そして歴戦の先輩方に向かって物怖じせずに暴言を吐く。まさに完璧なデビルハンターの鑑だ!お前らもそう思うよなぁ!」

 

アル中クソカスと眼帯をつけた見た目だけが◯ングダムの祟原っぽい先輩(三課のもう一個の班の人だろうか)がマキマを褒めると、他の課員もそれに倣って拍手を送る。腑に落ちないがどうやらマキマは三課の先輩方に受け入れられたらしい。

 

「ありがとう、マキマ。じゃあ次、コウイチ!はやくしろ〜。」

 

俺の番が回ってきた。ここは普通の自己紹介にすべきか。それとも尖った自己紹介にすべきか。どっちが受けるかわからない。

 

「あくしろよ!」

 

オールバックにノースリーブの女デビルハンターに急かされる。時間がない、やるしかないだろう、咄嗟に口に出た方を!

 

「ん、俺は堀谷コウイチ。八王子生まれの誕生日が200x年6月26日の年齢20歳。好きな食べ物は崎陽軒のシウマイ弁当と軽羹饅頭。てめえらとは馴れ合うつもりはない。以上。」

 

またカフェ二道が静まり返った。マスターがマキマのためにチャーハンを炒めている音だけが寂しくこだまする。そしてしばらくの沈黙の後、三浦隊長の隣に座っていた女(イノシシの悪魔の時にもいた)の口から出てきた言葉は…

 

「はぁ〜、つまんな!」

 

「あー、もうつまんないぞ。コレ、つまんないぞ。なぁ、祟原」

 

「三浦の言うとおり、これはつまらん。岸辺先生、これ何点ですか?」

 

「19点だ。俺の共通一次の古文より酷い。」

 

続く三浦隊長の言葉も祟原もどきの言葉も「つまらん」であった。そもそも岸辺はデビルハンターなんざやってて本当に大学受験したことあるの?ちなみに、低評価の理由を聞いてみると、

 

「マキマの真似をしている」

 

「自分のことを知ってもらいたがっているような発言をしといて、最後に拒絶しているところが痛い」

 

と返ってきた。先輩方の容赦ない発言に怒って俺は喚き散らしたが、マスターにお盆で頭を叩かれて沈黙。ようやく自分の気持ちが落ち着いたところでコーヒーを飲みながらの先輩方の自己紹介が始まった。

 

俺たちが入る班のメンバーは三浦隊長に、俺に向かって1番に「つまんな」と言った女、御幸リョウ、マリガン少尉に眼鏡を掛けさせたような真面目な男、重信カズト、今のところほとんど発言してないクール系美女、衣山サヨだ。ちなみにこの間のイノシシの悪魔討伐後のマキマとの喧嘩を止めてくれたのは重信らしい。“金縛りの悪魔”の力で止めたそうなのだが、支払う代償が攻撃対象の強さに依存するらしく、背中の皮がズル剥けになったそうな。なので一応彼には平謝りしておいた。

 

こうして俺とマキマは何とか特異三課のみんなに受け入れられることになったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ーその頃 ???視点ー

 

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

彼女は運が良かった。隣の檻にいた悪魔が暴走した隙に逃げ出すことに成功したのだ。そしてさらに幸運がもう一つ。人気のない路地裏を逃げ続けてスーツを着たデビルハンターが2人いた。隣の檻の悪魔曰く、スーツを着たデビルハンターは自分たちを捕まえていた人間よりは話が通じるらしい。彼らに保護して貰えばもう小さな檻に入れられたり、鞭で殴られたり、飢えさせられたりする生活とは無縁になるはず…

 

「ふ〜疲れたぜ。仕事終わりの一服一服っと……あっ、タバコが返り血でビチャビチャだぁ。おい、新人!福田!タバコ買ってこいよ!」

 

「え〜、嫌ですよ。まさか俺の自腹ですか?」

 

「いいだろ、次の合コン連れてってやるからさ、ほら。」

 

「仕方ないなぁ、先輩行ってきますよ……あれ、女の子?」

 

「助けてください!怖い人に閉じ込められてぶたれてたんです。逃げた私を追いかけてくるんです。お願いします!」

 

「もう大丈夫だよ、君。お兄さんたちが守ってあげるから。さ、おんぶするよ。」

 

その時、先輩デビルハンターは彼女の足が8本あることに気づいた。すぐさま拳銃を抜いて少女に向ける。

 

「おい、福田!コイツ悪魔だ!はやく離れろ!」

 

「え?!」

 

「自分が悪魔ってこと隠してごめんなさい!だけど怖い人に追いかけられてるんです!捕まったらまた…」

 

「いいから離れろ!」

 

「お願いします、どうか!……ッ!後ろぉ!」

 

「ハッタリなんか効か…あぁぁあ?」

 

ベチャリッ!

 

少女の悲鳴が上がると同時に先輩デビルハンターが縦に裂け、臓腑と背骨が地面に散らばる。その臓物を踏み躙りながら2人の異形の何かが姿を現す。

 

「ったく、危ない危ない。商品に逃げられるところだったぜ。」

 

「それに危うくポリ公に俺らの商売がバレるところだったぜ、なぁ?蜘蛛の悪魔ちゃん?」

 

「さて、目撃者は皆殺し。」

 

「そして売り物は回収する。」

 

「「さあ、一仕事しようか」」

 

2人の異形は腕から生えた凶器を蜘蛛の悪魔と新人デビルハンターに向けながらそう宣言した。

 

 

 





最後に出てきた新人の福田くんは後の対魔二課の副隊長です。

特異三課の祟原っぽい人は三課副隊長の祟原ケンジ、オールバックにノースリーブの女先輩は袖子ミリです。2人ともコウイチの班とは別の班のメンバーです。祟原と書いてソネハラと読みます。祟原の方は幽霊の悪魔と契約した剣士で、袖子の方はカマキリの悪魔と契約しています。

第5話〜第7話あたりのイノシシの悪魔戦を修正したいんだけどなんか良い案ある?

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