悪魔と契約しただけなのに(仮)〜とある転移者の公安生活〜   作:マクロソラックス-03(旧っっt)

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登場人物紹介part1

堀谷コウイチ: 200X年6月26日生まれ 東京都八王子市出身 地方国公立大学在学 180cm 72kg 大学の野外実習中の滑落事故で『チェンソーマン』の世界に転移、左腕を失うも“水の悪魔”の力を得る。運動を趣味にしているが、地の運動神経はあまり良くなく、格闘技も未経験であるため戦闘能力は現段階ではやや低い。

水の悪魔: 水を司る悪魔にして超越者。異世界から流れてきた堀谷コウイチを気に入り、彼の左腕と〇〇を引き換えに己の肉片と力を与える。コウイチに与えた力は以下の二つ(+一つ)

• 血液と体力を消費して全ての水分を含む流体の流れに干渉する。

•〇〇〇〇を引き換えに相手を必ず溺死させる。

なお、コウイチに貸していない能力も多数ある模様。

(• 雨や雪が降っている、または体の四分の一以上が水に浸かっている場合は即座に左腕以外の肉体を回復する。)

岸辺:東京公安対魔特異一課の隊長にして最強のデビルハンター。20年以上に及ぶデビルハンターのキャリアの中で台風の悪魔及びそれと同等の悪魔との戦いを3回生き延びている生きた伝説。ただ、3年前の地震の悪魔との戦いで、悪魔との契約に使える部位を大きく減らしてしまった。

武藤:東京公安の長官。岸辺の友人兼後ろ盾。一般的なデビルハンターの身から高い実力と精密な頭脳で現在のポストまで上り詰めた。岸辺がクァンシとバディを組んでいた頃は対魔特異一課の隊長だった。

三浦:対魔特異一課の副隊長を務める坊主頭。通称僧侶または大先輩。真実の悪魔及び罰の悪魔と契約した尋問のプロ。

野山•力石:対魔特異一課隊員。それぞれステロイドハゲとゴリラ顔。

⬜︎⬜︎の悪魔:数年前に日本政府が保護した強力な悪魔。外見は人間の女性と全く同じ。現在、人権を無視した過酷な訓練を受けているが、近々修了して実戦投入される予定。一体、誰キマさんなんだ?


第一部 特異三課編 第三話 水と隣人

1日目

 

バキッ!メキャッ!ゴスッ!バガッ!グチャッ!ボコッ!ゴスッ!……

 

             チーン…

 

「なるほど、意識は人間のまま肉体が魔人になっているという感じか。壊れないオモチャが手に入って俺は嬉しい… だが、意識が人間のままだから頭のネジが硬い。俺は眠いから帰る。続きは明日だ。明日までに頭のネジを多少緩めとけ。それに、悪魔の力も使えるようにしろ。」

 

四半日かけて散々俺を痛めつけたあと、無理な注文をつけてから岸辺は車で帰って行った。俺はドサッと墓地の中に倒れ込む。体が痛すぎて普段なら感じたであろう墓場への恐怖は一切感じない。

 

「俺の体、ほぼ魔人なのか…」

 

ふと呟く。リハビリという名のリンチを受けるまで自分のことは悪魔と契約しただけの人間だと思っていた。だが、重症で動けなくなったから強引に輸血パックを飲まされた時、折れた骨が元通りに繋がったのだ。勿論、原作のパワーやデンジみたいに早く回復したり、傷を全て癒すなんてことは無かったが、この体の有り様は人間というより魔人のソレだった。悪魔の力の使い方がわからないだけで…

 

 ブロロロロロ……キキィ!バァン!(大破)

 

「獲物が狩人の言葉を信じるな、とお前の世界の学校では教わらないのか?まぁ、いい。今度こそ今日の分はこれで終わりだ。早く乗れ。」

 

解せぬ。

 

 

 

二日目

俺は岸辺先生とのリハビリが始まる1時間前に墓地に来ていた。道中、車を運転していた野山(ステロイドハゲ)に頼んで2Lのペットボトルを6本と空のポリタンクを4つ買ってもらった。代金は出世払いで建て替えてもらった。

野山が帰って行った後、墓地の管理事務所で借りたシャベルで駐車場にペットボトルを全て埋めていく。ついでに、墓地の道に穴を掘って水で満たす。これで準備は完了だ。

 

 

     ブロロロロロ……キッ!

 

こちらの準備が終わって暫く経った頃、ようやく岸辺先生を乗せた車がやってきた。

 

         ガチャ

 

車のドアが開いて岸辺先生が出てきた瞬間、俺は叫んだ。

 

「水の悪魔!溺れさせろ!」

 

ーごめんだけど、条件を満たしていないから発動できないよー

 

別に想定内だ。こっちの能力が“残りの力”ってのが判ったし、その上先生の注意を引き付けられた!

 

「爆ぜろ!」

 

血と体力がごっそり持って行かれたような感覚がする。それと同時に車の下に浅く埋めたペットボトルが内側から盛大に弾ける。悪魔の力で操られた水が高圧になり、プラスチックの破片と土砂を撒き散らして拡散する。黒塗りの車が横転し、岸辺先生が吹き飛ぶ。

 

「畳み掛けるぞ!」

 

俺は自分に言い聞かせると力を四肢と心臓の水分に働かせて身体を強化し、距離を詰める。ぶっつけ本番だったが上手くいった。寝る間を惜しんで綿密な戦闘計画の作成と“水の悪魔”の能力に関する考察をやって本当に良かった。なにより、能力の考察が1番大変だった。第二部の火の悪魔という例がある以上、“水の悪魔”の能力が単に水を操る能力じゃない可能性があった。そこで、自分が水に抱いているイメージを思いつく限りリストアップしたのだ。実際に試すのは体力の消費を避けるために考察段階では行わずに本番で行ったところ、自分に貸し与えられた能力は“液体の流れに干渉する”ことと“相手を溺死させる”ことだと判った。それならあとは、この能力を使いこなしていくしかない。

 

            ガキーン!

            ドカ!

 

地に伏せる岸辺先生に向かってシャベルを振り下ろすが、避けられた上カウンターで蹴られる。起き上がった俺はシャベルを投げつけると踵を返して逃げ出し、掘っておいた水溜りの中に飛び込む。予想通り蹴られた時のダメージと能力を行使した時に使った体力が瞬時に回復する。“闇の悪魔”作戦成功!これで持久戦に持ち込めば……

 

            グサァッ!

 

「使える武器は手放すな。油断するな。周りをよく見ろ。」

 

岸辺先生に投げつけた筈のシャベルが腹に突き刺さっていた。すぐさまシャベルを引き抜いて水を傷口に浴びせて回復すると、水溜りの水を矢の雨に変えて岸辺に射ると高く飛び上がってシャベルを振り下ろ……

 

         ボカッ!

 

顎の付け根に重い一発を喰らい、錐揉みしながら吹き飛び、水溜りに沈む。

 

「なるほど、水を浴びればダメージを回復できるのか……だったらもうちょっと壊しても問題ないな。」

 

バキッ!メキャッ!ゴスッ!バガッ!グチャッ!ボコッ!ゴスッ!……

 

     ギィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

 

 

 

「コロシテ、コロシテ……」

「昨日よりはだいぶ良くなった。よく動けるし、頭のネジもだいぶ緩んだ。だが、まだ足りない。もっと頭を使え。力を使いこなせ。あと1週間は続けるぞ。」

 

 

あれ、このリハビリ…クリア条件ってなんだったっけ?

 

 

 

1週間後

「なかなかいい顔つきになってきたじゃないか。さぁ、この1週間のリハビリでお前がどれだけイカしたヤツになったか見せてくれ。」

 

そう言って岸辺先生は拳を握って構える。俺は水で左の義手を生み出すと、先生に向かって突進した。

 

 

 

       ボカッ、バコッ!ゲシッ!ドサァーッ!

 

先生に蹴り飛ばされた俺は地面を転がって倒れ伏す。水でできた義手が形を失って地面に染み込む。

 

              グイッ!

 

「……動きは合格点を満たしている。だが、頭の方はまだまだだ。」

「そうかよッ!」

 

俺の首を掴んで吊し上げる先生に向かって唾を吐きかける。水の悪魔の力で威力も速さも段違いになったものだ。眉間に向かって放たれた唾は見事に避けられるが、本命の攻撃が先生の意識の外から放たれる。

 

              カ キーン!

 

地面に染み込んだ水の義手が先生の真下にあった石を弾き飛ばすと見事に金的に命中する。先生は顔色を変えなかったが俺の首を離した。

 

「………うん、良し。合格おめでとう。次からはリハビリではなく本格的な指導に移る。回数は毎日じゃなくていいな。週3にする。詳細は後日教える。」

「ありがとうございます!」

 

立ち去る先生に俺は心からお辞儀をする。そして飛んできたナイフを左手で受け止める。

 

「お前、今度こそ本当に合格だ。」

 

そういうと、先生は車に乗って立ち去って行った。

 

 

 

 

その日の夜、岸辺の姿は都内某所の料亭にあった。中居に案内されて、豪華な和室に通されると、上司である武藤が待っていた。

 

「お疲れ様、岸辺君。コウイチ君はどうだい?」

「最低限使い物になるようにした。飲み込みが早い上に悪魔の力をかなり使いこなせるようになった。」

 

豪華な料理が配膳され始めた頃に武藤は話を切り出した。料理を次々と胃袋に仕舞い込みながら岸辺が答えると武藤は満足そうに喜び、酒を一口飲む。

 

「報告書は読ませてもらったよ。しかし、流石は超越者だ。とてつもない力を持っている。」

「だが、貸し与えられた力はもう一つあるらしい。相手を確実に溺死させる力だそうだ。本人曰く発動条件が不明らしいがな。」

「ほう…」

 

武藤は目を瞑り、こめかみに指を当てながら思案し始める。かつて特異一課の頭脳と呼ばれた彼の頭の中は今、岸辺が想像つかないほどの速さで回転しているのだろう。

 

「岸辺君、コウイチ君はあとどれくらいで100点になるかね?」

「二、三ヶ月後といったところだろうな。」

「それは上々。では、三ヶ月後に発足する新部隊に彼を組み込むとしよう。」

「新部隊?アイツを運用するための部隊か?」

「彼女の力にコウイチ君の力と組み合わせればアメリカやソ連に対して有利になり得るだろう。」

 

武藤はニヤァと微笑んだ。

 

 

その頃、

 

「ぬああああああああん!チカレタぁぁぁぁぁ!もうやめたくなりますよ!」

 

俺は公安本部の収容施設でうろ覚えな例の語録を叫んでいた。いや、そうでないと精神が保てないくらい疲れていた。そもそも、あんなリハビリという名のリンチなんて先週まで普通の大学生だった人間が受けるものではないってハッキリ……ゲフン、ゲフン。まぁ、こんなところで叫んだって誰にも聞かれないだろう。ここは公安の魔人や悪魔に関する犯罪者の収容施設、それも現在ここに住んでいるのは俺しかいない。それに元ネタが世に出てくるのは10年以上あと。守衛が聞いたところでなんのことかサッパリだろう。

 

「ねえ、私の部屋の前で何してるの?」

 

部屋に入ろうとしたところで突然声を掛けられる。やべえ、誰かに聞かれてた。思わず振り向くと、お向かいの部屋のドアから誰かが顔を出していた。あれ、この髪色…

 

「人間?…ここに住んでてソレはないな。誰だい、君は。俺と同様訳アリみたいだが。」

 

自分より少し若いくらいの赤髪の少女だ。この時点で正体はハッキリ判っているがあえて質問する。

 

「私は悪魔だからね。私の名前はマキマ。君、面白いね。人間の匂いに悪魔の匂いが混ざってる……」

 

 

 




ヘイ、みなさん大好きマキマさんの登場です。

この時のマキマさん(ちゃん)は政府による人権ガン無視訓練のせいで性格暗めという設定にしました。コウイチ君はここから頑張ってマキマをホワイトマキマキにします。
ま、多少原作知ってるだけの大学生にできることなんてタカが知れてるんですよね。アハハ。

ちょっと構想練るために休みます。

第5話〜第7話あたりのイノシシの悪魔戦を修正したいんだけどなんか良い案ある?

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