悪魔と契約しただけなのに(仮)〜とある転移者の公安生活〜 作:マクロソラックス-03(旧っっt)
あと、四行くらい間が空いてたらその時は大体視点人物が変わってます。
「助けに来たぜ、マキマちゃんよぉ!」
間一髪のところでマキマを救出した俺は彼女を抱き抱えながら言う。ビルに叩きつけられて意識が危ういけど見た感じ致命傷は負っていない。もうこの時期から内閣総理大臣と例の契約を結んでいるのだろうか?だが、自分の一応血を飲ませて回復させることにした。
「んんん…」
「起きたか!穢れなき童貞の血はうまかったかい!?」
「不味い…」
マキマの意識がなんとか戻ってきた。軽口も言えているから脳も体も戦闘に耐えられる程には回復しているだろう。安心した俺は意識をイノシシの悪魔に向けると、未だに水チェンソーの群れと闘っていた。結構体力を削れたように見えるが有効打が与えられていない。水の操作でこちらの体力も削られてきたのでもうそろそろ仕留めに掛かるとしよう。
「マキマ、動けるか?」
「無理…腰が立たない…」
俺はマキマの返事に軽く絶望する。火力が足りない2人、体力が心許ない俺、機動性を喪失したマキマ。さて、どう攻略すればいいものか。そう考えているうちに過去の記憶が大量に頭に流れ込んでくる。体内の水の悪魔の肉片がやったのだろうか。ありがとう。後で何処かにお供物でもしておくか。記憶の洪水の中からアイデアを抽出して組み上げた俺はマキマに向き直る。
「さぁて、作戦会議と行こうかな。」
俺は速攻で練り上げたアイデアをマキマに伝えることにした。
「じゃあ、始めよっか。」
「うん。」
作戦開始を告げ、マキマが返事をしたタイミングでイノシシを切り刻んでいたチェンソーを片付けて、唯一肉の深くまで届いた傷に突貫する。左手の水の義手は槍に変えた。悪魔の力の消費を避けるために生身の力で走る。悪魔の力の応用で加速するよりは速度が落ちるがなんてことはない。
ズドンッ…グサァッ…!
ヴヴッ…ドルゥヴラクダワラァァァァァアッ!
悪魔の肉片を取り込んで以降、俺の身体能力は人間とは違うのだ。ウサイン•ボルト並みの走りによって槍先に乗せられた運動エネルギーはイノシシの気を引くのに十分な威力を発揮する。苦しんでいるうちにのたうち回る触手を避けながら後ろ脚の腱を削ぎ落としていく。これでさっきの神速タックルは繰り出せない筈だ。
ヴギャァァァア!ギィいいいいいい!
「マキマ!あとはよろしく!」
「はぁ〜い。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
水道管から溢れ出た水がマキマの下半身に纏わりついて彼女を支える筋肉になり、馬鹿力によって高く持ち上げられた鎖付き卓球ならぬ鎖付き雑居ビル(に車を詰めたモノ)。それが圧倒的破壊力をもって大地に堕ちる、イノシシと俺に向かって。
「よいしょぉー!あっ、ミスった!」
「「オォォォォォォォォイィィィィィ!(ブモオオオオオオオオオオオオオ!)」」
そして膨大な位置エネルギーを存分に解放した鎖付き質量兵器は、その力で周囲の瓦礫ごと標的と同僚を吹き飛ばした。
「16:28現場到ちゃ…『あーもうめちゃくちゃだよ!』おい、喋るなよ!」
「愚痴りたくなるのは当たり前だよなぁ〜。後始末どうすんのこの街!ねぇ、後輩ちゃん。」
「確かにこれはマズイですね。あと俺の名前は重信です。」
「というか全ての原因は悪魔にゲロ掛けた岸辺師匠でしょ。責任取りなさいよ。」
「うるせえ…」
「ヘイ、お待ち!替え玉茹でたよ!」
マキマたちがイノシシと死闘を繰り広げた茗荷谷から僅かに離れたところにあるビルの屋上から4人の男女+ラーメン屋台の店主+アル中が好き勝手なことを言いながら戦場を眺めてた。彼らは公安東京本部対魔特異三課のメンバーだ。
「しかし、最初はあんなに苦戦してたのに最後は呆気ないな。何をしたのやら。」
「あの彼、支配の悪魔の言うことを聞かせられたみたいね。いい連携だわ。」
「最後のアレを見なかったことにすればな。」
「アイツらを回収するぞ、はやくしろ〜。」
呆気なく終わった戦闘への感想を口々に語る面々に会話を終わらせるように急かすと、特異三課の隊長 三浦は屋台の店主に金を払い、階段を降りていった。
悪魔の討伐を完了したマキマはボロボロになったシャツを脱いでその辺に落ちていた服に着替えるとラーメン屋のやたいを探し始めた。風に乗って南の方からあの美味しそうな匂いがする。それと一緒に岸辺の加齢臭と三浦含めた複数人の体臭がするが大したことはないだろう。それより早くラーメンを食べなくちゃ。あれ、でも何かを忘れてるような……
「こっ、このクソアマ、殺す気かーーっ!!!許さん!殺処分場にぶち込んでやるからなーーっ!!!覚悟しやがれーーー!!!」
瓦礫の下からコウイチが飛び出してきた。あ、生きてたんだ。
「人を死んだことにするな!」
「別にいいでしょ、悪魔倒したんだから。」
「俺は命の恩人だぞ!こんな扱いして良いのか?!あ”あ”ぁん!」
「細かいこと気にする男は嫌い。」
「今はそう言う問題じゃねえだろうがコルルァ!やんのか、おい?!」
「力こそ全て」
2人はお互いに睨みつけ合いながら詰め寄る。そしてお互い相手の襟首を掴んだその時だった。
「おい、待てぃ!喧嘩する必要は無いゾ!」
「『縛れ』…うわぁ、重!隊長、なんでガキの喧嘩に契約悪魔の力を使う必要があるんですか?背中の皮持ってかれてズル剥けですよ。」
「え、◯ンコの皮?重信くん、包◯じゃなくなったの?!」
「なんちゅう話題をぶち込むんじゃ、この色ボケ女ァ!」
「なんでもするって言ったよなぁ?」
「言ってねえよ!それにいつの話だ!?」
喧嘩の最中に動きを金縛りにあった俺たちは、嵐のように現れた三浦さんとデビルハンターたちに取り押さえられ、護送車の中に押し込められた。そして現在、公安本部庁舎の一室で重武装の公安職員の監視の元、始末書と報告書etcに絶賛追われている。
「………」
「………」
そして部屋の雰囲気はかなりギスギスしている。まぁ、さっきまで喧嘩してたからな。俺もまだ苛立ちが燻っている。アイツの失礼極まりない態度には腹が立つ、でも俺も言い過ぎたかもしれん。コイツぁ俺も謝った方がいいもんかねぇ?これから仕事していく上で喧嘩しっぱなしはまずいだろう。そう悩んでいると、反省室(?)のドアが豪快に開いた。
「お疲れ!ラーメンしかなかったけど、良いかな?」
「店主のオヤジが助けてくれたお礼にラーメンプレゼントしてくれたぞ!ホラ、食えよ食えよ。」
三浦さんと野山さんが俺とマキマの分のアツアツラーメンを持ってきてくると、書類の山を横にずらしてラーメンを机においた。
「召し上がれ。」
「書類にスープ掛けんなよ。」
先輩たちの合図とともに俺たちはラーメンを掻き込む。初手で思い切り飲み込んだアツアツのスープが空っぽの胃袋に染み渡る。そういえば昼飯まだだったな。ラーメンのスープを半分ほど飲み込んだあと、具や麺に手をつけながら横のマキマをチラリと見る。どうやらラーメンが気に入ったのか、小さなお口に夢中でラーメンを吸い込んでいた。それもお箸はグーで握っている。
「なぁ、初めてのラーメン美味いか?」
機嫌が直ってそうなので話しかけてみる。やはり話しかけなきゃ何も始まらない。
「……もぐもぐもぐ」
話しかけても何も始まらなかった。まだ怒ってたのだろうか。でも俺たちはイノシシの悪魔を倒した時、互いに手を取り合うことができたんだ。だから…
「あの…」
「ん?」
「そういえばどうして助けてくれたの?」
「そりゃぁ、俺たちは仲間だからな。」
「んん?」
なんかマキマには微妙な反応されたが正直、これに限る。
「俺はアンタを大切な仲間だと思っている。ほら、俺はサ、気がついたら身一つで知らない世界に放り込まれて、いつも孤独で、毎日アル中に殴られての生活でさ。そんな俺の前に現れて、日々の生活に彩りを与えてくれたのがお前だよ。」
「……」
「全く言うこと聞いてくれないからムカついてたけど、アンタがいて物理的に自分が一人じゃないって分かると安心してさ、なんかね……」
「……」
「あーッ!何てまとめりゃいいか、もう分かんねえな。適当に締めくくるぜ!お前は仲間として信じているし期待している。だからお前も仲間を信じてくれ、期待してくれ、期待に応えてくれ。分かって、え?」
おれは強引に話を切り上げる。世の中いい感じのことが言えるやつが羨ましいよ。そう思いながら俺はラーメンを啜り、盛大に汁を跳ね飛ばし、書類にかけて絶望する。
そんな俺の様子を見ていたマキマが何か呟いた気がした。
「助けてくれてありがとう…」
鹿児島の学会から帰ってきた時の疲れた頭で書いているので登場人物の発言がメチャクチャです。誰か訂正してくれると嬉しいな。なんなら大まかなプロット教えるから誰か代わりに描いて欲しい。
ちなみに本人は忘れていますが、コウイチは悪魔の肉片を宿した人間なので血がクッソ不味いです。
第5話〜第7話あたりのイノシシの悪魔戦を修正したいんだけどなんか良い案ある?
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ある(感想欄に記入願います。)
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ない