あの老紳士、ジェディス・カティアスとの出会いから数日経った。
学校に通いつつ、バイトをこなしていたフレディはロッカールームで、貰ったあのメモ帳の切れ端を眺めていた。メモ帳には"わが友へ、新しき友人に礼のもてなしを頼む J・K"とその場でさっと書いたとは思えない達筆で書かれていた。ついでにメッセージの下には住所と電話番号も書かれている。
「これでホントにいけるのかなぁ……?」
店の場所などはマップアプリで調べたから間違いなく外食のお店なのだが、ストリートビューで見てみたところ店構えが明らかに高級レストランという風情で自分が一人でふらりと立ち寄るにはちょっと……といった店構えだった。正直行くのが怖い。
「まあ、また考えよう」
メモ帳の切れ端をしまいこんで荷物をひっつかみ更衣室から出て帰途につく。
バイクに乗って新エリー都の道を走る。風を切りながら走っていると余計なことを考えずに気楽になれてフレディは好きだった。バイトをして貯めたなけなしの貯金で買った代物でじっくり手を加えて自分に合わせて調整を施してきた。おかげで日々楽しいツーリング生活をすることが出来ている。
「ん?」
バイクを走らせていると体にかけているショルダーバッグの中から通知の音が聞こえてくる。これは個人間のやり取りを支援するSNS、ノックノックの通知音だ。手近なコンビニの駐車場にバイクを停めて確認してみるとインターノット上の知り合いの
『こんにちは』
『ちょっと今時間取れるかしら』
『少しお願いしたい仕事があるのだけれど』
「大丈夫です。今日はもうフリーです」
「どこに行けばいいですか?」
『ルミナスクエアのフラワーショップの隣にある建物の二階のカフェ分かる? そこで待ってるわ』
「了解です、今から向かいますね」
新人から中堅手前の若手のプロキシやホロウレイダーの支援を手厚くやっている情報屋の明けの明星、彼女は自分にバイトとしてちまちまと浅瀬で稼げるホロウレイダーの仕事を回してくれている。ホロウ内にちょっとした荷物を落としたから回収してほしい、短期でホロウを通り抜けて荷物を届けて欲しい、など業種は多岐にわたるが自分でも出来るような仕事を割り当ててくれるのだ。
そんな彼女からの突発の仕事依頼、普段から世話になっているのだから優先事項として用事の優先事項の一番に来るのは当然であった。
「よし、行くか」
スマートフォンをカバンにしまいこみ、目的地をルミナスクエアへと定めてバイクを発進させる。目指すはルミナスクエアのカフェだ。
「えーと、また天馬エクスプレスですか……あそこ社員指導どうなってんだろ」
「ごめんね、度々手伝わせちゃって。私が懇意にしてもらってるプロキシさんたちは今手一杯かこれをお願いするにはちょっと経験不足で……」
「ああいや、明けの明星さんに文句が言いたい訳じゃなくて。あそこいっつもホロウに事故って突っ込んでるからなんでだろうなってだけですよ。仕事の方も引き受けます」
「ありがとう、エルムタウン・ナイトメアくん。いっつもお世話になっちゃって」
「いいんですって。いっつも軽めの仕事を斡旋してもらってるわけですし」
「ならそろそろ一歩レベルアップした仕事を……」
「いやそれは遠慮します」
「そんなぁ」
フレディは別にプロキシやホロウレイダーとして本腰を入れて活動したいわけでは無いのである。
彼女としては立派に育って巣立ってほしい、と思ってるらしいが残念ながらその意にはそぐえないので浅瀬でちゃぷちゃぷした後に後進を紹介して引退ぐらいだろうかと考えている。
「で、情報は貰いましたし報酬の話も出来たから……さっそく仕事に取り掛かりますね」
「うん、お願い。報酬はこの後口座に振り込んでおくわね」
「助かります。んじゃ、行ってきます」
明けの明星と別れ、依頼のあった地域のホロウへと向かう。
依頼されたのは天馬エクスプレスという運送会社のトラックから放り出された荷物の回収だ。ただその荷物が落下したのがホロウの中という事とそのホロウ内で確認されているエーテル濃度およびエーテリアスの脅威度が業界に入りたての人員では対応が難しいレベルだった。そういう事を加味してフレディにお鉢が回ってきたのだ。
ホロウ内の観測データと地図データをまとめたキャロットを最新のものに更新し、最低限身を守れるだけの準備を行ったフレディはホロウの入口の前に立っていた。
動きやすい服の上に厚手のジャケットを羽織り、身を守るための武器を携えて、入る前の最終確認を済ませる。フレディのホロウ探索は基本的にソロで行うことが多い。実入りを多くしたいこともあるが、個人的な感覚ではあるが他人と一緒にホロウに入るのにためらいを覚えているからだ。
「よし、準備完了」
だから準備は入念に行って万が一が起きないようにするし、人知の及ばない災害であるホロウの異変は兆候が出始めるのを見落とさないように心掛け、それを認知した時点で撤退を選ぶことにしている。
「じゃあ行くか」
それでも何故ホロウに行くかと聞かれれば、少し考えた後にこういうだろう。
「今日も一日ご安全に」
自分の望むものがそこにあるからだ、と。
視界は暗転し、歪み、ねじれ、サイケデリックな色に染まり、そして通常の空間に回帰する。地面を踏みしめて体の感覚に異常が無いかをチェックして何も問題が無いことを確認するとすぐに背中に携えていた鉄の棒を引き抜く。コスト面、実用性、入手難度の面から考えて選んだフレディの武器だ。知り合いの工具店にお願いしてちょっとだけ先端を削って杭の様にしてあるのと滑り止めの表面がざらついたガムテープを巻き付けた程度の武器だがフレディ自身はそこそこ気に入ってたりする。
「天馬のおっちゃんが荷物を落としたのはここで、時速110キロの車から落ちて慣性がかかってーので……うし、目的地は一旦ここだな」
キャロットのデータと事前に持っていた情報を組み合わせて荷物がおっこちた場所に目星をつけて移動を開始する。
元は倉庫区域として使われていたものがホロウに飲み込まれて使用出来なくなったという経緯があるこのホロウは、その経緯上幹線道路の近縁にあり、道路の一部の高架がホロウの外縁をかすめるような形になっている。天馬エクスプレスが荷物を落としたのもそのエリアであることからエーテルの流れなどからおおよその落下地点に目星を付けることが出来た、という訳だ。
「問題は荷物の破損とホロウレイダーとかち合わないかだなぁ」
えてしてこういう情報は気が付けばどこかから漏れ出してることがある。そうすると物資を補充したい野盗まがいのことをしているホロウレイダーなどは物資を奪うために姿を見せる。そうなれば目的が一緒である以上対立は避けられない。数人程度なら荷物をかっさらって逃げればいいが、それ以上となると自分には対処は難しい。いざとなれば失敗として引き返さなくてはならなくなる。
「厄介な奴らはとことん厄介だからなぁ……ギャングとかシャレにならんて」
予想される脅威にぼやきつつ、足は止まらず進んでいく。
落ちた荷物は子供の誕生日に親が予約していたブランド物らしい。具体的に中身が何かは知らないが誕生日プレゼントらしいし親と子供のためにきちんと回収してあげたい。キャロットと実際の行程を比較しながらじっくり進んでいく。ホロウ内の行動限界時間も考えて安全マージンを事前に取ってスケジュールを組んでいるので多少の時間のロスも許容範囲内だから安全を最優先に行動する。
「この先の区画が予想落下地点か」
ここまでは何事もなく進んでこれた。
いつもより順調に進めている、これなら見つけるのに手間取らなければそれほど時間をかけずに仕事を終わらせることが出来るかもしれない。
「さくさく仕事が終わるならヨシってね」
キャロットの情報通りに歩いてエーテリアスに破壊されたと思しきビルの外壁にたどり着くと、その瓦礫を乗り越えてビルの中に入り地下に向けて歩き出す。
このビルは放棄される以前は緊急時の情報集積センターとしての側面があり、その残存設備を活用してキャロット製作の情報を収集する設備が市政によって増設された。つまりここでなら探している荷物が落下した時のエーテルの状態が変化したログを調べてどこに落ちたかを確認することが出来るのだ。
「げ」
階段を降り、サーバー室の入口に繋がるホールにたどり着いたところで見たくもない姿を見たことで嫌な声が口から滑り出る。フレディの視線の先、そこにはホールにたむろしているエーテリアスたちの姿。ホール内を忙しなくうろうろとしてその場から動く様子はない。
「あ~仕方ないか。一回のさないとキャロットの更新は出来なさそうだし……やるか」
ホロウ内の別のデータスタンドに向かうと目的地とは逆方向になる。
行動時間を出来るだけ節約するならここでエーテリアスを撃破するほうがよほど時間の節約になる。もちろん不利になりそうだったら引く。大ざっぱな行動指針はそのぐらい、と定めて物陰から様子を伺う。正面から堂々と突っ込んで全員倒せるような実力があればいいが、あいにくそこまで強くは無いのだ。
がちりと心の中のスイッチを切り替えるイメージを働かせる。戦闘を行うための心の、自分の在り方を切り替えていく。
うろうろするエーテリアスの中で近接系の攻撃を仕掛けてくるものに狙いを絞って、気付かれないようにそっと背後から忍び寄る。
「――――――っ!!」
力を込めて杭の先端を頭のコアに目掛けて振り下ろす。
硬い外殻の表面に罅を入れながら食い込んだのを見て取った瞬間、拳を振りかぶって杭を後ろから全力で叩く。表面で止まっていた杭はずるりとコアの中に殻を突き破りながら潜り込んでいく。
突然の衝撃にエーテリアスはもだえ苦しむような叫びを上げながら全身を振り回すがそれが逆にコアの崩壊を促進させる。ひび割れは一気に広がり、細かい破片を散らばせる。そしてすぐに体内のエーテルをまき散らしながら霧散して消える。
「一」
杭を力づくで引き抜いて次の目標に向けて走り出す。
残っている敵はエネルギーを貯めてから砲弾を打ち出してくるタイプのみ。ゆえに速攻で距離を詰めて殺しにかかる。
「ニ」
杭を構えて体当たり同然にコアにぶちかます。
ビー玉を砕いたような感触と共に二体目のエーテリアスのコアを貫通。このエーテリアスは確実に倒せたと判断したところで杭から手を離すと最後の一体に向けて走り出す。腰に下げている工事用ベルトから平均より大きな金属製ハンマーを引き抜いて走る、走る。
敵のエーテリアスはすでにこちらに気付いてチャージしたエーテルの弾丸を撃ち込んでくる。
だがもう遅い。
「三」
速度を落とさないように最小限の動きで躱し、通り抜けざまにハンマーを思い切りコアに目掛けて振り抜く。パキン、と甲高い音を立てて崩れるコア。エーテリアスの体は揚力を失ってコンクリートの床に倒れ伏した。
「残敵なーし。状況安全確認よし」
室内をぐるりと見まわして、もう脅威が居ないことを確認して貯めこんでいた緊張した息を吐き出す。完全にリラックスはしないが一旦は安全だろうと考えて、地面に落ちた杭を拾い上げる。
「……ちょっとおかしいか?」
キャロットを取り出して周囲のエーテル濃度を測るモードを起動。開始ボタンを押して数秒後、結果が表示される。その数値を確認したフレディは自分の中に発生した疑問点の裏付けがそこにあったことに納得がいったように頷いた。
「エーテル濃度が高い……俺が倒した分だけじゃエーテリアスが霧散しただけにしては高すぎる。となると、俺が来る前に誰かが一度来て、ここの設備を使ったか?」
ホールを抜けて地下制御室の扉をくぐる。コンソールが動いていることを確認するとキャロットを接続、周辺情報のダウンロードをし始める。その間にコンソールを操作してダウンロード履歴を表示する、が。
「直近のダウンロードの履歴が無い……使われてないか消されたか、だけどこっちがダメなら」
さらにコンソールを操作して今度はキャロット用データの更新履歴を表示する。
キャロットの情報は新しければ新しいほどいい。ホロウの変わり続ける状態を一つ取りこぼすだけで危険度は大きく異なってくる。つまり、
「あった。15分毎の更新は自動計測だろうから無視するとして、更新日時が定時更新とは違うのは……35分前。めっちゃ最近だな」
更新が済んだキャロットをコンソールから外して目標の落とし物がどこに落下したかの見当をつけつつ、同時に直前にここに来たであろう人物か人物たちの情報を読み取れないか精査してみる。
「エーテル潮流の変動、エーテリアスの活性化、濃度の濃淡の移り変わり、……ダメだな。読み取れない」
取得したキャロットのデータから何を目的としているか、どの程度の規模の相手なのかを把握しようと数値を見てみるがこれといって目立つような情報は無かった。
何も分からない相手がホロウ内で行動している、その人物あるいは集団は行動の痕跡を消した形跡がある、少なくともエーテリアスと渡り合えるだけの武力がある、行動目的は不明。自身が分かる範囲での敵の情報はこれだ。
「ん~、不穏」
不穏ではある、が。
「こっちに矛先が向かないように注意しつつ、隠れていけばなんとか、かな」
何が目的かは分からないが、積極的に関わろうとせず目的だけ達成して離脱するだけ。それだけなら何とかなるとは思う。多分。
何よりこの仕事は恩義のある明けの明星からの依頼で、なおかつ子を思う親からの依頼だ。出来るだけ依頼は達成して喜ばせてあげたいと思う。
「よし、行こう」
装備を整えなおしてその場を後にする。
ビルから出て目的のエリアへと向かって進んで、目標の地点へと到着する。目標地点の周囲は避難時にそのまま置き去りにされたコンテナ類が放置されて雑然とした雰囲気だ。
不法侵入防止用のフェンスを乗り越えてひらりとその奥へと飛び降りる。周囲を見回して誰も居ないことを確認するとそのまま奥へと歩き出した。キャロットのデータ通りならこの中の一区画のどこかに目的の者が落ちているはず。フレディは手元のキャロットのデータを頼りに歩き出す。
「見当が外れたら、周りの8ブロックも含めてローラー作戦でしらみつぶしに探すっきゃないな」
落下時の周囲の環境要因、例えば強風などによって想定範囲の外に落下している可能性も否定できない。
ひとまずは推定される区画から調べていくがそれが空振りに終わった時のことも想定して頭の隅に置いておく。本来ならこれだけ考えていればいいのだが、今は他の
「と、行き止まりか」
途中で道が途切れていた。コンテナの搬送の都合上、橋があると邪魔になる時があるということで橋を移動させる仕組みがこういった集積施設には往々に存在する。それが橋をどけた状態のまま放置されていたりするのでこういった道が途切れていることがホロウを探索していると往々にあるのだ。
「となると近くにコンソールがあるはず」
きょろきょろと周囲を見回して地面を観察してみると、黒いアスファルトに白い点々模様がある。それをみつけるとすぐにそちらの通路へと踏み入った。そこし歩けば配電盤とコンソールが設置されていた。
「あったあった。これをぱぱっと操作してー……うん、知ってたわ」
うんともすんとも言わない。
メンテナンスのされてない機械がエラーを吐いて動かなくなっているようだ。ホロウ内でメンテナンス万全の機械なんてあるわけないが、これに出くわすと本当に面倒くさい。一々直すために手間暇かけて作業する必要が出てくる。
「配電盤のPLCにアクセスいたしましてー、内部回路を把握しましてー……」
口元に手を当てて少し考えてから、修正したプログラムをインストールしなおす。
そうして操作盤から改めてスイッチを入れてみると、遠くの方でぎぃぃ、という軋む音と共に台車が動き始めている。ひとまず動いてくれたことに安堵しながら踵を返してもとの場所に戻っていく。
(……プログラムの手癖に微妙に違和感があった)
戻りながら考えるのは先ほど触った制御装置のこと。プログラムを修正して動かせるようにしたが、どうにも本来の制作者とは別の手が入ったような箇所が見受けられた。
もしもこれが痕跡を消して行動している誰かがやったことならこの先に侵入しようとする外部の人間を妨害しようとしているのか。
だがどれだけ考えても確証を得れるだけの情報が無い。せめて声を大にして立ち入り禁止としてくれてたほうがよほど分かりやすいのだが。
そうやって結論の出ないことをつらつらと考えていると、ようやく目的の区画へと到着する。
「ま、変にトラブルに巻き込まれる前に仕事を終わらせるか」
要はそれだけすませてさっさとホロウの外に出ればいいのだ。
ちゃちゃっと仕事をすませようとキャロット片手に調査を始める。物資の落下地点を概算で割り出してもそれが本当にそうなったかどうかは現場を見てみなければ分からない。念入りに見落としが無いように見回って捜索を続ける。
「ここが最後だな」
区画の最後に残った倉庫を見上げてよし、と気合を入れて破壊されて穴が開いている外壁から中を確認して入り込む。エーテリアスが暴れた痕跡だろうが今回ばかりはセキュリティを壊したりして無理矢理入るようなことをしなくて済んだ。ホロウ内部とはいえ、所有権は残っているので壊したのがバレたら損害賠償請求されても文句は言えないからだ。
「よ、っと」
瓦礫を飛び越えて倉庫内を進んでいく。
切れかけた電灯、雑多な音のしない通路、そこに反響する足音、そこいらに潜んでいるかもしれない
「……ん?」
鼻腔をくすぐる臭気。嗅ぎ覚えのある、嫌な気分を呼びおこすそれにフレディはすぐにその臭気の原因を把握する。
「血の臭いだ」
薄いながらも鉄臭さと生臭さをないまぜにしたその吐き気をもよおす臭いに、その原因を確認しに行くべきか迷う。血を流しているのが要救助者なら助けに行くべきだ、しかしそうでない場合。ここに来るまでに残っていた足取りを消そうとする誰か、ともすれば悪意的な誰かだった場合は自分が危険にさらされる。
「……確認だけ、しないとな」
身を隠しながら進めば、身を隠しながら確認すれば、そんな言い訳を心の中に並べ立ててフレディの足は臭気を辿り始める。
(照明が切れかけているのは助かるな)
ぼんやり明るい程度なら隠れやすくて見つかる可能性が低くなる。
「ここからかな」
臭いが濃くなっている扉の取っ手を掴んで音が鳴らないように慎重に引っ張って扉の向こう側へと滑り込む。
扉の向こう側は広い倉庫スペースだったようで自分は中二階のスペースに出た。むわりと嫌な値の臭いも濃くなっておりどうやら近くに臭いの発生源があることは明確だ。それを探そうと周囲をぐるりと見まわしてみると証明が一層明るく灯っているスペースがあることに気が付いた。
(……口論してる?)
慎重に、音を立てないように欄干の隙間から下を覗き込むと。
(――――――ジェディスさん!?)
縛り上げられ、椅子に拘束されたジェディスの姿。周囲には完全武装の軍人と思わしき者たちが周囲を警戒している。明らかに、尋常ではない事態が目の前にあった。