転生したらホムンクルス(人造魔人)だった件   作:ビッグシャイン

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何度も書き直ししてすみません。
読んでいただいてありがとうございます。


プロローグ 探しモノの果て

暗闇に悲しく光る七色の繭

そこからは計り知れないエネルギーと悪意が渦巻いている。

 

“寂しさ”そして“憎悪”果てしない負の感情が放たれており、ただ見ているだけでも気分が悪くなるが、どことなく放っておけないとも思ってしまうそれは、今はまだ静かに眠っている。

いずれ訪れる目覚めの時まで。

 

そこで男は目を覚ました。

 

「またあの夢か…最近、また鮮明になってきたな…気色の悪い」

 

そう憂鬱そうに呟くと身支度を済ませ、バイトに向かう。

 

バイトが終わり男は、太陽が陰る頃に子供が遊んでる公園に入っていく。

コンビニの袋からコーヒー缶を取りだし、勢いよくベンチに腰をかけそれを飲みながら悲痛な面持ちで口を開く。

 

「今日も収穫なし……今年で5年…か」

 

男の名は九十九一哉(つくもかずや)現在20歳のフリーター。

なぜ彼がこの時間からこのようにお酒をあおっているのかというと、遡ること5年前……

 

5年前学校からの帰り

九十九一哉とその幼馴染、坂口日向(さかぐちひなた)の2人でいつもの帰路に着いていた。

 

「あ〜全然中3になった自覚ねー」

「それはアナタが仮面ライダー見てるからじゃない?」

「ゑ、見るなってことか?嫌だよ。そんなん」

「フフッ…言ってみただけよ」

「ハッ…んだよそれ」

 

一哉と彼女は幼稚園児の頃から大体一緒だった。

楽しい時も悲しい時も。どんな時も、2人なら乗り越えていける。だが、そんな日々は突如として歪なものとなった。

 

そこから数ヶ月後

 

一哉はヒナタにメールでとある廃屋まで呼び出されていた。

 

「奥の部屋って書いてたけど…ヒナタの奴、こんなとこまで呼び出すなんて……おーい!ヒナタぁー!来たぞ!」

 

うっすらと開いた扉の前まで来た一哉の呼びかけにヒナタと思われる声が小さく反応する。

 

「一哉…来てくれ…たんだ。入って来て」

「…ん?血の匂…い?」

 

ヒナタのか弱い声とかすかに漂う血の匂い。やっぱりなにかあったのだと、恐る恐る目の前の扉を開ける。

 

「おい、どうし…ッ!?」

 

あまりにも凄惨な光景に一哉は口を手で塞ぐ。

そこには、無惨にも変わり果てたヒナタの父の姿があった。

そして、全身に赤い液体がかかったヒナタの手にはチャットアプリ画面が開かれたスマホが弱々しく握られていた。

ふと下に目を向けるとおそらくヒナタの父を刺したであろうナイフが落ちていた。

普段察しの悪い自分でもわかる。

幼馴染が、ヒナタが、人を、彼女自身の父親を殺した事を。

 

「ひ…なた…お前、おじさんを……?」

 

あまりの出来事に目が泳ぐ。今すぐにでも忘れて逃げ出したくなる。すると、ヒナタが口を開く。

 

「し、しかたなかったの……」

「え?」

 

ヒナタは弱々しくも一哉に事の経緯を語った。

ヒナタ父(おじさん)の会社が倒産してから毎日、ヒナタとヒナタ母(おばさん)に暴力を振るっていること、ついには家が金持ちである一哉を身代金目的で誘拐、その片棒をヒナタに担がせようとしたことを。

ヒナタは日本語で話していたはずなのに理解が追いつかない。

 

「(…最近は会ってなかったけど、あんな優しかったおじさんが…?俺を……誘拐?嘘だろ?)」

 

だが、ヒナタがそんな嘘をつくわけがない。全て真実なのだと、理解せざるを得なかった。

 

俺はその後すぐに、ヒナタを連れて廃屋を出た。

そして俺は、その出来事を忘れることに尽力した。

その影響かヒナタの事を無意識に避けて過ごしていたかもしれない。

ヒナタが高校の入学式後に行方不明になった時、俺はその考えが間違えだと気付いた。

 

現在に戻る

 

カズヤが昔の事を思い出していると、突如悲鳴が聴こえてくる。

 

「きゃあああああああああ!!」

「コイツナイフ持ってるぞ!!離れろ!!!」

「ッ!?」

 

そこにはナイフらしい物を構えながら走る深々とフードを被った黒いコートの男がいた。

そして、そんな男の数十m(メートル)前に先程まで公園で遊んでいた親子がいた。母親が子供を庇うように覆いかぶさっている。

 

「クソッ!」

 

カズヤはそう呟きながらその現場まで走る。幸い、元から運動が得意であったため、すんでのところで間に合った。

だが……。

 

「…グフッ」

 

カズヤの腹にナイフが突き刺さり、吐血してしまう。

 

「…チッ!」

 

フードの男は舌打ちしながらカズヤからナイフを引き抜き走り去る。その男のポケットから『仮面ライダーガッチャード スチームホッパー』のストラップが落ちるのが見える

 

「(ガッチャー…ド?…あ、まずい……ヤツだ…これ)」

 

そう思うと同時に、カズヤは膝から崩れ落ちうつ伏せで倒れる。

 

「おにいちゃん!」

「大丈夫ですか!今救急車呼びますからね!もしもし!〜〜〜〜…」

「ぶじでよか……た…」

 

親子の無事を確認し、その安心感を抱いたまま目を閉じようとするカズヤ、しかしふとある考えが頭をよぎる。

 

「(まて……俺がこのまま…し、死んだら……この子は…)」

 

この子にとって俺の死がトラウマになってしまうのではないか、杞憂かもしれないがその考えが頭から離れず、どうにかして生きようと足掻く。しかし、どうしようもない眠気がカズヤを襲う

すると突如、機械音声のようなものが頭に響く。

 

《確認しました。『睡眠耐性』を獲得……成功しました。》

 

「(くっ…そ…んだこの…声…?ぐっ!…だいぶ深く刺された……血が熱い…)」

 

《確認しました。『痛覚耐性』を獲得……成功しました。『刺突耐性』を獲得……成功しました。『対熱耐性』を獲得……成功しました。》

 

「(あぁ……寒い…血が抜けて……)」

 

《確認しました。『対寒耐性』を獲得。成功しました。『対熱耐性』『対寒耐性』を獲得した事により、『熱変動耐性』にスキルが進化しました。》

 

「(こんなすぐ死ぬなんて…クソ……!俺がもっと賢かったら……!上手く親子を助けられた…のに!)」

 

《確認しました。『即死耐性』を獲得……成功しました。ユニークスキル『哲学者(カシコキモノ)』を獲得……成功しました。》

 

「(ゆに…ーく?何がだよ…ホント笑えないジョークだな……こんな場面で思い出すのがガッチャードか…好きだったなぁ。特にドレッド…グリオンとか……あんな奴もガッチャードが好きなんだな……)」

 

フードの男が落としたガッチャードのストラップを見ながらそう考えているとまた声が聞こえる

 

《確認しました。個体名『九十九一哉』の記憶から、ガッチャード、ドレッド、グリオンに関する記憶を検索………成功しました。続いて、個体名『九十九一哉』の種族を、人族から人造魔人(ホムンクルス)に再構築します……成功しました。ユニークスキル『錬金術士(ツクリダスモノ)』と『冥黒者(ドレッド)』を獲得しました。》

 

「(親父やおふくろ…それに桐島のおやっさん…色んな人に世話になったな…色んなモンたくさん貰ったし……荷物をどうするか悩んだっけか…)」

 

《確認しました。EXスキル『無限収納』を獲得……成功しました。》

 

「(死んだら……今までのこと…忘れてしまうのか…?いやだ!そんなの……ぜったいに…!!)」

 

《確認しました。EXスキル『完全記憶』を獲得……成功しました。》

 

「(もう…ダメ…だ…ひな…た……)」

 

“ごめん”

 

その言葉を最後に九十九一哉は息を引き取った。

 

 

ピチョン…

 

「……んあ?」

 

水が滴り落ち、顔にかかったことでカズヤは目を覚ます。

目を開けるとそこは薄暗いながらも鉱石のような光を放つ物などのおかげで少し明るい空間だった。

 

「(…洞窟……か?懐かしいな…ヒナタと洞窟に秘密基地とか作って遊んでたっけ……ん?)」

 

この状態に対してカズヤは疑問を抱く。

 

「待って。俺はあの時刺されて……気ぃ失って…?助かった?ていうか…」

 

カズヤは思い切り息を吸い込み、叫ぶ。

 

「どこだよここ!!!?」

 

 




読んでいただきヘペトナス
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