転生したらホムンクルス(人造魔人)だった件   作:ビッグシャイン

4 / 6
特に書くこともないので初投稿です。


第3話 牙狼族との戦い

この村を牙狼族から護ることになった俺達は、まずケガ人が安置されている小屋まで向かう。

 

「…皆、牙狼族にやられた者です。中にはもう長くない者もおります…」

 

確かに酷い…

そう思いながら彼らを見ているとリムルが何かを思いついたようで、リムルは唐突に彼らの内の1人を飲み込んだ。

 

「は?リムル!?」

「リムル様!?」

「…あ、そっか!」

《下にあるものは上にあるもののごとく 上にあるものは下にあるもののごとく ただ一つたる、奇跡をなさん》

 

俺はリムルがしていることを理解し、別の倒れているゴブリンに近づきしゃがむと、「無限収納」内からとある液体を取り出し、錬金術を用いて操作してそのゴブリンを液体で包み込む。

 

「お二方…い、一体何を…っ!?」

「ま、見てなって」

 

戸惑う村長を他所にリムルがゴブリンを吐き出す。すると、そのゴブリンと先程液体をぶっかけられたゴブリンの傷が完治している。

 

「こ、これは…傷が塞がっている!?」

 

よし、上手くいった!

この調子で病床に伏しているゴブリン達に俺は液体をぶっかけ、リムルは飲み込み吐き出していく。

 

「さ、流石はリムル様とリオン様。蘇生の力をお持ちとは…」

 

俺は勿論、リムルもそんなものは持ち合わせていない。

洞窟内でリムル達に出会うまで、採取し続けていた「ヒポクテ草」を「無限収納」内で魔素とガーッチャンコ!させてできた大量にある回復薬を彼らにぶっかけているだけである。

しかし、こうしてちぎれかけてた四肢が繋がったり、潰れていた目が開くようになったりなど、効能を間近で見ると、めちゃくちゃ優秀なものだと理解できる。やっぱり高値で売れねーk《解。推奨しません。》…はい。すみませんした。

 

そうこうしてるうちに、全員の治療を完成させると外から俺達を呼ぶ声が聞こえたのでそちらに向かう。

すると先程まではなかった柵ができていた。

 

「ご命令の「柵」を皆で作ってみました…いかがでしょうか?」

 

俺達はできた柵を触るとミシミシと軋む音が聞こえる。

 

「ちょっと強度が不安だな」

「時間がない中作ったにしちゃあ上々だよ」

「そうだな。後は――――」

「粘糸!」

 

そう言うとリムルは糸を出して柵を固定する。

村長さん達は普通のスライムにはできない芸当に驚きを隠せていなかった。

 

「じゃあダメ押しだ。キャッチュラ頼んだよ」

「チューッラァ!」

 

レプリケミーカードからレプリキャッチュラの封印を解き、彼に糸を出してもらい、さらに柵の強度を高める。

 

「ありがとうキャッチュラ!」

「チュッチュラー♪」

 

そう言うとレプリキャッチュラはカードに戻ると村長さんがレプリキャッチュラについて聞いてくる。

 

「リオン様、あの蜘蛛のような魔物は…?」

「俺の仲間でキャッチュラって言うんだ。仲良くしてやってくれ」

「は、はぁ…」

「よし、後はこの柵に…」

《万物はこれなる一者(ひとつもの)の改造として生まれうく》

 

柵に手を触れて俺は詠唱すると、身体の紋様が光ると同時に、柵に鋭い棘が無数に出現する。

 

「相変わらずお前のスキルはすごいな」

「ありがとう。リムルの「捕食者」だってすごいじゃん」

「えへへ、そうか?」

 

そんなこんなで迎え撃つ準備は整った。

後は、奴ら(牙狼族)が来るのを待つのみ。

 

〜その夜〜

「いい月だ。今夜あのゴブリンの村を滅ぼし、ジュラの大森林への朝がかりをつくる」

 

牙狼族の遠吠えが森に響き渡り、牙狼族は駆け出す。

 

「蹂躙の始まりだ!」

「あ!き、来たっ。来たっすよ!牙狼族っす!!」

 

丸顔のゴブリンが牙狼族の侵入を報告した。

俺とリムルは柵の前に立ち、牙狼族を牽制する。

 

「「そこで止まれ」」

 

顔に星が描かれた牙狼族と全身銀色の牙狼族が何かに気付き、リーダーと思しき牙狼族に言う。

 

「オヤジ殿。あの者達です。例の…」

「お気をつけください。オヤジ殿」

「お前達が見たという異様な妖気(オーラ)をまとう魔物のことか?くだらん。ただのスライムと人間ではないか」

 

その間も牙狼族は距離を縮めて来る。

そろそろだなと俺たちは気を引きしめる。

 

「一度しか言わないから耳の穴をかっぽじってよぉーく聞いておけ」

「このまま引き返すってんなら、全員無事に帰れるぞ。さっさと立ち去るがいい」

 

俺とリムルが牙狼族に語りかけるが止まる気配はない。

 

「「オヤジ殿!」」

 

先程の2体の牙狼族がリーダーを呼ぶが、リーダーはそのまま走り続ける。

 

「人間の村によくある柵か。人間とスライム風情が生意気な。お前たち行けっ!あの柵を薙ぎ倒せ!ゴブリン共を血祭りに上げろ!」

 

その声と雄叫びと共に、牙狼族が村に向かってくる。

だが、村の入り口付近にまで辿り着くと、一匹、また一匹と見えない何かによって倒れていく。

その様子に牙狼族リーダーが困惑する。

 

「バカな!一体何がっ……なんだこれは!?」

 

そこには突っ込んできた牙狼族の血が付着した糸が張り巡らされていた。

 

「あの糸は先程の!?てっきり柵の補強をしたのだとばかり…」

「補強に使ったのは「粘糸」で、あれは「鋼糸」だ」

「さてと、みんな!どんどん行こう!」

 

俺の指パッチンを合図に、ゴブリン達が弓矢で「鋼糸」を避けようとする牙狼族を倒していく。

「鋼糸」を避けながらの柵への突撃は至難の技だ。

 

「仮に辿りつけても…行くよキャッチュラ」

「チューラッ!!」

《暗黒に染まれ》

 

そう言いながらレプリキャッチュラのレプリケミーカードを取り出すと、闇が身体を包み、蜘蛛の怪人のような姿に変貌する。

 

「ゼェアッ!」

「!?人間ではなかったのか…!」

 

柵に到達した牙狼族を柵の棘で刺してダメージを負わせた上で拘束し、スパイダーマルガムとなった俺と近接武器を装備したゴブリン達により撃破していく。

しかし、全てが上手くいくとは限らない。

それら全てを越えた銀色の牙狼族が雌ゴブリンに噛み付こうと迫る。

 

「逃げろ!」

「キャッ!?」

「ガウッ!」

 

そのゴブリンは恐怖で足がすくんでおり、逃げることができそうになかった。

そんな彼女に牙狼族の牙が迫る。

 

「(ウチ…死んじゃうのかな……)」

「ガァアアアッ!…っ!?」

「え?」

 

しかし、その牙が彼女に届くことは無かった。

 

「っ…大丈夫か!」

「リオン様!」

 

リオンが間一髪、蜘蛛糸を用いて彼女の前に移動していた。そして、リオンの右腕に銀色の牙狼族が噛み付いており、振り回しても離れそうにない。

 

「ヴヴヴヴヴッ!」

「くっ、離せ!」

「キャンっ!」

 

痛くはないがうっとおしくなった俺はその牙狼族を突き飛ばし、左手から牙狼族の口目掛けて蜘蛛糸を放ち、口を塞ぐ。

 

「大丈夫か?リオン」

「大丈夫だよ。あ、歯型ついてるー!」

「そんなんポーションで治せばいいだろ」

 

そんな現状に牙狼族のリーダーは苛立っていた。

 

「(あり得ん!我ら牙狼族がゴブリンや魔人、スライム如きに翻弄されるなど!!…認めん!)」

 

そして駆け出すリーダー牙狼族。

それを見て驚く顔に星が描かれた牙狼族と銀色の牙狼族。

 

「「オヤジ殿!?」」

 

そのままぐんぐん進むリーダー牙狼族。

 

「(小賢しいまねを。糸の罠は仲間の血で見える上に、我が爪と牙を以てすれば切断など容易い)調子に乗るなよ!スライムと魔人如きが!!ひねり潰してくれる!!」

 

そう叫びながらリムルに飛びかかるリーダー牙狼族。ゴブリン達はリムルを心配して叫ぶ。

 

「リムル様…っ!」

「リムルを信じて」

「え…?」

 

俺が族長にそう言うと、リムルも冷静に言い放つ。

 

「甘いな…」

「!?」

 

するとリーダー牙狼族はピタリと動きが空中で静止する。

 

「(動けぬ…っ)」

「そいつは「鋼糸」じゃなく「粘糸」だ。残念だったな」

「くっ…!」

《スキル発動「水刃」!》

 

リムルがリーダー牙狼族の首をはね飛ばす。

すると周囲が一瞬、静寂に包まれた後、ゴブリン達から歓声が上がり始める。

 

「や、やった…!」

「「オヤジ殿…」」

 

俺達は生き残った牙狼族に向けて選択肢を突きつけた。

 

「聞け。牙狼族共!お前らのリーダーは死んだ!」

「選ぶがいい。服従か死か!」

「え…」

 

俺はリムルの言った言葉に疑問を抱き、小声でリムルに問う。

 

『待て待て待てリムル!逃げ出してもらうのがベストって話だったろ?』

『あ!つい言っちゃった!服従するなら死を!って来ちゃったらどうしよう!』

『なぁ〜にやってんの〜…ってあれ?』

 

俺達が話してる間も動かない牙狼族。

もしやリーダーを失って選択出来ないのか?

と思っていると、リムルが「捕食者」にてリーダー牙狼族の死体を取り込み、擬態したのだ。

 

「ククク、仕方ないな。今回だけは見逃してやろう」

「お〜」

 

中々の迫力と再現度に感嘆してしまう。

 

「我に従えぬと言うならばこの場より立ち去る事を許そう!!さぁ行け!!」

 

リムルがそう言い放ち、これで牙狼族が逃げ出すと思っていると

 

「我ら一同、貴方様方に従います!」

「「……え?」」

 

すると、牙狼族が皆、服従の姿勢をみせた。

こうしてこの戦いは俺たちが勝利し、牙狼族が新たに仲間に加わるという誰も予想がつかない展開で幕をおろしたのだった。

 

「お疲れ様キャッチュラ。助かったよありがとう。どこか具合悪いところとかはない?」

「キャッチューラッ!!」

「そっか。ならよかった」

 

その後、俺はマルガム化を解除し、レプリキャッチュラを労い、1日を終えた

 

〜次の日〜

俺達はゴブリン達と新たに仲間になった牙狼族を広場に集めた。

しかしこう見ると、めちゃくちゃ野性的な所帯になったものだ。

そんなことを考えているとリムルが村長に名を聞いていたが、村長の話によると普通は魔物に名前はないそうだ。

不便ではないかと聞いたが、名前がなくても意思疎通できるらしく特に困らないようだ。

だからといって、俺達が呼ぶのには不便だということで、俺とリムルで全員に名前を付けることになった。

その旨を伝えるとみんなからめちゃ喜ばれたのだが、名前を付けるだけで大袈裟だと俺達は思いながらも、名付け作業にはいる。

 

俺達はゴブリンを二手に分けてそれぞれに名付けを始めた。

初めに、リムルが村長に“リグルド”。俺がその息子に兄の名を継ぎ“リグル”と名付けた。

ネーミングセンスには期待しないで欲しい。なぜならこんな数いると2人で被らない名前をつけるなんて頭のおかしくなる作業だ。

 

すると、リグルドが俺達に心配そうな顔で聞いてきた。

 

「リムル様、リオン様。大丈夫なのですか?」

「ん?」

「何が?」

 

俺達がその問いに聞き返すと、リグルドは答える。

 

「御二方の魔力が強大なのは存じていますが、そのように一度に名を与えるなど…」

「?まぁ、大丈夫だろ」

「心配することじゃないでしょ」

「そう…ですか」

 

名前をつけるだけで魔素となんの関係があるのかわからんが、問題はないでしょ。

それにこんな期待した目を向けられて途中で「はい。やーめた」するのは後味悪い。

 

そんなことを考えながら次のゴブリンに名前をつけようとすると、そのゴブリンが思い切り頭を下げる。

 

「り、リオン様!昨日はありがとうございました!」

「え?あ、あの子か!全然いいよ…気にしないで」

「そ、そう……ですか…」

「っと。気を取り直して…名前だね(雌のゴブリンか…どうしよう…えーと。あ、これにしよ)じゃあ君は…“ナツミ”ね」

「ありがとうございます!リオン様!」

 

お〜笑顔が輝いてら…なんか浄化された気がする。

そういう感じで名付けをしていると次は牙狼族の番となった。

すると、見覚えのある銀色の牙狼族が近づいて来た。

 

「あ、君は俺の腕に噛み付いた子だね」

「!?そ、その節は申し訳ございませんでしたぁ!!!」

「うぉ!?いや、俺に対しては別にいいのに。ナツミには謝ったかい?」

「はい…彼女にも自分は怪我してないから大丈夫と言われました」

「まぁ、敵同士だったんだ。そういうこともあるさ。納得できないのなら、いっぱい働いて返してくれ」

 

なーんて…何いい気になって説教臭いこと言ってるんだ。

 

「あ、ありがとうございます!これからも精進します!!」

 

まぁ、なんかやる気になってくれたからいいとしよう。

すごい恥ずかしいが…

 

「え〜っと、名前だったよね。うーん…」

 

確か、狼ってギリシャ語でλυκος(リュコス)…だったかな?

厨二病時代にギリシャ語調べまくってたのがこんな所で役立つとは…

ヒナタに笑われたっけな……っと、そんなことは置いといて。

 

「君の名前はリュコスだ!よろしk…!?」

 

ガクンッ

 

急に身体の力が抜け、地面に膝から崩れ落ちる。

 

「リオン様!?」「リムル様!?」

「(え、リムルもかよ…あ、「魔力感知」も切れた。なん…で?)」

 

ふとリムルがいた所に目をやるとリムルもスライムのツヤツヤボディが崩れていた。

そんなリムルに手を伸ばしてみるが、その指先から色素が抜けており、白いマネキンのようになっていた。

それが、最後に見た光景だった。

 

「(で、今どういう状況なの?哲学者さん)」

 

真っ暗な空間の中で俺は「哲学者」と現状を確認していた。

 

《解。体内の魔素残量が一定値を割り込んだため、低位活動状態(スリープモード)へと移行しました。》

「(はい…?)」

《尚、完全回復の予想時刻が通常3日後の所、ユニークスキル「冥黒者(ドレッド)」の権能の1つ「賢者の石」の効果により1日後となります。》

「(いやまぁ、それは……わかった、いやそんなにわかってないけど…俺たちみんなに名前つけただ…け…)」

 

俺は村長さん、今はリグルドとの会話を思い出した。

 

“御二方の魔力が強大なのは存じていますが、そのように一度に名を与えるなど…”

“?まぁ、大丈夫だろ”

“心配することじゃないでしょ”

 

まさか!?魔物に名前を与えると魔素が減るってのは魔物にとっては常識だったって…コト!?

それは言って欲しかったなぁ!!リグルドォ!

いや、言ってくれてたんだけどさ…

まぁこうなってしまっては仕方ないか…

1日あれば回復するらしいからそれを待つか。

 

「(これは寝藁かな?)」

 

「魔力感知」が切れただけじゃなく、見た感じ身体は変な模様が描かれたマネキンみたいになっているせいで目でモノも見れないし耳で音も聞こえない。

だけど、めちゃくちゃ丁寧に扱われている。

おおよそ成人男性並のデカさのマネキンの様なものを運ぶのは苦労したろうに…起きたら労ってあげないとね。

 

やることも無くただただボーっとしていると、この身体がタオルか何かで拭かれていると感じる。

あのゴブリン達がやってくれているのだろうか…健気で可愛らしい光景を想像しながらまたしてもやることが無いのでボーっとタイムに再突入する。

 

〜1日後〜

「(お、「魔力感知」良好。五感もしっかりしてる…気がする!おはよー!世界!)」

 

そう思いながら目を開けると、

 

「おや、おはようございます。我が主」

「あ、おはよーございます!リオン様!」

 

銀髪のイケメン美女が膝枕をしてくれており、薄い緑の肌をした美少女がこちらを覗き込んでいた。

 

「へぇ?????」

「じゃあウチは、村長(リグルド様)を呼んできマース!」

「よろしく頼んだよ。ナツミ」

「はーい!」

「え、あ、ちょっ、ま…(え、誰?この娘達。いや、あの娘今“ナツミ”って……え、じゃあこのイケメン美女は?)」

 

そう思いイケメン美女の方に顔を向け、疑問を投げかけようとした時、

 

「えーと…」

「どうかされましたか?」

「本当にすみません…どちら様でしょうか?」

「え!?」

「ぐえっ!」

「あ!ごめんなさい!」

 

驚いたイケメン美女が股を開いたため、膝枕されていた俺の後頭部が地面にぶつけてしまうがそれを見てすぐ謝ってくれた。が今はそんなことはどうでもいい。

 

「そう…ですよね。前の姿からだいぶ変わってしまいました」

「前の姿?」

「はい。元々私は、銀牙狼族でありました」

「もしかして…リュコス?」

「はい」

 

俺はその言葉を聞いて開いた口が塞がらない。なぜならあの銀色の毛並みをした牙狼族リュコスがなんと、目の前にいるすごい破壊力のある肉体を持つイケメン美女になっていたのだ。際どいが服は一応メスゴブリンが来ているようなのを着ていた。

すると入口からリグルドらしい人物が入ってきたらしく、少し安心しながら彼の方を見る。

 

「リオン様!お目覚めになられましたか!」

「リグルド!なんかみんなすっかり変わっちゃ…て…ええええええええええ!!!!?」

 

なんとヨボヨボじいちゃんだったリグルドはマッチョなおっさんとなっていた。

なんだよもう…泣きそうだよ…

今にも泣きそうな顔をする俺に2人はあわあわしており、さすがに可哀想だと感じ、気を取り直して小屋を出ると、等身が伸びたゴブリン達が「リオン様〜!」や「おはようございます!」などと笑顔で挨拶してくれた。

すると、デカくて角が生えている狼が走ってきた。

 

「リオン様!御快復、心よりお慶び仕ります!!」

「えーと、キミは…(彼は誰!?教えて!哲学者先生!!)」

《解。個体名ランガ、種族『嵐牙狼族(テンペストウルフ)』へと進化しました。》

 

彼の名前を「哲学者」に聞いて俺は事なきを得た。さすがに、誰だっけ?は先程のリュコスの件があるため言わないように気をつけるべきだ。

 

「ランガか!大きくなったね!」

「はい!!リムル様にもこの姿を早く見ていただきたいです!」

「ははっ、そうか!」

「…なんでランガはわかるのですか」

 

なんかリュコスから妙な威圧感を感じるがまぁ、いいでしょう。

それよりも…

 

「ランガさ、ひとつお願いがあるんだけど…」

「はっ」

 

尻尾をブンブン振って喜んでいるランガに、恐る恐るとあることを聞く。

 

「撫でさせて?」

「え?」

 

ランガは驚いたものの快諾してくれて、俺はモフモフを享受した。

 

リグルドの話によると名付けにより雄ゴブリンはホブゴブリン、雌ゴブリンはゴブリナに進化したようだ。

いや〜魔物って不思議だな!俺も魔物だけど。

リムルが起きるのは2日後か……しかし、こんなにみんな変わってるとリムルの驚く顔…顔?あいつ顔あったか…?

ま、まぁその顔が目に浮かぶよ。

 

「ふぃー…やっぱ、わぁけわからんな」

「くぅーん…」

「よーしよしよしよし!いい子だなぁランガは!」

「はっはっはっ…!」

「……ずるい」

 

俺はランガをモフりながらそんなことを考えていた。

何故かリュコスの目に怨嗟の念が込められていた…見なかったことにしよう。

 

その2日後、哲学者の話によれば、今日はリムルが起きてくる日のはずだ。

俺は今日まで簡単な服を彼らが着ていたボロ切れのような服から錬成したり、子供と遊んだりしていた。

そんな時、リムルの魔素の反応が大きくなったのを感じた。

 

「お!……みんな、また後でね」

「「「「はーい!!!!」」」」

 

可愛いなぁ子供は。

そんなことを考えながら子供達の元を後にして、ぽやぽやした気持ちでリムルが寝ていた小屋に向かうと、中からハルナが出てきた。

 

「あ、リオン様!今村長様とご一緒にお呼びしようと」

「ありがとう。俺はいいからリグルドを呼んできてあげて」

「はい!」

 

元気に返事をしてハルナを他所に、小屋に入る。

 

「よっ!リムル」

「あ、リオン!えっとさっきの女性は…?」

「ハルナだよ」

「え!?あの娘が!!?」

 

するとリグルドが入ってきたようで、

 

「リムル様もお目覚めになりましたか!あ、リオン様も来ていらしてたのですね!」

「おーリグルd…えええええええええええ!!?」

「デジャブだなぁ(笑)」

 

動揺しまくってるリムルに状況をひと通り話すと、リグルドが宴の準備をすると言っていたのでその間、俺とリムルはランガを枕にしながら昼寝を享受していた。

 

「魔物って……不思議」

「ホントになぁ…あ、そうだ」

「ん?どした」

 

リムルに俺が前から考えていたことを話す。

 

「あの戦いみたいなのが今後あるかもしれないだろ?だから、戦いが終わった後に2人のルーティンみたいなのがあってもいいかなって思ってさ」

「へぇーいいじゃん!例えばどんな?」

 

リオンの提案に興味を持ったリムルの前に、右手を差し出し、微笑みながら言う。

 

「簡単なものだけど…ハイタッチとか」

「ホントに簡単だな!?まぁ、でもそういうのもいいな!」

 

そう言うと、リムルはジャンプしてリオンの右手とハイタッチし、笑いあった。

こうして、魔物に転生した俺たちのこの村での生活が始まった。もし、俺たちには想像もできない困難が立ちはだかったとしても、リムルと俺ならなんとかできるという希望をもって。

 

 




読んでいただきありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。