逆行幽霊化ヴィラン連合と霊視少年のヒーローアカデミア   作:幽霊ヒーロー

4 / 10
襲撃事件と活躍時

 

「そろそろですね」

 

 黒霧さんが家のカレンダーを見て言った。

 

「何がそろそろなの?」

「我々による雄英襲撃……の事前準備がですね」

「ああ、このくらいの時期だったか」

 

 雄英襲撃……そういえばそんなことしたって言ってたな。

 

「それ俺も襲われるってことだよね」

「お前ならあんなの返り討ちにして終わりだろ」

「え?みんなが攻めてくるんじゃないの?」

「ああ、それ私たちが連合に入る前の話なんですよ」

「あ、そうなんだ」

「こん時連れてたのはただのチンピラの集まりだ。ああでもあいつには注意しといた方がいいな」

「誰のこと?」

「対オールマイト用の脳無だ」

 

「ボスが初めて活動した時の様子が見れるのか。どんな感じだったんだ?」

「……どうだったかな」

 

 

 

 

 

 

 今日も今日とて雄英に登校中の俺だよ。

 最近マスコミが取材取材ってうるさいんだよね。ぶっ飛ばしても正当防衛にならないかな。

 

「オールマイトが教師として働いているとのことですが……」

「ぜひ彼の授業の感想を……」

 

 この人数に気付かれないようにするのも大変なんだよね。まあトガちゃんに教わったことを活かせばどうにかはなるけどさ。

 あ、なんか作動して壁が出てきた。これがここの防犯システムなのかな。

 

「ほんっとうるさい連中だよな」

「こういう人たちは嫌いです」

「俺もだよ」

 

 

 

 今日あった事、クラスの委員長を決めた。緑谷さんと八百万さんになった。ちなみに彼に投票したのは俺。

 お昼はいつも学食ですませている。安いし俺が作るよりおいしいし。

 突然アラームが鳴った。途端に生徒たちが騒がしくなる。

 なになに?雄英バリアが壊された?ああ朝のやつか。ヴィランでも来たと思ってるのか。こういう時ほど慌てないって学校で習わなかったのかな。

 あ、あれはえっと……メガネの人、じゃなくて飯田さんだっけ。ただのマスコミだから慌てなくていい、か。へぇ……

 

「で、実際のとこどうなの?」

「マスコミを陽動に使った潜入作戦ですね」

 

 やっぱりね。まあ事前にお兄さんたちが来るって知ってなきゃ思い至らないのかもしれないけど。

 今の俺にできることはないし大人しく食事の続きといこうか。

 

 

 

 今回のヒーロー基礎学はレスキュー訓練みたいだ。人命救助……俺があんまり活躍できなそうな内容だなぁ。敵の倒し方は知ってても一般人の救い方は教わってないし。まあ全部を救うっていうのは普通の人も入るんだろうし頑張らないとな。

 コスチュームを着てバスに乗り込む。車内ではみんなが個性の話題で盛り上がっていた。まあ個性によってできることは変わってくるし他人の個性が羨ましく見えるのも普通だよね。俺も力押しとかはどうしても苦手だし。

 そうこうしている内に今回の目的地、ウソの災害や事故ルーム、略してUSJに到着した。……あくまで略称だから著作権とかに引っかからなかったんだろうか。

 そこにいたのは今回の講師、13号先生。プロらしいけど名前は知らなかった。というかほとんどのヒーローのこと知らないんだけどね。興味もあんまりないし。

 

「えー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」

 

 どんどん増えてくじゃん。

 内容は要約すると、俺たちの個性は便利だけど危険なものでもあるから注意してね、みたいな感じだった。

 

「まあそれを何も考えずに振るうのがヴィランなんだがな」

 

 それはそう。その時点でヒーローとの差があるよね。

 そして授業が始まるという時、そこに()()は現れた。

 

「一かたまりになって動くな!」

 

 黒いモヤから這い出てくる集団。どう見ても迷い込んだ一般人というなりではない。

 

「あれは……ヴィランだ!」

 

「来たか、()

 

 さて、ここからは命がけの実戦開始だね。

 

 

 

 オールマイトを殺すために来たとのたまう集団。その中に相澤先生が突っ込んで行った。うわ強いな。あれならそりゃあ脳無以外の有象無象には負けないか。

 そっちは先生に任せて避難を始めようとした時、目の前に黒いモヤの本体、黒霧さん(存命)が現れた。

 爆豪さんと切島さんが攻撃を仕掛けるも効かず、ワープゲートにみんなが飲み込まれていった。まあ俺みたいな後方にいた人たちは無事だけど。

 そこからは怒涛の展開だった。飯田さんが外に助けを呼びに行こうとし、その隙を作ろうとした13号先生がダウン。

 ついでに広場の方で戦っていた相澤先生も脳無にやられてしまった。

 

「じゃあいこうか」

「おう!やったれ!大人しくしとけ!」

 

「ちょっと⁉霊命⁉」

 

 芦戸さんがなにか叫んでいるが無視する。今すべきは脳無の相手……!

 

「やっほー、()()()()()()()()、死柄木弔さん」

「あ゛?子供が何の用だ」

「霊命……来るな……!」

 

 この状況でも生徒の心配か。やっぱりいい先生だよね。お兄さんが言ってた通りかっこいいや。

 

「俺たちの先生いじめるのやめてもらうね。”攻撃しろ”」

「脳無、防げ」

 

 服のあちこちから死柄木目掛けて飛んでいくスタンガンが全部叩き落される。まあでもこれで先生はフリーだ。後は俺を脅威だと思わせればいい!荼毘さんにアイコンタクトを送る。

 

「ああ、あのなんか子供じみた奴に喰らわしてやれ」

「これならどうかな。”焼却命令・赫灼熱拳”!」

 

 圧縮された蒼い炎の奔流が脳無を襲う。どうせ再生されるだろうけど、こっちにタゲは向けられる。

 

「おいおい……!餓鬼が出していい火力じゃないだろ。最近のはみんなこうなのか?」

「すいません、死柄木弔。一人生徒を取り逃がしました」

「そっちも駄目なのかよ。あーあ、ゲームオーバーだ。帰るか」

 

 これで終わり……じゃないよな。

 

「でもその前に……平和の象徴としての矜持を少しでもへし折っていくか。殺せ、脳無」

 

 やっぱそうなるよな。事前に聞いてた通りだ。

 

 

 

「あの脳無は強い。少なくともオールマイトとある程度の殴り合い……いやサンドバックか?まあそのぐらいの能力はあるんだからな」

「それだと勝ち目なくない?正面戦闘はそこまで強くないよ俺」

「別に殺すだけなら崩壊使えばいいだろ。まあでもヒーロー志望だしな。そうはいかない。そこでMr.コンプレスの個性だ」

「え?俺の?」

「圧縮で玉にすればそれで勝ちだ。お前なら触れるくらいはできるだろ」

「私が動き方教えましたからね!」

「わかった。でも俺がそもそも狙われるの?」

「そこは大丈夫だ。あの時の俺なら……」

 

 

 

『反抗してくるムカつく餓鬼がいたら殺そうとする』

(やっぱり自分のことはわかるもんなんだね!)

 

 高速で接近してくる脳無の拳を命令によるサポート込みで躱す。そしたらうまく視線をかいくぐって移動する!

 

「おい脳無!なに見失ってる!」

 

 無駄だ。この動きは感知系の個性も持っていない脳無が見切れるような動きじゃない。その名も()()()()()()()()()()()()()。”消える”ための動きで相手をかく乱するこの戦闘術を使えば、力が強いだけのやつに負ける道理などない。

 相手の脇腹をナイフで切りつける。が、ほとんどノーダメージ。ショック吸収が機能してるんだろう。

 

「ははっ!ただの餓鬼にこのオールマイト用の脳無が倒せるかよ。そのまま死ね」

 

「なんか弔くん様子が今と違いますね」

「そうね、なんというか……軽いわ」

「……しょうがないだろ。この頃はこんなんだったんだから」

 

 作戦通り圧縮で決めるか。

 あえて視界の隅に姿を現し薙ぎ払いを誘発する。そこからその腕を圧縮でちぎり取る。

 

「脆いな」

 

 そこから失った腕の方に回って、脳無に触れるその瞬間に個性を発動させる。

 

「”圧縮命令・縮め”!」

 

 そこに残ったのはビー玉ほどの大きさの球体だけだった。

 

「は?おいお前、脳無をどこにやった」

「タネも仕掛けもございませんってね。残念だけどそのオールマイト用ってやつは消しちゃったよ。ゴシューショーサマでした」

「チート持ちかよクソがっ!おい黒霧、とっとと帰るぞ!」

「させるとでも?”攻撃しろ”」

 

 ここで捕まえてもどうせ先生とやらが多分脱走させるだろう、というのがお兄さんと黒霧さんの見解だ。だったら今ここで捕まえても同じこと。

 

「悪いですがさせませんよ」

「霊命、避けてください」

 

 二人の黒霧さんの声が聞こえた。その指示に従ってその場から飛びのく。しかし少し経ってもなにも起こらなかった。

 

「……っ!あなたの仕業ですか」

「生徒ばかりに任せるわけにもいかないのでな」

 

 なるほど先生の個性か。

 

「ほんとかっこいいぜ、イレイザーヘッド」

 

 お兄さんが感心したように言った。

 相手の黒霧さんが防げなかったスタンガンが二人に電流を浴びせる。実体部分の少ない黒霧さんはともかく、死柄木さんは立っていることもできなくなったようだ。

 

「クソ……がぁ!」

 

「いろいろ言いたいことはあるがひとまずよくやってくれた、霊命」

「いえ、先生こそ大丈夫ですか?」

「この程度なら軽傷だ」

 

 そこは流石はヒーローといったとこかな。じゃああっちの確保を……

 

「おい霊命!あれはまずいぞ!」

 

 スピナーさんが空中を指さす。そっちに視線を向けるとそこからは黒い液体のようなものが溢れ出していた。

 

「先生、上を」

「……何だ?」

 

 黒霧さんの個性に近いけど違う。あれは聞いてない。

 

「おいおいあれは……」

「先生の……!」

 

 待って”先生”ってラスボスの人じゃん!それが来んの⁉

 しかしその予想は外れそこから爆発するように出てきたのは白い肉の檻だった。恐らくは骨が格子で皮がカーテン。ヒーロー・イレイザーヘッド対策のブラインド役の脳無が死柄木さんたちを覆い隠した。

 

「しまっ」

 

 先生の個性は目視できていなければ発動しないとお兄さんたちから聞いた。つまり今中ではきっと個性で逃走の準備をしている所だろう。早くこの檻どかさないと……

 

「おら死ねぇ!」

 

 大爆発の音と共に檻が明後日の方角に吹っ飛んでいった。

 今の爆発は……爆豪さんか。

 だがその行動はもう遅かったのだろう。檻があった場所にはもう誰もいなかった。

 

「ちっ、逃げやがったか」

 

 彼が悔しそうに言った。

 

 

 

 

 

 

 これがこのUSJ襲撃事件の顛末。お兄さんから聞いた話と照らし合わせると、俺は活躍はできたが大して結果の差異はなかった、といったところだろう。あそこで先生って人が動くのはみんなにとっても想定外だったらしい。まあ下手なことして悪化しなかっただけ及第点ってやつだろう。

 翌日は休校となったのでみんなと話し合った。

 

「今回のことどう思う?」

「まあけが人も少ないしいいんじゃないか、”ヒーロー”としてはな」

「動きも上手でしたよ」

「おじさんの個性もうまく扱えてたしね」

「良かったんじゃないか?ダメダメだったな!」

 

 肯定的な意見もあれば、

 

「俺は警戒をした方がいいと思う。AFOに狙われている想定もするべきだ」

「そうね……人はやられるときはあっけないものよ」

「雄英にいない時こそ警戒を強めるべきかと」

 

 より警戒すべきだという案も出た。

 

「荼毘くんもなにか言ったらどうですか?」

「俺からは特にない。にしてもあの体たらくは何なんだよ、リーダー」

「そういえば最初に会った時とは違う感じでしたね」

「……あの時の俺にはなにもなかったからな。まあ自分でもあんなんだったかとは思ったが」

「……まあ人には見るに堪えない過去の一つや二つあるもんだろ。俺もそんなもんだ」

 

 今のお兄さんとはだいぶ違ったよね。いろいろあって今のお兄さんみたいになったんだろうけど、この世界の死柄木さんはどうかな?

 

 

 

 

 

 

「あのチートなガキ……!あいつのせいで全部壊された!次会ったら絶対ぶっ壊してやる……!」

『まあまあ、落ち着きなさい弔。彼は確かに強かったが精神的にはそうとも限らないさ。強い力を持つ者というのは案外簡単に堕とせるものなんだよ。彼をこちら側に引き込めれば大きなアドバンテージさ』

「知るか。あいつはこの手でバラバラにしてやる」

『……(にしてもまるで複数の個性を持っているかのような身のこなし。少し興味があるね)』




霊命強司

事前に聞いていたためUSJ襲撃を軽々突破した
脳無は警察に渡した
なお荼毘の個性を使ったため腕にそこそこ大きめのやけどを負った

トガちゃんマーシャルアーツ

トガヒミコ考案の戦闘方
名前も彼女考案
相手に自分のことを悟られない”消える”ような戦法を得意とする
前回の訓練時もこれを使っていた



相澤先生

怪我が原作より軽傷ですんだ





今回も感想よろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。