逆行幽霊化ヴィラン連合と霊視少年のヒーローアカデミア 作:幽霊ヒーロー
今更直すのもあれなのでこのままでいきます
休校明け初日、先生から近々体育祭があるとの報告を受けた。
雄英体育祭。毎年行われる、全国放送もされる日本の一大イベント。ここでいい成績を出すことができれば将来のプロヒーロー活動にもつながる大事な行事……というのがみんなの話をまとめた内容である。俺はあんまり知らなかったんだよね、こういうの。
ちなみにお兄さんもヒーローの情報収集ということで見ていたらしい。なので楽勝とはいかずとも情報アドバンテージはある。戦う方式ならまあいけそうだし。
その日の放課後、クラス前に人だかりができていた。敵情視察らしい。見ただけで実力が正確にわかるならともかく、そうじゃないならただのやじ馬と大差ないと思うけど。
なんか爆豪さんと言い争ってる普通科の人を横目に誰にも気づかれないように帰宅した。人ごみって苦手なんだよね。
「それで体育祭はどうしよっか」
「決まってる。優勝してやれ。その程度も出来なきゃ全部救うなんて言えないぞ」
「それもそうだね。じゃあお兄さんの知ってること教えて?」
そして迎えた体育祭当日。控室で焦凍さんに話しかけられた。
「霊命」
「ん?どうかした?」
「お前は強い。それはこの前の襲撃事件の件からもわかってる。でも俺にも負けられない理由がある。だから悪いけど勝たせてもらうぞ」
焦凍さんに言われるとはね。でもこっちも言われてるんだ。
『霊命』
『どうしたの?荼毘さん』
『今日の体育祭、少しでいい、焦凍のことを気にかけてやってくれないか』
『どういうこと?』
『別にそこまで重く捉えなくていい。なんてことはない、いろんなもんに囚われてるあいつにもっと自由なやり方を見せてやってくれ』
『荼毘さんってあの人のこと気にしてるよね。なにかあった?』
『別に。ただの押し付けだ』
『そっか。まあ強そうだしどうせ戦うでしょ。その時にはボコボコにしてあげるよ』
『ああ、それでいい』
だから……
「それは無理じゃないかな」
「何?」
「自分で言うのもなんだけどさ、俺はわりと自由に生きてるんだ。だからさ、何かはわからないけど大きなものに囚われてる焦凍さんには悪いけど負ける気がしないや」
君じゃ俺には勝てないよ。
「おいおい、お互い喧嘩腰はやめろって」
「だいじょぶだって。ちょっとした気合表明みたいなものだからさ。そうでしょ?」
「ああ、そうだな。でも霊命、俺は負ける気はないぞ」
「気持ちだけで勝てるか後で証明してあげるよ」
だからそこまで負けないでね?
ちなみにその後に緑谷さんにも同じようなことを言ってた。理由はオールマイトに目をかけられてるかららしい。そういえばよく話してた気が……するようなしないような。
『ヒーロー科!一年A組!』
大仰なナレーションに引き立てられて入場する。ヴィランの襲撃を受けたって事実をエンタメ方面に生かしてるってとこかな。まあ注目されようがやることは変わらないけど。
「選手宣誓!」
さて、俺の番か。主席だからって任されたんだよね。といってもこういうのやったことないからどうすればいいかわからないし、みんなに聞いてみたんだ。
「宣誓、我々はスポーツマンシップに則り!正々堂々最後まで戦い抜くことを誓います!」
お兄さんが見た時は爆豪さんがすごいこと言ったみたいだからさ、俺もちょっと言ってみることにしてみたんだよね。
「そして!最大限いい勝負ができることを期待します!」
そうそう、俺は頑張るからさ、
お、やっぱり爆豪さんがキレてる。まあぱっと見わかりづらいかもしれないけどこれほぼ煽り文だしね。
「さて運命の第一種目!今年は……これよ!」
スクリーンに表示されたのは『障害物競走』の文字。うん、聞いてた通りだ。内容もこの後のことも全部知ってる。だから最高効率で動ける。お兄さんが言うところの周回プレイってやつだね。
「スタート‼」
「”飛べ”」
初手は人数によるふるい落とし。ついでに焦凍さんの個性による足元の凍結。全部空中なら関係ない。まあ速度は多少抑えるけど。
『第一関門、ロボ・インフェルノ!』
次の障害は入試の時の0点ロボットの大群。そういえばあれへこましたの緑谷さんらしいね。流石のパワーだ。俺にはそんなことできないから……
「”倒れろ”」
焦凍さんが凍らせた少し後、ロボに自ら転倒させる。入試の時は壊した方が早かったからそうしたけど、意思なき機械相手ならこういうこともできる。
次の綱渡り地帯は飛んでるので関係なし。途中で爆豪さんに抜かされたけどまあよし。
最後も地雷……あれ?これって飛べる相手を想定してな
「おい前だ!」
「っ!」
目の前で何かが爆ぜた。爆風をまともに喰らうが空中で体勢を立て直す。
なるほど砲台か。こんなのがあるとは知らなかった。でも前の爆豪さんは器用に避けて進んでるな。じゃあ俺もそうすればいいか。
砲弾を回避しつつ飛んでいると、後方から爆発音が聞こえて鉄板のようなものを持った緑谷さんが突っ込んでくる。
よし、それでいい。そのまま俺は四位でゴールした。
発表された次の種目は騎馬戦。各自に障害物競走の順位に応じた持ち点が与えられ、一位のポイントは1000万となっている。これを知ってたから順位をあえて落としてたんだよね。流石に狙われ続けるのは避けたいし。
さて、俺もチームを決めないとな。にしても誰がいいかな……
「霊命、面白い個性のやつがいたぞ」
ん?誰だろ。
「人を操るタイプの個性みたいだな。組むにはちょうどいいんじゃないか?」
いいね。お兄さんもいい目をしてるね。じゃあその人のところに行こうか。
「ねぇ、俺と組まない?」
「……断る」
「うん、そうだよね。その個性で目立たないようにしつつ終盤に暴れる作戦だよね」
「お前……」
「俺もその勝ち馬乗らせてよ。同じ感じの個性の
「お前の個性は飛行じゃないのか?」
「違うよ。俺の個性は命令。生物非生物問わず命令を下せる個性だよ。まあ人相手だと君のと違ってほぼ効かないんだけどね。でも警戒される気持ちはわかるよ?」
「……俺のメリットは」
「上位の俺が気を引けるからそっちの個性が効きやすいんじゃないかな。詳細がわからないからなんとも言えないけど。後は……最悪実力で点を取れるってとこかな」
「ずいぶんな自信だな。ヒーロー科受かるやつはみんなそうなのか?」
「さあ?どうだろうね。でも俺の自信の出どころは単純だよ。俺に戦い方を教えてくれた人が強い、ただそれだけ」
「わかった。組んでやる。俺は心操人使」
「俺は霊命強司。よろしく、心操さん」
これでチームは決まった。これなら、まあ勝てるでしょ。
『スタート!!』
大半の騎馬が
「じゃあ俺たちは作戦通り何もせずに潜伏ってことで」
「ああ」
周辺警戒はみんなもやってくれてるしあっちの方でも見てようかな。
緑谷さんたちが飛んでる。なんか背負ってるからそれかな。
あ、爆豪さんが行った。やっぱり飛ぶのはありなんだ。なら俺もいざという時はそうしようか。
「……随分と余裕だな」
「まあね。でも余裕は大事だよ。なくなると視野が狭くなるしね」
「来たわよ」
「心操さん、来るよ」
マグ姉の指示を聞いて動き出す。
「もらいマース!」
頭から角の生えた女の子がその角を飛ばしてくる。そういう個性か。
「”落ちろ”」
角が勢いを失い落下する。
「オウッ⁉」
「俺たち狙いか?」
「その通りデース」
そう心操さんの問いに答えた彼女の動きが止まる。その隙にハチマキを回収した。
「角取?」
頬の辺りから牙のようなものが生えている男の子を尻目に移動を開始する。
「やっぱり定期的に動いた方がいいね」
「そうだな」
そんなことを話していると、轟さんたちの方から電流が広範囲に走り、地面が凍った。
「……ああいう強個性は便利だよな」
「俺は心操さんのが弱いとは思わないけどね」
「そうか?」
「十分強いと思うけどね。まあ個性にかまけてたら駄目だけど」
そう言うと心操さんは少し考え込む様子を見せた。が、すぐ打ち切り前を向いた。いい判断だね。
「じゃあそろそろ取りに行こうか」
そこからは多めのハチマキ持ってる人に「それをよこせ」って言って、反応したところをかっさらうだけの簡単なお仕事だった。
「やっぱり強い人と組むと楽でいいね」
「ヒーロー科っていうのはもっと向上心を持つものじゃないのか」
「俺はどちらかっていうと外れもの側の人間だしね。まあこういう人もいるって思ってよ」
『タイムアップ!』
時間切れだ。これだけ取ってれば俺たちの本戦入りはほぼ確定でしょ。
『二位!爆ご……あれ?霊命チーム!いつ動いてたんだ⁉』
まあこんなもんだよね。
「なあ霊命、この試合中やけにバレなかったよな。なにかしてなかったか?」
「鋭いね。ちょっと視線誘導とかをね。今回の作戦はバレないことが大事だったし」
「……結局お前に助けられてたのかよ」
「そんなことないよ。心操さんの個性にも助けられたし」
「でも俺抜きだろうとお前ならやれてただろ?」
「……」
まあそれは事実だ。もうちょっとやる気を出せば多分緑谷さんのも狙えた。面倒だからやらなかったけど。
「勝たせてくれたことは感謝してる。でもその上から目線はやめた方がいいぞ」
「……忠告ありがと」
上から目線、か。
「俺そんなことしてるかな?」
「まああいつの言うこともわからないでもないな。お前にはもとから達観した人間が纏う雰囲気がある。その上で自分に自信があるから他人を見下しているように見えるんだろ」
「なるほどね。ありがとね、スピナーさん」
「なんで俺に聞いたんだ?」
「スピナーさんが一番一般人に近いと思ったから」
「……まああいつらよりはわかるだろうな」
にしてもこれ直せるかな?まあ善処はしようか。
次の種目は午後からか。お兄さんによるとガチバトルのトーナメント戦らしいし今はゆっくり休んで……
「霊命、ちょっといいか?」
「どうしたの?緑谷さんも連れて」
「聞いてほしい話がある」
何かな。真剣そうだし大事な話っぽいけど。
霊命強司
体育祭前半はお兄さんの知識もあり最高効率で最終種目出場に成功した
”命令”は生物にも効くのでクラスではそういう扱いを受けていた
どこか悟ったような側面があり、客観視した自分の強さのこともあり無意識に人を見下す、というか別の生き物として見がち
連合メンバーはそれに気付いていたりいなかったり
心操人使
霊命に対しては感謝とか恐怖とかいろんな感情が入り混じっている
悪いやつではないとは思っている
主人公が無難に強いくせしてガチになるタイプでもないせいで今話が盛り上がりに欠けることが判明してしまった
これも全部何も考えずに体育祭編に突っ込んだ作者のせいです
こんな作品を日間ランキング19位まで上げてくれた読者の皆さんのためにも次回はいい感じに盛り上がるガチバトルを頑張って書きます
……それはそれとして感想をくださると作者は喜びます