Wreath of Braveを聴けたらもう泣いちゃうかも…。
「僕が…貴方のことを…助けた?」
僕は困惑した様子で、しろちゃんと呼ばれた女の子と七深にそう返す。
ふと周りを見渡すと、席に座る他の3人もビックリした様子でこちらを伺っていた。七深もビックリした様子で僕を見つめている。
だがしかし。
「いや…あの…大変申し訳無いんですけど…覚えてなくて…本当にごめんなさい…!」
そう。
七深や他の3人がビックリしているように、僕も今、現在進行形で困惑をしているのである。
いや、確かにこの子を見たことはある気はするのだ。これは間違いない。
ただ、そんなに感動されるような、そんな人助けをしただろうか。なんかもう会った瞬間今すぐ感動のあまり泣きそうな感じだったし。僕を見て涙してくれる人なんてそうそう居ないのに、僕はなんで記憶が無いのかな。この
あと、僕が端的に言えば「キミのこと覚えてないよ」っていったせいで、眼の前の女の子が悲しんでないか心配…あれ?でもなんかそんなに悲しんではなさそう。良かった…。
「そ、そうですか…。あ、でも全然良いんです!むしろ日頃からああいう気遣いをしてるって考えたら…むしろ尊敬出来るっていうか…私には絶対に出来ないことなので…。」
「…かーくんは直近でさ、何か人助けしたなーみたな記憶ってないの…?」
「うーん…確かに思い返してみれば無いことは無いけど…でもそんな尊敬されるようなことじゃ…。それこそ…えーっと…その前にその…貴方の名前を伺っても…?」
「あ、えっと…く、倉田ましろです!」
「倉田さんって言うんですね、ありがとうございます…。あ、そしたら僕も名乗んなきゃですね。僕は神明克輝って言います。…ちなみにさ七深。七深と倉田さんって同い年なの?」
「そうだよ〜かーくん。なんなら…そっちで私たちを見てる3人も含めて、全員が月ノ森の同級生なんだ〜。」
「そうなんだ…。そしたら一応、僕とも全員同い年なんだね。ちょっとその、僕だけこの中で見劣りする気もすして緊張するけど…。」
そう言って席の方を見てみると
「ねぇねぇ2人とも!しろを助けたっぽい男の子さ…なんかどことなくしろに雰囲気似てない?」
「ましろちゃんに?うーん…そうかな…。」
「否定したい所だけれど…少し理解出来るかも知れないわ。」
「え!?るいさんも?」
「だよねルイ!なんていうか…何処となく漂う負のオーラってやつ?ほら、今も自分だけ見劣りする…とか言ってるし?全然そんなことないのにそう言うところ、しろに似てない?」
「もー失礼だよ透子ちゃん!…でも何となく分かるかも…常に
「でしょでしょ!?」
なんかめちゃくちゃ観察されてた。
いやあの、ここ席から数cmしか離れてないからね?
流石に全て正確には聞こえてないけど、でも結構聞こえるよ?あと僕なんかと同類扱いされたら流石に倉田さんが可哀想だよ。聞き取れなかったけど、どんな部分が似ているんだろう…。
「…ひとまず2人共。立ち話もなんだし席に座らない〜?流石に3人で立っているのも奇妙すぎるし、ここの席、一応4人用だけど6人までは座れるから…。ちなみにかーくん、店長は何か言ってた?」
「お客さんが来るまではそっちで話してて大丈夫って言ってたよ。なんか今日、お客さん全然来ないし。」
「なら大丈夫だね〜。ほら2人共、席に座っちゃってよ〜。」
「いやあの流石に女の子5人に囲まれながら話すのは気が重」
結局倉田さんも含めて半強制的に座らされた。
ーーー
「改めて…は、始めまして…その…
周りにいるのは女子5人。しかも全員が同い年の女子という生まれて初めての環境の中で、とりあえず名乗っておくことにする。いや、名乗らせていただくことにする。
いやどんな状況?レジの方見ると店長さんと先輩がこっち見てニヤニヤしてるし。早くお客さん来れば良いのに。
「めっちゃ緊張してるじゃーん!ウチらタメなんだから、そんなに気にしなくて良いのに〜。ちなみにあたしは桐ヶ谷透子!ななみの友達だし、透子で良いよ!あたしも克輝って呼んで良い?」
「名前で呼ばれるのは全然大丈夫ですけど…それは…流石に…」
なんか七深の鋭い視線を感じる。なぜ。
「透子ちゃん!神明くんが困ってるからそんなにグイグイいっちゃ駄目だって!…気になるのは分かるけど。あ、私は二葉つくし!よろしくね!そして…」
「…私は八潮瑠唯よ。先程から迷惑をかけて申し訳ないわね、神明さん。」
「迷惑だなんてそんな…。3人ともよろしくお願いします!…ただ、まだ倉田さんの言ってくださっている出来事にまだピンと来てなくて…すみません。」
「そっかー。…そしたらかーくんには、そこから話そっかー。」
*****
「私…あの男の子、知ってるかも知れない…。」
みんなの注文も一段落し、そろそろここに来た意図を問い詰めよう!って思っていたとき。
手前に座るしろちゃんが
「かー…あの男の子をしろちゃんが知っているかもしれないって…??」
私が知っている2人はどちらもあまり社交的…とは流石に言えないから、ビックリして思わずそう溢れてしまった。
いやまだ知り合いって決まった訳じゃないんだけど…しろちゃんはともかく、かーくんとはまだ出会って1ヶ月ほどの付き合い。断言は出来ないよね~。
「うん…。まだ断言は出来ないんだけど…あの男の子、私のことを先週末に助けてくれた子じゃないかなって…。」
「?ましろちゃん、先週末に何かあったの?」
「特別何か大きい出来事があったとか、そういうのではないんだけど…。先週末の日曜の夕方にね、私コンビニに行ったんだ。ちょっと買っておきたいものがあったから…。でもそのお目当てのコンビニの入口を、5、6人くらいの男の子が占拠しちゃってて…それで入りづらくて、正直駐車場の端っこで途方に暮れてたの。」
「話しかけてどいて貰えば…と考えるのが普通でしょうけど、それが出来れば苦労しない、というのは流石に理解できるわ。」
「それに男の子が5、6人だよね?私も話しかけるの、少し躊躇しちゃうかも…。」
「えー別に話しかける必要なくない?ここはもうバシッと!強行突破っしょ!」
「それが出来るのはとーこちゃんだけだよ…。」
5、6人の集団、しかも男の子ってなると、広町的にもちょっと厳しいかも…。
「それでね…もう諦めて、別のコンビニにしようかなって考えてたときに、「コンビニに入りたいので、ちょっとどいてくれますか?」って言ってくれた男の子がいて、あのときはもう、すっごく助けられちゃった。」
それがしろちゃんが助けられた出来事なんだね。
でもそれはもしかしたら…。
「でもさー、しろ!その男の子にしろが助けられたっていうのはマジなんだろうけどさ、ただ単にその男の子もコンビニに入りたかっただけ…ってパターンは無いの?もしそれだったらさ、仮にあの男の子が本人だとしてもビックリさせるだけじゃね?」
「確かに、その可能性も考えられなくはないわね。むしろ、聞いている状況から推察するとその可能性の方が高いようにも感じるわ。」
その可能性も考えられちゃうよね…。
「実際私も最初はそう思っていたんだ。単に他のお客さんが偶々来てくれて、これならいける…!みたいな、そんな感情だった。だからそのときは、店内に入る男の子のすぐ後ろにこっそり続く感じで店内に入ったの。」
「でも、そう言うってことは、しろちゃんには助けてくれた男の子が、明確に助けるって意図を持って行動してたってことが分かるような何かがあったってことだよね?」
「うん…。その男の子ね、私が店内に入って数秒も経たないとき、ふと外を見たらもう店から出ていたんだ。」
「数秒!?ましろちゃんは、その男の子に続くような感じで店内に入ったんだよね?」
「そうだよ。だから男の子と私で店内に入る時間の差はほとんどなかった。」
「ってことは…しろを助けるためにわざわざコンビニに入る振りをしたってこと!?なにそれめっちゃ優男じゃん!」
「一応聞くのだけれど…その男の子が単に会計するのが早かった、という可能性は?」
「それもないと思う…。だって…男の子が店から出た直後くらいにレジに行ったけど、そもそも店員さんは何か後ろで作業をしてて、そもそもレジに誰も居なかったから…。」
「流石にこれだけ状況証拠が揃っていると、これは確定…かな?。しかもこれって、偶々ましろちゃんがこれに気付けただけで、むしろ気づかないままだった可能性の方が高いってことだよね?…私も見習わないと…!」
つーちゃんが憧れるような様子でまとめる。
実際…この男の子、凄いなぁ…。これが普通…って訳じゃないことは、みんなの反応を見ていても分かるし…。
そしてこういうこと、かーくんならしれっとやってても全くおかしくない。そーゆー男の子だからね、
「そしてその男の子が…
「後ろ姿しか見えなかったから、顔を明確に見れた訳ではないんだけど…。でも直接話すっていうか、雰囲気を感じることが出来れば、確証を持てると思う…。あの夕焼けに染まる背中は、確かに目に焼き付けたから…。」
「そしたら、確認するだけしてみよっか!あの男の子が、ましろちゃんを助けてくれた男の子だと良いね!」
「そうだね~。そしたら私、今から呼んで…」
「…ちょっと待ってストーップ!その前にさ、ななみとあの男の子ってどういう関係なの?」
「え?」
?どうしたんだろとーこちゃん。
そんな、「この結婚式は間違っている!」みたいなセリフを吐いて、結婚式を止める男の子みたいなな止め方をして。これ、実際にはあるのかな…?
こんどかーくんに聞いてみよう。
「いやさ、さっき店に入ったときあの男の子とななみ、めちゃくちゃ仲良さげじゃなかった!?さっきも何かあだ名?みたいな感じで呼んでたっしょ?」
…?とーこちゃん、なんでいきなりそんなこと聞いて…。
…そっか。しろちゃんの話題で話が流れちゃったけど…みんなの目的って…。
「…さっきは聞きそびれちゃったけど…。もしかしなくても、今日ここに来たのってこれが目的…?みんなには言ってなかったと思うけどな〜…何処でその情報を…。それにしたってるいるいまで…。」
「…広町さんが男の子と、それも週末のショッピングモールで歩いていたのを二葉さんが目撃したのよ。
るいるいもこういうことに興味持つんだね…。
にしても…先週末のあれ、つーちゃんに見られてたんだ…。
「でさーふーすけ!ななみと週末居たのはあの男の子っぽい?」
「なんでななみちゃんの目の前で聞くかなー…。2階から見たってだけだから、顔をしっかり見れた訳じゃないのに…でもよく見てみると、背丈的にも確かに似てるかも…?」
「ちなみに七深ちゃん、実際のところどうなの…?」
「しろちゃんまで…。その…あの男の子…、かーくんは仲が良い友達…ではあるかな。…はいはいこの話は終わり!それじゃあ私、かーくん呼ぶから~!」
「あ、誤魔化した!」
ここで話すと長くなっちゃうし、ここは誤魔化すのが吉…!
でもなんでだろう…。
かーくんの話を振られると、ちょっと顔が暑くなるのは。
暑くなった自分の顔を、一瞬だけ下を向いてどうにか冷ましながら、レジにいるかーくん(とついでに店長)へ「こっちに来て」と合図を送るのだった。
某らしんばん秋葉原店のバンドリ人気キャラ投票、七深さんに毎日投票しているのですが全然増えなくて悲しいです…。七深さん推しが増えますように…。
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