投稿サボっている間に七深イベント→モニカイベント→ちょっと空いてモニカイベント…とモニカ盛りだくさんでしたね。
3つのイベントもそれぞれそこそこの順位を取ることができたので、こちらもまたボチボチ投稿していく所存です。温かく見守ってくださればと…。
Ep.15 2人っきりのアルバイト①
アルバイトを始めてからもう2ヶ月がたった。
この間、七深や倉田さんとの新たな出会いもあり、過去一の激動と言える期間だったのではないかと感じる。このバイトも始めたし。てかこのバイトが全てのきっかけだし。
そう考えるとファミレスって凄いね。もうこれからファミレスに一生頭上がんないよ、僕。もうこれから全国各地でファミレスを見かける度に一礼をするレベル。いやこれ傍から見たらなんかの宗教の信者に見えるんじゃないかなこれ…。さしずめファミレス教と言ったところか。
まぁ兎にも角にも。
七深や倉田さんといった新しい友達と親交を深めたり、バイトの業務にも少しづつ、亀のような驚異的なスピードで慣れていったりと、かなり充実していたと思う。実際信じられないかもしれないけど、ホールの仕事は一通り出来るようになったのだ。本当に七深には頭が上がらない。持つべきは共犯者さんなのだ。
そんな、ここ数ヶ月の出来事を頭でぼんやりと浮かべながら、そろそろ眼に映る現実を受け入れる覚悟を決める。
そう。
突如として行われていた、今までのファミレス人生振り返りタイムは、単なる現実逃避に過ぎない。
「…かーくん。これからどうしよっか…?」
珍しく困ったような表情を向けてくる七深と、何故かバイト先の物置に閉じ込められてしまった現実を直視しないための、単なる逃避行だったのだ。
…いやいやいや。物置に閉じ込められるなんて、そんなベタなイベント…現実で起こっちゃうものなの…??
まぁとりあえず…現実と向き合うために、こうなってしまった経緯から話そうと思う。
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「広町君と神明君。ちょっと時間良いかい?」
珍しく夜の時間帯だったバイトが終わり、七深と休憩スペースに向かおうとしていたとき、店長さんに声をかけられた。
また何かやらかしたか…?と一瞬だけ思ってしまったが、僕の名前を呼ぶと同時に七深の名前も呼ばれていたので、何かやらかした訳ではないと分かり一安心。共犯者さんへの厚い信頼の証である。もしかしたら向こうは逆のことを思っているのかもしれないけど。まぁうちの七深さんはそんなこと考えるような子では無いですけどね!でも、思われてても何も言えないよね?はいそうですよ僕の負けです。
「一体どうしたんですか~?店長~?」
「解雇ですか…?n…
「一言目から解雇の二文字が出てくるのは流石に考え方に何らかのバグがあるだろう神明君。ほら広町君も怪訝な顔してるぞ。あと今のシフト状況的に抜けられたら困るのこっちだから。」
いやそれに関しては恐らく…っていうか確実に、七深が怪訝な顔をしてるのは発言内容じゃなくて僕が広町さんって呼んだことだと思うけど…。現に横からめっちゃ視線感じるもん。むむむ…って効果音が聞こえてきそうな視線がさ。だってまだ人前では恥ずかしいっていうか慣れないんだもん…許してぇ…。
「なら今日の所は安心ですね…。まぁそれはともかく、店長さんのご用件はなんでしょうか?」
「それなんだがな…シフト終わりに大変申し訳ないんだが、2人にはやって欲しい仕事があるんだ。」
「仕事ですか~?こんな時間に珍しいですね~。」
「ま、緊急の用件だからな。何でも最近、こっちで管理している備品の数と、実際に物置で保管している備品の数が合わないみたいなんだ。それも1つだけじゃなくて、お皿の枚数からトイレットペーパーの数まで複数確認されているみたいで…流石に放置しておくのはマズい。そこでだ。」
「数が合わなくなってしまっている備品の確認を、僕たちにして欲しいと…?」
「
「僕は全然大丈夫ですけど…。…広町さんは?」
そう言って僕が七深の方を伺うと、丁度七深の視線と交錯した。
また広町さんと呼んだことに対してむむむ…となっている気はするが、一旦見て見ぬふりをする。ほら、返事をするんだ七深。いやしてください。
「…私もかーくんが大丈夫なら問題ないです~。…でもどうしてその仕事をかーくんと広町に?店長、こういう仕事は基本的に自分でやってますよね?」
「まぁ確かに、広町君の言うように私がやっても良いんだが…生憎と今日はこの後近隣の店に用事があってな。3時間ほどでこっちに戻ってこれるとはいえ、その後に物置で備品の確認をするのは骨が折れるんだ。というかぶっちゃけ私も早く退勤したい。切実に。」
そう述べる店長さんは店長さん至上最も切なげな表情だった。心から訴えかけてきているのが分かる。
「…店長それが本音ですね~。でもそういうことならかしこまりです~。万事広町とかーくんにお任せあれ~。」
「すまないがよろしく頼む。…これが備品のリストだ。」
緩い敬礼みたいなポーズをとりながら承諾する七深に対して、店長さんはA4サイズのプリントを手渡す。
少しそれを覗いてみると、そこには確認するべき備品の名前と個数、そして確認後に記入するであろう実際の数を記す空欄が記してあった。ざっと目を通してみるとその数は約20個くらい。思ったよりも少ないと言うべきか、それとも多いというべきか。こればっかりはやってみないと分からないか。
「このリストに記してある備品を確認し終えたら帰ってもらって構わない。リストは事務室のテーブルの上にでも置いておいてくれ。あ、タイムカードだけは切るのを忘れずにな。」
「かしこまりました。…ちなみに店長さん、お店の施錠っていかがしますか?流石に開けっ放しは不用心すぎますよね。」
「泥棒さんに入ってくださいって言ってるようなものだしね~。」
「それに関しては田村君に施錠を頼んである。物置にも施錠しに来るだろうから、そのときにでも鍵を受け取って出るときに施錠してくれ。鍵はいつも通りの場所に。広町君なら分かるだろう?」
「例のあの場所ですね~かしこまりです~。」
「…これで一通り伝えるべきことは伝えたかな。それじゃあ2人共、後はよろしくな。」
「お任せください!」「お任せを~!」
~~~~~
「このリストに書かれてる備品って、物置の奥の方にあるものばかりだね~。私でも物置の奥まで行くことはそうそう無いし、ちょっと新鮮かな~。」
用事を済ませるために店を出た店長と別れ、今は七深と物置で備品の場所を確認しているところ。
物置自体はいつも使っている休憩スペースの奥にあるから存在自体は認識している。けど、七深と違って僕はそもそも物置に行く機会がほとんどない。そのため物置自体と知識に関しては七深に頼らざるをえないのだ。っていやこれいつも通りじゃねーか!悲しい。
「へ~そうなんだ。七深と違って僕は手前の休憩スペースは使うことはあっても奥の物置まで行くことはあんまりないからなぁ。備品の名前を見てもあんまり場所がピンときてないかも。」
「まぁかーくんはここに入ってまだ1ヶ月だからね、仕方がないよ~。それよりも~…さっき店長と話しているとき、私のこと広町さんって呼んでたよね~。広町、いきなりかーくんに距離取られて泣いちゃいそう…しくしく、広町とかーくんは同じ
やっぱりさっきの七深の視線は呼び方への抗議の視線だったか…。
七深から指定された備品の在庫を数えつつ、言い分を述べる。
「いやそういう訳じゃないんですよ七深さん。単になんていうか…その…七深以外と話すときはまだ慣れないっていうかなんというか…。…この備品は在庫は7…いや8箱だね。合ってるかな?」
「8箱ならリストの数と一致してるし大丈夫そう~。でもさっきはかーくん、私のこと名前で呼んでくれたよね~?」
「それはその…2人で話すときとかだと大丈夫なんだけど、それ以外だとちょっと…みたいな?あ、次の備品はここで大丈夫?」
「うん大丈夫だよ~。でも確かに、ちょっと前にしろちゃんたちとここで初めて話したときも、私のこと広町さん呼びだった気がする…。あ、でも!しろちゃんとは最近よく話してるって広町聞きましたぞ~。広町以外のときだとまだ慣れないって今言ってたのに…かーくんも隅に置けませんな~。」
「いやそういうのじゃないからね七深。誤解オブ誤解だから。倉田さんとは確かに最近話すことも多いけど…。…あ、この備品は6箱かも。」
「これもリストの数と一致しているし大丈夫そう~。…ただねかーくん。かーくんが人前で私のこと名前で呼んでくれない問題に気を取られちゃって、物置のことで言いそびれてたことがあるんだけど…。」
世間話7割備品確認3割という驚異的な割合で作業をしていた中、七深が手を止め休憩スペースの方を見ながらそう呟く。言いそびれてたことってなんだろう。
「…?どうしたの?」
「私たちが今居る物置の奥ってさ、休憩スペースの入口からちょーっと見えづらい位置にあるから、稀に物置の奥に人が居ることに気づかず扉を施錠されちゃうことがあるんだよね~。」
バタン!ガチャッ!
明らかに扉が閉まったような音と、その扉に施錠がされたような音が部屋の中に響き渡る。
「…ほら、こんな感じでね~。」
「その通りになっただろ?」みたいな顔で七深は僕に顔を向ける。
…。
いや……こんな感じでね、じゃないよ!?
次回は②(後編)ですね。
3か月も間を空けてしまった分なるはやで執筆致します。
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