キミの普通はこんなにも輝いて   作:Blue Aome

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出す出す詐欺をしていたモニカメンバーを遂にようやく出すときが来た!
深淵の闇をバーーーーーン!
※あこちゃんは出ません。

またまたこの作品に☆9評価を付けてくださった方がいるようで…本当にありがとうございます!
やっぱり嬉しいですね…本当に励みになります…!
じゃあせめて投稿日と投稿時間を統一しろって話ですよね、はい。その通りです。


Ep.8 第1回アトリエ会議

 「ねぇみんな聞いてよ!私ね、この前の土曜日に…凄い光景を見ちゃったの!」

 

 いつもの練習場所(アトリエ)に着き、一息もつかない内につくしちゃんが私たちにこう宣言する。

 ちなみに今日は、七深ちゃんが用事があるらしく不在なので自主練習日になった。

 ただ、自主練習日って言ってもつくしちゃんは勿論、透子ちゃんも瑠唯さんもいるので、モルフォニカが私たちにとって当たり前になっている感じがして、少し嬉しい…かも。

 

 「いきなりどーしたのー?ふーすけ。凄い光景ってなに!?ルイがプライベートで笑ってたとか!?」

 「貴方…私のことを何だと思っているのかしら。」

 「冗談だってルイ〜、そんな怖い顔するなって〜!」

 

 透子(とうこ)ちゃんと瑠唯(るい)さんがかるーく言い合いつつ、瑠唯さんが背もたれのない椅子に、透子ちゃんが3人掛けのソファーにそれぞれ座る。

 

 「でもなー、ふーすけも大袈裟なところあるからな〜。」

 「もー!全然信じてないでしょ透子ちゃん!」

 「それよりも練習がしたいから、早く言ってくれないかしら。」

 

 前までの瑠唯さんなら、相手が言うのを待つんじゃ無くて、そもそも言うのを遮ってそう…なんて思いつつ、つくしちゃんが透子ちゃんに「もー!」とでも言いたげな表情を向けながら、透子ちゃんの隣に座ったので、私も瑠唯さんと机を挟んで向かい側に座った。…これも()()()()になってきたけど、これを()()()()()()()()()()()()()()こと、これが何よりも嬉しいなって、ふと思った。

 それにしても、つくしちゃんは一体何を見たんだろう…少しだけ興味が出るかも。多分透子ちゃんが言う通り、想像してるような凄い光景では無いんだろうけど…。ごめんねつくしちゃん…。

 

 「それで、何を見たの?つくしちゃん。」

 「良くぞ聞いてくれましたましろちゃん!私ね…実は…土曜日の午後に、七深ちゃんが男の子と2人っきりで、ショッピングモールでデートしてるのを見ちゃったの!!」

 「…えっ!?」

 

 で、デート!?あ、これ本当に凄い光景を見たのかも。向かい側に座る瑠唯さんも少しだけ驚いているように見えるし…。

 疑ってごめんねつくしちゃん…。

 

 「マジ!?ふーすけ!見間違いとかじゃなくて??」

 「絶対にあれは七深ちゃんだったよ!この目でしっかり見たもん!2階から!」

 

 2階から見たってどんな状況だろう…。

 

 「いやーでもそっかー!ななみにも男が出来たのかー!」

 「…男性と言っても、例えば親戚の子といった可能性は十分に考えられるんじゃないかしら?少なくとも、男性と一緒に居たからといって、その子と広町さんがそういった関係と考えるのは、短絡的すぎると思うわ。」

 「もー!ルイは考えすぎだって!ななみにも遂にこういう時期が来たんだよ!ほら、あたしらも女子高生じゃん?恋愛の1つや2つ、しててもおかしくないって!」

 「…そんな気配、七深ちゃんからは感じなかったけど……。」

 「確かに…私も七深ちゃんからそういう雰囲気は感じ無かったかも…?」

 「いやほら、それは…そう!ななみってこういうの隠すの上手いじゃん?それでしろとかふーすけが分かんなかっただけだって!」

 「た、確かに…?」

 

 …いくら七深ちゃんが隠すのが上手くたって、全く気付かないなんてこと、あるのかな…。

 でも私がそういう機微に疎くて気付かなかった可能性も十分あるし…うぅ〜…なんか分からなくなってきた…。

 

 「…そういう桐ケ谷(きりがや)さんは、広町さんから恋愛の気配は感じていたのかしら?少なくとも私は、広町さんからそういった気配は微塵たりとも感じたことは無いわ。」

 「えーあたし?私はその…まぁ感じてたか感じてないかでいうと感じてなかったけど…でもでも!土曜日にふーすけがななみを見たのは多分事実じゃん?実際ななみ、土曜日は確かバイトがあるーって言って練習来てないし!」

 「確か、バイトは午前中って言ってたよね。」

 「そうだったと記憶してるわ。ただ、この事実と恋愛がどう結びつくのかしら?」

 「分かってないなールイ!こんなの、バイト先の男の子と恋に落ちたって言ってるようなもんじゃん!バイト帰りにデート…うんうん!全然有り得る!ちなみにふーすけ、その相手の子はどんな子だったの?」

 「そういえば、相手の子の情報を何も聞いてなかったね…。」

 「この情報だけでここまで話を広げることが出来るのは、桐ヶ谷さんの一種の才能と言わざるをえないわ。」

 

 透子ちゃんの言動に振り回されててみんな忘れてたけど、まだつくしちゃんからは「七深ちゃんが男の子とデート?してた」ってことしか聞いてないんだよね…私もすっかり忘れてた…。

 

 「うーん…なんていうか、背丈は男子高校生だとしたら平均的…かな。ただ、全体的に優しい雰囲気を纏ってて、七深ちゃんも大分心を開いてる感じはあったかも。なんていうか…傍から見ててもすっごく楽しそうだった!」

 

 つくしちゃんが広町さんと男の子の様子を思い出しながら、テンション高めでそう言う。

 

 七深ちゃんが心を開く男の子、かぁ…。

 男の子が七深ちゃんの…その…こ、恋人かどうかは置いておいたとしても、どんな子か凄く気になるかも…。

 

 「七深ちゃんが心を開いているように、見える…かぁ…ちょっと気になるかも…。」

 「?それがどうかしたの?しろ。」

 「いや、なんていうか…七深ちゃんってその…他の人に容易く心を開くタイプじゃないから…それに男の子ってなると…。」

 

 …少なくとも、きっとつくしちゃんの印象通り、優しい男の子なんだろうなぁ…それこそ私がこの前、コンビニに入れなくて困ってたとき、さりげなく、さも当たり前かのように助けてくれた、あの子みたいな…。

 

 「…確かに倉田さんの言う通りね。広町さんが心を開いているように見える男性…想像が付かないわ。その真偽は不明にしろ、楽しそうにしていたというのは事実でしょうし。」

 「でしょでしょ!?となるとやっぱり…」

 「そうとは限らないわ。」

 「まだ何も言ってないじゃん!…ちなみにさふーすけ、他になんか気になったことは??」

 「気になったことかぁ…うーん…私も2階の吹き抜けから見てただけだからなぁ…。」

 「…つくしちゃん…なんかストーカーみたい…。」

 

 多分つくしちゃんの言い方の問題なのかもしれないけど…2階から1階にいる2人組の様子を眺める光景は、少し怖いかも…?

 

 「そ、そんなことないよ!偶々下の階を見たときに見かけただけだから!…そうだなぁ…あとはなんか、2人でお菓子屋さんに入ったってことくらいかな。男の子の方は重そうな袋も持ってたし、お菓子屋さん巡りでもしてたのかも?」

 「お菓子屋さん巡り?ななみってそんなに甘いもの好きだったっけ?」

 「いやたぶん…お菓子自体が目当てじゃなくて、お菓子に付いてくるおもちゃかも…?」

 「あ~確かにそれかも!ななみ、この前もなんかのお菓子についてくるおもちゃ、集めてたもんね!」

 「なら、広町さんはその男性と食玩集めをしていた…と考えるのが妥当になるわね。ただ、二葉さんから聞いている感じ、彼と広町さんが決して浅い関係ではないというのはその通りでしょうけど、所謂恋愛に値する関係かどうかは直接本人に聞くか、この目で見てみないと判断出来ないわ。」

 「ならさ!ななみの働いてるファミレス、近いうちに行ってみない??それも、ななみがバイトのときに!直接見れれば、その男の子がどんな子かも分かるし、ななみとその子の関係も分かるから、一石二鳥っしょ!あたし頭良い~!」

 

 確かに七深ちゃんが働くファミレスに行けば、その男の子がどんな子なのか、七深ちゃんとどういう関係なのか、分かる気もするけど…。

 

 「め、迷惑にならないかな…?その…お店と七深ちゃん達に…。」

 「しろは考え過ぎだって~!ななみも気軽に来て良いよーって言ってた気がするし、大丈夫大丈夫!それに、しろもふーすけもルイも、興味がないわけじゃないっしょ?」

 「それは…まぁ…否定は出来ないんだけど…。」

 「やっぱり直接見てみたいよね!」

 「…そうね、否定はしないわ。少しでも興味を持ってしまった、私の負けよ。」

 

 るいさんまで半ば賛成しちゃった…。

 でも…気になっちゃうよね…。私も「一目見てみたい!」って気持ちが強いし…。

 

 「よっしゃ決まり!そしたら今週の土曜日はななみのファミレスに行くってことで!」

 「…分かったわ。ただ…」

 

 その後はるいさんの提案で、各自気になる点を互いに確認し、解散した。

 

 

 

***

 

 

 

 その帰り道。

 

 …七深ちゃんが仲良くしてる男の子って、どんな子なんだろう…。

 みんなと分かれ、1人家へと歩みを進める私は、そんなことばかり考えてしまって。

 自分が如何に興味を持ってしまったかを痛感する。

 

 ただ、同時に。

 なぜか。なぜかは決して分からないけど。

 日曜日に私を助けてくれたあの男の子の、橙色の中で、燦然ときらめいてるように見えたあの背中も、頭から離れてはくれず。

 

 「…また、会えないかな。」

 

 ふと立ち止まり、夜空に輝くキラキラとした星のイルミネーションに向けて、私はボソッとそう呟きながら、私はまた歩みを進めた。

 

 自分の胸の高鳴りに、見て見ぬふりをしながら。

 




モニカのメンバーってみんな個性的で、書いててめちゃくちゃ楽しいですね!
おかげで今回は主人公くんと七深さんの出番が0になってしまいました。ごめんよ2人。

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