乃日夜々太さんの『魔法少女リリカルなのは 転生者だらけの世界にぶち込まれた少年』とのコラボです。
乃日夜々太さん、ありがとうございます!!
さて他作品の主人公VSソラ――――果たしてどちらが勝つでしょうか?
ではどうぞ!!
PS とても長いです。
(??side)
――――それは『いた』
暗闇の世界。
何もない世界。
そんなところに一人の少年がいた。年齢はソラと変わらない。
どこまでも深く濃い黒色の髪。
髪形は前髪は顔が見えないほど長く、後ろをやや長めに伸ばし纏めている。
瞳は本物と見紛うような金色で肌は病的と言えるほど白い。顔は基本は髪で隠れたしまっているがかなりの女顔、女装すれば本気で美少女に見える。所謂男の娘のように見える。
服は基本黒色の物を着ており、黒づくめと言えばそう言える。
その少年は狂っていた。嘆いていた。憎んでいた。
自身の大切な人を奪われ、それを追いかけてこんなところまで来ていた。
少年は何の因果をもたらしたのか、ここは少年が来るべきところではなかった。
現に少年は白い触手に拘束された。その触手――『抑止の存在』は少年の来訪を歓迎しなかった。
普通ならばその触手によって少年の身体は握りつぶされていた。しかし、
「『ジャ、まァ!!』」
なんと『抑止の存在』の拘束を解いたのだ。
ありえない。世界のルールに抗うこの少年はいったい何者だろうか。
『抑止の存在』が思案していると、少年は次元の穴を開けてそこへ飛び込んだ。
『なんてことでしょう』
『異物が世界に侵入してきました』
『このままでは世界が……』
『いえ、心配はありません。あの異物は世界に認められていないため、存在が不安定。よって長くはいられません』
『だが、その間に世界の住人が』
『……やむ得まい。切り捨てるしかあるまいよ』
『抑止の存在』はあくまでも審判。ジャッジを下す者であり、断罪を下す者ではない。
世界に異物が入った。
それは彼と少年の戦いの始まり。
『そういえばどうしてあの少年はここに迷い込んだのでしょう?』
『『『さあ……?』』』
「ワタシの仕業だ~」
抑止達は悟った――――「あ、コイツが原因だ」と。
(ソラside)
オレこと神威ソラはぼんやりと日向ぼっこしていた。夏真っ盛り、ミンミンと蝉が鳴くこの季節だが、どうも今日だけはやけに風が吹いて心地よい温度であった。
公園のベンチに座り、空を見上げていると綺麗な青空が広がっている。今日も良い天気である。
「平和だな~」
「平和だねぇ~」
まどかはシャクシャクとソーダバーを食べていた。まあこんな日には冷たい何かを食べたくなるのもわかる。
夏休みが始まり、そして海へ行ったオレ達はそんな平和を噛みしめていた。
「ソラ! 見て見て。キラキラしたもの拾ったよ!」
「交番に届けてこい」
「ホント、どこからそんなモノを拾ってくるのよ」
やれやれと千香といたほむらも彼女の行動に呆れていた。
千香が宝石を拾ってきたようだ。その宝石はサファイアのように見えるが、なんか見たことのない輝きを放っていた。
透明のような、いやあらゆる角度から見たらいろんな色に見える?
そんな変わった宝石だ。
「えぇー、これ綺麗だよ? こんな綺麗な宝石あったら普通は我が手にって言うところでしょ?」
「いやお前前科思い出せよ。リメイク前の前科を」
「ソラくん、それメタい」
やかましい。こいつの行いでひどい目にあったのは事実だ。
前世なんか宝石を拾ったらと言っておいてタイマーが起動した時限爆弾を渡して来やがった。
……本気で死ぬかと思ったぞあれ。まあ何はともあれ、こいつの行動は時たまにトラブルを招く。
油断はできない。
「うーん、仕方ないなぁ。元にあったところに…………あれ?」
「どうした?」
「なんか手から離れなく……え、あれれ?」
宝石を引っ張る千香。オレやまどかも参加して引っ張るもとれない。
千香の手から宝石が離れなくなっていた。どういうことかこの宝石、千香にとりついたようだ。
しゃーねぇな。
「ちょ、ソラ……なんで『神器』出してるの?」
「その呪いのアイテムを『解錠』で切り離す」
「いやぁ~、それ前にもやったよね。前世でそれやって魔神らしきモノが出てきてボクがひどい目にあったよね?」
「元から拾ってきたお前が悪い。覚悟しろ」
「にゅきゃあァァァァァ!! まどかちゃんヘルプミー!」
千香の手をぶっ叩こう。そんなとき空気がビリビリとした。
オレはその場から千香を突飛ばし、突撃してナニカと衝突した。そいつの握られている剣とオレの『神器』がギリギリと軋み合う。
こいつは……!
「ソラ、気を付けて。そいつ、手強いよ!」
「わかってる!」
オレはその場から飛び退くと、変身したまどかとほむらの魔力矢の援護射撃が飛んできた。
突き刺さる身体。普通ならば絶命しているはずだ。
なのに、
「そんな……!?」
「無傷ですって……!」
彼が矢を引き抜くと身体には刺さった矢の傷は一切なく、無傷の姿でそこにいた。
「……ヤベぇ、これはマジで六人揃わないとマジで死ぬな」
「というかあの人、さっきからボクの手を凝視してるんだけど。手フェチなの?」
「いや明らかにお前の宝石狙いだろ。というかなんかあの霧状になってるヤツが尖って……」
尖った黒い霧が槍のように千香に向かってきた。
その場から跳び、地面に刺さる地面を見ながら千香は言った。
「あ、あれは触手!? ボクにひどいことするんだね! エロ同人みたいに!」
「死んでこい」
「にゅばは!?」
千香を蹴飛ばして黒色少年をぶつける。変態シュート。これを受けたら全治一週間くらいかかる。
前にオリ主くんにしたらそうなった。そして千香は無傷なんだよね、これが。
理由は『神器』だ。『守護神の盾』を身体中に覆えば、無敵の鎧の完成である。
『神器』によって全ての攻撃もとい衝撃は弾かれる。
千香によって、黒色少年はビリヤードのように飛んでいった。
千香は「いきなりひどい!」と喚いていたが、なぜか期待するかのように見つめてきた。もう一度やりたいのかこいつは。
「てか、まだ立ってる」
「スゴいねー。さっき身体で受けたとき『ボキボキメリメリィ!!』って鳴っていたよあの子」
「それ身体中の骨がやられてね?」
とは言え、相手は未知の存在。『神器』でもない何かを持ち、千香にくっついた宝石を狙ってきた。
何者なんだ……。
「『……かえセ、■ツキのたましイィ』」
声色のノイズがひどい。『抑止の存在』によって拒絶しただろうか。
本来、拒絶された存在はこの世界には来られない。だが、こいつが来たということは拒絶を振りきり、訪れたということだ。
……恐ろしいヤツだ。『抑止の存在』の拒絶を振りきり、ここに来たとは。
しかしただでは済んでいない。先ほどの雑音混じりの声は拒絶で、存在があやふやになっているということだ。
(長くはいられない。短期決戦しかヤツは戦えない)
持久戦に持ち込めば勝てる。そう思い、『神器』を構えた。
「お前は何者だ。なんでここに来た?」
オレの言葉に反応してか、黒色少年は静かにオレを見据えていた。
「『夜……』」
「それがお前の名前か?」
コクリと頷く。千香の手にある宝石が狙いかと聞くとコクリと頷いた。
なるほど、大切なものなのだろうな。
「でも宝石を渡したいのは山々なんだけど、どうも千香の手から離れなくてなぁ」
「『じゃあ、』」
ニッコリと、ヤツは言った。
「『切断、する』」
夜は千香の背後に現れ、そして彼女の腕を切断した。宝石を持つ手がクルクルと宙に舞い、千香の腕からおびただしい量の血が出てきた。
「あ、……ソ、ラ」
出血により千香は倒れた。オレはニコニコ笑うヤツを蹴り飛ばした。しかしそれは霧状の黒い何かを纏ったヤツに防がれた。
飛ばしただけでいい。千香から突き放したオレは止血に移る。
くそっ! 今ので千香がやられた。死んではいないが、重傷だ。
夜は笑みを浮かべながら千香の腕を手にとり、嬉しそうだ。何が目的で手にある宝石を求めたのかは知らない。
ただ言わせてもらう。
「殺す」
敵だ。ヤツはオレの仲間を傷つけた。殺意と憎悪に反応したのかこちらを向くが、既にオレは『神器』を振りかざしていた。
『解錠』で魂を切り離すつもりでやった。手応えはあった。
斬った――――そのはずだったのに、
「『??』」
魂と肉体が切り離されていない!?
確かに斬った。人を殺すつもりでやった。なのに、死んでいない。
(魂がないのか……? いやそんなはずはない!)
生きてる限り、そいつには必ず魂と肉体が結ばれている。魂は必ずある。
人形かはたまた作られた人工物でなければそれはあり得ない。
「『やるつも、り?』」
「当然だろ。お前をぶち殺す――――それ以外はない」
夜という存在は人工物ではない。生き物だ。なら、どうして『解錠』できなかったのか考えた。
対象が定まっていないからだ。
人間ならば人間。概念ならば概念。
つまり鍵穴が定まっていないと開け閉めができない。それがこの『神器』のデメリットだ。
夜の触手のような槍がこちらに一斉に飛んできた。身体を捻り、掠りながらも回避し、回避できないところは『神器』で滑らせる。
電車のブレーキのような音が鳴り響き、身体を回転しながら地面を四つん這いにして着地する。
(さっきからほむらとまどかが静かだ。どうしたんだよ)
視線を向けると彼女達は膝について濁った瞳をしていた。ブツブツと何かを呟いていた。
「ごめんね……ごめんね……」
「まどかが……また私が……」
「何やってるんだよ! ボーとしてるなら魔力供給するぞ!」
オレは『
やっとわかった。二人は戦いたくても戦えなかったんだ。そのためオレはラインを切った。
――――彼女達が見ていたのは悪夢だ
『鹿目まどか』は無力な自分がただ友達が死んでいくという悪夢を。
『暁美ほむら』はまどかを何度も死なせてしまう悪夢を。
『前世』の痛みと悲しみを何度もループして受けていた。
その負の感情がこちらに流れてきたため、耐えきれなくなったのだ。
「なんだよ、これ……」
まどかは根は優しすぎるくらい良い子だ。そのため『前世』の悲劇は彼女の心を何度も苦しめる。
「ふざけんなよ……」
ほむらは友達想いだ。『愛』するくらいまどかを想い、何度もループして、そして彼女の死を見てきた。
二人は途方もない悲しみを、痛みを、悪夢として感じていたのだ。
「なんで二人は……!」
「『【惨劇の悪夢】。僕の、霧を転移のときに、軽く肌に、フレタ』」
悪夢を見せる――――いや見せ続ける。だからまどか達は覚めない悪夢を見続ける。
オレは気をとられ過ぎた。そのため、目の前に夜の霧が向かっていた。
「『おまエ、も、ミロ……』」
霧がオレを呑み込み、全てが闇に包まれた。
(??side)
思い出すのはあのとき。
師匠が目の前で死にゆく悪夢。
自身の理想は間違いだった。間違いを貫き過ぎた。
そんな悪夢をソラは見せ続けられた。彼はスクリーンで見るかのように、何度も悪夢を見続けられていた。
(でもこれ、意味なくね?)
しかし当の本人はなんか冷めていた。理由はこういう悪夢というか、覚めない嫌な夢はぶっちゃけ『前世』で何度も見てきたからだ。
そんな彼に気にくわないのか、次の悪夢へ移った。
何度も身体を串刺しにされる夢だった。激痛と死に続けるという恐怖に常人ならば狂い死ぬ。
しかし彼の場合、
(いやほむらで体験済みだから。目や腹を貫かれたし、胸や頭を弾丸で受けて死んでるから痛み慣れしてるから)
スゴい死に様を体験していたため、拷問としてはものともしなかった。
(どうも【惨劇の悪夢】というのは悪夢を見続ける力らしいなぁ。……本来なら精神がぶっ壊れるくらいの悪夢なのかもしれないけど)
そう、これが本来の【惨劇の悪夢】ならば骨を抉り出されるか、またはまどか達の死にゆく様を何度も見せ続けるのだが、弱体化していた。
『抑止の存在』によって力は弱まり、彼の力が充分発揮してなかったのだ。
(暇だ……なんか脳髄出される悪夢とか来ないだろうか。激痛のなく、悲劇もなく、ただ知ってる痛みと悲しみってなんか逆に苦痛なんだけど……)
とは言え、見せたら見せたで慣れてしまうのがソラクオリティ。
順応性が高すぎるため、どんな温度も世界も痛みも耐えきっちゃう超人である。宇宙空間は駄目なようだが。
そんなときソラは見た。
夜の記憶だ。彼の記憶がここで流れてきたのだ。
――――大切な人の死を
――――虐殺して紅く汚れていく手を
――――大切な女の子を悪意の塊に連れ去られてゆく様を
悲しみと痛みがそこにあった。
苦しみと辛さがそこにあった。
ソラもまたそれを見て納得した。千香の腕を切断するのも納得だ。
なぜならそんな辛い過去が、昔があったから彼はこんなことをしたのだろう。
ソラは夜の記憶の光景にいながら嘆息を吐いた。それから『神器』を召喚して、自身に刺し込んだ。
彼が幻覚を解くときにはこのようにして、幻想から脱出する。よって彼は【惨劇の悪夢】から脱出できた。
(ソラside)
脱出し、元の世界に帰ってきたオレはただただ夜を同情的なまなざしで見つめていた。
「夜……お前はかわいそうなヤツだよ。大切な人を奪われ、失い、そして狂っていき、自分が無くなっていく――――うん、オレよりもひどいな。だからこそオレはお前に言いたい」
消えた『神器』を再び、召喚して向けた。
「お前には同情するけど
後悔しない。
謝りはしない。
「だから安心して、とっと死ね」
地を蹴り、肉薄する。夜の触手のように伸ばされた槍がこちらに向かってきた。
それを『解錠』で元の霧状に変える。霧状を固形物にしたのがこの槍だ。そしてこの霧が肌に当たれば悪夢の世界へだ。
つまりこいつの槍に触れなければ悪夢は見ない。そう頭に入れて、蹴りを放つ。
槍だった霧状のモノがレインコートのようになり防がれた。ディフエンスもできるのかよ!
「『【明けない夜】』」
「ッ!!」
何か来る。そう思い、構える。すると世界が停止したかのようにピタリと止まり、オレは夜から目を離さなかった。
時間を停める。それが【明けない夜】の力。
夜の手刀が伸びてきたが、腕を掴み、投げる。
黒い霧に触れたが、『神器』によりキャンセルした。
「はあァァァァァ!!」
地を蹴り、斬り込む。
右から、左から、下から、上から、斜めから。
あらゆる角度で斬りかかる。全てが槍と夜の持つ剣により防がれたが、押している。
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る!!
止まらぬ怒濤。
立ち止まることを許さず、ただ攻める。
夜は避けることをしようとしても逃がさず、攻める。彼にはもう防御しかとれない。
槍が伸びてきたら、退くことなく、受け流して斬り続ける。
夜の顔に苛立ちが出てきた。鬱陶しいくらい攻められたら不満が募る一方なのだろう。
夜の剣が大振りになったところでそれを弾き飛ばした。クルクルと舞う剣に呆然としている隙に、オレの蹴りが夜の身体に突き刺さる。
固い。痛い。けれど衝撃でぶっ飛んでくれた。
バウンドしていく夜に追撃を与えるべく足に力を込めようとしたとき、夜の槍がこちらに伸ばされた。
避ければいい。そう思っていた。
「『!?』」
「ぐ、ぎ……!」
――――だが、それはできなかった
後ろを振り返れば、そこには悪夢に苦しむ二人の姿が。
ここで避ければこの槍が当たる。もう彼女達が傷つくところを見たくなかった。
だからオレは……。
ザク、ザクザク……ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク、ザシュッ!!
槍がに何十本も刺さる。弓矢のような小さな槍がオレを貫く。
目がやられ、肩は貫通し、血が針ネズミのように出てきた。
「ソ、ラ……」
ほむらがこちらを見ていた。その姿に思い当たることがあったのだろう。
前世の最期。
ほむらに串刺しされたときだ。
彼女はまたオレのこんな姿を見て呆然としている。
今にも泣きそうで、叫びそうで、オレはそれが嫌だったから――――
「ごめ、ん……」
最期の最後で笑ってそして夜によって首を跳ねられた。
暗い。また闇の中か……。
死後の世界……なのか?
全く何もない世界。
オレは死んだのか?
死んだんだろうな……。だって首を斬り飛ばされたのだから。
まあでもこの世界に来たのは二回目だ。だが、違うところがある。
一つ目は落ちていく感覚がないこと。ちゃんと足場があるし、重力もある。
二つ目はなんか机の上にボタンがある。明らかに何かありますという感じのボタンである。
その上、張り紙らしきものもあった。
「『オチ』……って何これ?」
気になるので押してみた。すると『パンパカパーン』というファンファーレがなり、闇の世界が光に包まれる。
そして次に目を開けると見慣れた天井だった。
オレの部屋だ。起き上がるとベッドの上にいた。
オレが起き上がるとそこにはニコニコ笑う千香とまどか、ほむらがいた。
元気で五体不満足な彼女達が……あれ?
「千香って右腕飛ばされたんじゃ」
「あ、『そっち』じゃそんな感じだったんだ」
『そっち』って……?
話を聞いてみるとオレは襲ってきた夜によって
つまり、オレが最初に剣で受け止めたときに、霧が肌に触れていたため、【惨劇の悪夢】を最初に受けていたのだ。
「えっと、んじゃ。夜という少年は実際にいたってことか? じゃあ、千香にくっついてた宝石はどうしたんだ?」
「無理矢理皮膚を剥がして、渡した」
「ちょっ……マジで!?」
「マジよ。この子ったらソラが倒れてからもうそれは大慌てで、皮膚をベリベリ剥がしてくっついた宝石ごと皮膚を夜に渡したのよ」
「渡したら喜んでいたよ」
グロ描写!? てか、夜も夜で喜ぶなよ!
「でもその宝石、夜くんが探していたものじゃなくて砕かれたけど」
「千香の痛い想いが無駄じゃん!」
「ぶっちゃけ、激痛だったけどソラに攻められてると脳内変化から、キモチ良かったぁ……」
「千香さんんんんッ!?」
どんな妄想で乗り越えんてんだよ!?
つーか、返せ。オレの心配!
「あ、それと夜くんがここから去った後、なんか美人のお姉さんがソラくんにって」
まどかが渡してきたのはハガキだった。それを受け取り、見るとこう書かれていた。
『ドッキリ大成功❤ byノエルちゃんより』
「ノエルゥゥゥゥゥ!!」
あの変態の仕業かァァァァァ!
まさか夜を招いたのもヤツか!?
まさかヤツが『抑止の存在』を妨害したのかァァァァァ!!
「いや~、師匠から電話をもらって、まさかソラを嵌めるドッキリとは思いもよらなかったよ~」
「なんで起こしてくれなかったんだよ!」
「だって面白いかったもん!」
……それを聞いて、オレはベッドから降りた。
「あのお姉さまのおかげでうなされているソラくんに萌えたし、あと夢の中をこのモニターで実況中継できたんだよ!」
スポーツバッグに衣服と洗面セットを入れる。
「さすがソラよ。まどかに継ぐ萌えだったわよ♪」
財布をポケットに入れて『神器』を召喚する。
「「「最高のドッキリだったよ!!」」」
「オレ、家出するわ」
濁った目でそう言って『ドコでもドア』に入った。
――――このドッキリのせいでオレはマジで軽い人間不信に陥った
神威ソラは傷心旅行にいきます。
…………あ、なんか知らないけどマミさんと杏子、さやかがついてきたけど、もうどうでもよかった。
(??side)
「いや~、面白かった! さすがナイアちゃん。良い配役呼んでくれた!」
ナイアちゃんとは謎の神秘的悪女な美女である!
ノエルは彼女がどういう人物なのかは知らないが、まあ仲良くできてるから別にいいやと考えている。
――――その人が邪神だと知らずにだが。
「ヌフフフ、ソラのマジモードを久々に見れたし、夢の世界なのに本気になっちゃって……プークスクス」
『やっと見つけました……!』
「ゲッ、抑止さん!?」
『あんな異物をこの世界に入れないでください! とんでもない事態が起きるか否やでこっちは胃が天元突破しそうだったんだよゴルァァァァァ!!』
「ぬきゃあァァァァァ!! 抑止さんが壊れたァァァァァ!?」
ノエルは逃げる。抑止さん(巨人さん)が追いかける。
彼女達の追いかけっこはこれからだ!!(打ち切りエンド?)
(楽屋裏)
はい、というわけで楽屋裏です。今回は全く出てこなかった我らの萌える少女。友江杏子ちゃんがゲストでーす!
杏子「誰が萌えキャラだ! ぶっ飛ばすぞテメー!」
はいはい、落ち着いて。とりあえず質問はある?
杏子「誤魔化しやがって……たくっ。今回のお話はソラは勝てたんじゃねーの?」
……はっきり言いましょう。
勝 て る か ァァァァァ!!
夜くんの設定上勝てねーよソラ! だって相手は神殺しだぜ? ただの英雄が神をぶっ殺したヤツに勝てるかよ!!
杏子「確かに防御力皆無のくせに、無敵モードや時間を止めるとか、ソラは勝てないだろうな……」
『夜』くんの神殺しの経験とソラの戦ってきた多くの戦いでは差は当然の歴然ですからね……。
ちなみにまだ敗因があります。『夜』くんの身体は抑止さんによって、概念と生物の狭間のような存在になっていました。なので、『鍵穴が合わない』という理由で封印も解錠もできませんでした。
杏子「抑止さんのせいかよ!!」
根源的な原因はノエルだけどね!
杏子「うわぁ、確かに……。つーか、オチがドッキリとかでよかったんだけど、ソラが見てきた悪夢ってあり得る話なのか?」
あったからもしれません。もし『夜』くんとガチで殺しあったら、まずソラは死にます。神殺しを経験してないソラが高確率で死にます。
杏子「どんだけ死亡率が高いんだよ……」
まあでもあくまでも初見の確率です。二回目になると彼は早くも順応し、その人物と相性が悪い戦法で攻めていきます。
杏子「ある意味スゲーところだよなそこだけは……」
三回目となるとノエルが出てきて、めちゃくちゃにします!
杏子「なんでそこでノエルが出んの!?」
全てを台無しにするために出てきますからね、彼女。
杏子「千香より質がワリー……」
はい、というわけで裏話は以上です。杏子ちゃん、みなさんに一言。
杏子「え、あ、ちょ……あの、その……」
千香「富竹フラッシュ!!」
杏子「あ、テメッ。何撮ってやがる!」
千香「ヒャッハー! 萌えキャラゲットだぜェェェェェ!」
杏子「待てコラァァァァァ!」
【end】
(解説)
夜: 『転生者だらけの世界にぶち込まれた少年』の主人公。バーサーカーになっていましたが、狂化してなければとてもまともな少年。ただし、知り合いじゃない人には厳しい
宝石: 満月の魂の欠片。夜が誤解したモノ。実はナイアさんの作ったフェイクで、結局千香は無駄に皮膚を剥がしただけに終わった
ドッキリ: バッドエンド――――と見せかけてギャグでした! まあでもあったからもしれない結末をソラは見ていたということです。
神威ソラ: 今回のターゲット。若干、人間不信になってしまった
ナイアちゃん: ノエルの知り合い。乃日夜々太の作品では邪神で黒幕。今回はお茶目に夜くんを騙したぞ☆(←この後、夜くんに半殺しされました byぼけなす)
ノエル: だいたいコイツのせいな台無しの立ち役者。
抑止さん`S: 夜の力を抑えていた。しかしそれが逆効果でソラの神器が効かなかった。