・ノエル様はいた!
・衛VS守護騎士達
(??side)
その日、八神はやては誕生日だった。診察を受けた彼女は帰宅時に、衛と合流した。
衛の手には既に買い物袋があり、そこには誕生日のために買ってきた料理の材料だ。
今日は彼女のために衛が料理をするつもりだ。一人暮らしをしていた彼にはそれくらい造作でもない。
(しかし誕生日プレゼントが我の手料理とは……)
孤独ゆえに求めた温かさなのだろう。と衛は考える。
彼もまた一人ぼっちだったからわかる。誰もいない家に一人でいるということは誰だって人恋しくなる。
(しかしそれだけではつまらぬ。サプライズも用意しておいたしな)
彼女のためのプレゼントを、衛は買っていた。よく女の子が来るというアクセサリーショップに行き、彼ははやてに合うアクセサリーを購入したのだ。
そのとき、店員さんのアドバイスをよく聞いていたが……なぜか、その店員さんはムチとろうそくを勧めてきた。
エメラルドヘアーのその女性店員さんを衛は忘れそうにもない。
閑話休題。
衛の手料理はキノコの和風パスタだった。パスタはあらかじめ作っておき、キノコとぽん酢を使って作った料理だ。
パスタはソラの家で、マミさんと合同で作った代物だ。腰がよく効いており、なかなかのパスタとなった。
とは言え、はやての手料理に比べれば軍配は彼女に上がる。春頃に作ったナポリタンは絶品だったからである。
「ごちそうさん。おいしかったで」
「お褒めに預かり光栄だ。我も作ったかいがあるものだ」
衛はそのまま食器を洗う。はやても参加しようとしてきたが、それを断りリビングて待たせる。それから他愛のない話をして、寝室に向かうとき、衛はハッと気づいた。
プレゼント渡してない……!
まさか会話が楽しそうだったから自分も満足してしまうとは思いもしなかった。
衛ははやてのいる寝室に向かうとそこには扉の隙間から光が射し込んでいた。
「何事だはやて!」
衛は扉を開ける。そこにはインナーの格好した男女がいた。男は犬耳があり、残りは女性二人と幼女だ。しかしその目には戦士と同じモノがあった。
衛がそれを目にしたとき、腕をガードを構えていた。
その瞬間あと、ポニーテールの女性の足が衛の腕に当たる。苦痛に耐えながらも、踏ん張り衛は肉体強化をかけ、失神しているはやての元へ向かう。
が、それは『バインド』により阻止される。身体を拘束され、床にそのまま倒れる。
それでも彼ははやてを護ろうと、身体を動かそうとするも幼女が彼に馬乗りして押さえ込む。
「テメーなにもんだ!!」
「貴様こそ何者だ! 我が愛すべき友に何をしたのだロリ娘!」
「んだと? 誰がロリだオラ!」
「ふん、鏡を見てこい。貴様の姿をロリ以外なんと言う!」
「テメー!!」
……一応、言っておくがシリアスな場面である。しかし中身が次第に子どもの喧嘩になってきた。
それにはさすがの仲間である彼女達もポカーンとあきれていた。そして、
「ギャーギャーうっさいわ! 近所迷惑や!」
はやての弦の一声で二人を静かにするのだった。
――――これが始まり。彼女が物語に関わる……そんな機会。
(ソラside)
やや夕暮れのくもりな天気。
秋の季節から冬の季節に近づいた今日この頃。
空は雲で太陽が隠れり、出てきたりと繰り返す晴れである。
オレは最近買ったコタツの装飾品もとい食料であるミカン箱を買いに行っていた。
やはりジャンケンに弱いなオレ。
「そして世界はモノクロである。いやモノクロじゃなくて若干ピンク? どうしよう、淫乱空間に迷い込んだっぽい」
実況しても状況は変わらなさそうだし、とりあえず歩いてみる。
ふと、背後に気配を感じて振り返る。そこにはポニーテールなお姉さまと赤毛おさげがいた。
「お前には悪いが魔力を奪わさせてもらう」
魔力泥棒ってヤツか? これが最近の犯罪なのか?
まあいい。とりあえず――――――――
「変態がいるー!? 誰か助けてー! ショタを狙う痴女とロリがいるー!」
「誰が痴女だ!」
「誰がロリだとこの野郎!」
憤慨している彼女達。
やっぱり助けは来ないか。近所のおばさま辺りも来ないとか薄情な住居区である。
そういえばこれどっかで見たことあると思えば、もしかして魔女結界みたいなもんか?
とにかく青の国家公務員にスマホ、スマホっと。
ドコォンッ
とっさにさがるといきなり赤毛ロリのハンマーが目の前に下ろされる。危ないなコノヤロー。
「仲間に連絡はとらせねーよ!」
「国家公務員は仲間じゃないよ。ってあぁ! ミカン箱が……」
見事に果汁が散ってペチャンコ。ヤベー置いて回避するじゃなかった。
「何しやがる赤毛ロリ。お前のせいで定価345円のミカン箱が台無しじゃねぇか」
「誰がロリだ! 馬鹿にしてるのかてめぇ!?」
なんかどっかで聞いたことあると思えば、こいつって杏子みたいな口調してるな。
オレはその場を右へ飛ぶ。 さっきいたところにポニーテールなお姉さまが斬りかかる。それをバックステップで躱す。
「バリアジャケットを纏わないのか?」
「何それ? そんな防具服っぽいのあったら戦時中に使いたかったんだけど」
「こいつ管理局じゃないみてーだな」
あんなキチガイ組織と同じにされるとは侵害な。
とりあえず味方を呼ぶために、召喚術発動!
地へ手で触れると、魔法陣が地面から浮かび上がる。
「転移魔法!? いや……違う!」
「見たことねー魔法陣だな」
彼女達はオレの『召喚術』に驚いている。見たことないってことはオレと同じ『神器使い』ってわけではなさそうだ。
「これは『召喚術』。異世界の住人や『神器』を魔力の塊で具現化させる魔法さ。まあ、ここの住人を召喚するから転移になるけど」
「馬鹿な……シャマルの結界をも無視する転移魔法だと!?」
おー出てくる出てくる。魔法陣から現れたのは――――――――
「ハァーイ♪ 正義の変態 千香ちゃん召喚! 月に変わって、お仕置きよん!!」
「なんでお前だァァァァァ!」
「イナバ!?」
思わず召喚されたお面つけた変態にドロップキックをくらわした。
ゴロゴロ転がってそれから立ち上がり復活。チッ、まだ動けるか!
「杏子かマミさん辺りの武道派ベテラン組を呼んだつもりなのになんでお前だよ!? 盾専門はお呼びじゃねぇよ!」
「ふっふっふっ、ソラの近くにロリと巨乳の反応を感じたから変わってもらったんだよ!」
「どんな索的能力だよ!? チェンジだ!」
「断る! 現にたわわに実ったお姉さまと着せ替え人形にしたいロリっ子が目の前にいるじゃない! 揉んで、いじって、写真撮るまでボクは帰らない!」
「敵だぞこいつら!?」
「敵だろうと味方だろうとセクハラする――それが千香ちゃんクオリティ!!」
「帰れ変態! そして色んな意味で帰ってこい過去の千香!」
どや顔するこいつに頬をぶっ叩く。すると、とてもうれしそうに悦んだ。
元々クールで人形みたい少女だったのに、師が師だったので今の変態ドM少女になってしまった。
頼む……あのときの千香、帰ってきて、ホント。
「てめぇら、アタシ達を無視してるんじゃねぇよ!!」
「うっせぇロリ! 今この変態に説教してるんだ。しばらく黙ってろ!」
「むしろ説教という名のお仕置きをお願い! 調教バッチこい!」
「シリアス展開のときは自重しろ変態!」
「うがァァァァァ! 無視してんじゃねェェェェェ!」
赤毛ロリがハンマーから薬莢を射出させる。
すると、ハンマーが変形させ、ロケットの噴出のような勢いでオレ達に向けて降り下ろした。
「『ラケーテン・ハンマァァァァァ』!」
ドゴォンと何かとぶつかり、砂煙が舞う。赤毛ロリは直撃した手応えありとニヤリと笑っていた。
――――だが残念。物理と魔法は千香の前では無意味である。
「な、なんだこの防壁!? アタシのラケーテン・ハンマーを防いだ!?」
「この程度の衝撃で壊せるほどボクの神器は弱くないよー♪ ね? ソラ」
「まあな」
千香が神器で創ったシールドで防いだ直後。オレは赤毛ロリの背後にいたポニーテールの女性に斬りかかる。
「くっ!」
「おら、よっと」
「っ!」
剣で防いだ彼女を飛ばしてオレはもう一度召喚術を使う。
「させん!」
女性はオレの召喚術を妨害しようと接近してきた。さすがに止めに来るか。
かと言ってオレは止めない。なぜなら、あいつがいるから。
「なっ!? ヴィータの攻撃を防いだ防壁か!」
ポニーテールの女性を球体の防壁にがその進行を阻んだ。
ご名答。千香の神器は何も攻撃を防ぐためのものではない。
それが『守護神の壁』の応用した使い方である。
再び地面から魔法陣が展開される。喚ぶのはオレが知る最高の剣士。騎士には剣士ってな。
「つーわけで来い――最高の剣士様!」
魔法陣から現れたのは青い短髪。いつも家で着ているラフな冬の服装をした少女。
そんな最高の剣士様は――――
「モシャモシャ」
オレのうめぇー棒食ってた。
「ってそれオレが買ったコーンポタージュ!?」
「あ、ソラ。やっほー」
「やっほー…………じゃねぇよ! なに人のお菓子食ってんだよ! それ、杏子に見つからないように隠したヤツじゃね!?」
「いやーお腹空いちゃって、ついね。あとで買ってあげるから」
「それ昨日までの期間限定だからもう売ってない!」
「え、そなの? んじゃ、あたしと一緒にお風呂入る許可を与えよう。さやかお姉さまがゴシゴシしてあげる♪」
「いらねぇよ! マミさんかお前は!」
あの人もあの人でナチュラルに入ってくる。
いくらみんなのお姉ちゃんだからって異性と一緒に入っちゃいけません!
男の子だって恥ずかしいです!
「見るからに失敗したようだな」
「ゲッ、関羽」
「誰が関羽だ。私の名はシグナムだ」
「シグナル?」
「違うってジニナルよ」
「オイこら貴様ら。なに勝手に名前を改変しとる。そして青髪少女、貴様のそれは許せん。ぶった斬る」
解放されたポニーテールの女性は青筋を浮かべながらさやかを見据える。
逆鱗に触れたなさやか。
ま、どのみち戦うことは避けられないし、別に問題ないか。
「さやか、頼むな。オレこういう騎士っぽいのあんま相手したくない」
「苦手なの? ソラにも苦手相手いるんだね」
「昔、悪逆非道って言われるくらいのイタズラしてやって追いかけられたトラウマある」
「あんた何したのよホント!?」
若さ故の過ちというヤツさ。
まあなんにせよ…………オレは『神器』を召喚し、赤毛ロリと相対する。
さあ、始めようか。
「充分生きただろう? 満足しただろう? なら安心してとっと死ね」
「上等だ返り討ちしてやる!」
『神器』とハンマーがぶつかる。サポートは任せたぞ千香。
「ごめーん、なんか結界張った人見っけたから――――潰してくるよ」
と久しぶりに冷えた一言を吐いて、戦いの地に向かう。
やれやれ、仕方ない。あまり一人で戦いたくないが、やるしかない。
――――こうして、それぞれの信念と思惑がぶつかり合った戦いが始まる。まあ、なんにせよ。
「とっと終わらせてミカン箱を弁償させる」
エメラルドヘアーの女店員: ノエル様?
守護騎士: 原作通り。変態化するのは今後のお話ししだい
ジニナル: 絶対にシグナムに言ってはいけない。漢字表記したらわかるから
ミカン箱: 和歌山県産。コタツの相棒
騎士さん: かつて味方だった女性。前世の戦時中。ソラが正々堂々戦わず、叩きのめしたため目をつけた女性。堅物で真面目な彼女は夕陽が落ちるまでソラを追いかけた武勇伝がある。なお、ソラがした卑怯な手段とは、スリーサイズや趣味の暴露、また落とし穴など勝てばよかろうなのだという手段である。お望みあれば出しますが、どうしましょう?