とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

4 / 122
(変更点)
・まどか、盗撮。ソラのメンタルにダメージ
・ガールズラブなまどかとほむら(ディープキスまで三秒前)
・相変わらずのソラクオリティ



第三話 転校生が自分達と何か違うのは世の常

 

 

 久しぶりの戦友達の再会。オレの寂しい孤独が今日をもってさよならした。

 オレの戦友である三人の少女達が転生してきたのはオレに会うためであるらしい。女神の計らいでオレが孤独のあまり死んでしまわないようにという考えらしいが、余計なお世話だ。

 

「ソラくんの様子を二十二時間体制で見ていたよ。寂しそうにしてたよね」

「マジでか。……ちょっと待て。オレのことを二十二時間監視していたのか?」

「ソラくんはまず腕から洗うんだね♪」

「人のプライベートを除いてるんじゃねぇよ!」

「ちなみに残り二時間はベッドで『お祈り』していました!」

「カミングアウトするなよ!」

 

 再会したまどかは頭もピンクになっていた。どうも『円環の理』の中に余分なまどか――『変態化』と『腹黒い』まどかも混ざっていたのだ。死後、彼女達は統合したことにより、誕生したのが淫乱腹黒まどかちゃんである。

 神様、てめぇどんだけオレが嫌いんだよ……。

 

「その下級神なら『抑止の存在』に消されたわよ」

「マジでか。神は死んだのか」

「本来ならあなたは天命で死を迎え、魂を浄化してから生まれ変わる段階まで事を運んでいたらしいわ。だけど、それをあの老害が勝手に転生させて……………………やっぱ脳髄だけ残してホルマリン漬けにするべきよ」

「やめて。それはいろんな意味でトラウマを起こす光景だから」

 

 思い出すのは破天荒なストーリー展開する野球ゲームとタケルちゃんがループする物語である。衛にやらされたが、あれはトラウマゲームだと思うわ。

 つーか、脳髄エンドはえげつなさ過ぎる……!

 

「ちなみに私達はもう魔法少女じゃないわ。代わりに得たのが神器よ」

「いや大丈夫かよ。お前容姿が小学三年生じゃん。重火器を撃つどころか持てるのかよ」

「魔法少女だったときのスペックしてもらったから持つことや発砲に起きる反動も耐えられるわよ。それにあなたと同じように神器を特典してもらったわ」

 

 ふふんと胸を張るまどか。いや普通ほむらじゃね?

 別に気にしないけどさ。

 

「この世界がどういうところなのかわかるか?」

「ええ。このリリカルなのはの世界は次元世界というふうに多次元に世界が分かれているのよ。私達がいるここは管理局という傍若無人な組織に目をつけられていない管理外世界。逆に目をつけられている世界は管理世界ね。そして、発展した技術によって滅んだか、はたまた他の理由で滅んだ無人世界。要する世界が星のように分かれていると考えればいいわ」

 

 なるほど。宇宙世紀みたいだな。そのうちモビルスーツで戦いそうなノリだな。

 でも異世界があるのか気になった。オレがかつて数々の世界を渡ってきたのはほとんどが異世界で、残りは平行世界だ。

 オレがほむらに聞くと、彼女は答えた。

 

「あなたが異世界と呼んでいる並行世界や幻獣界はもしかするとあるかもしれないわ。詳しく知りたいなら実験すればいいわ。失敗したら女神に連絡して聞けばいいし」

「連絡できるの?」

「187と電話番号を押せば出てくるわ」

「なんかヤな電話番号だな」

 

 でもまあこれで異世界があるとわかった。また冒険しようと思えばできると思うとワクワクするのはオレが数々の世界を旅してきた楽しみが身体に染みているからだ。

 

「でもこれで冒険ができるんだな。やったね、また冒険できるよ!」

「…………異世界にいくことは管理局の技術じゃ到底無理なことだから、あなたはきっと目をつけられるわね」

「ゲッ、お前からあの傍若無人とか言われてたその組織に?」

「馬車馬のように働かせるに違いないわね。もしくは侵略という形で使われる道具とか」

「おいおい……ぜってーヤだなぁ」

「そうならないように私達がいるのよ」

 

 そう言って光と共にほむらの一枚のカードが左腕に現れ、服装も魔法少女の衣装に変わる。バックラーではなくなってるのは意外だった。

 

「『時を駆けるカード』。時間操作を可能にする神器よ。まぁ、時間遡行はできなくなったけど」

 

 肩をすくめながらほむらはそう告げた。要するに遡行以外の能力が継承されているようだ。

 オレは首を傾げながら、次の疑問を口に出した。

 

「まどかはどんな神器なんだ?」

「そうね。『慈愛の弓兵』という神器を持ってるわ。別名デストロイアーチャー」

「ちょい待ち。なんで慈愛なのにデストロイという物騒な文字が出てくるんだよ」

「あなたも覚えてるでしょ? 救済の魔女を倒したまどかの魔法。あれが神器となったことを想像して」

「……なるほど、確かにデストロイの次にオーバーキルが付きそうだわ……あれ」

 

 少し背筋が凍った。あれで生きていたら最早怪物どころの問題じゃなかったりする。

 核兵器レベルの攻撃に耐えられる知的生物なんて見たことない。

 

「この調子だとマミさん達も来るのかな」

「来るわよ。でもなかなか神器に慣れなくて試行錯誤してるわ」

「ま、なんにせよ。また会えるってことだろ。オレはうれしいな」

「…………ほむぅ」

 

 ほむらはおもしろくなさそう表情になる。オレの手の甲をつねる。

 

「イテッ。な、なんだよ」

「別に、なんでもないわ」

「だからつねるなよ。痛いって」

「…………じゃあ、私の言うことを聞いてくれたらやめてあげるわ」

「はいはい。わかったわかった。んでお願いってなんだ?」

「……ギュッと手を握りなさいよ」

 

 嘆息を吐きながら甘えてくるほむらの言うこと聞いてあげた。表情も鉄仮面から少女らしい微笑に変わる。それをかわいいなと思った。

 

 そんなときまどかがガーンとした表情で言った。

 

「ほむらちゃんにヒロインの座を奪われた! どうしよ千香ちゃん!」

「そういうときはソラにラッキースケベを起こせばいいんだよ。……待てよ? そんなことせずとも押し倒せばよくね? まどかちゃん、今度一緒にソラを襲おうよ!」

「うん!」

「目の前で夜這い計画暴露すんな!」

 

 元魔法少女の神様と『混沌を継ぐ者』はとんでもないこと考えてたよ!

 その夜、オレはたくさんのトラップを仕掛けて寝たのだが、朝目覚めると満身創痍でやり遂げた顔をした千香が隣にいた……。せめて一緒に寝ようと思ってベッド寝たのだろう。

 

 貞操は無事だったと追記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、学校に行くと転校生の噂ばかりだった。

 

 曰く、美少女らしい。

 曰く、凛々しいらしい。

 曰く、変態がいるらしい。

 

 ……明らかに最後のはおかしいが、まあなんにせよ転校生が来るのはわかった。オレにとってはどうでもいいけど。

 

 担任の教師が黒板に転校生達の名前を書いていた。どうやら今日転校という形で学校に入る小学生はこのクラスに入るらしいが、オレは別にどうでもよかった。

 

 昨日、再会した彼女達はオレの居候することになっていた。戸籍とお金があるが、寝床はないらしいから仕方なくだ。

 

 仕方なくだぞ? ここ重要。

 

 まぁ、なんにせよ。

 

 彼女達もまた学校に転校という形で行くことになっている。どこか知らないが、元気でスクールライフをしているだろう。

 

「はい、今日は転校生が三人います」

「先生ー、女の子ですか?」

「はい。とびっきり綺麗な女の子ととびっきりかわいい女の子が来ます。…………最後の一人は美少女だけどとびっきり変ですが」

 

 オイ聞き捨てならないこと言ったぞ今。まぁ、美少女に反応する男子達を尻目にオレは寝たふりをする。

 

「では転校生のほむらちゃん、まどかちゃん、千香ちゃんです」

「朱美ほむらです」

「朱美まどかです」

「天ヶ瀬千香だよん」

 

 ……………………マジで?

 つーか、学校ってここかよ。

 

「まずこの私、朱美ほむらから自己紹介をするわ」

 

 そう言いながらほむらは壇上に立つ。堂々とし、髪を手でかき上げるのはいつもの癖だ。

 

 おぉ、なんかすんごい自信。しっかりしてるなぁ。

 

「諸君、あなた達は妹をどう思う?」

 

 訂正。しっかりしてない!

 

 暴走してた。キリッとした顔で彼女は続ける。

 

「かわいい美人清楚という様々な容姿がありツンデレ、クーデレ、アマデレというスタンスを持ち、なおかつ年下または同い年というところがすばらしい。私の妹はかわいい。愛らしい。すばらしい。手を出すものに地獄をみせたい。そう、妹とは萌えの至高の地位!! だから宣言しよう。妹とは女神に等しい存在であるとッ!」

「いい加減にしろお前! 転校初日になに言ってんの!?」

 

 さすがにツッコむわ! 誰か止めろよこの演説!

 

 するとほむらは髪を流しながら、オレに向けて言葉を出す。

 

「あら、あなたはうちのペットのソラじゃない。こんなとこにいたのね。女王である私のお仕置きが必要ね」

「いつからお前のペットになった!? つーか何様だお前!」

「そう私の名前は朱美ほむら」

「なんか始まった……!」

「団体戦のテレビゲームはいつも一人だった美少女よ……」

「まさかのボッチだった宣言!?」

 

 予想外デス。いろんな意味で。というか病院時代の話じゃねぇだろうな?

 それが本当だったらメガネほむらことメガほむが哀れに思えてきた。

 

「次は私の至高の妹、朱美まどかの紹介よ」

「朱美まどかです。ほむらちゃんは普段こうおかしい人ですが、根は優しい双子の姉なので、妹共々よろしくお願いします」

 

 さりげなく罵倒したよなこいつ。オイほむら。なに悶えてるんだよお前。「かわいいよ、かわいいわまどか…………ハァハァ」って。

 

 ヤベぇ、そろそろこいつ危ないな。主にまどか…………いや、むしろバッチこいとか言いそうだわ。

 再会して淫乱腹黒になってたんだわ。

 

「趣味はイスを集めることです」

 

 前世からそうらしいが、どんな趣味だよ。集めるとなんか出るのかよ。

 

「それとここにいる銀髪青目なソラくんに言いたいことがあります」

 

 はい、指名されました。てか、特徴的確に言われる指名なんて初体験だよ。

 なんだよ、と聞くとまどかは妖艶な微笑みを浮かべ、

 

「私のイスになってください!」

「なに自信満々に言ってんだお前! なんでお前のイスにならなきゃならん。そんなもん他にやらせとけ!」

「えー? せっかく渾身の求婚だったのに……」

「どんなプロポーズ!?」

「まどかは渡さないわ。欲しければ、この私を倒しなさい! そして奴隷になりなさい、歓迎するわ!」

「オィィィィィ!? なんでお前が出てくんだよ! つーかお前もかい!!」

 

奴隷とかイスとかになれって最早こいつらドS姉妹だよ。しかも百合百合な。

 ほら見ろよ、今でもなんか二人だけの世界に入ってる。

 

「うれしいなほむらちゃん……。そんなに私のこと想ってるなんて」

「ま、まどか。駄目よ。みんなの前で……そんな」

「ティヒヒヒ、見せつけちゃおうよみんなに。私達姉妹の愛を」

「まどか……」

「ほむらちゃん……」

 

 そうして二人の唇が重なろうと、って!

 

「余所でやれぇぇぇぇぇ!」

「えぇー……」

「ソラ、今こそなのよ? 今だからこそ私達の愛が証明されるのよ?」

「いや証明しなくていいから! てか、こいつらまだ小三だし、ガールズラブはまだ早い世界だからね!?」

「「チッ」」

「舌打ちするな! オレが言ってるのは常識だから!」

 

 そのとき脳内で「お前が言うな非常識代表」と聞こえたが気にしない。目の前で女の子同士のディープキスとかされて、他が真似したらどうするつもりですか!

 いけませんよオレの目の黒いうちは! 青いけど。

 

「最後はボクだね!」

「しまった。こいつがいた……!」

 

 そうこいつがまだ残っていた。まどかとほむらだけでこんなにツッコんでるのに……。

 

 オレは思わず手を覆う。

 先程の百合姉妹のボケの応酬ばかりだったが、こいつは違う。

 

 こいつは一言で表すと変態だ。

 

 いや、ただの変態ではない。とびっきりのだ。

 口に出すものは小学生にはoutなものばかりだ。

 

「天ヶ瀬千香です。趣味は盗撮、ストーカー、下着ドロなどを実行する人の下着を警察官に渡すことです」

(((どんな趣味!?)))

 

 なんかクラスの心が一つになった気がした。ちなみに今のは千香のボケだから。

 

「それとボクもソラくんに言いたいことがあります」

 

 こいつもプロポーズか? なんでオレはこんなおかしなヤツらに好かれるんだ?

 

 元々はまともなかわいい女の子だったのに……。

 

「まともなこと言えよ?」

「大丈夫大丈夫。二人と違って普通だから」

 

深呼吸してヤツは言った。

 

「ソラ…………ボクのダッチわい――――げぶっ」

「言わせねぇよ!」

 

 オレは変態に腹部にドロップキックを決めた。

 暴力? ツッコミは暴力ではない。

 

「ふぅ、これで美少女三人はクラスに溶け込めそうね」

「いや溶け込めねぇだろこれ! 姉妹は未だに抱き合って百合空間だし、そこに倒れてる変態は息を荒くして興奮仕出してるし、というかこれぜってぇ馴染めないだろ!」

「大丈夫。全て神威くんに押し付けるから」

「お前ホントここの教師!?」

 

 生徒に全て押し付けるなよ!

 

「あ、ぶっちゃけ私、今日で寿退社します。妊娠三ヶ月のデキ婚で。彼氏を襲ったらできちゃった☆」

「なにすんごいことカミングアウトしてんのあんた!?」

 

 教頭のヅラをあまおんで売ったという、伝説を残したアグレシッブな教師かと思えば、ここまでとは!

 ていうか、ここで言うことかそれ!?

 

「変わりの先生が今日来ているのでその人と仲良くしてねー! …………そのうち生徒に手を出しそうだけど」ボソッ

「ちょっと待てェェェェェ! なんかマズイこと言ったよな今!? 生徒に手を出すロリコンを担任にしたのかこの学校は!?」

「んじゃ、シーユー!! じゃあな、また会おうぜ…………みんな!!」

「オィィィィィ、なに爽やか系主人公っぽいこと言ってんだお前!! 逃げるなゴルァァァァァ!」

 

 あんのバカ教師走り去りやがった!

 カオスな現場をそのままにして!

 

 廊下に出たときもう遥か彼方!? どんだけ早いのあの人!?

 

 オレは教室に戻り、今のクラスを見る。

 百合空間でチュッチュッする朱美姉妹。

 興奮しながら壇上に立ち、変態とは何かと演説する千香。

 そしてそれをやめさせようと、バーニングとつきむーらとタカモチ……だっけ? 忘れた。

 

 うん、カオスだ。混沌だ。お祭り騒ぎだ。オレは席に座り、腕を枕にしてうつ伏せに寝た。

 ある意味悪夢なこれが覚めることを信じて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは…………今日このクラスの担任になる早乙女和子です…………。あぁ…………なんでフラれたの…………」

 

 ………ほむらとまどかにとって見覚えのある担任だったようだ。だって百合空間にいたこいつらが目を丸くして彼女を見ているもん。

 

 ちなみに彼女がフラれた理由は目玉焼きの焼き具合の喧嘩である。

 

 うん………………妥協を覚えようよ。

 




『時を駆けるカード』:バックラーがカードとなったほむらの神器。性能は魔法少女の頃から変わらないし、このカードがバックラーに変換できるという。左の甲に付いてる

『慈愛の弓』:まどかの神器。威力は核弾頭十発クラス。なので手を抜かないと自分諸とも滅びちゃう危険兵器(--;)

『じゃあな、みんな……また会おうぜ!』:実はこのセリフもネタ。元ネタは『恋姫無双』の萌将伝から。主人公、北郷一刀の最後のこの一言に作者的にはグッときた。台無しになったけどね!

元担任:ソラのクラスの元担任。教頭のヅラをネットショップに売った武勇伝を持つ。なお、裏話で教頭のセクハラの報復だったとかそうじゃないとか……

あまおん:ネットショップ。中古から新品まで売ってます

早乙女和子:ヒス子。理想の男性が高いため嫁ぎ遅れている。理想を抱いて溺死しろと言ったら、追いかけてくるので要注意

ダッチわ――:世の中知らないことがいいよ……

『妹演説』:ほむらの演説。シスコン達よ……今こそ集まれ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。