とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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(変更点)

・まさかの展開……
・彼を怒らせてはならない……
・注意:胸糞展開があります……


第三十九話 ■■の物語

 

 

 エピローグ的な話を話せば、ロッテとアリアに指示を出していたお父様ことグレアムというオッサンが違法のためクロノ少年に捕まった。

 捕まったとき、猫姉妹の画像を見てしまい呆然喪失だったみたい。何を見たんだいったい……。

 

 まあ、彼自身も後悔していたらしく、管理局を辞めることにしたらしい。

 

 いや、あんたの辞職程度で八神家は治まると思わないと思うなぁ。

 家主の八神はやてを除いてだが。

 

 それにしてもオリ主くんの殺人未遂も許されるとは思わなかった。

 普通は少年院行きだが、管理局では魔力量が高くなおかつ優秀な人材という理由のため、無罪放免にしたらしい。

 

 まどか達が憤慨したのは言うまでもない。千香がテロリズムを起こそうとしたことを止めたのはホント大変だった。

 なので、ヤツの机にSM本とムチを仕込んでやった。始業式早々、変態として見られてろという嫌がらせである。

 

 高町達もオリ主くんの信念に少し疑問を持ち始めた。今さらだし、ホントどうでもよかったけど。

 

 そして、オレ達に重大な選択が残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雪景色が広がる世界にて、オレ達『神器使い』とクロノ少年を含めた高町達魔導士組。

 そして八神を除いた守護騎士達が、人の気配がない森にいた。

 

 どうやら闇の書の防衛プログラムという八神を苦しめる元凶がリインフォースにまだ生きており、それは取り除くことができないくらい深いところにリンクしているらしい。

 

 結果、リインフォースは闇の書もろとも消えないといけないらしい。

 

 守護騎士達もそうなるのかと彼女達自身が聞いてきたが、どうやら闇の書から切り離して独立させたらしい。

 

 「衛はどうしたのだ?」とオレはリインフォースに聞いてみた。さっきから見当たらないが……。

 

「眠っている主のところに置いてきた。彼には既に言っている。筋肉の演説ができなくて残念だとか言っていたがな……」

「それは聞かなくて正解だと思うぞ」

 

 オレはやれやれと白い嘆息を吐きながら呆れる。

 あいつの筋肉至上主義はたぶん永遠に変わらないだろう。

 

 でも意外な話、あいつは変態という仮面を被った普通の少年だったということだ。

 

 変態=最強という自己催眠してチキンハートを無くすとはなかなかである。

 

「お前には感謝している。主を救ってくれてありがとう」

「救ったのは衛さ。あいつがいなきゃ、ホントにバッドエンドになってたよ」

「だが、きっかけを与えてくれたのはお前だ。……ありがとう」

 

 頭を下げるリインフォースに照れくさくなってオレはそっぽを向いた。

 美人に感謝されたんだ。仕方ないだろ。オレだってこんな人に感謝されたら照れくさくなるって。

 

 それに……また感謝されたな。

 

 プレシアさん以来だな。

 

「そういえば、プレシアさんのお墓ってどこか聞いたのか?」

「……ある次元世界に移したって今日アリシアからラインが届いた」

 

 フェイトは答える。……ライン知ってるのかよプレシアさんの娘(故人)。死んでから何十年も経ってるのに。

 どうでもいいけど。

 

 目を瞑り、今ここにいない姉を想うフェイト。

 また会えるということを願っているのだろう。

 

「それにして、ソラくんが照れるなんてねー♪」

「……うっせぇ。ほっとけ」

「あら、そんなこと言うソラにはお仕置きではなく、誉め殺しという罰を与えるわ。光栄に思いなさい」

 

 勘弁してくださいほむら様。もう羞恥心で死にそうです。

 

 オレは土下座してほむらの罰を勘弁するようにお願いした。

 ……みんなに笑われたことがかなり恥ずかしいです先生。

 

「お前にそんな顔があるとは意外だな」

「笑うな! たくっ……。これから自分が逝くっていうのに何のんきに言ってやがる」

「そうだな。最期におもしろいものも見せてもらった。もう……悔いはない」

 

 リインフォースはそう言って高町とフェイトにお願いする。

 そろそろか。リインフォースが消えるときが。

 そして――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ってや!」

 

――――衛に車イスを押されたはやてが来るときが。

 

 甘いなリインフォース。お前の主は厄介なほどの優しいヤツだ。

 

「あ、主!?」

 

 はやては一刻も早くとばかりに前へ前へ行きすぎて遂に前のりに倒れてしまった。

 まだ立てない彼女はそれでもリインフォースに近づこうとする。

 リインフォースはそんなはやてに近づき、身体を支える。

 

「自分が消えるとか言わんといて! アンタは私の大切な家族なんやで!?」

「主、しかし……」

「なんも言わんといて! 消えることは許さないで! ずっといるんや! これからも、いつまでもや!」

 

 年相応なワガママなお願いだ。

 

 だが、現実は変わらない。リインフォースは消えない限り防衛プログラムは復活はする。そうすればまたはやてを苦しめる。

 

 だからこそ、彼女の意思は堅い。

 

「主、ワガママを言ってはいけません。私はこれ以上あなたに迷惑かけたくありません」

「迷惑やない! 迷惑なんか……!」

「わかってください。私も、私も生きたいです……?こんな優しい人に出会ったのにお別れしたくありません……!」

 

 でも、とリインフォースは続ける。

 

「運命は変えられません。私はいなくならなければなりません」

「リイン……フォース……」

「私は世界で一番幸せな魔導書です……。ありがとうございました……私の優しい主様…………」

 

 そう言ってリインフォースははやてを衛に任せてそこから離れた。

 

 彼女は覚悟を決めた。高町とフェイトはそれに答えなければならない。

 

「しっかし、最後の最後で彼女の本音が聞けたなぁ」

「うんうん、感動的だね~。千香ちゃんちょっと感動しちゃった」

 

 でもな、リインフォース。お前は唯一誤算を犯した。

どんな誤算かって?

 

「んじゃ、やりますか」

「がんばってねー。全てを台無しにするのが変態の役目ですから♪」

「オレは変態じゃねぇから」

 

 オレは神器を召喚し、高町達が魔法を放つ前に――――背後からリインフォースを刺した。

 

 『神器使い』達は嘆息を漏らし、それ意外はオレの凶行に驚愕していた。

 

「その呪縛……解錠してやるよ!」

 

 オレは神器を回すとリインフォースの身体から何かが開いた音が鳴る。

 

 すると、リインフォースの身体は光出し、タイツ姿から真っ裸になった。

 オレは『神器』を抜き、そのまま苦しそうに浮いている闇の書に向けて斬りかかる。

 

「この女を道連れにすることはオレが許さん。だから安心してとっと死ね、害悪」

 

 オレは闇の書を真っ二つに切り裂いた。そして、とどめとばかりにまどかが弓矢を放って闇の書は欠片を残して消滅した。

 

 ナイス、まどか。残り物を殲滅してくれて助かった。

 

「な、何が起きたのだ? 私に……」

「バグに侵された管制人格からお前を『解放』した。プログラムだったから簡単にできたよ」

 

 要するに融合機能を失った魔力があるプログラムである。シグナム達と同じ存在と考えてもいい。

 

 そのことを八神達に説明した。

 

「それじゃあリインフォースは……」

「死なないよ。ほら、何か一言言ってやれ」

 

 オレの言葉と同時にはやては衛の腕から飛び出して、リインフォースに飛び込んだ。

 

 感動のあまり涙まで出す始末だ。

 

「我が友よ、ありがとう……」

「感謝する必要はないだろ? だってあいつは言ったじゃねぇか」

 

 

 

――――――――『生きたいです。別れたくないです』ってね。

 

 それにな、リインフォース。

 

 運命は変えられないかもしれないけど、その果てにある『結果』は変わるもんだぜ?

 

 オレは不敵に笑いながらそう思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが、そんな、幸せ。この俺様が破壊してやろう」

 

 和やかな雰囲気が、その声により緊迫へと変えた。

 リインフォースははやてを突き飛ばす。そして彼女の胸から――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――剣が生えていた。ポタポタと血が垂れ落ち雪を真っ赤に染めていく……。

 

 リインフォースの口から血が吐き出され、前から倒れる。はやては彼女の思い身体を支えようとするが踏ん張れず、一緒に倒れた。

 

「ご、無事……ですか。主……」

「リインフォース! リインフォース!?」

 

 途切れ途切れで弱々しいリインフォースははやてが無事か聞いていた。はやては無事だ。彼女は血に染まっているが、それはリインフォースの血だった。

 剣は消えていき、傷口から血が出ていく。シャマルさんが治療しようと彼女に近づくが、リインフォースは手で静止した。

 

「いい……もう、私は……ゴフッ」

「なんでなん……。なんでこんなことに……!」

 

 はやては泣いていた。もうリインフォースは助からない。それがわかっているから、悔しくて悔しくてたまらないのだろう。

 

 するとリインフォースは言う。

 

「主……泣かないで、ください。私は……最期の最後で、呪縛から解放、されました……。私にとって闇の書は……鉄格子だった……から」

「リインフォースぅ……死なんといてぇ……」

「私は、死にま、せん……。大丈夫。私はずっと……――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ずっとあなたの心の中に、生き続けます。だからリインフォースを忘れないでください………………――――――――」

 

 それを最後にリインフォースは光の粒子となって、十字架のアクセサリーとなった。

 はやては雄叫びをあげるように天に向かって泣いていた。

 

 高町も、フェイトも、そして守護騎士や衛も。

 唯一泣いていないのはまどか達だ。しかし、その手には既に『神器』が握られており、最初に杏子がリインフォースを殺した男を睨み付ける。

 

「テメー……自分が何をしたのかわかってるのか? あぁん?」

「ふん、道具ごときに一々泣けるなんてな。くだらない」

 

 リインフォースを刺し殺した男――神条シンヤは侮蔑した眼差しでまどか達を見ていた。

 この男――原作キャラとかに執心じゃなかったのか?

 

「なんで、なんでリインフォースを!!」

「茶番に付き合えないからだ。何よりあの女との契約で、ヤツの言う通りにしなければならなかったのでな。まあ、これで俺様も自由に力が使えるというわけだ」

 

 神条は幾何学な模様を描き始める。その模様は空気中に漂っており、それが完成したとき、光始めた。

 

「リインフォースに会いたいのか? 会わせてやるよ」

 

 光からリインフォースが現れる。その顔は能面で、瞳は生きてるという感じはしなかった。

 

「貴様、何をした!!」

「天道か。随分と筋肉達磨となったものだ」

「答えろ!」

「見ての通りだ。――リインフォースというプログラムをサルベージして修復しただけだ」

 

 なるほど。リインフォースは確かに空気中に漂う魔力の粒子となった。それをサルベージして修復したということはわかるが、それができるほどの力と知識が必要とわけだ。

 衛はオレと同じように思ったのか神条に聞いた。

 

「貴様にそんなことが……」

「できる。この俺様の『答えを出す者(アンサー・トーカー)』があればな!」

 

 そう言うと、神条の瞳が斑模様となる。『答えを出す者(アンサー・トーカー)』を文字にすれば、おそらく能力は答えを出す力だろう。

 『神器』ではなく超能力という部類の力か。なんつーチートを得ているんだよ、あいつは。

 

「リインフォース! リインフォース!」

「ム・ダ。既にリインフォースは我が手中にある。そうだな――――よし、まずはリインフォース。八神はやてをこちらに連れてこい」

 

 「はい」と答えたリインフォースははやての背後に転移し、そして彼女を抱えて戻ってきた。

 

「離して! 離してや!」

「なんとかわいそうに。はやて、お前は天道に洗脳された。そうに違いない」

「そんなわけある――――」

 

 はやてが神条の目を見た刹那、彼女の目が虚ろになる。

 

「天道に洗脳されただろ?」

「はい。神条様のおかげて目が覚ましました」

「はやて!?」

 

 目の前で洗脳されたはやてに衛はショックを受けていた。そして神条はニヤリと笑って言う。

 

「ほら、お前こそ悪なんだよ天道。まどか達やなのは達も安心しろ。お前達を神威と天宮から救ってやる」

 

 まどか達はゾッと寒気にやられて震える。気持ち悪いから無理もないな。

 はぁ、はやてが洗脳され、リインフォースが操り人形にされ、もう最悪だな。うん。

 

 神条はオレの姿がないことにやっと気づいてキョロキョロしだした。

 

「ん? 神威はどこだ? まさか逃げたのか? だとしたら滑稽だな」

「我が友は逃げておらぬ!」

「じゃあどこにいる? 所詮は腰抜けのモブごときが俺様に敵うはずがないだろ。ふははははははは!!」

 

 高笑いし出した神条。その後ろには――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――修羅のごとく、キレたオレが『神器』を大振りしていた。

 

「ッ!?」

 

 やっと気づいたのか、ヤツはその場から飛んで逃げる。オレはそのまま、はやてを斬り、『正常』にする。そして、はやてを奪ってリインフォースを蹴り飛ばした。

 

「チッ、不意打ちするなんて!」

「……衛。任せた」

 

 オレははやてを衛に預けると衛はギョッとした顔になる。

 そうか……衛は初めて見るんだよな。オレはそれからヤツを見据える。

 ヤツはニヤニヤしながら、オレに対して嘲笑する。

 

「ふん、まぐれ当たりにいい気になるな。この『答えたを出す者(アンサー・トーカー)』があればお前なんぞ」

「じゃあ、出してみろ――――オレを殺せる答えを」

 

 地を蹴り、ヤツに斬りかかる。リインフォースがヤツの盾になるが、オレの最初の狙いは彼女だった。

 それを知っていたかのように、彼女を転移させようとした――――が、それを経験から推測したオレは足場を作って、足に力を込めて跳ぶ。

 

 目の前に現れたリインフォースを叩き斬り、彼女は今度こそ消えてなくなった。また足場を作って、オレは辺りを見回すと神条はいなかった。

 

「下だ! 馬鹿め!」

 

 下からアッパーするように黄金に輝く剣で斬りかかる。しかし、それを回避してオレはヤツの足を掴み、思いきり地へ叩きつける。

 地にクレーターができ、血を吐く神条へ『神器』をさしこもうとしたが回避された。

 

 神条は魔力弾を打ち込むが、身体を捻らせ、回って躱しながらオレはヤツの顔面殴り、そしてヤクザキックで飛ばす。足を滑走させ、ヤツはなぜと言った表情をしていた。

 

「なんで……なんで『答えを出す者』が効かねぇんだ!?」

 

 超能力が上手いこと発動してくれないことに苛立ち始める神条にオレは鼻で笑った。

 そんなこともわからないのか、こいつは。

 

「お前の力は強力だ。はっきり言ってオレみたいな強いヤツでも有効だろうよ」

 

 だけど、とオレは続ける。

 

「でもそれが許されない(・・・・・)のがここのルールだろ。ご都合主義みたいな答えを出して勝てないのがこの世界のルールだろ」

 

 そう。神条の超能力が発動しにくいのは『抑止の存在』によるストッパーだ。

 ご都合主義を許さないのがこの世界の理だ。だからヤツはあんな強力な力を持っていても勝てない。

 

「ならば『王の財宝』で! なっ!?」

 

 神条が黄金の大きな穴を出したとき、オレは神条の目の前に一歩を踏んで、振りかぶっていた。こいつはまだ殺さない。殴って、蹴って、折って、曲げて、ぶち殺すつもりだ。

 だから、

 

「『答えを出す者』、封印」

 

 斬!!と一閃し、ヤツの力を封じる。それに対して驚愕している神条に、オレは顔面を蹴る。歯が折れたのか、白いものが飛び出して、身体を滑走させた。

 

「き、貴様ァァァァァ!!」

「安心しろ。次は殺すつもりで殴る」

 

 オレが一歩を踏んだとき、神条の地面から黒い穴が現れる。『抑止の存在』かと思われたが「クスクス」と笑う声を聞いて違うと思った。

 

『時間切れよ』

「まだだ! この俺様が!」

『あら、能力を封じられて勝てる相手でも? まあ、その能力も次期に使えなくなるから、一旦退いた方がいいんじゃないかしら?』

「くそっ……!」

 

 神条が穴に呑み込まれ、声はオレに対して言う。

 

『またね。ソラ』

「二度と現れるな。出てきたら殺してやる」

 

 オレがそう言うと穴は無くなり、残されたのは真っ白な雪の世界のみだった。

 そして後ろからにははやてがまどかの胸で咽び泣く声のみであった。

 




『答えを出す者』: 金色のガッシュの超能力。全ての答えが出せるチート。抑止によって超弱体化していた

神条シンヤ: 魔人と化した外道。もはやソラにとって排除すべき敵となった

今回のお話: 救われた――――と思い気やアインスの死亡。
 これは自分にとって断腸の思いでした。彼女を活躍させておきたいと思いましたが、リメイク前では全然登場しなかったので、どうせならまどマギ要素で……と考えてしまった結果がこうなりました。
 物語では生存するだろと思っている人ほど、死にやすいのは自分の気のせいであってほしいと思います……

アインス: 悲劇のヒロイン。彼女が救済される物語もあれば、破滅へ導く物語がある

アンケート: ただいま③が有力候補。①のコンボで②へ導く案が出たとき、本気で面白そうと考えてしまった(※アンケートの結果を優先しますが!)
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