ではどうぞ!
(ソラside)
オレこと神威ソラは記憶喪失である。ある日を境にして、失ったらしい。
いや、自覚はないがノエルやその他が言ってるからそうなんだろうな程度の認識でしかない。
まあでも、思い出そうが思い出さないだろうが関係はないが、オレに絡んでくるヤツらが思い出してほしそうだ。
オレは戦争で戦っていたところからしか記憶はなく、今は戦争が既に終わっており、いつの間にか死んで転生していたということで戸惑っていた。
おかげで最初に目覚めたときにオレの担当医を敵と認識してボコボコにしてしまった。一応、謝っといたから問題ないはず。
あれから何百年のときが経ったのかはたまた何千年が経ったのかはわからないが、とにかく戦争が終わり、オレはどうすればいいのかわからなかった。
帰る場所も居場所もない。
そんなとき、ノエルとオレと同年代くらいの男の子が『一緒に暮らさないか』と提案してきた。
ノエルは変態だが、信用できる女なので承諾すると、何やら言いたそうなカラフルな女達がいた。
まあ、別にどうだっていいので、それ以来。ノエルとその男の子の家に居候している。
小学校もまた通うこととなり、残りの年を過ごしていくうちに卒業して、中学生になった。
入学してから一月。オレはいつものように一人で帰ろうとすると、一人の女がオレに声をかけてきた。
「一緒に帰ろうよ!」
「断る。オレは一人で帰る」
「まあまあそう言わずにー」
「……勝手にしろ」
そう、朱美まどかだ。小学校の頃もオレのことをまとわりついてくる。
姉である朱美ほむらも同じように黙ってついてくる。
この姉妹だけでなく、友江三姉妹もオレに対して親しそうに話しかけてくる。
当初、邪険していたのだがあまりのしつこさにオレは折れて、勝手にすることを許した。
こいつらはなんの目的があってオレに近づいたのだろうか。オレは未だにそんな警戒心をもっていた。
「つーか、よくもまあオレみたいな最低最悪なヤツについてくるよな」
「周りのことね」
オレの邪険な態度に同学年の男女は影で悪く言ってることは知っている。何度もオレに近づけさせないようにしていたが、朱美達は勝手に近づく。
正面切って言うヤツがいるが、論破して返り討ちしたり、暴力にはしろうとしたら徹底的にぶちのめした。
それが起きたのは入学式から一月後である。
「大丈夫。あなたのことは周りに言っといたから」
「待て。朱美姉。お前は何を広めたんだ」
「厨二病にかかった男の子」
「何を広めてるじゃァァァァァ!!」
誰が厨二だ。そんなイタイヤツじゃねぇよ!
「ソウルネームも考えているわ。ねぇ、『漆黒のダークギル』さん」
「そんなDQNも広めてるのかお前! つーか、やめろ。いろんな意味でイタイから!」
「安心しなさい。もう既に冷たい批判的な視線は暖かいかわいそうな人を見る目になってるから」
「うぎゃあァァァァァ!?」
手遅れ!? 手遅れなの!?
もう明日から学校に行きたくねぇよ!!
「大丈夫だよ! ソラくんがどんな目で見られても私がお嫁にするから」
「婿じゃねぇの!?」
「あら、なら私はソラをペットにしてあげるわ。さあ、飼い主を崇めなさい」
「こっちはもっとひどい!!」
……なんで、こうもとち狂った女の子とつるんでいたのだろうか、前のオレよ。
男子更衣室で朱美妹と天ヶ瀬千香がオレの下着を見てハァハァしていたのを見たとき、マジで焦った。
……一応、美少女なんだから、せめて幻想のままにしてほしいと本気でお願いしたよ。
「唯一まともなのは友江杏子だけかよ……」
嘆息まじりの呟きと同時に、朱美妹の鞄から着信音が鳴る。最近、流行りの
朱美妹曰く、萌えるアニメらしいが、男からしたら目にダメージを受けるアニメである。
セクシーだ。うん、ダイナマイトボディだ。
だ が な ぜ 男 だ !!
漢娘という名の筋肉ムキムキの乙女心を持つ男だらけのアニメなのだ。いろんな意味で見たくないアニメなのに、一部の女性には人気らしい。
朱美妹にかかってきたのは高町からだ。どうも高町の仕事先に、オレの記憶に関する事件がありそうだったため、こうして手伝いにしているらしい。
さすがにオレのせいで危ない目に合うなんて、後味が悪いから、「こんなオレのためにやらなくていいだろ」と何度も言っているが聞いてくれない。
朱美妹がうんうんと頷いていると、スマホを直して言った。
「明日のゴールデンウィークになのはちゃんと一緒に仕事しようだって!」
「あっそ。んじゃ、オレはのんびりしとくからがんばってねー」
嫌な予感がしたのでさっさと帰ろうとしたら、首に何かが巻き付き、倒された。
「あら、あなたも来るのよ? 勝手に休むなんていけない子ね」
「いけないも何もオレは関係ねぇだろ! つーか、外せこの首輪!」
「ダメよ、ダメダメ。私はこれからあなたとお散歩したいのよ」
「この格好でか!? この姿でか!」
こんな犬みたいにされてるところをご近所に見られたらお婿にいけない!
「駄目だよほむらちゃん! ソラくんをこの姿のままでお散歩に出かけたら駄目だよ!」
「あ、朱美妹……! お前……」
「このワンちゃんコスチュームシリーズで、ちゃんとワンちゃんにしなきゃ♪」
「ブルータスお前もかァァァァァ!!」
こいつも敵だった! 変態でしたよコノヤロー!!
「さあ、」
「お散歩」
「「し ま し ょ ❤」」
「いやあァァァァァ!!」
こうしてオレは道行く人がいないことを祈りながら、強制お散歩タイムを体験するのだった……。
五木に見られて笑われたことを一生忘れられない……!!
次元艦にて、オレはグルグル巻きにされて放置されていた。目が覚めてたらこうなっていた。
いやなんでこうなっている……。
「あ、起きた」
「どういうことだ朱美妹。なんでオレはこんな姿なんだ」
「いやー、ノエルさんに『ソラくん貸してー!』ってお願いしたらグルグル巻きにして渡してくれたよ」
「あのヤローの仕業か! つーか、昨日五木に頼んだこと無駄じゃねぇか!」
五木には朱美姉妹から匿うようにケーキを使って取引したのだが、どうやらノエルに負けたようだ。その後、五木はどうしているのか朱美妹に聞いてみたが『ハッスルしてるよ♪』と意味深なことを言い出した。
……五木よ。安らかに眠れ。
「というかお師匠さんを呼び捨てしていいの?」
「オレの師匠は死んでるんだよ。勝手に師匠って名乗られても困るっての」
「ふーん。まあいいか。今から私達ガールズトークするからごゆっくりねー」
「オイコラ! まずはこの縄をほどけェェェェェ!!」
本当にオレはこいつの味方だろうか。そう思う今日この頃である。
まあ、なんにせよ。何事もなければオレとしてはうれしい限りだ。
……なぜだか知らないが行く先々に、トラブルに巻き込まれていると思えるし。
ウゥー!! ウゥー!!
「な、なにっ!」
「大変よ。まどか、キアラの艦に侵入者よ」
ほらねー……やっぱり何かに巻き込まれたよコンチクショウ。
というか、誰だよ。こんな戦艦(?)に乗り込むヤツらは。
「とにかく撃退しに行くわよ。……ソラはそのままだけど」
「放置か。放置するのか! こんな危険な状況で!!」
「むしろ、ソラくんと危険な夜のやり取りをしたいよ私は!!」
「誰だこの女をノエルのような変態にしたヤツは!」
発言が既にこの小説終了のお知らせをするほどの危険度である。朱美姉妹は、最後にサムアップしてオレをそのままにして迎撃に向かった。
ホントに行きやがったよあのヤロー……。
まあそれはさておき、オレは口で縄をほどき、身体の骨を鳴らす。さて、どうしようかねぇー。
「なら、この俺様と遊べ」
「うっわー……。なんか、狼男みたいなヤツがいるぅ……」
毛皮はなく、鋼鉄の身体を持つ狼男。そんな敵が前にいた。
「機械兵みたいなもんか? なかなかの知能の持ち主っぽいけど」
「ふん、あんな木偶と一緒にしてもらっては困る。俺様の名は、『ウルフルズ』。貴様を我が主の元へ連れていくものの名だ」
「その主って人はオレがなんなのか知ってるの?」
「『無血の死神』。とある世界の千年前の英雄。我が主は貴様の力を欲している」
……OK。よーくわかった。要するにオレの昔のファンみたいなもんか。
しかも、『敵』という立場の。
「意見など最初から聞かねぇ。貴様を力付くで捕らえさせてもらう!」
「なら、来いよワン公。こちとら本物の狼男と殴り合ってるんだよ」
狼男の指から15㎝くらいの爪が伸び、斬りかかると同時にオレは『神器』を召喚するのだった。
神威ソラ: 一応主人公。一年間の年月をかけて凶暴性はやや潜めたが未だに雷斗ですら信頼されていない。……以前の自分の変態達と関わった軌跡に対して敬意を示している
漢女コレクション: ムチムチのバインバインな女の子ではなく、ムキムキのガチガチなオカマ達のアニメ……。なぜか腐海の森の人達には人気で、同人誌が大好評らしい。そして、受けの相手はいつもショタらしい……。なお、恋姫の貂蝉はスーパーハイパーレアという誰得なキャラがいる。
一年間の年月: マミは中学二年でソラ達は新入生。中学は海鳴中学てなのは達も入学している。……当初、嫌な男という印象だったソラだが、ほむら達の努力により厨二ヤローとイタイ人へとシフトした。……ドンマイ(笑)
ワンちゃんコスチューム: 犬耳と肉球手袋を装備すれば、萌え萌えワンちゃん完成
ハッスルしてるよ♪: ……小六の雷斗を襲うノエル。果たして彼の貞操は守られるのだろうか!?
機械兵: 鋼鉄の身体の持ち主。次回で招待が判明します
狼男: ソラと戦った相手。戦時中で出会ったため当然、殺られている