とある転生者の憂鬱な日々 リメイク版   作:ぼけなす

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いつの間にかお気に入りが100を越えていました!
ありがとうございます!

ではどうぞ!

(変更点)

・偽名、ロバート=ジョンソンが登場
・騒ぎを聞き付け変態参上


第七話 温泉旅行はカオスな件

 

 

 ゴールデンウィーク。それは小学生にとって黄金の休日と言ってもいい。家族との旅行や遊園地、または映画館に行くのが彼ら彼女らの楽しみである。

 本日の空は快晴で気分がよいことが起きそうな天気である。

 

 あ。挨拶が遅れました。

 こんにちは、みんなのソラです。

 

 今日は昨日ほむらが当てた福引きの戦利品で温泉に行きます。ただし、ただいま絶賛荷物持ちをしてるでござる。

 これが世に言う女尊男卑である。遂に時代は男から女によって尻に敷かれる社会となったのだ。

 

 まあ男尊女卑も認めないけどね。平等で対等なのが一番です。

 

「お、あっちにあるもんうまそう!」

「コラッ、勝手な行動はしないの杏子! あ、なんかいい石鹸見っけ」

「ってさやさやも勝手な行動してるんじゃん! あ、そこのお姉さまお茶しない?」

 

 杏子は買い食い。さやかは石鹸。千香はナンパ。

 スッゲーフリーダムなのが我ら転生者軍団である。

 

 オイ、誰か労えよ。もしくは変わってよ。

 

 この三人のやりたい放題な現場にオレは嘆息を吐いた。

 

「ふふ、みんなしてはしゃいじゃって♪」

「マミさんが唯一の清涼剤だ」

「お姉さんですもの」

 

 お姉さん万歳。マミさん万歳。こういう包容力のある女性に尻を敷かれても良いんじゃないかなと思う今日この頃である。

 

 するとほむらに足を踏まれた。痛い。

 

「なにデレデレしてるのいやらしい」

「そして鉄仮面によってオレのハートブレイクされる……」

「ほむらちゃんは鉄仮面じゃないよ。変人だよ」

「どうしようソラ。最近のまどかのセメント率が高いわ……」

 

まどかがこうなった主な原因は例の娘――生田ミカである。

 なんかことあるごとにオレに対して悪い噂を広めたり、悪口を言っている。

 

 高道名古屋(※高町なのはです)やバーニング(※バニングスです)、つきむーら武田(※月村すずかです)は最近大人しいし、近づくこともないから彼女達には何も言わないまどかだが、そういう陰口は嫌いらしい。

 

「もっと堂々と来いって毎回思ってる」

「やっぱ詢子さんの娘だったわけあるわね」

「ほむら、その度にオレのハートブレイクされるのヤなんだけど」

「安心しなさい。その時は私とまどかで(いじ)ってあげる」

「慰めないの!?」

「あなたにアメを与えないわ。ムチにはムチ。徹底的にいじめてあげて鍛えてあげる。そうすればソラの涙目が見れて私ハッピーよ」

「ゴリゴリ精神擦りきれてる度にお前がハッピーなんて解せぬ……」

「そしてそのとき私がアメを与えて洗脳すればソラくんは私とほむらちゃんのモノになるね!」

「お前はお前で腹黒いしよ!!」

 

 さよなら癒し、ようこそ四面楚歌。

 

 マミさんは味方かと思えば、涙目なオレを見たいとか言ってるし。てか、現在進行でただ頭撫でるだけだし。

 

 はぁ…………なんにせよ。

 

「リフレッシュできるかなぁ」

 

 このフリーダムで、セメントで、ぶっ飛んだ連中と宿泊することで。あれ、なんか目にゴミが……。

 

 そんな呟きはギャーギャー騒ぐ転生者軍団の喧騒によって消された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 脱衣所で服を脱ぎ、オレは湯船に浸かった。石でできた日本の露天風呂である。

 

「まさかマミさんも一緒に入るとか言ったときは焦った」

 

 一応みんなの保護者という立場で大人バージョンになり、チェックインした後、元の姿に戻った。

 オレと千香の使う魔法で相手を大人にしたりすることはできる。逆に子どもに変えるのは無理だが。

 

 そしてあのとき見たマミさんの姿は将来優しい美人で母性的な女性になることを確信した。その後に鼻血を流しながらの混浴宣言でそれは台無しとなったけどね。

 

 いや成長記録をとりたいからってオレの精神年齢考えてよ。二十歳越えたお兄さんだぞ、もう。

 

 他のみんなも悪ノリしてくるし。まあそれはさておき温泉に浸かり、ゆったりする。

 リラックスし、心が穏やかになる。

 

 ふと、そんなとき誰かが入ってきた。若い男性二人だ。どちらも鍛えており、脱いだらスゴい人達だ。

 身体が傷だらけなのでどこかの武芸者かもしれない。こんな時代に武芸者がいるとは思わなかったが。

 

 にしてもそっくりな若い男性達だ。兄弟なのだろうか?

 

「ふぅー、さすが月村さん所縁の旅館だ」

「父さんなんかジジくさいぞ」

「何を言う。私はまだ現役バリバリだぞ。見よ、この鍛え抜かれた身体を」

「身体をアピールされても困るのだが……」

 

 ……神よ。テメーはどんだけ試練を与えるつもりだゴルァ。どうしてつきむーらの関係者とエンカウントするんだよオイ。

 ……あ。神は死んだんだ。下級だけど。

 

 そんなとき、視線がこちらに向かれた。ヤバス。目をつけられた。

 ならばこの容姿を活かして異国人の振りしてやる。

 

「ん? 君は確か………」

「ヒトチガイデス」

「いやまだ何も言ってないんだけど」

「ワタクシ、ロバート=ジョンソンデス。ニッポンノオンセンスバラシイダス」

「ダスってなんだダスって。というか温泉って言ってる時点で思い切り日本人だろ君は」

「アーアー、キコエナーイ。ニッポンゴ、ワカラナーイ」

「耳ふさいで現実逃避しないでくれないか……」

「まあそう言うな恭也。彼も緊張しているはずダス」

「父さん悪ノリしない」

 

 冷や汗止まらない。天敵の拠点にいるなんて、このままでは月村組にエンカウントするのも時間の問題か。

 

 ちくせう。まさか月村家の本拠地に来てしまうとは、これが孔明の罠か!

 おのれ月村。どこまで我が平穏を邪魔するか!

 

「私は高町士郎。こちらが私の息子の」

「高町恭也だ。これも何かの縁だ。よかったら名前を教えてくれないか?」

「どうもロバート=ジョンソンです」

「「ダウト」」

「ちくせう……! バレた……」

「いやバレるだろ。その偽名は」

 

 なんとオレが小一時間考えに考えた偽名がたった数秒で見破られた。この男達……できる!

 しかも高町親子だった……!

 

 どうしようヤベー。とりあえず名乗っとこうか?

 仕方ない。名乗るしかないよなぁ。

 

「どうも、ソラです。特技は変態変人に向かってドロップキックからのプロレス技をかけることです」

「どんな特技!?」

「ミィィィィィプッ!と掛け声をあげてボディアタックするのが必殺技です」

「どっかで聞いたことある掛け声!」

「すばらしい特技だね。私もプロレス好きである妻にかけられたことがある」

「父さん、なにとんでもないことを息子や初対面の子どもにカミングアウトしてるの!? というか母さんプロレス好きだったの!?」

 

 まさか高町父がカミングアウトしてきた。やるな中年。中年には見えないお兄さんだけど。

 

「ちなみに夜のプロレスもしていると」

「そうだね。激しい方だよ」

「なるほど。これは脳内プロフィールに高町士郎という人をメモしよう。ある意味スゴい大人であると」

「誉められたぞ恭也。ふふん♪」

「いやなに誇らしくしているんだよ! むしろ恥じろ! 爆弾発言したことを!」

「そして息子はツッコミ役、と」

「そこはメモするな!」

 

 いや思い切りツッコミ役まっとうしてるじゃん。

 

 恭也はハアハアと息を荒らしながら疲れた表情となっていた。

 

「やれやれこの程度で疲れるとはまだまだ未熟。修行し直したまえ」

「納得できん。そういう君こそどうなんだ」

「……常日頃そういう変態と腹黒と変人によって振り回されている」

「……なんかすまん」

「いや慣れてるから大丈夫。私、もう怖くない!」

「なんかすごい死亡フラグだよそれ。主に金髪ドリルな女の子の」

「恭也がメタいなぁ」

 

 面白そうにクククと笑う士郎さん、あなたもそういう人と関わってください。

 

 マジでゴリゴリ精神削られるから。そんな雑談しながらゆったり過ごしていると、向こうから声が聞こえた。

 ほむらの声だ。

 

『ソラ、リンスあるかしら?』

「忘れたの?」

『ええ。どうもうっかりしていたわ。だから貸してくれない?』

「オーケー。受け取れ~」

 

 リンスのボトルを投げ、ほむらが「ありがとう」と言っていたので無事に届いたのだろう。

 

「彼女かい?」

「士郎さん、何そのニマニマした顔」

「だって女の子と旅行とは家族付き合かもしくは彼女との旅行しかないじゃないか」

「あの、小学生ですよオレ」

「そうかな? 最近の小学生は発達してるからそういうものじゃないのかな?」

 

 いやないから。ほむらとは相棒的な関係だから。

 

「そうだよぉ~? ほむらとソラは恋人同士じゃないよ?」

「そうそう。………………なんでお前がここにいるの千香?」

「ムラムラしてやってきた」

 

 バスタオルを巻いただけの千香がいつの間にか湯に使っていた。いつの間に来た!?

 

「帰れ」

「だが断る! さあ、ソラ。ボクが直々にその裸体をゴシゴシ――ぶっ!」

 

 桶をぶつけて、気を失った千香を向こうへ放り投げた。バシャーンと水飛沫が高く上がり、向こうでは「わー」「きゃー」と叫ぶ女性達の声がした。

 

「よ、容赦ないんだな。平気なのか?」

「あいつは変態のマゾだから平気。むしろ興奮してるんじゃね?」

「何それ怖い」

 

 それが天ヶ瀬千香ですぜ兄ちゃん。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 高町親子と接点をもってしまったオレは第一回ソラくんどうしよう会議を開催するものの、ウーノというカードゲームによって全員欠席という結末となった。

 

 おのれカードゲーム。

 

 オレだけでなく罪のないみんなを巻き込むとは。

 

 そしてそれを発案したさやかちゃんマジ策士。めちゃめちゃ楽しいぞコラ。

 こいつが孔明だったのではないかと地味に思った。アホだが。

 

「お?」

 

なんかティンッときた。みんなもそう感じたらしい。これは……。

 

「敵? はっ……これがニュータイプ!?」

「そんなわけあるわけないでしょバカ千香。これはあれよ。虫の呼び鈴よ」

「どんな呼び鈴だよ。虫の知らせだろ、さやか。……ところでマミ、虫の知らせってなんだろ。意味覚えてないや」

「色々台無しな杏子さんな件」

 

 笑顔でそうツッコむマミさんも染まってきたなぁ。そう思いながらオレ達は外へ向かう。

 

 この反応は…………魔力のぶつかり合いだ。誰が戦っているんだ?

 

 そんなことを考えながら着替えて外に出た。外は山のある森。多くの木々を飛び移り、オレと彼女達はぶつかってる場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ヤバい。カメラ持ってくるの忘れた。ちょっと待ってて」

「何撮るつもりだお前」

「パンチラ」

「相変わらずな千香な件について」

 

 ちなみに千香はすぐに戻って合流した。どんだけ撮りたいのお前?

 




ロバート=ジョンソン: アメリカ出身の京都で働いてる営業マン。学生時代はレスラーだった

夜のプロレス: …………お察しください

高町士郎: 原作通りの超人。されどプロレス好きというオリ設定追加。叫びはしないが静かに燃え上がるタイプなので内心では興奮してるらしい

高町桃子: 本編では出てない原作キャラ。人妻。そしてプロレス好き発覚。士郎さんと違って叫ぶ人。夜のプロレスはだいたいこの人が誘ってくる肉食系。なのはよ、もしかすると四人目でできるかもしれないぞ……(by恭也)

高町恭也: 超人そのニ。原作キャラの中では我らの常識人。彼がツッコミ担当なのは避けられぬ運命なり
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