ロボット中毒者、神ゲーに挑む。   作:インビジブルです男

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ロボット中毒者、出ます!


ユニークってなんやねん

いよいよ、ゲームが始まる。

プロローグをスキップした丈もといソルトの耳に聞こえてきたのは鳥の囀りだった。

 

彼が目を開けると、そこに拡がっていたのは広大な草原に山々が入り交じる幻想的な世界だった。

 

「おおっ...!グラフィックはまず100点満点だ...!」

 

その景色に、ロボット中毒者たるソルトも感嘆する。

最高品質のグラフィックに超広いワールド、ロボットやアーマーで走り回ったり、飛び回ったりするのに最高の場所だ。

 

「身体も自分のものかのように動く...!最高かよ!」

 

身体とのラグもない。

神ゲーと呼ばれる由縁が分かる良い操作性だ。

 

「よし...とりあえずステータスだけ確認しておくか。」

 

ステータスはどのゲームにおいても大切な要素だ。

ロボットのアセンの時も、銃器適性や近接適性、ミサイルの適性など様々な要素を気にしなければならない。

このゲームにも体力、魔力、スタミナ、筋力、器用、敏捷、技量、耐久性、幸運の9つの要素が存在する。

ソルトがステータス画面を開くと、次のように表示された。

 


 

PN:ソルト

 

レベル:1

職業:鍛冶師

 

体力20 スタミナ20

魔力10

筋力20 器用20

敏捷10 技量20

耐久性20 幸運10

 

装備:

左:なし 右:アイアンハンマー

頭:なし

胴:革の服

腰:革のベルト

脚:革の靴

 

所持金:3000マーニ

 

スキル

・スラムダウン

 

魔法

・鍛造

 


 

「んー...まあ全体的にバランスがいい感じか。」

 

「スラムダウンはアイアンハンマーでの叩きつけ、鍛造は武器作成か。」

 

「いいね...ワクワクしてきたぜ。」

 

ソルトはステータスを一通り確認すると笑みを浮かべる。

 

「さて、どこに行こうか。」

 

「まずはこの街を出ようか...って何だこれ?」

 

彼が何処に行こうか現在地である始まりの街ファステイアを見回していると、足元で何かが輝いていることに気づく。

 

「落し物...か?」

 

「拾っといてやるか...」

 

「なになに...?《古びたメカニカルコア》...?」

 

「おいおいちょっと待てよ!これロボット要素じゃねぇか!!」

 

石畳の間で輝きを放っていたそれを拾うと、ソルトは歓喜する。

何故なら、彼の好きなロボット要素のアイテムだったからだ。

しかし、喜びも束の間、彼の視界にノイズが走った。

 

「なんだ?バグか?」

 

【条件が満たされました:ユニークシナリオ《鋼の胎動》を受注しました】

 

「何言ってんだこいつ。」

 

「俺はまだレベル1だぞ?始めて5分も経ってない初心者がこんなに早くシナリオをアンロック出来るわけねぇだろ。」

 

「そもそもユニークってなんだよ。」

 

そう言いつつも、彼は視界に現れた目的地を指していると思われる目印を辿って行く。

 

彼が1人で街を歩き、たどり着いたのは路地裏。

だが、その目線の先にはゲートのような金属板があった。

SF要素満点だ。

 

「おっと...いかにもって感じだな...!」

 

「絶対長くなるだろうなぁ...明日学校だし、徹夜はしたくねえ。」

 

「...でもちょっと進めるだけなら問題ねえよな?」

 

ソルトはそう言うと、金属板に近づく。

 

【起動条件:レベル1以下 職業鍛冶師】

 

「起動条件レベル1以下って...そんなことあるのか!」

 

「ますます楽しみになってきた!」

 

彼が金属板に触れると、それは自動ドアのように開き、中から赤いポータルのようなものが現れた。

ソルトは興奮と不安が混じった表情でその中に飛び込む。

彼の体は忽ち飲み込まれ、ファステイアから消えた。

 


 

赤い光に包まれたソルトの視界が元に戻ると、そこは鉄と油の臭いが立ち込める地下施設のような場所だった。

頭上には崩れかけた鉄骨、周囲にはとても長い年月を経て錆び付いた機械群が並んでいた。

 

「おいおいちょっと待てよ!SFダンジョンじゃねえか!」

 

「俺こういうの大好きなんだよなぁ!」

 

彼が歓喜していると、視界にメッセージが映る。

 

【ユニークシナリオ:《鋼の胎動》】

【目的:機械文明の遺産を探し出せ】

 

「おっ、それっぽいな!」

 

ソルトは腰のハンマーを取り出し、慎重に周囲を見渡す。

 

「さて...どっから探索しようかね...」

 

「取り敢えず、真っ直ぐ歩いてみるか。」

 

ソルトは警戒をしながら真っ直ぐ歩いた。

小さな古びた人型ロボットが倒れていたが、どれも動かない。

だが、胸の左側、人間で言う心臓の部分が光っている個体が何体か居る。

ソルトはその心臓が光るロボットに近付いた。

 

「よう。」

 

「って、反応するか?」

 

『アナタ ハ ...鍛冶師 カ?』

 

その古びたロボットは、壊れかけの状態でソルトに話しかける。

 

「おっ、反応するじゃん。」

 

「そう、俺は鍛冶師だ。」

 

「アーマーの作成を夢見るロボット中毒者だ。」

 

『ソウ...カ。』

 

『鍛冶師 ナラ、ワレラ ノ “ツイ ノ イサン”ヲ 修復 デキルカモ シレナイ。』

 

「ツイノイサン?」

 

「あー...終の遺産か。そういう事ね。」

 

ロボットは、軋む音を立てながら右腕を持ち上げた。

その掌には先程拾った《古びたメカニカルコア》と同じ形のコアが嵌め込まれていた。

だが、見たところそれは《古びたメカニカルコア》よりも綺麗で、真っ赤な光を放っていた。

 

『骨組ミ ダケ ハ 完成 シテイル。』

 

『アレコソ ガ ワレラ ガ 夢見テイタ “最終防衛機構”...“エイン”。』

 

『アナタ ニナラ...アレ ヲ 目覚メサセラレル。』

 

そのロボットの視線の先には、他のロボットよりも新しい、骨組みだけのロボットアーマーらしき物が立てられていた。

 

「おお...早速か...!」

 

「骨組みだけでもわかる、あれはすげえかっけえアーマーになるぞ...!」

 

興奮が冷めない。

ロボット中毒者たるソルト()の本能が、『完成させなければならない』と叫んでいた。

 

『頼ム...アレ ヲ 完成サセテ クレ。』

 

「任せとけ...アンタらの意思は、俺が継ぐ。」

 

ソルトは深呼吸し、辺りを見渡す。

はるか昔には強大な軍事力を保有していたのか、明らかに強力なモンスターの素材、そして文明の遺産である散乱した部品群に錆び付いた金属板。

それら全てが素材だ。

 

「さあ、アセンを始めようか!」

 

素材をかき集め、システムウィンドウが幾つも展開される。




ロボットアーマー作成、始めました。

今後、エインがぶっ壊れて完全に新しいアーマーを作る的な展開をするか

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