恥知らずと忘却の彼方   作:マネモ・ブランドー

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いつものように投稿遅れて恥じている。


飛翔する鵺 その①

 

 AM4:36 マリオ・ズッケェロ ジェノヴァ港周辺

 

 口を塞がれるのはこれで二度目だ、手足を縛られているが、目を焼かれない分『あの時』よりはマシだと彼は思っていた。

『帽子の男』が放ったゴミ袋みたいな『スタンド』を食らって、目が覚めたらここにいた。

『囚われのピーチ姫』なんて役職は自分には縁のないものだったのだが。

 サーレーとフーゴは大丈夫だろうか、今は自分のことを考えたほうがいいだろう。

 

 ズッケェロはさっきから気になっていた事がある。

『死刑執行人』だ、自分だけではいつ脱出されるかもわからない。  

 

 自分の『クラフト・ワーク』は『厚み』を奪う能力、縄をほどくことなど容易い。

 

 そもそもなぜ『スタンド』が出すという発想が出なかったんだ? これも敵の『スタンド能力』なのだろう。

 おそらく『人質』として利用しようとしているのか、そうだとしても『監視役』は必要なはず。

 ズッケェロは考えるより先に、『スタンド』を発動した。

 

『ソフト・マシーン』 発動直後、自分の縄をほどく、あるいは身体の『厚み』を奪うという命令をしてある……はずだった。

 

「……ッ!?」出た、しかし指示を聞かない。

 予想外の事態だ、これじゃあ脱出どころか来たる『処刑人』に対抗することもできない。

 

 いや、そうじゃあない。

『処刑人』がいないのではなく、もうすでに『処刑』は始まっているッ! スタンド能力をまともに制御できない状態なら、簡単に相手を始末できる。

 

 それに敵からすれば『人質』には無力でいてもらいたいだろうし。

 

 どんな状況でも落ち着いて行動しろ。

『スタンド使い』には必要不可欠の考え方だ、まずは『ソフト・マシーン』の解除。

 そして『初期配置』の変更。

 

『スタンド』の『初期配置』をうまいこと調節すれば、発動時、肉体に直接『ソフト・マシーン』の剣先を刺すことができる。

 

 剣先が突き刺されば、なんとかここからの脱出は可能だ。

 

 プッシュ〜 ズッケェロの『厚み』が奪われ、しぼんだ音が部屋に鳴り響く。

 

『解除』と『配置の変更』は何とかできるようだ。スタンドを解除し、再びズッケェロの肉体は膨らんでいく。

 

「ハァハァハァハァ……今はここから逃げないと、今度敵に見つかりゃあオレは始末されるだろうし…… 何より『ソフト・マシーン』がマトモに動いてねぇんだ。

 オレは今単なる一般人となんら違いねえぜ」  

 

 ゆっくりと立ち上がり、よろめきながらも監禁されていた部屋を出る。廃ビルの一室か何かだろうか、こんな場所にいては助けは来ないだろう。

 どちらにせよこの場所がどこかもわからない、進むしかない。

 

「チクショウッ! こんなことになるならもっと来るときに外に気をつけるべきだったぜッ! 屍生人(ゾンビ)どもも多分外にいるしよッ」

 

 少しづつ身体の感覚が戻ってきた。ここから飛び降りても大丈夫だろう。

 窓を叩き割って思い切り飛び降りる。しかし直後窓の縁をつかみ、転落を防ごうとする

 

「何やってんだオレッ! ここから飛び降りれば死ぬぞッ! 『1mは一命取る』なんて洒落があるぐらいには転落はあぶねーんだッ! だいたい『スタンド』があればともかく今は『スタンド』が出せねぇッ! なんで『飛び降りる』なんて発想が出たんだよッ」

 

 これも敵の『スタンド能力』なのだろう。

『一寸先は崖』なんてことわざを思い出して心拍数が上がる。しかし恐怖は薄れていく、『ある男』が建物の前に立っていた。『スタンド』と共に……




◆この男は…!?
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