恥知らずと忘却の彼方   作:マネモ・ブランドー

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冒頭になんの関係もない哀しき過去が挟まれますが、
次回ズッケェロとやり合うキャラの過去なので許してください


戦闘開始 その①

 

 ユーリ・フィリプスは1984年 アメリカで生まれた。

 

 1989年、5さいのときに父親 ウィルソン・フィリップスがカイロへの主張の帰り、歩行者を大量に轢殺した挙句不審死を遂げるという事件が発生。

 

 かくして彼の順風満帆の人生は、終わりを告げた。

 7さいのときに母親がソ連高官と結婚、彼はロシア人として生きていくこととなった。

 

 これに関してはアメリカで息子の彼がいじめられたというのもあるが、最大の理由は『上院議員による大量ひき逃げ』というセンセーショナルなニュースは2年たっても消えなかったからである。

 

 母親は精神をすり減らし、西側諸国の情報が少ないソ連に移住せざるを得なくなった。

 

 だが移住から半年、ソ連は崩壊し彼と両親は郊外の高層アパートに移住。

 

 義父は酒に溺れて彼を殴り、母親はクラブに入り浸り朝になっても帰ってこないことがざらにあった。

 

『死人のように生きてるクズども』という言葉がぴったりなほど、彼の両親は放心状態にあったのだろう。 

 

 いつしか『生ける屍(リビング・デッド)』と彼は両親のことを呼ぶようになる。

 

 そして15さいのとき、彼は『ギャング』になった。スタンド能力『ウォーキング・デッド』を伴にして……

 

 ***

 

 AM4:36 パンナコッタ・フーゴ 精神世界にて

 

『錯乱(パラノイア)』はまだ生きている。

 ぼくがこんな状況である以上、おそらくサーレーも『錯乱(パラノイア)』を食らっているだろう。

 今ごろ『ウォーキング・デッド』にやられてるかもしれない。

 

「オレはもう死んでる、だが『錯乱(パラノイア)』だけは生きている。死んでもやることってのは山積みで、オレは『ユーリ』に『アーシャ』に仲間のために努力せなアカンのよォ」

 

 一番厄介な展開だな、相手は『死ぬ覚悟』どころか『もう死んでる』んだ。

『ウォーキング・デッド』で蘇ったか?

 それとも『精神の影』そのものである『錯乱(パラノイア)』は本体が死のうが関係なく存在し続けるのか? 本人が自己申告してるんだ、多分後者だろう。 

 

「『遺った遺志』だろ? アンタは、『ハートアイ』本人じゃあない、アンタの能力は本体の死後もおそらく『半永久的』に持続する。スタンドパワーがなくなるまで、あるいは、ぼくとサーレーが死ぬまで」

 

「半分は正解だよォ〜ン オレ自身はもう逝ってる。オマエの中に残った『錯乱(パラノイア)』の一部が今のオレ、サーレーのほうにはもう残ってねぇんだ」

 

 ジョルノたちが『先代ボス』を裏切ったときに、同じようなスタンドと戦ったと聞く。

 スタンドは『精神エネルギー』そのものなんだから案外遺るものかもな。

 

「ぼくはもう過去からもお前からも逃げないぞ。むき出しの魂同士の戦いなんだ、これは『本心』だぜ?」

 

「そうこなくっちゃねぇッ!! だがオレにも背負ってる『罪』と『仲間』がいるんだよーッ!!」

 

 ぼくの『闘志』に反応したのだろうか、精神世界の構造が急激に変わっていく。

 かつてのレストランから一転、崩壊しゆく『サン・ジョルジョ・マジョーレ教会』へと『舞台(せかい)』は移り変わった。

 

「パープル・ヘイズッッ!!」

 

『錯乱(パラノイア)』に『パープル・ヘイズ』の拳が当たり、肉が潰れた音と同時に当たった肉体が光の粒子に分解されていく。

 しかし全く怯んではいない。どころかすぐに姿形は元通りだ。

 

「お前頭悪いなァ もうオレは『死んでる』んだぜェェェーッ!! オマエが死人すらブチ殺せるスタンド使いなら別だがッ! オレのスタンドがないとこの世界にオメーは居られねぇんだ───ッ! この『世界』と『精神』はオレが自由に操れるもんなんだぜーッ!」

 

 突如精神世界の床から『スティッキィ・フィンガーズ』が現れ、ぼくを殴りつけてくる。

 

「オレの世界なんだからよォォ…… そりゃあ自由にてめーを苦しめる事が出来るわけよォ〜 

 くたばれフーゴォォォォッ!! ブチャラティとやらの『スタンド』でくたばりやがれッッ!!」

 

 その瞬間、ぼくの中で何かが切れた。

 ブチャラティに殺されることではない、自分の死に納得できないわけでもない。

 ただ……ブチャラティをこんなふうに利用されるのが許せない、あの人をこんなふうに利用されるのが許せない。

 こんなぼく風情が生み出したニセモノにブチャラティが信用して、仲間にしてくれたぼくが殺されるのが許せない。

 ブチャラティの仲間をブチャラティの手で殺させるのは許さない。

 

「だったらよ……ぼくの……オレの拳で……何度も……何度も…… てめーをグチャグチャにしてやればいいだけだろうがァァッ!!」

 

To Be Continued




『錯乱(パラノイア)の世界』

 相手の『精神世界』を掌握し、意識を失った時点で引きずり込む。
 この世界は彼の思うがままに操ることが可能、しかしスタンドパワーを恐ろしいほど消費する。
 明確に言うと『スタンド』ではなくスタンドによって生み出された『現象』
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