「そんで目的地はどこなんだ? まさかと思うがこのままオレを『始末』するつもりなのか?」
…シカトかよ、まあオレの『ソフト・マシーン』は無敵だ、最悪コイツらがオレを始末しに来ても勝てるだろうしな。
ジョルノ・ジョバァーナとグイード・ミスタ あの二人とオレ達がカプリ島で戦ってから半年。
次会う時にはボスになってるとは思わなかった。『組織』として再び認められ、傷まで治してもらった、それは『恩』だ、『恩』は『敬意』を連れてくる。
だからオレ達二人はジョルノとミスタに『敬意』を持っている。
あの時オレとサーレーの二人は…『牙を折られた』カプリ島で負けた時以上の屈辱を、青年に傷を治してもらう時に味わった、『敵に生かされる』これ以上の『侮辱』がギャングにとってあるだろうか。
かつて敵として対等だったヤツらに『弱者』として見逃された挙句『癒し』まで与えられるとは、それをボス…ジョルノは『正義』と思ったのかもしれない、これが『敬意』と思ったのかもしれない。
ただそれはオレ達にとっては『侮辱』でしか無かった、かつて敗北したオレ達に慈悲を与え、増しては自由を与えるなど。
誇り高いギャングとしては『死んだように生きる』のと同じだ。
だったらカプリ島であの時『ギャングらしく死ぬ』方が数十倍マシだったのに。そんな事を考えていると目的地に着いたのか車が止まる。
「着いたのか?たくっワインのサービスもねーんだからシケた車だぜ。いい男が湿気ちまう」
到着、ジェノヴァ イタリア屈指の観光都市にして彩り溢れる街だが…オレが着いたのはジェノヴァ港、色彩溢れる街に対して夜の暗い色が包む。
ここから敵は『旧パッショーネ』の麻薬を他国に安価で流し収入を得ている。ヤツらを始末し、可能であれば麻薬を強奪するのがオレの理想。
「シカトかよ、まぁ裏切り者予備軍だししょうがねぇなか。2時半には戻って来るぜ、戻ってこなけりゃ『死んだ』と報告しとくこった。ギャングなら分かるだろ」
車を降り港までの道で思う、『覚悟』を決めるべきだな、オレ達二人…いやオレ達三人全員死ぬかもしれん。パンナコッタ・フーゴ…IQ142の高い知性を持ちながら大学教授をメッタ打ちにし退学、そのままギャングに落ちた不遇の天才。
だが実際はあまりのキレ性故に家から見捨てられたのが『組織』に入った根本的な要因、後から詳細を知ったが自慢じゃあねーがオレはヤツの『本質』を見たときに分かった、オレとサーレーと『本質』は同じ人間、ブチャラティやミスタの仲間でも内心その輝きに目をくらませている、闇の中でしか生きられないオレ達と同じような人間だ。
「考えるより先に体を動かせ、オレの任務はヤツらを『ソフト・マシーン』で萎ませて再起不能にし、その後到着したサーレーとフーゴにヤツらを始末させることだ」
敵がアジトとしている輸送船に乗り込み、『ソフト・マシーン』の右腕で自分を突き刺す、『厚み』が奪われていく肉体をうまくくねらせ、コンテナとコンテナの間に入る、こうやってオレは隠密行動を行うわけだ。
『暗殺』に向いたスタンド、オレにとっては完璧な能力だな。
そんな事を考えていると港湾作業員が船に乗り込んでくる、ふたり組の多分社名と『S.P.Q.R』の文字が刻まれた『帽子』を被った男だ。
「お前よォ〜〜あのコとどうなんだ?キスとかした?それともよォ〜〜モーっと濃厚なヤツとかァ?」
「そんな事同僚に聞くもんじゃあねぇぞダボ!なんでそこまでオレに構うんだッ!だいたいオメーが彼女にフラれたからそこまで同僚の下半身事情に関心があるんだろボケナスがッ!」
他人の下半身事情が気にならないヤツがこの世にいるのか?だが厄介だ、コイツらに見つかればオレはまず間違いなく敵に見つかる。その時点で死が決定付けられる。
「ゲス野郎が、オレ様の鉄拳を喰らいやがれビチグソがッ!」
オイオイやりすぎだろ、いくら彼女とのあんなことやこんなことを教えろとしつこくせがまれたとは言え普通あそこまでやるか?
コイツら二人とも頭おかしいんじゃないか?
こりゃあ彼女もノータリンだろうな。
だが殴り合いになってくれるならそれでいい。最悪存在がバレることだけは避けられる。
「オメーよォ、オレの『帽子』を触ったな…」
「あ?何言ってんだオメー、ブン殴られてマトモに戻ったなら行くぞ?」
『帽子』に触られるのがそんなに嫌か?イタリア人は自分のファッションに自信がある、逆に言えば自信がなきゃイタリア人とは言えねー 普通香水の香りを自慢したるするだろ。
なのになぜアイツは『帽子』を触られたことにあれだけ嫌がるんだ?ブッ叩かれたことを根に持ってるなら、『帽子』なんかの心配はしない。
ネガティブ思考か?支給品のありふれた『帽子』が嫌いなのか?はたまた…『帽子』に何か大事なことがあるかだ。
「おい?どうした?何か具合でも悪いか?」
唐突に『帽子の男』がまるで『5歳児』みてーに暴れ始める。
何か妙だな、まさかとは思うが『スタンド使い』
か?
「『帽子』ニさワッたナラヨ、てメーの命はネェからな。」
『何ィィィィィィィィーッ!』
少し叫んでしまった、コンテナとコンテナの隙間だから気づかれてはいない。…ありえない光景だった。
『帽子の男』は『スタンド使い』ではない、『スタンド能力』を掛けらていたのだッ!
「うマェぜ、脳ミソはヨォーッ!」
『帽子の男』がもう一人の男の頭をカチ割り、脳ミソを啜っている。粗雑な啜り方だからか、頭からあれだけ大事にしていた『帽子』がずり落ちかけている、その頭には二つの『銃創』があった。
◆ゾンビのスタンド使いの正体は…?
そして読みづらい文章だったことを恥じている