ぼくの『スタンド』、『パープル・ヘイズ』は『スタンド使い』が言う『近距離パワー型』。
射程距離は短いかわりに高い攻撃力とスピードを併せ持つ。サーレーの『クラフト・ワーク』やズッケェロの『ソフト・マシーン』も同じだ。
そしてこの男……ハートアイの『スタンド』の形はまだ出てきていない。コイツが『近距離パワー型』なら今拳を『固定』されているぼくはサンドバッグもいいとこだ。厄介なことに『スタンド』は精神力で操る物で、今のサーレーは精巧な『幻覚』を見ている。
つまり『クラフト・ワーク』の100%は出せない、良くて50%程度か、どうにかしてぼくがコイツを『心の影』と認識するのをやめなければ。
「サーレーに戦わせようったってそうはいかないよん、なんてったってアイツは君が思うより苦しんでるからね」
アァァア……アンタは……ミスタ……頼むッ! お願いだッ……撃たないでくれッ! また脳ミソ撃たれたら俺は今度こそ死ぬッ!
かわいそうに、ミスタとの戦いで脳ミソを抉られた『心の闇』を掘り返されてるのか。
だがそれで済んでるのは運が良いというべきか、ぼくなんてこのままじゃ……『発狂』するかもしれないのに。
「敵の心配より自分の心配をすべきなんじゃなァァい? サーレーが精神崩壊すれば『スタンド』が解かれて君に『君のスタンド』のラッシュが叩き込まれるよォォ」
そんなことは分かっている、今自分がやるべきなのは自分自身の『心』との対話だ。
ぼく自身が『パープル・ヘイズ』を乗り越えなければ……コイツには勝てないッ!
「ぼくは『覚悟』ができてる、速く殺せよ。君の『スタンド』にできるもんなら」
ハートアイが小さく舌打ちをして言葉を返す
「クソガキが……オレの『
強く歯ぎしりしながらハートアイがぼくに『拳銃』を向ける、やはりぼくの仮説は正しかったようだ。
「勝負は今ッ! ここで決めるッ!」
思い切り炎上する車の方向へ走る。
『パープル・ヘイズ』は『近距離パワー型』ぼくが離れると同時に解除され霧散する。
「クソガキが……」 ハートアイがぼくの方向に銃を乱射する。しかし軸がぶれながら走る相手を的確に撃ち抜ける人間がいるだろうか?
銃弾は夜の闇に消えていく。そしてぼくは車と運転手のもとに到着する。
「
『
「お前……『スタンド能力』頼りのギャングだろ? 銃なんかマトモに撃てるのか? それとも強がりか? 『
まさに御尤も、現にぼくは『
「ああ、銃なんて半年ぶりだ。なんせイタリアは法治国家だからな」
ハートアイが返す「ロシアは『拳銃』を所有するだけで逮捕される、いい国だろ? マフィアが活動するのには最悪だ、だからあんたら『パッショーネ』の縄張りをもらおうと思ってんだ」
「大人しく逮捕されればよかったのに、そんなデブだしシベリアぐらい余裕だろ」
くだらない小言を言い合いながら『間合い』を取る、『間合い』は『魔合い』と日本のマンガで読んだことがある。確か『free Fight』だったか。そんなことはどうでもいい、ヤツを撃ち殺す、もしくは射程距離外まで逃げる時間稼ぎをする。それがぼくのやるべきことだ。
ピュンッ!
ぼくの放った弾丸がまるでツバメのように風を切りながら走る、それを皮切りに銃撃戦が幕を開ける。
「クソガキがッ! ただじゃ死なせねえぞッ!」
やはり銃はヘタだ、銃弾はかろうじてハートアイの足に当たったのか、足を引きずりながら撃ってきている。数分経過し相手は足と肩、ぼくは肩と右腕を負傷し、さらに炎上する車のそばにいたことで全身に『水ぶくれ』ができている。
お互い傷は重く双方銃を撃ち合う頻度が遅くなっていく。
「ハートアイ……アンタの『スタンド』の正体がわかったぜ……『
選択に乗るとは思っていない、ハートアイは『ギャング』だ。
「なるわけがない…『組織』を売ってオレたちが生きることはできない。『組織』から逃れることはできない。お前ならわかるだろ、『恥知らず』」
一瞬、自分でも何をしでかすか分からなくなった。ふと前を向くとサーレーがこちらに走り出してきている。そして下を向くと…ハートアイの『死体』がある。 なんてことだ、こんな肝心な時に…
ハートアイ
スタンド名『
スタンド名 『
本体名 ハートアイ
破壊力─なし スピード─なし 射程距離─A(能力発動後は無限大) 持続力─A 成長性─D
射程距離内でマイナスなことが起こった人間がいると、その人間に取り憑き『心の闇』を増幅させる。この『スタンド』に『像』は存在せず、現れる幻覚は精神的なものである。当然『破壊力』も存在せず、この『スタンド』自体に実害は一切無いがほとんどの人間は増幅する『心の闇』に耐えられない。 逃れる方法は本体を殺すか、『自殺』