文章の読みやすさを考えない自分はもう死んでくれって思ったね
ハートアイの穴だらけの死体を眺めながら自分の過ちを後悔する。
また人を殺した、あまりいい気分じゃない。この3年間自分の『スタンド能力』もあって何人も殺めてきたが。自分の手で人を殺したのはこれが初めてだし、何より自分の『心の闇』に打ち勝つ数少ないチャンスだったのに。
それを自分が怖くて、自分の悪い癖で、自分の『心の闇』で。アイツはある意味死ぬことで真に『心の闇』を植え付けたのかもしれない。
サーレーが声をかけてくる、幻覚は解けたようで少し安心した。
「大丈夫か? アイツは死んだか? 殺しなんか慣れてると思うが、ギャングだし」
慣れてる、普通のギャングよりひょっとしたら。
けどこの手で、『スタンド』ではなくこの手で、人を殺したのは初めてだった。
「問題ない、能力の都合上人は何回も殺っている」
それでも人殺しは嫌いだ。ナランチャ……彼は人殺しを簡単にできる人間だった。それが『善とか悪』と言ってるわけじゃない。ただぼくにはできない事を平然とできた、『覚悟』が決まった人間だった。
ぼくとは違ってあのボートにも簡単に乗れる、そんな人間だった。
「なら出発だ、ここからズッケェロがいるジェノヴァ港までは徒歩15分程度だ。あの運転手は放置していいだろ。どうせ廃人だ、なんなら死んだほうが楽かもな」
やはりズッケェロが心配なのか、ぼくも半年前までは仲間が捕まればそんな事言えたんだろうな。そんな悲しみが頭によぎる。けどぼくにはやることがある。
「走ったほうが速そうだな、行くぞ」
あの時殺しにショックを受けたのは殺しという行為そのものじゃあない、自分の『心の闇』に打ち勝てると思ったからだ。『心の闇』が『スタンド能力』そのものの人間は見たことないとヤツは言っていた。
そんな自分を無様に思うしそれと同時に哀れに思う。『心の闇』か……思えばぼくはコイツを忌み嫌ってきた。自分の能力なのに笑えるな、ウイルスをばら撒き、人や生命を破壊するという能力はぼくに相応しい邪悪な能力だ。 そのくせ綺麗好きだったりするのは貴族育ちらしいといえば貴族育ちらしい。
さて『パープル・ヘイズ』のおぞましい点を挙げてきたがこれで『恥知らず』を脱却できるだろうか?
ぼくの分身とも言える『パープル・ヘイズ』を罵倒し、侮辱するだけならあのイルーゾォやハートアイとなんら変わりない。ぼくはヤツらクズ共とは違う、いや、そう信じたい。そんな人間をブチャラティが仲間にしたと信じたくないからだ。
けれどもぼくはコイツには良いところがあるか分からない、コイツの邪悪でおぞましいところしかぼくは知らない、この悪魔のような『スタンド』の愛せる所は何もない、強いて言うなら強さぐらいだ。
ぼくの『スタンド』は単なる悪魔なのか? そんな悪魔の化身をブチャラティが信頼するとは到底思えない。ぼくにもいい所はあるかもしれないし、それはつまりコイツにもいい所があるということだ。
思考をひたすら巡らせながら自分と『パープル・ヘイズ』のいい所を考える、何も思い浮かばない。さらに巡らせる、唯一いい所が思いつく、ジョルノだ。半年前 ぼくとジョルノ、アバッキオはブチャラティと『先代ボス』の命令でポンペイに向かい、そこで『刺客』に出くわした、『鏡のイルーゾォ』だ。
ヤツの『マン・イン・ザ・ミラー』でぼく達は危うく死にかけ、そのピンチを切り開いたのがジョルノと、『パープル・ヘイズ』だった。彼との戦いでジョルノとアバッキオを救ったのがぼくと『パープル・ヘイズ』の唯一の美徳だ。
「オイオイフーゴ! 大丈夫か? まだヤツの『スタンド』が解けてないのか?」
サーレー 彼もかつての敵だ、ぼくと彼が会ったのはボコボコになって船に乗せられたところだけだが、いま共にいると結構いいヤツに見える。ヤツの相棒ズッケェロとはペラペラにされて殺されかけた因縁があるし、今でも複雑な心境だが『
責任を持って仲間を救うのがギャングだ。ぼく達はズッケェロを救い、残りの敵3人を始末して、全員で帰る。
「これが終わったら、3人で食事でも行くか。親睦を深めるためにな」
「上等だ、美味くなきゃぶちのめしてやる」
そんなおしゃべりをしながら走っているとついに到着する。ジェノヴァ港だ
◆ズッケェロの運命は…!?
呪術映画見ました 面白かったです