異様な荒野。怒濤(どとう)の戦いを繰り広げているクウガ、龍騎、ブレイド、響鬼……様々な仮面ライダーたちの中に、
たった一人でライダーたちを打ち倒した謎のライダーのシルエットを見た葵は恐怖を感じながら、「ディケイド……」と、呟く。
授業が終わり、チャイムが鳴って目を覚ます葵。
「またあの夢……」
「葵、また寝てたのかよ」
そう言うのは、先日転校してきた、
席は葵の右だ。
「だって眠かったんだもん」
「毎日じゃん。ナルコレプシーか?」
「何それ?」
「昼夜問わず眠くなって寝ちゃう病気」
「そうなんだ」
葵は立ち上がる。
「どこ行くの?」
葵は頬を赤らめた。
「起きて最初にすることって言ったら、分かるでしょ」
葵はそう言って教室を出ていった。
光一も立ち上がり、教室を出て男子トイレへ。
用を足し、手を洗ってふと鏡を見る。
「バックルとカードはどうしました?」
鏡の中の
「え?」
光一は振り返るが、そこには誰もいない。しかし、鏡にははっきりと映っている。
「クレジットカードは作らない主義だ!」
鏡に宇宙空間と九つの地球が映し出される。
「この宇宙に九つの世界が出来ました。そして九人のライダーが生まれました。それらは全て、独立した世界。ディケイド、貴方は九つの世界を旅しなければならない。さあ、旅立つのです」
鏡が元に戻り、渡の姿も消えた。
何だったんだ、そう思いながらトイレを出ると、葵と顔を合わせた。
「光一もトイレ?」
「ああ」
二人で教室に戻る。
チャイムが鳴り次の授業が始まった。
*
放課後。光一と葵は家路を歩いていた。
すると突然、二人の間を灰色のオーロラが
「何よこれ!?」
「葵!」
光一が灰色のオーロラを叩く。
葵の前に怪物が現れた。
「か、怪物!?」
光一は葵の横に汚れて傷付いたバックルとライドブッカーを見付けた。
『バックルとカードはどうしました?』
光一の脳裏にあの男の声が
「葵、それを取ってくれ!」
「え?」
葵はディケイドライバーとライドブッカーを見た。
「速く拾ってくれ!」
葵はドライバーとライドブッカーを拾い、光一に渡した。
光一の手に渡ると、ドライバーとライドブッカーの汚れと傷が消えて綺麗になった。
「よし……」
光一はバックルを腰に巻いてライドブッカーから一枚のカードを取り出した。
ブーン!──電子音が鳴り響く。
「変身!」
光一はカードをディケイドライバーに挿入した。
{KAMEN RIDE}
電子音が鳴り、バックルに文字が浮かび上がる。
光一はサイドハンドルを閉じてバックルを九十度回転させた。
{DECADE}
音声と共に光一の回りに九つのクレストが現れ、浮かび上がった二つのディケイドの虚像が重なり、彼は仮面ライダーディケイドに姿を変えた。
パリン!──オーロラが割れ、ディケイドは駆け出して怪物に攻撃を仕掛けた。
怪物はディケイドの攻撃をかわして目にも留まらぬ速さ、クロックアップで動き出した。どうやら怪物はワームのようだ。
ディケイドはライドブッカーからカブトのカードを取り出してバックルに差し込んでサイドハンドルを閉じた。
{KAMEN RIDE──KABUTO}
電子音と共にディケイドは仮面ライダーカブトに変身した。
その直後、別のカードをバックルに挿してサイドハンドルを閉じる。
{ATTACK RIDE──CLOCK UP}
Dカブトはクロックアップすると、ライドブッカー・ソードモードでワームを真っ二つに斬り裂いた。
バックルからカードが抜け、元の姿に戻った。
カードのイラストが灰色のシルエットに変わった。
ディケイドの姿を見た葵はこう呼んだ。
「ディケイド」
ディケイドは振り返り言う。
「何で知ってんだ?」
まあいいか──と、ディケイドは突然現れたマシンディケイダーに跨がる。
「乗れ」
「どこ行くの?」
「帰るんだ」
葵がディケイドの後ろに乗ると、ディケイドはバイクをゆっくりと走らせた。
走り出してから暫くすると、二人の前にオルフェノクが現れる。
「葵、隠れてろ!」
ディケイドはバイクから降りると、カードをバックルに挿した。
{KAMEN RIDE──FAIZ}
ファイズに変身し、ライドブッカー・ソードモードでオルフェノクを斬り付ける。
灰と化して消滅するオルフェノク。
「きゃああああ!」
ファイズはディケイドに戻ると、今度は
D響鬼はディケイドに戻り、変身を解いた。
すると二人を灰色のオーロラが飲み込み別世界へ誘った。
光一は制服警察官の姿になった。
「クウガの世界、か……」