猫のあしあと   作:のーばでぃ

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《九日 Nine Sols》のネタバレ上等二次創作
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―― お前もプレイして、沼れ。そして書け。



猫弈(みょうえき)と言う女

猫弈(みょうえき) 姉ちゃん?

―― うん、知ってるよ。みんな変人だったって、太陽様もあんなの連れてってどうするんだって好き放題言ってたけど、僕は結構尊敬してるかな。

竹の皮とか松脂とか集めて持って行ったら紙と墨水を幾らか分けてくれるんだよ。

スゴいよねえ、コレ。嵩張らないし丈夫だし……姉ちゃんが発明したんだよ。専用の墨水じゃないとうまく書けないけど」

 

 桃花村(とうかむら)の少年、軒軒(けんけん)は武侠小説を書いているが、最初竹簡を使っていたのが近年では彼女の作った紙を使用し、最終的に紐で本に綴じているらしい。

文体も彼女の影響を受けて、初期のころから多少変わっているのだとか。

 

「変わったクセがあってさ。何かとつけて書を編んでたんだけど、僕たち向けに書く用と自分用で文字を書き分けてたんだよね。

自分用のやつは何書いてるか全然わかんないの。まるで暗号みたい」

 

 軒軒(けんけん)は結構頻繁に猫弈(みょうえき)の家に出入りしていたようで、勝手知ったるとばかりに慣れた手つきで、羿(げい)に一冊の本を手渡した。

 

「……」

 

 表紙を撫でる。

 

 竹の皮を適切に処理した紙だ。

おそらく灰で煮たのだろう。ある程度色が抜け、柔らかくなっていた。

寸が足りない部分を糊で繋げて何とかしている部分もあるからデコボコではあるが、それでも竹簡ひと巻きに比べれば破格だ。

 

 そしてこの、樹脂性の墨水(インク)

灰で煮てもなお親水性の低いこの紙に対応する為に、専用で設えたのか。

 

(この村の知識レベルで、これを……?)

 

 パラりとめくってみればなるほど、ところどころ理解できる字もあるが、全体からして字体が違う。と言うか、いくつかの種類が使い分けられているように見受ける。

 

 ―― 何らかの『文化』が無いとあり得ない。

そう判断するに足る代物だった。

 

「……」

 

 すでに当人はつつがなく飛天玉座に送られた訳ではあるが。

この『謎』を放置するのは聊か以上に気持ちが悪い。

例え、自分の『目的』とは全く別方向の案件だとしてもだ。

 

大哥(にいさん)、どうしたの?」

 

 羿(げい)は懐から玄蝶を取り出すと、その蔵書のいくつかをスキャンにかけ始めた。

機能が著しく制限されてしまっている現状ではあるが、それでも書物のデジタル化が出来ない程ではない。

画像取り込みと言う形になるが、別にそこまで容量も使わないだろう。

 

「時間はかかるかもしれないが……何が書いてあるか、解読してみようと思ってな」

 

「わあ、それは凄いや!出来たら僕にも中身を教えてね!」

 

 明らかに浮いている事をやっている羿(げい)に対し、しかし軒軒(けんけん)は楽観のままいつか判明する中身をねだった。

 

 

 

@ @ @

 

 

 

 桃花村(とうかむら)は、神々が人に与えた約束の地である。

温暖で自然の恵みにあふれ、飢餓とは無縁の平和な村だ。

そこに住む者はみな質素ではあっても幸福に暮らしている。

 

 村の一画には『太陽様』の像と、『飛天玉座(ひてんぎょくざ)』が建てられている。

 

 『太陽様』はこの世界を作った神様である。

人々に桃花村を、自然の恵みを与えてくれる、慈悲深い神様だ。

その姿は(桃花村には居ないが)『猫』と呼ばれる生き物に酷似していた。

 

 ―― そして少し前から軒軒(けんけん)と共に暮らし始めた、羿(げい)の姿も。

 

(……くだらない感傷だな)

 

 羿(げい)は自分の内に浮かんだ感情を、そう切って捨てようとした。

 

 軒軒(けんけん)は一人きりで暮らしていた。

両親は昔、『太陽様』に選ばれて神様の国へ渡って行った。

そしておそらく、親しくしていたのだろう猫弈(みょうえき)も。

 

 ……この仕組みは自分が作った物だと知ったら。

軒軒(けんけん)は自分を恨み罵るだろうか。

 

(……くだらない感傷だ)

 

 自分のやろうとしている大義に比ぶれば。

そう考えて何とかその思考を振り払う。

……自分の目的の根幹も、結局は恨みだと言うのに。

 

《―― 羿(げい)様》

 

如羿(じょげい)か」

 

 そんな時にやって来た通信に、 羿(げい)は即座に反応した。

 

《例の書物の解析について、進捗をお知らせしようと》

 

「解けたか」

 

《一部だけは……と言うより、()()()()ました》

 

「……なに?」

 

《送っていただいたデータの中に一部、常用語が添えてあるページがいくつか含まれていました。どうやら訳文だったようで、それを種にいくつか意味のある文を抽出できました。

しかし辞書などの資料にしている訳ではない所を見ると、『勝手に読まれる前提で書かれた』物のだと思われます》

 

「……その結論は少々性急すぎないか?」

 

《それを使って解けた文の内容も判断材料に含まれています》

 

 そして転送されてきた訳文を見て、羿(げい)は固まってしまった。

 

 

 


 

 

 

如羿(じょげい)による翻訳文

甲辰年季春丙辰月戊午日

 

 司祭さんが神託を賜ってきた。

次の祭りに、太陽の国へ行く人間の一人として私が選ばれた。

 

 ついにこの時が来たかと言った印象だ。

抵抗してもよかったが、司祭さんも結構ギリギリだ。

あるいは選ばれた人がどうなるのか、彼女は感付いているのかもしれない。

 

 彼女に悪意はない。

どうにもならないシステムに対し、せめて村の人たちが安らかにあれるようにと言う願いと責任感から、彼女は苦悩しながら嘘を教えている。

ここで抵抗してもシステムは変えられないし、彼女の想いを壊したくはない。

 

 どの道、新崑崙(しんこんろん)はもう詰んでる。

避けられない終わりなのであれば、潔くこの首をくれてやろう。

それに私のようなひきこもり人間が誰かの役に立って死ぬのなら、少なくとも無為な終わりよりよほど上等だ。

 

 でもその代わりに、嫌がらせを仕掛ける事にした。

このぐらい、可愛くてささやかなイタズラの範疇だろう。

 

 さてはて、果たして羿(げい)はこの書を手に取って、中身をちゃんと解読するだろうか?

軒軒(けんけん)とは仲が良かったし、可能性は結構高いと思う。

ぜひとも沢山悩み、沢山混乱して頂きたい。

知る筈のない情報や行く末も乱雑に書き連ねていくつもりだ。

しかも絶対に有用な情報をちりばめながら。

さらに混乱する事を分かっていながら、彼は読まずにはいられなくなるに違いない。

 

 うまく解読が出来る状態になっているかだけが不安だが。

そのあたり、随分ふわっとした感覚のまま作っているし。

しかし、優秀な人工知能が付いているからきっと何とかしてくれるだろう。

 

 がんばれ如羿(じょげい)、君ならできる。

 

 

 


 

 

 

 一通り読み、内容が信じられずに読み返し、結局あり得ない事が起こっていると言う事実を反芻し思考が停止する。

 

「どういうことだ……」

 

 情報が漏れた?例えば如羿(じょげい)がハッキングを受けた?

しかしそれでも内容に説明がつかない。

そもそも自分の存在が漏れているのであれば、こんな安寧に過ごしたり出来ていない。

 

 だいたい、自分が軒軒(けんけん)に助け出されて1年弱か。

猫弈(みょうえき)はそれより前に『収穫』されている筈だ。

……と言うか、それよりさらに前にこの書は書かれている筈で。

 

 その頃は如羿(じょげい)だって自分が死んでいると思っていたし、そもそも壁から死んだはずの人間が古木樹に包まれて出てくるとか誰だって想像できる筈が無く。

 

 ……ありえない。未来が見えるとでもいうのか。

 

《文体は大体把握出来ました。

大雑把に分けて4種類の文字種*1といくつかの記号が使い分けられており、字種としては過去例を見ないほど複雑です。

しかし逆に、助詞や接続詞や的な使い方をする例を除けば、一つの単語に複数種文字が使われる例は今のところ見られず、その為単語ごとに文を分解するのはそれほど難しくありません。

また文体としてもそこまで複雑ではありません。既存言語にも類似している物があったくらいです。

さらに、使われている文字種のひとつには、常用語で使う字に関連が見られるものもあった為、そこからある程度意味を推測できるケースもあるようです。訳文にはそういったファジーな意訳をしたものも含めております。

―― ゆえに、翻訳を進める場合はサンプルの追加を希望いたします》

 

 羿(げい)がスキャンしたのはあくまで目に留まった一部だけだった。

すべての書をスキャンするほど時間を使うのは面倒だったし、充電を全くしていない玄蝶をそれだけの時間稼働させるのは憚れたと言うのもある。

 

 ……だが、意味が変わってきた。

 

(最悪を考えるならば……猫弈(こいつ)が敵で、俺の生存が既に天道議会に漏れている可能性。それだけでは説明がつかない部分があるが……)

 

 どちらにせよ、ここであの蔵書群を解読しないと言う判断は悪手のように感じてくる。

沢山悩み、沢山混乱しろ……思惑通りなのが随分腹立たしいが。

 

「時間を見つけて少しずつ、スキャンデータを送っていく」

 

《よろしくお願いします》

 

 

 ―― のちに、羿(げい)はこの時の選択を振り返る事があるが、果たしてこれが正解だったのかそうでなかったのかは杳として解らなかった。

解ったのは結局、これに随分振り回されまくったなと言うことぐらいか。

 

 復讐と言うには可愛いものだが、イタズラと言うには幾分心労が強すぎた。

 

 

「……しかしお前、解読に対して妙に前向きになってないか?」

 

《がんばれ、私ならできると初めて言われました》

 

「……。結構チョロかったんだな、お前……」

 

《願わくば、アンダークロック状態が解除できれば良いのですが。現時点では処理能力が著しく制限されます》

 

「そうなれば最早、計画どころでは無くなるだろう。こちらも玄蝶に制限が掛かっている以上、送れるデータも限られる」

 

《心得ております》

 

「現状はまだ無理をする段階ではない。慎重に行くぞ」

 

《はい、羿(げい)様》

 

 

 

@ @ @

 

 

 

 そこからさらに月日が流れる。

 

 羿(げい)は適度に日を開けながらも猫弈(みょうえき)の家に通い、少しずつ少しずつ編まれた書をスキャンして行った。

 

 猫弈(みょうえき)の家は解放されていて、彼女が使っていた道具や書は、時々他の人間も借りにやってくる。

軒軒(けんけん)には玄蝶を見せたが、他の人間に見られたならば面倒な事になる。

特に陰謀論者の神農(しんのう)にチラとでも見られようものなら、面倒どころの騒ぎではなくなるだろう。

 

 誰にも見られないように慎重にスキャンを進めていくのは羿(げい)としても結構なストレスだった。

 

 また計画の為には、これだけにかまけては居れなかった。

文字通り死んでいたのである。1年近く費やしてリハビリを進めたが、それでも何とか普通に生活できるまで取り戻した程度。

それでは困るのだ。

 

 人気のない禁則地近くに木人(かかし)を立てて、かつての武を取り戻す訓練を始める。

三元剣も呪符もシステムとしては使えたが、体がどうにも付いてこない。

倦怠感激しく力が入らず、もはや虚弱と呼ぶべき有様だった。

たまに咳に混じって血が飛び出て来る。特殊な呼吸を多用する武の動きに虚弱化した呼吸器が付いてこれず、どこかが切れでもしたのだろう。

まったくもって忌々しい。

 

 これを、かつての状態に戻すのか。

……いや、それだけでは足りない筈である。せめて師・易公(えきこう)を相手に出来るレベルまで持って行かなくてはならない。

 

大哥(にいさん)はとても必死に訓練してるよね。どうしたの?何をそんなに急いでいるの?」

 

 時々、軒軒(けんけん)羿(げい)の後に付いて回ってきた。

猫弈(みょうえき)の家を掃除したり、木人(かかし)相手に訓練する羿(げい)を眺めたり。

特に三元剣や呪符が繰り広げられる戦闘訓練は、武侠小説を書く軒軒(けんけん)のインスピレーションを大いに刺激するのだろう。

彼を眺めてニコニコしては書き物をしている姿もよく見られた。

 

「……時間は有限だからな。特に、昔出来ていた事が出来なくなっていると、無性にイライラするものだ」

 

 羿(げい)は当たり障りのない言葉で煙に巻いている自分のセリフに、自分で軽く驚いた。

ともすれば、「お前には関係のないことだ」と突き放してすらいた筈なのだが。

 

(動揺している、のか……あの書の内容に)

 

 まさにその思考を振り払うように、木人(かかし)に呪符を叩き込む。

 

 

 


 

 

 

如羿(じょげい)による翻訳文

甲辰年季春丙辰月己卯日

 

 『収穫物』の選定と、『飛天玉座(ひてんぎょくざ)』について考えてみる。

 

 村の像がいわゆる『猿人監視装置』になっているのは理解する。

それで『収穫物』を選定しているという事も。

故にこそ、この猫弈(みょうえき)姉さんの麗しく頭のいい所が目に留まってしまったのだろう。

いやつらい。普通にしていても非凡なとこが滲み出てしまってるのが真につらい。

 

 とはいえ。このシステムはあくまで人工知能による自動制御で完結している筈だ。

そうでなければ監視装置が羿(げい)を見た時点で警報を鳴らしている。

という事は選定に何か、機械的な条件がある筈である。

 

 目的を考えるなら脳の成熟は大前提。

これは年齢ではなく、理論的にかつ社会的に思考ができると言う意味だ。

しかし反抗的な者、村にいなくてはならない者はそのまま残されると言うのはどうだろう。

だから司祭様と神農は随分放って置かれている。

 

 そして2年ごとに収穫3人であるならば、ポコポコ子供を産んでくれる者は随分貴重である筈だ。

ある程度調整はするだろうけど、原則的に収穫を上回るペースで子供が増えないといけないのだから。

 

 となれば、見えて来た条件はこうだ。

『反抗的ではなく、適度に孤立している、脳が成熟した人間』

 

 ……なるほど、私も軒軒(けんけん)も当てはまるな。少々趣味に没頭しすぎたか。

どうせ解ってても辞められなかっただろうが。

 

 そうなると、軒軒(けんけん)の両親についてもどんな人間だったのか考えてしまうな。

あるいは子供を一人しか残さなかったから「もう収穫しちゃってもいいや」みたいな判断がされてたのか?

 

 選ばれたのであれば仕方ない。

目下その時が来たら、せめて痛みもなく安らかに逝きたい。

 

 そこで『飛天玉座(ひてんぎょくざ)』、我ら猿人の頭収穫装置である。

はたから見ていると首をねじ切っているようにしか見えない代物。

 

 ……大丈夫だよね?実際はもうちょっとまともだよね?

 

 脳は数分血液が届かなければ簡単に死んでしまうナマモノだ。

首を切った後でも、脳を維持させるための適切な処理が必要な筈。

それは例えば切り離した直後、速やかに首の動脈からなんか血液に変わるような物を入れたりとか、きっとそういう種類の何か。

そしてそう言う事をやる為には、血管をダメにするような『ねじ切る』処置はご法度の筈。

 

 頼むぞ太陽人。『ねじ切る』のはとても痛そうなんだ。

せめて一瞬で『切断』する感じでお願いします。

 

 

 


 

 

 

 明らかに太陽人側の知識に明るい内容。

そしてそれ以上に、医学や工学にも知識がある事を仄めかしている。

何者だと言う思いは確かにある。

……しかしそれよりも、書の中で語られた一文がヘドロのようにこびりついて離れない。

 

 ……なるほど、私も軒軒(けんけん)も当てはまるな。

 

 彼女の察するように、猿人の収穫については完全なオートメーションが施されている。

人の手を介在させる余地が無いのだ。

ハッキングして対象を指定する事は出来なくはないが、やる意味が無い。

ゆえに、次に選ばれるのが誰なのか、彼女にはわかる筈が無い。

 

 つまり。

 

「予言という訳か……」

 

大哥(にいさん)?」

 

 ここにいればどうせ、月日を重ねれば重ねるほど『選定』される確率は上がる。

しかし自分は、次の『収穫』の時期に合わせて行動を開始する。

……ならば、次の『収穫』の対象でなければ、自分はこれを予言とは認めない。

 

(……認めない?バカバカしい。そもそも予言などとはあり得ない)

 

 まさに詐欺師を鼻で笑うように、羿(げい)は修練に没頭する。

 

 

 

 ―― それは軒軒(けんけん)が『対象』に指定されるより、およそ3か月ほど前の出来事だった。

 

 

 

*1
ひらがな、カタカナ、漢字、英字




 古代中国では口語と漢文はほぼ別物で、漢文には接続詞などはほぼ無く、口語のような喋り方に依存しない、いわゆる無駄をそぎ落とした形態だったそうです。
タオパンクを継承する本作においても概念的な部分はそこからずらすつもりはなく、故に如羿(じょげい)が訳した文章も元のニュアンスを随分()()()したものだったりします。

 しかしそれをそのまま記述すると、あまりに主人公がかっこよくなってしまうので、現代風のフィルターが掛かってる訳です。
だから現物を見ると「っかー!つれーわー!普通にしていても非凡なとこが滲み出ちゃうんだもんなー!いやー、つれーわー!」とか普通に書いてます。

 彼らが猫弈(みょうえき)の本性に気付くのはいつになるやら。




付録・あまりにかっこよすぎる猫弈(みょうえき)の書

司祭奉神託而歸,(司祭、神託を奉じて帰る。)
次祭之期,選我為赴日之國者之一。(次の祭の期に、我を選びて日の国に赴く者の一と為す。)

曰:終至此時矣。(曰く、「ついにこの時に至れり」と。)
雖可拒之,然司祭亦近極矣。(拒むべきもあれど、司祭もまた極に近し。)
或彼已悟,被選者之命,將不復還乎。(あるいは彼、選ばれし者の命、再び帰らざるを悟れるか。)

彼無惡意。(彼に悪意なし。)
徒以制度之不可違,(ただ制度の違え難きを以て、)
願村人得安,故隱苦心而授虛辭。(村人の安きを願い、苦心を隠して虚辞を授く。)
今若逆之,制度不改,徒傷其志耳。(今もしこれに逆らえば、制度改まらず、徒にその志を傷つけんのみ。)

新崑崙之局,已窮矣。(新崑崙の局、すでに窮まれり。)
若終不可免,不若潔身以赴之。(もし終を免れざるならば、潔く身を以て赴くべし。)
況吾隱居之人,死以濟人,(況んや、隠人たる我が、死して人を濟うは、)
猶勝空滅而無跡也。(空しく滅ぶるに勝れり。)

然而,聊為戲耳。(然れども、聊か戯れを為すのみ。)
小小譏諷,豈不可乎。(小さき譏諷、可ならずや。)

未知羿能否取此書而讀之?(いまだ知らず、羿よ、能く此の書を取りて読みうるや。)
彼與軒軒交厚,或其然也。(彼、軒軒と交わり厚く、或いは然るべし。)
願彼多惑,多思。(願わくは、彼多く惑い、多く思え。)
吾將亂筆書之,雜以不可知之事,(我、乱筆して書き、知らるべからざる事を雑え、)
而間置有用之語。(しかも有用の語を間置かん。)
彼知其將亂,然終不能不讀也。(彼、乱るるを知りて、なお読むをやめざるならん。)

惟憂其能否解之耳。(ただその能く解けるかを憂うのみ。)
吾作時意稍渺茫,(我が作るところ、意すこしく渺茫なれども、)
然彼有人工之智,庶幾可成。(彼、人工の智を有す。庶幾(こいねがわく)は成るべし。)

勉之如羿,汝能也。(勉めよ如羿、汝ならば能くすべし。)




 スゴいよね、ChatGPT。
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