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気が付くと、太陽みんな集まって
中心にいる
そして太陽達と言えば、
このタブレットにスピーカーは付いていなかった筈だが、
パキンパキンと防御化力の音と共に、どこか荘厳な音楽が響いている。
その音楽の奥で、
『そろそろ終わりにしよう』
「―― よし、まだ回復も十分残してる! 行けるぞ!!」
「あの赤い攻撃前の鏢投げ区別忘れちゃダメだよ
「大丈夫、もう覚えた! 今度こそ倒せる!!」
《
……。なんか知らないが、大変に盛り上がっている。
背丈が同じ
画面の中で、手足を伸ばした
それを画面内の
何をやっているのか流石にわかった。
……そう言う事なのだとは思うが。
「
「友よ、
……彼は今仇を取ってくれているんだ。わたくしがやったら第2形態にも行けずにボコボコにされてしまったからね……わたくしに」
「……」
しぃー、と小声で囁くように語る
他にも気になる事がある。
タブレットの中に映る石窟内、その一角にどう見ても死んで
……あれは、もしかしなくても自分の死体ではあるまいか。
すると
ライフゲージと思しき表示がこれを受けて回復する。
「……」
どうリアクションすれば良いのか真剣にわからない。
攻撃の合間合間を見つけて、
多彩な
そして
「それは覚えた!!」
気力のような物が渦を巻いて集中し、次の瞬間赤い気を纏って槌を振り下ろす
「は、ちょっ、なんだそれは!? 防御化力じゃないのか!?」
「
「むりょう……?」
「弾きコマンドを溜めて放す奴だよ」
「ためてはなす……???」
ゲームの中の自分が知らない事をしていて宇宙を背負う
そんな彼を置いて戦闘はいよいよ佳境に入る。
終わりが近い焦りからか、
「ああっ、目押し失敗した!?」
「いいとこまで行ったのに今回もダメか!?」
《鏢が来るわよ!?》
「な、なんとおぉーーっ!!!」
挟むように飛来する無数の鏢を前に
リズミカルにパキンパキンとその攻撃を弾いて行く。
そしてすべての攻撃をしのぎ切ると再び跳躍。
電子の世界で呪符を握った
「これで、終わりっ!!」
『ああああーーーッッッ!!』
その呪符の爆砕と共に
太陽3人分の歓声が上がった。
なんか一番リアクションが大きいのが
今の自分に疑問は無いのだろうか。
「やあありがとう! 本当にありがとう!! 我ながらゲームになると、こんなにあちこちふわふわしていやらしいキャラになるとは思いもしなかったよ。とても見事だったよ
「き……キツかったぁ~~……」
「いやあ、俺の
《流石ラスボスって風格よね。私は匙投げたわ。自分相手でも無理だったのに、
何と言うかもう、ものすごく和気あいあいとしていた。
(太陽の姿か、これが……?)
@ @ @
「
「めちゃくちゃ吹っ切れている……!?」
「今まで大変でしかも天道議会? のメンツが緩い話が出来るような人達じゃなかったから。たまには肩の力を抜いた方が良いって言ってさ。
何だかんだで皆、
「……不服だが、まあ納得しておくか」
「
「……そう言えば確か、
やはり
「
「なるほど、そういう……」
やはり実際に戦う訳ではなかったらしい。
うっかり
「ボス戦の前後にさ。会話シーンとあと……
……さっきの今だけど、
あのシーンを見てた本物の
「……」
その
永い時を歩んできて、ようやく終われると目を閉じるそれを、どこか羨望するような顔で。
「姉ちゃんも言ってた。『死は終わりではなく、ひとつの旅立ち』なんだって」
「……ああ。俺の妹も、同じような事を言ってたよ」
「で、その後に『良く分からんけどそんなカンジに言っとくとなんか悟ってる風でカッコええやろ?』って言ってた」
「
相変わらず上げて落とすのが上手い奴だと思う。それしかやらないとも言うが。
「で……思ったんだ。きっと死んじゃうのって、死んじゃう当人よりも
「……!」
「
……自分が死んじゃうだけならもしかしたら、死は旅立ちだとか言って少しは耐えれるかもしれないけどさ。
兄さんや
それは、主人公の死すら前提とする九日 Nine Solsと言うゲームへの抗議でもあった。
このゲームは、死ぬのである。
不死身の体を持つが故に
そして今
太陽だってみな死んで行く。
そして
Trueエンドにおいては
マルチエンディングのゲームを指して、より幸せな方のエンディングをTrueエンドと呼ぶのであれば。
そんなエンドの方が間違いなく
同じ状況にするつもりは欠片もない。
『納得』のできる行く末を探し続ける気持ちは変わっていない。
……しかしそれは、
いやむしろ、最終的に離別しなければならない筈だと
なぜなら。なぜなら、自分は ――
「
それは、離別を前提とした
「実は……俺は悪いやつなんだ。
数百年前、俺たち太陽人は絶滅を免れるため、おまえの一族 ―― 大量の猿人を
お前たちの自由を奪い、無残に殺した……これが
……さらに言えば、全ては俺から始まったと言ってもいい」
「そんなこと、とっくに気付いてたよ」
むすりとしながら
「僕はバカじゃない。
それで、
「……。
ならわかっているはずだ。俺がいなければ、お前たちはまだ
お前のお父さんとお母さんも……
それでも
「ホントのことをいうと、それに気づいたとき、すごく怖いと思った。
でも! 僕と一緒に生活してるのは今の
「それは違う。……なぜなら俺はおそらく、同じ状況になったならば、太陽人の為に同じ選択をするだろうからだ」
それは
そして延命と言う点において、それ以外の選択肢は今になってもなお浮かばない。
だから
同じ状況になったら、同じ道を。科学者であるが故に。
「意味が違うよ
今の
……僕の頭が欲しいなら、何なら今からでも飛天玉座を被って見せようか」
「やめろ!! ……やめてくれ……ッ!」
目を覆って叫ぶ
「でも、言ってることは撤回しないよ。
……それに、そもそも『悪いやつだ』って言うのも違うと思ってる。
僕はね、九日百科で
「……ならわかっている筈だ。俺が、おまえの両親に、そして
演算室を見せてやろうか?
そこにはお前が想像できない程恐ろしい光景が広がっているだろう」
「もう見たよ?」
「なに?」
「
……終わった後に
「
目を覆う理由が別の意味に変わった。
「それにね、
……
最後に残ったのは死んだ恨みよりも、食べ物の恨みの方だった……なんか最期まで姉ちゃんらしいなって思ったよ。
それでも
「……」
「僕らには確かに
でも、飢える事無く今までずっと幸福に生きてこれたのは
実際に恨むかどうかは僕らが決めるんだ。そして僕は姉ちゃんと同じく、恨まない事に決めた。
実際なんでそうなったのかも『納得』しちゃったしね。
……でも、でもね?
残されるのだけは、絶対に嫌だ」
友達は出来た。
だけど、
たとえ、その状況を作ったのが
それは彼と別れる理由になったりはしないのだ。
「もともと同じ状況にするつもりはなかったが……これはどうあがいてもTrueエンドに行くのは無理だな」
「そうなったら船に乗らず、入り口で待っててあげるよ。船は出ちゃってるかもしれないけどね」
やはり
「……いつまでも、
そしてまたひとつ出てきた難題を口にする。
■
……その薬酒が、実は
きちんと酒で、しかも体の調子も良くなるとあっては
制作過程を努めて忘れながら
この薬酒は、例えば毒を口にしたらその毒への特効薬になると言う。
―― そして、ふと思うのである。
「なあ、
「治るぞ」
「猿人が罹るかはわからないが……風邪だの熱だの、ああいうのは毒から来る物ではない筈だ。元になる毒が無いなら、治しようが無いのでは?」
「お前の虚弱は何を飲んで治って行った? 別に対応する毒が無ければいけない訳じゃない。毒が対応していれば特別に効くと言うだけで、何を醸しても風邪のひとつふたつくらいなら一発で治る」
「……つまり、文字通りの万能薬という事か。お前の胃袋は一体どうなっているんだ」
「ふん」
盃の中身をあおって
「……誰か、病気の奴でもいるのか」
「誰かと言うか……お前、九日百科は見てないのか?」
「あいにく『七想記』を読み返すのに忙しい。
……まあ、『射猪英雄伝』もなかなか面白いからまだ許せるが。その後だったら読んでやっても良い」
「読んでやっても良いってお前……あれだけ知りたがってた真実が大体そのまま載ってたぞ? 今のところ、俺の知る限り相違しているところが無かったくらいだ」
「ふん、自分の目で見た以外の真実なんてどれだけ信用できるものかよ」
あまりに当然のように吐き捨てて見せる
流石は疑心暗鬼の
だがしかし、だからと言って武侠小説の後に回すほどとは。
いや、あるいはそんなに面白いのか? 『七想起』。
しかし
コホンと咳を一つ。
「……全員だ。太陽人全員、不治の病に掛かっている。それも致死性のだ」
「全員だと? 感染するのか。……だが、お前も丸いヤツもチビっこいのもそうは見えんが」
「訂正する。
俺は……まさかお前の薬酒を飲んでるから治ったなんて言わないよな? いや、感染している筈だ、まだ……一応後で血液検査してみようとは思うが」
病魔に侵されている筈の体を見下ろし、しかし自覚症状が無かったためちょっとだけ疑心暗鬼に陥りつつも
「潜伏期間は個人差があり、いつ発症するかはわからない。
発症すると体にピンク色の腫瘍がぽつぽつでき始め、やがてそれが成長し、咳や倦怠感、内臓不全を起こしてついには死に至る。そして死んだ後には、極彩色の花が咲くんだ。
どうやって感染するかもわからない。どうやって治療すれば良いのかもわからない。
俺たち太陽人は、この病のために滅びかかってるのさ。
……そしてお前たち猿人は……
俺たち太陽人が病で死ぬまでの時間稼ぎをするために、俺たちに攫われたんだ」
「……? なんで俺たちが時間稼ぎになるんだ? 病気になったのはお前達だろうが」
「それは……お前たち猿人は頭が良いから、適性があったと言うか……
俺達が時間稼ぎをする為に作った機械の維持に、お前たち猿人が適格だったと言うか……」
と言うか、九日百科や
「ふん、思考を誘導しようとしているな……村の連中が良くやる言い方だ。なんで自分を悪く言ってるかは知らんが、その手は食わん」
いつもの疑心暗鬼である。
そうなるのか? いや、本当にそうなってしまうのか……? と
少なくとも、酒を入れながら説明できる内容では無い。話すタイミングを間違えたのも事実だった。
「……まあいいさ。つまりはお前は、俺の薬酒でその病気を治したかった訳だ」
「いや……治るならすごいが、さすがに無理があるだろう。太陽人の英知が集まってなお、数百年間どうにも出来なかった病だ。
これが細菌性だったら一万歩譲ってまだわかるが、ウイルス性だぞ? しかも原因も分からないから対応する毒なんて存在する筈が無いし……」
「良く分からんこと言って煙に巻こうとするんじゃない。死体に花が咲くのだったか? だったらそれを持ってきてくれ、試してやる」
「……いや、おまえを
そう言えば、
流石にそれで行けるような事態にはならないとは思うが、なってしまった場合はどうなるのか本当に想像がつかなかった。
とりあえず、
「治るなら治るで良いだろうに、何を余計な事をぐちぐちと……お前たちは『試す』という事すらも知らないのか」
「……こっちにも色々あるんだ」
そう答えるのがやっとだった。
「それに、おまえは怖くないのか。
「ふん、どんな昔の話をしているんだか。そういう話は、俺がガキの時に飽きる程やった。
……それにな、お前らが持って来たんだぞ? 皮膚すら侵す黄色い水、猛毒を持つ龍の卵、体を乗っ取る寄生虫なんてのもあったか?
その
「……。いや、さすがに黄水に浸したら死滅しそうな気はするが……」
「なら俺の胃の方が強い。当たり前の話だ。
……お前ら悪魔は頭はそりゃあ何百倍も良いかもしれないが、そのせいで余計な事を考え過ぎなんだ」
考え過ぎ。
対する
「……いや確かに真理の一端はあると思うが、さすがにこの話を全面肯定はしたくないぞ……?」
『敬意を払え』にも限度はある。
流石に
@ @ @
「……そう言えば
「ああ? ……そんな事も口にしていたか。忘れろ。もう死んでいるさ……」
「いや、多分生きている。九日百科の自分の項目に目を通しておくと良い。
……心構えくらいは、先にやって置いた方が良いだろうからな」
いつもの酒盛りの離れ際、そんな会話があった。
酔いの回った足取りでふらふらぺたぺた去って行く
『七想記』はまだ読みかけだが、幸いしおりを挟む機能が付いている。
まあ、そんなに言うなら見てやっても良いか……とおもむろにタブレットに手を伸ばし、九日百科の項目に手を滑らせ ――
そして酔いが回った目で細かい文字を見たが為に