なお現在3回目謳歌中。
百万回生きた猫パイセン、パネーっす!冷静に考えてもスコアとんでもねえよな。
九日 Nine Sols やってた時も流石にそんな回数は行ってない筈。All You Need Is Kill は200だったか300だったか、ナツキスバルはスコアどんくらいだ?
最初は
なぜなら生まれた場所も同じ、年も同じ、両親の顔も名前も同じ、そして自分の名前も同じ。
だからこそタイムリープものだと思ったのだ。
―― よし、スマホとバイトが出来る年になったら初任給は家族と飯に行き、次の給料は全額ビットコインに注ぎ込もう。そして得た金と余裕で世のコンテンツに入り浸るのだ。
秒でいかがわしい人生設計を描き、そしてその後はじっくりトロトロこだわり蒸し煮込んだ
ペエは良い物だけどエロスで揉むのと授乳はなんか違うなー性欲がまだないからかなーなどとトンでもない事を考えながら乳房を吸い、物心ついてないからと油断して寝てる隣でおっぱじめる両親のを見てはウッヒョー私ってこんなドスケべ濃厚交尾の末に生まれたんだなカッチャマ腰づかいとトロ顔すっげえエッッッド、そしてトッチャマのすげえエッッッッグ!?とバレたら噴飯物の事を考えては薄目を開けてHsHsするなんとも業の深い乳児期をワリと楽しんで過ごしていた。
寝てますよー?私はちゃんとイイ子に寝てるのでご存分にうまぴょいしてて良いんですよー?ウヒヒ。
あとペエはやっぱ反応ありきなんだな性欲とか関係ねえよやっぱ揉まれて抓まれて艶の有るモンスターしなきゃ、というクソみたいな悟りを得る。
―― そんな生活の中で、ふと気づいた。
自分の手、指が4本だ。
欠指症か?いや、違う。
奇形では無く整った形をしている。奇形の場合、どこかしら形が崩れるものだ。
そして両親の指もまた、整った4本の指をしていた。
……つまり中指と言う概念が無い。中指立てるジェスチャー出来ねえじゃん、すげえこんな事で世界は平和になるんだなと思ったら代わりに薬指を立てるらしい。
4本指は一般的だった。
次に驚いたのは、カッチャマが友達を家に連れて来た時。
「あらあら、この子ったら目を見開いて固まっちゃってるわ」
「やーんかわいーっ!アサミに目元そっくりーっ!
ふふ。ねー、ソラリス見るのハジメテなんだよねー?
ね、ね!抱いてみて良い?
―― ほーら、お姉さん自慢のモフモフだぞー♪パパも大好きだったんだぞうー?」
「ちょっとー、年端も行かない娘にとんでもないカミングアウトするのやめてくれるー?」
その話詳しく。
……ではなく。
そのお姉さんは、猫耳モフモフなケモ娘だったのである。
ケモナー垂涎の夢が今、実体になって私の体をモフモフで包みこ……アッアッアッアッ、モフモフがモフモフでアッアッアッアッ。
これはトッチャマもアッアッアッアッしてしまうに相違ない。
そうかわかったぞ、この人トッチャマの元彼カノだな?で、過程は知らんが最終的に円満にトッチャマはカッチャマと結婚してケモ姉さんとも未だ交友してる。
つまりケモ姉さんはカッチャマと竿姉妹という事か。謎は全て解けた(名推理)
……じゃなくて。
『ソラリス』と言うらしい。
ケモ姉さんの名前ではない。
世にはケモ姉さんみたいな、ぬこぬこもふもふな人種が一定数いて、そういう人たちを『ソラリス』と呼ぶそうだ。
そして私たちのようなケモケモしてないタイプは『エイプス』と呼ぶとか。
またソラリスは基本的に指4つだが、エイプスには4本指か5本指が入り混じっているらしい。
あんまり日常の中に普通にいるものだから、『耳を動かせる人とそうでない人』くらいのノリで社会は普通に受け入れている。
……こいつはちょっと、色々意味が変わって来たぞ??
大まかな歴史とかもどうやら1回目とはチラチラ変わっているようで。あんまりにも興味深過ぎて、今世の私は人類史や歴史に傾倒した。
それはそれとしてビットコインは購入したが。
1回目の人生と同じく、カッチャマがなろう小説時代から『薬屋のひとりごと』にドハマリして、一緒に支援絵描いたり私の呼び方が『まおちゃん』から『まおまお』になったあたりで、さらに別の転機が訪れた。
時に今生においては人類史や歴史への興味、そして
ゆくゆくはそれ系の大学出て、研究者とか言うめっちゃインテリジェンスな職にでもついてみようかしらと朧気ながらに考えていたくらいだ。
1回目の私がそれを知ったら、「お前何か変なもの食べたん?」と真剣に脳みその心配をして来るだろう。バカめ、そいつは私だ!(意味不明)
―― そしてそんなインテリジェンスな学校で、出会ってしまったのである。
それは大学からの出向で、ゲストとして特別講習に来てくれたエラい教授さんと言う触れ込みの、赤い民族装束を纏ったスラリとした『ソラリス』だった。
そのソラリスはたおやかな指でチョークを取ると、黒板に綺麗な字で『截 昌』と書いて自己紹介をした。
「
なまりの無い、とても流暢な日本語。
しかし名前の通り中国系で、民俗学と世界史を専攻していると言う。
そして趣味でタロットなんかもやってるよ、とジョーク交じりに教えてくれた。
―― しかし、私には彼が別の人間の姿に見えた。
「
はたして、その呟きが聞こえたのだろう。
截教授はふと私の方を見ると、目があった後に、とてもとても妖艶に微笑んで見せた。
@ @ @
―― 世には多種多様な人種で溢れているけれど、起源を辿ると大別して二種に分かれるとされる。
今日においてそれは見た目からも顕著で、そこに疑問の余地が挟まる事はない。そう、エイプスとソラリスだね。
DNAによる分析法が確立してから、アメリカの研究で人類の系図が分析された。
それによると、大体20万年前のアフリカにエイプスの『最初の母』がいたと言う。
ミトコンドリア・イブと呼ばれるここからエイプスはまず二つに分かれ、片方は三つに、そしてもう片方は五つに細分化し、合計8つの人種となって世界に散っている。
……あくまで起源の話だから、今ではそこからさらに細分化されてるのは補足させて貰うよ?
一方ソラリスの歴史はこれに比べると随分若い。
遡ると、およそ4700年前に中国の黄河周辺まで迫る事が出来るのだけど、この時には既に9つの人種に分類できたそうだ。
しかしそれだと、9種のソラリスがいきなりスポンと湧いて出てきた事になってしまう。
まあこれは単に現在の技術で辿れたのがあくまで4700年前までであり、それより前の歴史に迫る方法がないだけと言う見方が通説なわけだけど。これがなかなか面白い学術ミステリーになっていて、現在も色んな人たちがソラリスの起源に挑んでいるね。
あ、余談だけど、4本指もこの辺りが起源くさかったりするのだけど、こちらは未だに良くわかっていない事が多くて通説までにすら至っていないんだ。
4指から5指が生まれたりその逆もあったりが普通にあるからね。
両方優性遺伝らしいから親の特徴が出やすいって言うのは解っているのだけど、むしろそのおかげで分析や推論が大変らしいよ。頭が下がってしまうよね。
話を戻そうか。特記すべきとしては、当時の黄河周辺は既に大きな文明が栄えていた点だ。
―― そう、黄河文明だね。技術的な時代としては、大体青銅を扱い始めたあたりかな。
当時の青銅器にはソラリスの絵が見られ、面白い事に彼らは『太陽』と呼ばれていたそうだ。
『ソラリス』の語源……『Solarian』と言う言葉はここから来たものだよ。
この呼称を考えるに、当時エイプスは自分の上の位置にソラリスを置いていたという推測が建てられる。『太陽』信仰は黄河文明のみならず、世界各地で興っていた信仰だ。
しかしながら、黄河文明の皇帝には決まってエイプスが立っていた。
『太陽』と呼ぶほどに自分の上に位置させていたソラリスがしかし、エイプスを纏める立場ではなくその下の位置にいた。
当時の様々な痕跡が示すこの事実は、逆にその関係性を想像できないことがミステリーを生んでいる一因となっているよ。
言っちゃなんだが、人類の歴史なんてものは差別と戦争の連続だ。大航海時代の奴隷戦争とか真っ先に例に上がるよね。
結局力が強い方が優勢を主張するのが世の常。ソラリスの方が上だったのなら、そういう社会になっていた方が自然だ。
けど、ヨーロッパ方面で興った帆船による領地拡大と奴隷獲得の動きが逆勢受けて衰退した時、奴隷にされようとしていた側が逆に相手を奴隷にすると言う時期が地域で多少こそあったものの、最終的にそれが尾を引いて今日に至るまで隷属させ合う、なんて結果にはなっていない。
だから人種入り乱れても我々は相手を普通の人間として尊重し合えている。
……これ、実は人類史最大の不可解な謎と言っても良いぐらい物凄い事なんだよ?
君たちの中にもいたんじゃないかな?小学校とかその辺で、少し知恵遅れがいたり身体に問題があったり暗かったりする子を、イジメたりグループに入れなかったりしてた子が。うん?
……ハハ、何人か目を逸らしたね。
そう言うのが、歴史レベルでは無かったって事なんだ。
いや、この言い方は流石に語弊があるかな。言い直そう。
立場的に弱い地位と言うのは普通にあったけど、それはあくまで生まれにおいて発生したのみで、エイプスやソラリス、ついでに言うなら4指5指でこの立場が決まるようなあまり無かったんだ。
一体それはなぜか?
―― そこについて論じるのは、もはや人類史の域を超えて宗教や哲学、心理学に足を突っ込み始める部分だからここではやらないよ。もちろん持論はあるけどね。
興味がある子がいたらぜひとも討論してみたいところだ。
まあ、やりはしないのだけれど……
これは持論だけどもね?
君たちが将来的に黄河文明やソラリスの、あるいは人類史の編纂に挑むのであれば、きっと今の理由について自分なりの考えを持てるようになって、初めてスタートラインに立ったと言えると思うんだ。
わたくし達が扱っている歴史は、人が様々な思いを胸に紡いできたものだ。
当然そこには感情があった。その感情の先に行動があった。
しかし学術的な理由で論文の中に感情と言う要素を入れる事が許されない学者たちは、その感情に対して『信仰』と言う分野で論じる事でその行動を説明しようとした。
『神よ、我々をお守りください。我々に富と平和を』
『神よ、我々に敵軍を打ち砕く力をお与えください』
『神よ、我が国の命脈を繋ぐ子を授けたまえ……』
……でもね。それは結局、人の感情を指して別の呼び方をしたに過ぎない。
本質は結局、感情から来る保身と欲と繁栄なんだよ。
そしてその果てに歴史があるんだ。
故にこそ、非合理で不確かな感情から目を背けて歴史を見つめれば、それは外見だけ整合性の取れた良くわからない方向にねじ曲がった姿に見えてしまうだろう。
君たちが歴史を見つめる際には、ぜひともその時を生きた人達の感情を、敬意をもって思い描いてみて欲しい。
そうすればもしかしたら、一見整合性のない事柄を前にしても、不思議と腑に落ちるような事があるかもしれないよ。
@ @ @
講義が終わったころになると、私の中の教授は、『
エイプスとソラリスの起源。黄河文明から広がる人種。
大変に興味深く、大変に面白い講義内容だったと思う。
思わず進路は教授のいる大学を選択しようかと考えてしまうほどには。
そんな状態だったものだから、完全に油断していたのだ。
「――
そしてかつての名前で呼ばれて反応してしまったのが、彼にとって確信となったのだろうと気付いた。
振り向けば、果たしてそのソラリスの教授はにっこり微笑みながら「少し、お話ししようか」と声を掛けてきた。
開いた双眸の中に見える瞳孔の白い瞳が、まるで見透かすように私を見つめ続けている。
@ @ @
「―― 仏教には転生輪廻と言う概念があるけれど、まさか2回目があるだなんてね。わたくしもビックリだよ」
教授……
その動きに淀みがない。とても流麗なイケメンムーブだ。いっそ後光が差して見える。
なんかもう、てぇてぇ過ぎて前が見えない。
「あ……あの……ほ、ほんとに
「そうだとも。大股開いて手を後ろに回して舌を出したレリーフを公然としている、なんか頼んだら優しくそれでいて妖艶にリードしてくれそうな君の知る
「その節はたいっへん申し訳ございませんでしたーーーッッッ!!!」
ソッコーでゲザる私を見ながら、
「……ずっと会ってみたかったんだ。まさか本当に会える日が来るとは思わなかったけどね。
カミサマがいるとするなら、なかなか粋なマネをなさると感動しているよ」
「あ、あの……つまり、えと、
「いいや?わたくしは普通に、今まで生きて来たんだよ」
普通に
あまりにも軽く述べられたその言葉に、先ほどの授業で出た途方もない数字が頭の中に反芻される。
―― 4700年前。
勿論端数はあるだろうが、そんなものは誤差だ。
教授が軽く笑う。
「ま、途中途中で適当に
「え、時間……え?」
「―― そうそう、今生の名前を聞いておこうか。愛称みたいに
今生に『マオ』の音はあったかい?
「あ、教授も『薬屋のひとりごと』読むんですね。おかげで今私それで呼ばれてます。
えっと ――
――
@ @ @
三界計画の一角、
タチが悪かったのは、転がった先でも
「―― このタイミングで来るか、
以前おまえがここに来た時、私はそれを『最高のお膳立てだった』と評したが……こうなると逆に不安になってしまうな。
……私たちの動きに感付き、止めに来たか」
《いいえ、
既にそれは終わってしまっていたと、一目でわかったから。
「何をやっている……何をやっているお前らッッッ!?!?!?」
天人エリアや天道研究センターでさんざん相手にしてきたような、全身が白くピンク色の腫瘍が脈動する、あの変異体へと。
しかし
そしてその前には、大きな容器の中に浮かぶ、通常の5倍ほどには肥大したと思えるようなピンク色の脳があった。
同じ色の細い触手に覆われ、そのいくつかがケーブルのように容器の各所についた端子に接続されている。
―― 一目でわかった。
これは、
《
ホログラムの中で佇む
《永生炉のバージョンアップを考えた時、演算に使っている脳を変異体のそれに出来れば、劣化も無く拡張も可能で理想的な永生炉を構築する事が出来ると。
……変異体に知能の低下がみられても、脳機能が収縮する訳じゃない。そして全身が万能細胞となった影響なのかしら、脳細胞以外の細胞が脳に侵食したことによって知能低下が引き起こされる事を
故にこそ、脳しか残っていなかった私を脳のみの変異体と化する事が出来れば、すべての前提がひっくり返る……!!》
「だからって!!」
《私自身が決めた事よ、
……貴方の計画した
だからこそ、あなたの計画は他の知見にも転用可能な、優秀なダミーとして働いたわ》
そこまで語ると、
《―― 意外だったのは、この結果ね。私は『脳の変異体』を作る上での実証サンプルとして、モルモットとして誰にも言う事なく消える予定だったわ。ただの礎となるだけの予定だった。
失敗が前提だったのよ。
だって1年よ?時間が無さすぎる。
……本当にうっかり成功させて魅せるんだもの
「フッ……知らなかったか?私は不可能と言われた分野をいくつか開拓してきた女だよ」
《私の専門分野の筈だったのに、1年で追い抜かされちゃったわねえ……最早嫉妬すら出てこないわ》
青い顔をしながら絶句している
言葉の先は、
「……
天禍研究所のホログラムモニタを使って、
《……申し訳ございません、
命の使い方は自分で選びたい。しかしきっと
「……いつからだ」
《件の十王会議後、2回目の進捗共有があった後です》
「あんな前から……!」
まるでいつかの焼き増しだった。自分だけ蚊帳の外に置かれ、自分の望まなかった事柄が進んでいたあの時と。
しかしあの時の事は幻想だったが、今回は本当に計画外に置かれていた。
「ひどいよ
《……ごめんなさい
「……勝手な奴だ。こんな事、誰も望んでなかった!」
《そうね、その通りよ。……だから罰が当たったのかしらね、この結果は。結局
《1年そこらで終わる命だったけど、これでそれも無くなったわ。本当の意味で永生炉完成ね。
……でもなぜかしらね。誇れる偉業って奴なのかもしれないけど、何の感慨浮かんでこないのよ》
「同感だな。あれほど生命の
なぜかそんな気が全く起きない。
……正直言うと、後ろめたさの方が先に来てしまってな」
「―― すまなかったな、
《―― ごめんなさい、
二人そろって頭を下げる。
その姿を見て、
激高そのままに、なんなら持ってきた
そして絞り出すように、これだけ口にした。
「……もう、お前らには
@ @ @
「じゃ……じゃあ……
「永世炉の管理をやっている筈だね。今となっては確認する方法はない……と思ってたけど。
地球の技術が発達した昨今、あるいは電波通信で新
その気になれば連絡できるかもよ?」
「え……? 新
「わたくし達が地球に渡った時には、メインベルト付近に移動する事が決まっていたよ。
鉱物資材が豊富だし、小惑星の陰に行く事で古木樹が吸収する光の量も調節できる。地球からも隠れられる。
あそこは随分都合の良い場所なんだ。
4700年間なにも無かったとは思わないから現状は解らないけど、まだそこにいる可能性はあるんじゃないかな。
ただ、知ってるかな? 3年くらい前にNASAがこのメインベルト最大の小惑星……じゃなくて準惑星か。準惑星『ケレス』の周回軌道上に探査機を送り込んで調査をしたって有名になったんだけどね。*1
ドーン号の取った写真に謎の白い点があったって話題になった事があったんだ」
「あー、なんかネットニュースで見たような……すわ、宇宙人が居た証明だとかなんとかで祭りになってたような気が……」
「あれね、たぶん新
確か炭素有機物や水資源の有効な採掘対象として
件の白い点は地下のナトリウム類が地表に出て固まってた物と言う見方になってるんだけど、実際のところは地下資源採掘の為に地表破砕した跡に流れ込んだものがあんな感じで写真に収められたんじゃないかなと」
「マジすか。……え、マジすか!? 人類ニアミスしてた!?!?」
「そのうち第3種接近遭遇*2なんて事になりそうだよね。
で、コンタクトした人がソラリスと同じ姿なんてしちゃってたら……ねえ、どうなると思う?どうなっちゃうと思う?
今日話した起源の話にとんでもない事実が打ち込まれちゃうんだよ。
フフフ、わたくしは実のところ、その日が来るのをかなり楽しみにしてるんだ!
この分だと実はその日はそう遠くないんじゃないかと思っててね……新
……そう言えばマオ君は2025年から来たんだったね。あと7年か。
もしかしてそれっぽい話は履修済みかな?」
「いやー、私の記憶にあるそれ系の大騒ぎと言えば、はやぶさ帰還が印象残ってるくらいですねえ。あとは火星探査機の何だっけ……ううん名前が出てこない。
それくらいですね。すでに消化済みのイベントです。
……って言うか、自慢の卦は如何したんですか? そう言えばタロットやるんですって? 鞍替えです?」
「大昔に喧嘩別れしたよ。今わたくしが卦を立てるとね……新
卦の方もわたくしにそっぽを向いてしまったらしいよ、フフ。
タロットは良いね。見えすぎないし適当に曖昧で適当に当たる。あと、水晶玉よりも持ち運びやすく、分かりやすく、
……占いなんてのはね、当たり過ぎちゃあダメなんだよ。人生が色褪せるし占い中心の人生になってしまう。
酒やたばこと同じさ、適当が良いんだ。わたくしの長年の経験側だね。
―― ほら、適当に引いてごらん」
「おおお……タロットカードだ、モノホン初めて見た。
ええと、それじゃあ……これを」
「―― 『運命の輪』の正位置。
『出会い』や『再会』の暗示だ。中々良いカードを引いたね。
……ああと、わたくしとした事が不覚を取ってしまった。
わたくしはもう、今日はこの後空いているけれど、君は講義があるだろう?
少しお話と言いながら随分話し込んでしまった……かなり遅刻させてしまったのでは」
「本望! ……あ、お気になさらず。あとの講義はサボりますんで」
「アララ、悪い子だ。……そうか、それならその空いた時間をわたくしに貰えないだろうか?
『出会い』や『再会』か……フフ、占いを当てに行こうじゃないか」
「え?」
「―― 会いたくないかい?
@ @ @
古木樹『
太陽光を吸収しエネルギーとする古木樹が太陽と地球の間に入った事で、地球上の気温が急激に減少した。
面白い事に、2004年12月12日にオハイオ州立大学が発表したニュースリリース「Major Climate Change Occurred 5,200 Years Ago: Evidence Suggests That History Could Repeat Itself」の中で、ロン・トンプソン氏がこの研究に触れている。
曰く、7000年間にわたるアイルランドとイングランドの年輪の研究を指摘し、年輪が最も狭い時期(最も乾燥し寒冷だった期間を示唆)が約5200年前であったと述べているそうだ。
いくつかの研究では、この気候変動は「短期間で急激に始まった」とされていて、その影響は数百年から数千年にわたって持続したと考えられている。
―― 実際は500年に渡った新
三界計画における
地球移住を選択した太陽は
例え元能エネルギーの使用を封じられていたとしても、生存圏を確保する事はそこまで難しい事ではなかったのである。
そこにさらに医療チートである
人手も一定数あった。
新
とくに後者は、太陽人総数の1/20程であったが、それでも一定数は
当初は太陽人にへりくだっていた猿人たちも、一緒に過ごせば人となりもわかってくる。
自分が上と気が大きくなっていたり猿人とみて隔意を持っていた太陽人たちも、それより上であった十王たちが猿人たちに敬意を向けていれば、自分たちを顧みる程度の『恥』や『矜持』を持ち合わせる者達ばかりだった。
あるいは『永生炉から起きる選択をしたもの』の精神性は、そう言う傾向になり易かったのかもしれない。
そしてそれでも起こるあれやこれらを、我らが天下無敵の
なによりこれが大きかった。
人々が自分より若く、精力的に働き、そして分け隔てなく敬意を向ける
過酷な土地を開拓していくことによる一体感も後押しし、自然と不義に走るような者たちは自制するようになった。
『ぼくのかんがえたさいきょうのコロニー』の完成である。
諸葛亮でさえ相対すれば頭を抱えるだろう。
あんまりうまく回るものだから、しばらくするとたまに雑談で挙がる『天道議会十王に
そして寒冷期の爪跡が残る世界を着実に開拓していくそのコロニーは、必然、か細く生きる土着の者達の縋る声をも集めて行った。
―― そしてコロニーは、やがて『国』へと変わって行く。
「……助けて!! 助けて
愛弟の悲鳴に等しい懇願を聞いて、
「―― 後の『黄帝』である」
「ちょっと!?!?」
初手による兄の裏切りだった。
ちなみに九日 Nine Sols における
彼は三皇(
もちろん、九日百科により
「いやだってお前……ここまでくると「そりゃそーだろーよ」くらいしか出てこないぞ?」
つまり、天下無敵の
「新
三皇だってほら、伝説になるとしたら絶対メンバー変わってるし!
「まあ……こいつホントに百草舐めたからな」
「毒が足らなかったんだ。仕方ないだろうが」
中国の伝説において、
目的は全く逆であったが、
ちなみにもちろん、この事も全員履修済みである。
「って言うか、
「逆にお前、なんでそこで「なんで?」が出てくるの??」
「後の『黄帝』である」
「やめてってば!!」
―― 完膚なきまでの満場一致であったそうな。
何ならもう、既に王様みたいな位置にいないか? とまで言われたらしい。
そしてしばし立つと、
「暮らしが楽になってない人、生きて行くのすら難しい人が、この国の外にたくさんいる。だからいまだにこの国に助けを求めに来る人が後を絶たない。
だけど、この土地だって無限に人を受け入れられるわけじゃない。人が多くなればイザコザも多くなる。どこかしら無理が出始めちゃうし、そんなの全然健全じゃない。
……だからさ、国の外の人達に教えてあげようよ。
生きて行く術を。便利になる技術を。より効果的な農耕を。
この国は豊かになったよ。
だから、今ならそれが出来ると思うんだ」
「――
「……逃げ切れると良いな。王様から」
「逃げきって見せるさ……!」
本音はまあ、少々情けない物ではあったようだが。
この辺りから、黄河周辺で留まっていた太陽人たちや猿人たちが、世界中に散って行くようになる。
元より一か所に集中するより広く開拓の手を伸ばしていくこと自体は太陽の面々自体も賛成であり、
特に
この国で得たノウハウを旨に、しっかり国を興して見せたようだ。
晩年、
次々と新種を生み出し、されどなお満足せずに農耕を続ける彼女の姿は、人々から見たらさぞ徳の高い天女にも見えただろう。実際飛べるし。
その作物は国の大きな輸出元となり、彼女に師事する弟子たちも相当数に上った。
三皇における農耕の神の誕生である。
旅の最中に出っ張った腹も引っ込んでいき、最終的に『丸いおじさん』では無くなっていたのは特筆すべきだろうか。
贅肉が筋肉に置換された姿は、元ネタである巨人とも解釈出来そうな体躯に変わった。
それでも甘いものは好きだったし、旅の最中でキャッサバ芋を発見し真のタピオカミルクティーを作れた際はこれ以上なく喜んでいたそうな。
世界各地を渡り生きる術を教えて回るその姿はまさに救世主。
王様らしい業務はなかったものの、持ち前の聡明さや人当たりの良さはそのままカリスマに変わり、王様を飛び越えて神様扱いされるところまで吹っ飛んだ。
頭を抱える彼を指して「そりゃそーだろーよ」とは
ともすれば西のイエス=キリストに対して東の
―― そして、
「……時代が流れて行く。わたくしを置いたままにして。
みんな、
墓に花を添えながら、
「―― 生き飽きたか? 俺は約束を覚えてるぞ。ずっと覚えてる。
お前が
たくさん見送った。
そのたびに涙し、絶望し、そして諦めた。
ただ流されるように時代の流れを漂い、そしてそのたび心が削れて行く。
―― でも。
隣でそう言ってくる友にフッと笑いかけた。
「……そして、その時が来るまで君は、そばに居てくれるのだろう?」
「そのつもりだが……言い方」
「アハハハ」
一人ぼっちになる悲壮感は、今の
共に歩んでくれる羿がいる。それだけで、彼の明日は光の差すものになっていた。
だから。
「―― 今のわたくしに未来は見えない。それは、こんなにも素晴らしい事なんだと実感しているよ。
だから、もう少し生きてみようと思う。
……先に君の方が生き飽きてしまったらごめんね。それでも容赦なく約束は守って貰うからね。フフフ」
「既にスコアが俺の10倍どころではない奴がそれを言うのか?……そんな事になったら、俺はただの情けない奴になってしまうだろうが。
安心しろ。俺も共に生きてやるさ」
「それに……フフフ。ここまで来たら、いっそ見てみたいと思わないかい?
―― 『ジョジョの奇妙な冒険』」
「マジかお前」
@ @ @
―― 長い長い
しかし不思議と、生き飽きるという事は無かった。
先の見えないドラマがあった。
戦争があった。挫折があった。誕生があった。発展があった。
喜びがあった。悲しみがあった。学びがあった。変節があった。
それこそ、まさに人生だった。
時代を流れるにあたり、永遠の命が知れ渡ると困る二人は、いくつかの名を持つようになる。
その時、
そして名には、時代とともに過ぎ去っていった、出会った人々の名をそっと貰う。
表舞台で大暴れする事も度々あった。
それによって歴史の
その度に、だいたい
修行の果てに無極の地に至り、この地を経由して時をスキップする方法を覚えてからは*3、本当に時の旅人と言った渡り方をしていた。
時代スキップ先で活用するために隠していた財産が、スキップ先で発見されていて『○○の埋蔵金を発見!』みたいな扱いをされていてチベスナ顔になってしまうこともしばしば。
まあ振り返ってみれば、なんだかんだ楽しかったなと
そして、さらに
@ @ @
そこは、築わりと古めな4LDKの一軒家だった。
しかしDIYで手が入りまくり、設備は中々先端を行っていたりする。具体的には普通に光回線だったりPCも高性能だったりする。
二部屋は寝室兼プライベート空間、もう二部屋が各々の作業部屋だったり書庫だったり。二人で使うにはなかなか贅沢な使い方をしているが、デッドスペースはほとんどなく極限まで使い倒しているのが見て取れる。
フルタワーどころかパーツのいくつかすらも自作した自慢のPCを駆使し、モニタに向かって彼がやってるのは人気でプレイだけは無料のFPSゲームだ。
スキンとか別に不要なのだが、立場上いろいろデコらないといけないのが小さな不満点である。
「―― 176入った、詰めるぞ!! ウルト頼む、GO GO GO!!
……これもう1パ来るか? こっち一人やった! ……ウソだろヤバいクレ頭に食らった!?
すまん、多分もう1パ来そうなんだが起こせるか!? ー― おいちょっと待てそれはおかしいだろこいつチートじゃないのか!?!?」
――
と言ってもそこまでゴリゴリなプロをやってる訳ではなく、今はオフの日に仲間と一緒にFPSをしつつチートにぶつかりパーティーごと轢き潰された状況らしかった。
「……いや違うなチートじゃない。ウソだろこいつ、なんで室内乱戦でクレ振り回してヘッショキメまくってんの?? でもオートエイムの動きじゃないし……え、化け物??」
訂正、化け物にぶつかり轢き潰された模様。
ふとしたトークの中に深い薀蓄や見て来たかのような詳しい歴史発言があったりして、リスナーからは「先生」の愛称で親しまれている。
ちなみにゲームの腕は上の下あたりらしい。月日が経っても変わらない反射神経と状況判断力でプレイスキルをどうにかカバーするのが彼のスタイルである。
「……うん? インターホンが鳴ったな。丁度いいのでこの辺りで離脱する。お疲れ様、どうもありがとう」
こういうセリフがさらっと出てくるあたり、もはや昔の
いや、そもそも4700年も経って成長もしてなかったら逆に残念過ぎる話ではあるのだが、本人としては自分を戒める為とリスペクトの意味を込めて『
「……さて
《いいえ、
「客?」
電子制御の時代に入り、本来のエンジニアとしての技術を呼び覚まして組み上げた新たなAI、
ホログラムモニタは無く、演算力もかつての
ChatGPTは2022年なので4年先取りした、それよりもはるかに高性能な代物だ。
玄関を開けると、そこには満面の笑みを浮かべた
「やあやあただいま! なんか
「うああ
二人して騒いでるのを見て、硬直する事たっぷり10秒。
いきなりの事ながらもこれまでの経験で『事実は小説よりも奇なり』をよく理解していた
「あー……メリケンサック取って来るからちょっと待っててくれ」
『運命の輪』……出会いと再開の暗示。
猫に引っ掻き回されて、それでも足跡を辿っていた時代の流れが今日、あしあとの持ち主に追いついた。
そんな話。
@ @ @
余談だがここから十数年、世界はパラダイムシフトとして宇宙人とのコンタクトを経験する事になる。
それと時期を同じくして、
その内容がこれまたひどい。
ハンス=ルーデルよろしく、アンサイクロペディアではなくWikipediaに嘘みたいなことを書かせた人物としてある種の伝説を確立した。
―― 曰く、初手で宇宙人のおっぱいを揉んだ女。
時間の流れが無意味なので過去の偉人に出会ったりする。
永い時をここで過ごすとこの地から抜け出せなくなってしまうが、この地をただの経由点に使うのであれば特に影響はないという理屈である。
ゲームの描写を考えると古木樹を介さないと行けなさそうな解釈が出来なくもないが、その点については目を逸らす事によってこの問題を解決した。
これで猫のあしあと完結です。1年間弱、どうもありがとうございました。
ちなみに
―― つまり封神演義でおなじみの『
この歴史では太公望が実は
殷周易姓革命では
そりゃ『封神演義』もファンタジックな内容になるよね。
現代の
『群書考索古今事文玉屑』においては、7年幽閉された父を訪ねて殷に赴き、紂王と囲碁を打ったが、その態度が無礼として処刑され
『封神演義』においてはハンバーグにされているエピソードが有名。
聡明で琴と碁に優れ、人を立てる人間性がどこか
この時点では姫氏一族ぐるみで付き合いがあった訳ではないですが、のちに
伯邑考から
絶対大きな戦争になるのが解りきっていたのに
……と、何なら『封神演義』編で一本書けそうなネタはあったんですが深掘りしたり広げたりできる気がしなかったので設定だけ置いておきます。